米軍に続いてフランス軍もマンビジュ市(アレッポ県)のロジャヴァ支配地域内に基地新設(2018年4月4日)

『ハヤート』(4月5日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会に近い複数の消息筋の話として、フランス軍の複数の車輌が、マンビジュ市北西部にある軍事基地に入ったと伝えた。

フランス軍は近く、米軍に続いて同地に新たな軍事基地を設置するという。

また、シリア民主軍は、米軍の車列に対して、マンビジュ市東部のユーフラテス川に架かるカッラ・クーザーク橋街道を経由して、ラッカ県内に入ることを許可したと発表した。

一方、『ハヤート』によると、英国の野党労働党の議員団(モーリス・グラスマン議員ら)が西クルディスタン移行期民政局支配地域を視察し、ハサカ県カーミシュリー市で、西クルディスタン移行期民政局への長期的支援の意思を表明した。

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領「ダーイシュはシリアで依然として脅威だ」(2018年4月4日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、モスクワ国際安全保障大会に宛てた祝電で、「ダーイシュ(イスラーム国)は軍事的に敗北したにもかかわらず、シリアで依然として脅威だ」と述べた。

インターファクス通信(4月4日付)やロイター通信(4月4日付)などによると、プーチン大統領は「ダーイシュはシリアで敗北した。だが、依然として破壊力を維持しており、世界中の国々を攻撃できる…。彼らの軍事的状況にもかかわらず、このテロ集団は大きな破壊力を維持しているのは明白で、その手法を素早く変更し、世界中の国々や地域を攻撃できる」と述べた。

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一方、大会に出席したセルゲイ・ショイグ国防大臣は、ロシアとイラン、そして有志連合の取り組みによってダーイシュ(イスラーム国)が弱体化したと評価しつつも、「(米主導の)有志連合のような協力なグループがテロリストに対処できないなどということを信用するのは難しい…。有志連合は、地域を混乱させ、経済的、軍事的プレゼンスを強化しているようだ」と批判した。

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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米政権高官「トランプ大統領はNSCでシリアに米軍を長期的に残留させることに合意した」(2018年4月4日)

ロイター通信(4月4日付)は、米政権高官の話として、ドナルド・トランプ大統領が国家安全保障会議(NSC)の会合で、シリアに駐留する米軍を長期的に残留させることに合意した、と伝えた。

同高官は「我々は即時撤退はしない。だが、大統領は長期的なとりくみを支援する準備ができていない…。大統領は撤退の工程を具体的に決めてはいない」と述べた。

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュはダイル・ザウル県東部の油田をYPG主体のシリア民主軍から奪取(2018年4月4日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(4月4日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、県東部のアズラク油田を制圧、多数の戦闘員を捕捉した。

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、Deirzoor24, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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英米仏独はハーン・シャイフーン市でのシリア軍による化学兵器使用疑惑事件1周年に合わせて「すべての責任者への制裁を誓約する」との声明を発表(2018年4月4日)

米国、英国、フランス、ドイツの四カ国は、2017年4月4日のイドリブ県ハーン・シャイフーン市でのシリア軍による化学兵器使用疑惑事件発生から1年が経ったのに合わせて共同声明を出し、「すべての責任者への制裁を誓約する。シリアでのこうした忌まわしい攻撃の犠牲者の正義を実現するための取り組みを続ける」と表明した。

AFP(4月4日付)が伝えた。

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はイラク国境に近いアサーイシュの検問所を砲撃(2018年4月4日)

ハサカ県では、ANHA(4月4日付)によると、トルコ軍がイラク国境に面するスィーマルカー(フィーシュ・ハーブール)国境通行所に近いハッラー・ブラシャク村郊外の西クルディスタン移行期民政局アサーイシュの検問所を砲撃し、隊員1人が負傷した。

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊はこの攻撃を受けて直ちに応戦したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月4日付)も、トルコ軍がイラク国境に近いアサーイシュの拠点を攻撃したと伝えた。

ANHA, April 4, 2018

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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ロシア・イラン・トルコ首脳、シリア復興への支援を呼びかける(2018年4月4日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領、イランのハサン・ロウハーニー大統領、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、トルコの首都アンカラで、シリア情勢への対応を協議するための首脳会談を行い、国際社会に対して復興と安定化に向けたプロセスを支援するよう呼びかけるとともに、ロシア、イラン、トルコの三カ国を保証国とするアスタナ会議、そして1月末にロシアのイニシアチブのもとにソチで開催されたシリア国民対話大会の成果を鼓舞、シリアの独立、領土の一体性を尊重し、新憲法起草を起点とした政治プロセスを開始する必要を強調した。

