反体制派系サイトのオリエント・ニュースは当局がアサド大統領暗殺未遂を察知し、アラウィー派士官を粛清したと伝える(2018年11月1日)

反体制派系サイトのオリエント・ニュース(11月1日付)は、某消息筋の話として、アサド大統領の警護を担当する治安部門が、大統領暗殺計画を察知し、士官1名を粛清したと伝えた。

SANA, October 31, 2018

同消息筋によると、粛清されたのは、マーズィン・グスーン大佐。

アラウィー派宗徒で3週間前に粛清されたという。

グスーン大佐は、ダマスカス県マーリキー地区の大統領公邸に至る道路沿いに3件のアパートを架空名義で賃借りしていた一件に関与していた。

また同大佐の粛清後、大統領府情報局に勤務する士官10人以上が事件に関与していることが判明し、軟禁、ないしは諜報機関に拘置されたという。

軟禁、拘置された士官も全員がアラウィー派で、当局はアサド大統領の暗殺を企てていたと見ているという。

AFP, November 1, 2018、ANHA, November 1, 2018、AP, November 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018、al-Hayat, November 2, 2018、Orient News Net, November 1, 2018、Reuters, November 1, 2018、SANA, November 1, 2018、UPI, November 1, 2018などをもとに作成。

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シリア政府の側で戦闘に参加したパレスチナ人戦闘員の死者数は713人(2018年11月1日)

英国で活動する「シリアのパレスチナ人のための行動グループ」は、2011年3月以降、シリア政府の側で戦闘に参加したパレスチナ人戦闘員の死者数が713人に達していると発表した。

713人の内訳は、パレスチナ解放軍の戦闘員が261人、次いでPFLP-GC(パレスチナ人民解放戦線総司令部派)が100人、クドス旅団が85人、ファタハ・インティファーダが35人、ジャリール軍団が21人、自由パレスチナが24人、人民諸委員会に参加したパレスチナ人が187人。

al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018

Action Group for Palestinians of Syria, November 1, 2018、AFP, November 1, 2018、ANHA, November 1, 2018、AP, November 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018、al-Hayat, November 2, 2018、Reuters, November 1, 2018、SANA, November 1, 2018、UPI, November 1, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構はロシア・トルコの非武装地帯設置合意後初めてシリア軍を攻撃(2018年11月1日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)、ANHA(11月1日付)などによると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に所属するアブー・バクル・スィッディーク軍が、県東部のワーディー・マスルーイー一帯やアブー・クマイス村にあるシリア軍拠点複数カ所を攻撃、シリア軍と交戦した。

al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018

ドゥラル・シャーミーヤによると、シリア軍はこれに対して、県東部の村々を砲撃し、タッル・スルターン村では住民が避難したという。

ソチでのロシア・トルコ首脳による非武装地帯設置合意(9月17日)以降、シャーム解放機構(およびその傘下で活動する武装集団)がシリア軍を攻撃するのはこれが初めてだという。

なお、この攻撃に関して、ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官は「シャーム解放機構、そしてアル=カーイダとつながりのあるその他の組織は、ロシアとトルコがソチで交わした合意を反故にしようとしている」と批判した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)によると、反体制武装集団(人民抵抗)がカラク村と西ガーリヤ村の間に位置するシリア軍の検問所を襲撃し、兵士3人を殺害した。

一方、反体制武装集団の一つである革命軍の元司令官アブー・ムルシド・バルダーン氏がタファス市の自宅近くで何者かの発砲を受けた。

ハルダーン氏は無事だったが、一緒にいた「ザイーム」として知られる男性1人が重傷を負った。

AFP, November 1, 2018、ANHA, November 1, 2018、AP, November 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018、al-Hayat, November 2, 2018、Reuters, November 1, 2018、SANA, November 1, 2018、UPI, November 1, 2018などをもとに作成。

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米国はトルコとロジャヴァの緊張に懸念を表明、仲介を試みる(2018年11月1日)

ロバート・パラディーノ米国務省副報道官は、トルコ軍が10月31日に西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるシリア北東部ユーフラテス川以東地域(アレッポ県アイン・アラブ市一帯、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯)への攻撃を激化したことに関して、「いかなる当事者であれ、シリア北部、とりわけ米国人がいるかもしれない地域に対する一方的な軍事攻撃は…、我々にとって大きな懸念の種である」と述べた。

パラディーノ副報道官はまた「安全保障上の懸念をかきたてる問題をめぐって米国とトルコが連携と教義を行うのが良い方法だ」と付言した。

al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018

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有志連合の報道官を務める米軍のショーン・ライアン大佐は、自身のツイッターのアカウントで、「我々は両当事者、すなわたいトルコと(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体の)シリア民主軍と緊張緩和に向けて連絡を取っているところだ」と述べ、衝突回避に向けて仲介を行っていることを明らかにした。

AFP, November 1, 2018、ANHA, November 1, 2018、AP, November 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018、al-Hayat, November 2, 2018、Reuters, November 1, 2018、SANA, November 1, 2018、UPI, November 1, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍が前日に引き続き、ロジャヴァ支配下のラッカ県タッル・アブヤド市一帯を砲撃、女児1人が死亡(2018年11月1日)

ラッカ県では、ANHA(11月1日付)によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市の西7キロに位置するタッル・ファンダル村を砲撃し、女児1人が死亡した。

トルコ軍はまた、同地に近いジャーラクリー村、クール・アリー村、スーサク村を砲撃した。

ANHA, November 1, 2018

AFP, November 1, 2018、ANHA, November 1, 2018、AP, November 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018、al-Hayat, November 2, 2018、Reuters, November 1, 2018、SANA, November 1, 2018、UPI, November 1, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領はポーランド議員団と会談(2018年11月1日)

アサド大統領は、シリアを訪問したポーランド議会のパヴァル・スクチトスキー(Pavel Skutitsky)議員を団長とする使節団と首都ダマスカスで会談した。

SANA(11月1日付)によると、アサド大統領は会談で「欧州諸国の多くが犯した最大の過ちの一つは、現実から乖離したことで、いかなる政権、政府であっても実態を知ることが正しい政策を打つうえで最も重要なステップだ」と述べた。

ポーランドの使節団はまた、ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長とも個別に会談した。

SANA, November 1, 2018

AFP, November 1, 2018、ANHA, November 1, 2018、AP, November 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2018、al-Hayat, November 2, 2018、Reuters, November 1, 2018、SANA, November 1, 2018、UPI, November 1, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから116人、ヨルダンから415人の難民が帰国、避難民278人が帰宅(2018年11月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月1日付)を公開し、10月31日に難民531人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは116人(うち女性32人、子供59人)、ヨルダンから帰国したのは415人(うち女性126人、子供206人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は26,550人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者21,352人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者5,198人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 255,830人(うち女性76,752人、子供130,425人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,643,618人(うち女性1,993,085人、子供3,321,809人)。

一方、国内避難民278人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは36人(うち女性16人、子供9人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは242人(うち女性84人、子供113人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は160,452人(うち女性48,622人、子供81,041人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,242,814人(うち女性373,620人、子供633,424人)となった。

SANA, November 1, 2018

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ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 1, 2018をもとに作成。

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