アサド大統領はベネズエラのTVインタビューに応じる「イスラエルはシリアの混乱においてさまざまな役割を果たしてきた」(2017年4月27日)

アサド大統領はベネズエラのテレスール・TVの単独インタビューに応じた。

インタビューは通訳を介して行われ、アサド大統領はアラビア語で記者のスペイン語での質問に答えた。

インタビューの映像はSANAがユーチューブ(https://youtu.be/i1481K19BXY)を通じて配信、HPでアラビア語全文(http://www.sana.sy/?p=546242)、英語全訳(http://sana.sy/en/?p=105108)を公開した。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

SANA, April 27, 2017

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「過去数年にわたりテロリストは化学兵器を何度もシリア国内の複数の地域で使用してきた。我々は化学兵器禁止機関(OPCW)に事件を調査するための特別チームの派遣を要請してきたが、その都度、米国はこれを妨害してきた…。ハーン・シャイフーン市での化学兵器使用疑惑でも我々は調査を要請した。しかし米国とその同盟諸国はOPCWが(派遣の)決定を下すことを妨害した…。我々は今でも調査を求め続けている。我々はロシアやイランといった同盟諸国とともにOPCWを説得して調査チームを派遣してもらおうとしている…。なぜなら、そうしなければ、米国は偽の化学兵器をシリアの別の場所で使うという嘘の芝居を繰り返し、テロリストを支援するための軍事介入を正当化するかもしれないからだ」。

「米国で政治家になりたいのであれば、本物の嘘つきにならなければならない。これが米国の政治家の特徴だ…。だから、我々は国防総省など米国の機関を信じるべきではない」。

「我々は既にイスラエルとの戦争状態にある…。だからそのようなシステム(ミサイル防空システム)を持つのは当然だ。しかし、テロリストは、イスラエル、米国、トルコ、カタール、サウジアラビアの機関と連携し、その一部を破壊した。ロシアと交渉してこのシステムを強化しようとするのも当然なのだ」。

「イスラエルはさまざまなかたちで(現下の混乱において)役割を果たしてきた。まず、航空機、大砲、ミサイルなどでシリア軍の拠点を狙うといった直接の攻撃だ。第2に、二つの方法、すなわち武器の直接供与、そして兵站支援を通じたテロリストの支援だ…。イスラエルは彼らに対して病院で医療支援も行っている」。

「米国大統領(ドナルド・トランプ)には政策はない。諜報機関、国防総省、武器・石油企業、金融機関、そして一部ロビー…のコントロール下にある機関が策定した複数の政策があるだけだ…。米大統領はこれらを単に遂行するだけだ…。だから、米国大統領の外交政策を評価するというのは時間の無駄だし、非現実的だ。彼は何かするかもしれないが、それはこうした機関が彼に指図したことをするだけだ」。

「米国は常に世界中のすべての国を支配しようとしている…。すべての国が米国の衛星国なるべきだと考えている。シリア、北朝鮮、イラン、ロシア、そしておそらくヴェネズエラで起きていることはそれが理由だ。米国は世界に覇権を再び及ぼそうと狙っている」。

「ロシアと中国はその政治行動、政治姿勢においてすぐれた協力を行っている。両国の視座は似ている…。米国とその同盟諸国はシリアにおけるテロリストの役割を正当化しようと国連安保理をたびたび利用しようとした…。ロシアと中国が連携しているのはそのためで、中国の役割は、ロシアと同様こうした点にその本質がある…。テロリストのなかには、トルコ経由でシリアに入っている中国人もいる。こうしたテロリストは我々シリアにとって脅威であるだけでなく、中国にも脅威となる。中国はテロが世界中を移動し…、中国籍であれそれ以外の国籍であれテロリストが中国に来るかも知れないということを知っている…。我々は今中国と安全保障面で協力を行っている」。