ANHA, April 4, 2018

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首脳会談後に出された声明で、三カ国首脳は、アスタナ会合を、シリア全土で暴力を軽減し得る唯一の実効的な国際的イニシアチブと位置付け、紛争の長期的な政治解決をめざす国連主催のジュネーブ会議を推進させたとして、その成果を称賛した。

また、紛争当事者間の持続的停戦に向けた活発な協力の継続、国連安保理決議第2554号が定める政治プロセスの推進をめざすことを確認した。

さらに、国土の再統一をめざすシリア人を支援する必要があると強調、新憲法の制定、自由で公正な選挙の実施に向けた広範で、自由且つ公正なプロセスを通じたシリア人による危機の政治的解決を支持するとともに、軍事力による紛争解決は不可能との立場を明示した。

一方、国外難民については、帰国に向けた環境を準備しなければならないと表明した。

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プーチン大統領は会談後の共同記者会見で、「我々はシリア紛争後の段階における復興に向けた取り組みを一つにすることで合意した。会談は何よりもまず、インフラや公的機関の復興について行われた」としたうえで、「ロシアの企業が既にこの事業に傘下している…。シリア経済復興、インフラ復興のため、言葉ではなく行動をもって参与して欲しい」と呼びかけた。

エルドアン大統領も共同記者会見で「トルコはシリアの復興と再生をめざしている」と述べる一方、シリア北部で続行中の「オリーブの枝」作戦に関して、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)を主導する民主統一党(PYD)が制圧する地域で安全がもたらされるまで作戦を継続する、と述べた。

そのうえで、「ダーイシュ(イスラーム国)、PYD、クルディスタン労働者党(PKK)の諸目的に合致する考え方は、シリアに持続的平和をもたらし得ない」と述べ、アレッポ県マンビジュ市一帯のロジャヴァ支配地域に部隊を増強するなどして、支援を強めている欧米諸国を批判した。

ロウハーニー大統領は、シリアの領土の統一性性、主権、独立を尊重し、軍事的解決ではなく、政治的解決をめざすべきたと述べる一方、テロとの戦いの継続を主唱した。

また、シリアでの復興に必要な基盤を確立し、難民・避難民の帰宅にふさわしい環境を整えるべきだと強調した。

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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東グータ地方ドゥーマー市からイスラーム軍戦闘員とその家族635人がトルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市方面に退去(2018年4月4日)

ダマスカス郊外県では、SANA(4月4日付)によると、東グータ地方ドゥーマー市を支配していたイスラーム軍の戦闘員と家族635人が、シリア政府によって用意された大型バス13台に分乗し、トルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市方面とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県に退去した。

イスラーム軍戦闘員と家族の退去は2日、3日に続いてこれで3度目。

SANA, April 4, 2018

また、東グータ地方ドゥーマー市でイスラーム軍によって拉致されていた人質5人が解放された。

SANA, April 4, 2018

解放は、ロシアとドゥーマー市の「文民委員会」の仲介によりシリア政府とイスラーム軍の停戦合意を受けたもの。

一方、SANAは、シリア軍によって制圧された東グータ地方ザマルカー町でラフマーン軍団が本部、拘置所として使用していた施設の写真と映像を公開した。

SANA, April 4, 2018

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ドゥラル・シャーミーヤ(4月4日付)によると、ダマスカス郊外県東カラムーン地方のルハイバ市・ジャイルード市近郊の発電所で4日に予定されていたロシア・シリア政府使節団と反体制武装集団の停戦交渉が延期となった。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月4日付)によると、シャーム解放機構が県南部(タクニース村、ジャマクリーヤ村一帯)に進攻したシリア軍と交戦した。

AFP, April 4, 2018、ANHA, April 4, 2018、AP, April 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2018、al-Hayat, April 5, 2018、Reuters, April 4, 2018、SANA, April 4, 2018、UPI, April 4, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2018年4月4日)ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2018年4月4日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(4月4日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県4件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも7件(イドリブ県)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,495市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 4, 2018をもとに作成。

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