「(有志連合に参加する86カ国がシリアの復興プロセスに参加するかとの問いに対して)もちろん、ない。これらの国は何よりもまず、シリアを復興する意思を持っていない。ただこれらの国の企業のなかには、シリアでの復興が軌道に乗れば…、カネ稼ぎのためシリア復興に参加するかもしれない…。しかし、シリア国民はこうしたことは受け入れないだろう」。

「西側の見方では、あなた(記者)は悪魔と同席していることになる…。しかし、これはどの国、政府、個人であっても西側の国益に従わなければ同じことだ…。彼らは「この悪魔は善良な国民を殺している」と言い立てる。それでもいいだろう。だが、この悪魔が善良な国民を殺しているのなら、なぜ国民は6年も悪魔を支持してきたのか…? あり得ない話しだ。こうした物言いは矛盾した西側の主張に過ぎない」。


AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュがヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ(ダマスカス県)で籠城を続けるシャーム解放機構への攻勢を強める(2017年4月27日)

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(4月27日付)によると、県南部のヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ西部のシャーム解放機構支配地域に対してでダーイシュ(イスラーム国)が三方から激しい攻撃を加えた。

同地にはシャーム解放機構戦闘員約200人が籠城を続けており、また60~70世帯が退去できずにいるという。

ARA News, April 27, 2017

 

AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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イスラエル軍はダマスカス国際空港近くのヒズブッラーの武器庫と思われる施設を越境爆撃(2017年4月27日)

SANA(4月27日付)は、シリア軍消息筋の話として、イスラエル軍が早朝、ダマスカス郊外県のダマスカス国際空港南西部にあるシリア軍の拠点複数カ所に対して越境空爆を行い、ミサイル複数発を発射し、同地で爆発が発生、施設の一部が被害を受けたと伝えた。

イスラエル軍は、3月17日(ヒムス県)、4月21日(クナイトラ県)にもシリア領内で空爆を実施しているほか、23日には越境砲撃(クナイトラ県)、25日には戦車3輌の侵入(クナイトラ県)など、領土・領空侵犯を頻発化させている。

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これに関して、マナール・チャンネル(4月26日付)は、空爆による死傷者はなく、空爆による爆発は燃料倉庫、貯蔵施設で起きたと伝えた。

ロイター通信(4月26日付)も複数の反体制消息筋の話として、空爆によりイランの支援を受ける武装集団の武器弾薬庫が破壊されたと伝えた。

一方、『ハヤート』(4月28日付)が複数の反体制武装集団筋の話として伝えたところによると、爆撃を受けたのはヒズブッラーが管理する武器庫だという。

AP, April 28, 2017

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米国を訪問中のイスラエルのイスラエル・カッツ情報活動大臣は、イスラエル軍のラジオ放送を通じて「シリアで起きたこと(越境空爆)は、イランがシリアを経由してヒズブッラーに最新鋭の兵器を密輸するのを阻止するために行動するというイスラエルの政策に完全に合致していると明言できる。我々はヒズブッラーへの高性能兵器移転の意思を示す情報を得ればいつでも対抗措置をとる」と述べた。

しかし、イスラエル軍報道官はこの空爆へのコメントを避けた。

AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Qanat al-Manar, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍はアレッポ県、ハサカ県、ラッカ県のロジャヴァ支配地域を砲撃、YPGと交戦(2017年4月27日)

アレッポ県では、ARA News(4月27日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市郊外では、トルコ軍がバニーラーク村、マイダーン・アクバス村一帯を砲撃した。

これに対して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は応戦し、トルコ軍の装甲車1輌を破壊、兵士17人を殺害、3人を負傷させたという。

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ハサカ県では、ARA News(4月27日付)、SANA(4月27日付)によると、トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるラアス・アイン市郊外のアルーク村、ハラフ丘一帯を砲撃し、アルーク村の揚水施設が破壊され、利用不能となった。

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ラッカ県では、ARA News(4月27日付)によると、トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるタッル・アブヤド市近郊のスーサク村、タッルファンダル村、カリー・スール村を砲撃した。

これに対して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が応戦し、トルコ軍の装甲車1輌、レーダー装置を破壊したという。

ARA News, April 27, 2017

 

AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は米国がトルコ軍の越境爆撃・攻撃への対抗措置をとらなければ、ダーイシュとの戦いを中止し、ラッカ県から撤退すると警告(2017年4月27日)

ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)が伝えたところによると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のナスリーン・アブドゥッラー報道官は、25日のシリア・イラク領内での人民防衛隊やクルディスタン労働者党(PKK)の拠点を狙った越境空爆など、トルコ軍がシリア領内で人民防衛隊やシリア民主軍所属組織への攻撃を強めていることに関して、米国がこうした攻撃に対して具体的な対抗策を講じなければ、ラッカ市孤立化を目的とする「ユーフラテスの怒り」作戦を中止し、ラッカ県から撤退すると述べた。

AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部、ダイル・ザウル市一帯でダーイシュとの戦闘を続ける(2017年4月27日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタイフール航空基地近郊の放棄された大隊基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月27日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部の墓地地区、第137連隊基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。


AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュとの戦闘の末タブカ市(ラッカ県)の2地区を制圧(2017年4月27日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(4月27日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がタブカ市内でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続け、市内のワフバ地区とイザーア地区を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、ハズィーマ村で地雷が爆発し、一家3人が死亡、1人が負傷した。

AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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ロシア軍はイドリブ県のダイル・シャルキー大学病院、マアッルズィーター村医療センターを爆撃(2017年4月27日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月27日付)によると、ロシア軍戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市郊外にあるダイル・シャルキー大学病院、マアッルズィーター村近郊の医療センターを空爆し、11人が死亡、医療施設が被害を受けた。

また、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハーン・シャイフーン市一帯、マアッルズィーター村、ラカーヤー村、シャイフ・ムスタファー村、カンスフラ村、バーラ村、ダイル・シャルキー村を空爆し、子供2人と女性1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がマサースィナ村一帯でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(4月27日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに県北部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(4月27日付)によると、シリア軍がキースィーン村でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イスラーム軍がフーシュ・ダワーヒラ村一帯でシリア軍、親政権武装勢力の拠点を攻撃し、ヨーグルト工場と周辺の建物群および農場地帯にあるシリア軍拠点複数カ所を制圧した。

これに対して、シリア軍はハラスター市、ウーターヤー町に対して砲撃を加えた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカーブーン区を地対地ミサイルと思われる砲弾で砲撃し、1人が死亡、複数が負傷した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、アシュハイブ丘一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(4月27日付)によると、シリア軍が県東部のサーキヤ村、ラジャム・ダウラ村、飼料センターの反体制武装集団拠点に対して砲撃を加えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団、ARA News(4月27日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市南部郊外のウワイジル村を空爆し、2人が死亡、また同市西部のザフラー協会地区でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダルアー市ダルアー・バラド地区を10回にわたって空爆した。

一方、SANA(4月27日付)によると、シリア軍がダルアー市難民キャンプ地区、アッバースィーヤ地区、ミスリー交差点、カラク地区、ダム街道地区でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, April 27, 2017、AP, April 27, 2017、ARA News, April 27, 2017、Champress, April 27, 2017、al-Hayat, April 28, 2017、Kull-na Shuraka’, April 27, 2017、al-Mada Press, April 27, 2017、Naharnet, April 27, 2017、NNA, April 27, 2017、Reuters, April 27, 2017、SANA, April 27, 2017、UPI, April 27, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4月26日、ラッカ県、ダイル・ザウル県で15回の爆撃を実施(2017年4月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月26日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して29回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は15回で、ブーカマール市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(6回)、ラッカ市近郊(4回)、タブカ市近郊(4回)で実施された。

CENTCOM, April 27, 2017をもとに作成。

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