UNICEF中東・北アフリカ地域事務所は米主導の有志連合の爆撃に警鐘を鳴らす「シリアでの子供たちに対する戦争は終わりにはほど遠い」(2018年11月16日)

UNICEF(国連児童基金)の中東・北アフリカ地域事務所は、ダイル・ザウル県南東部のシャアファ村に対する米主導の有志連合の爆撃で子供30人が死亡したとの報道が相次いでいるなかで声明を出し、「シリアでの子供たちに対する戦争は終わりにはほど遠い…。子供を保護するという基本的な原則がほぼ8年にわたって完全に無視されている」と警鐘をならした。

UNICEFによると、2018年1月9月までだけでも、870人もの子供の死亡が確認されており、この数値は2011年以降最悪だという。

AFP, November 17, 2018、ANHA, November 17, 2018、AP, November 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2018、al-Hayat, November 18, 2018、Reuters, November 17, 2018、SANA, November 17, 2018、UPI, November 17, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サファー丘でのダーイシュとの戦闘で第5軍団に従軍する元反体制武装集団戦闘員5人が死亡(2018年11月16日)

ダマスカス郊外県では、スワイダー24(11月16日付)によると、シリア軍第5軍団がスワイダー県東部に隣接するサファー丘の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)と戦闘を続けた。

この戦闘で第5軍団に従軍している元反体制武装集団戦闘員5人が死亡したという。

AFP, November 16, 2018、ANHA, November 16, 2018、AP, November 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 16, 2018、al-Hayat, November 17, 2018、Reuters, November 16, 2018、SANA, November 16, 2018、Suwayda 24, November 16, 2018、UPI, November 16, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構とイッザ軍がハマー県、ラタキア県のシリア軍拠点を攻撃(2018年11月16日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月16日付)によると、新興のアル=カーイダ系組織フラース・ディーン機構が主導する「信者を煽れ」作戦司令室が、県北部のサルマーニーヤ村一帯およびフールー村一帯のシリア軍拠点を攻撃した。

攻撃は、特攻自爆戦闘員(インギマースィー)によって行われ、武器、弾薬を捕獲したのち撤退したという。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表も、新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構が、非武装地帯の南側に面する県北部のシリア政府支配地域内のシリア軍拠点を攻撃し、シリア軍と交戦し、シリア軍兵士および親政権民兵の戦闘員9人が死亡、フッラース・ディーン機構の戦闘員5人が死亡したと発表した。

一方、SANA(11月16日付)は、シリア軍が、サルマーニーヤ村一帯に潜入しようとした反体制武装集団と交戦、これを撃退した、と伝えた。

この戦闘で、反体制武装集団の戦闘員複数が死傷、シリア軍側にも負傷者が出たという。

また、SANAによると、イッザ大隊(イッザ軍)は、同地のシリア軍拠点を重火器・中火器で砲撃、シリア軍がこれに応戦した。

イッザ大隊はこのほかにも、ムーリク市一帯のシリア軍拠点に対して発砲を行い、シリア軍が応戦した。

SANA, November 16, 2018

**

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月16日付)によると、新興のフッラース・ディーン機構が主導する「信者を煽れ」作戦司令室が、クルド山のカトフ・ハッスーン地区、ブルカーン丘一帯のシリア軍拠点を攻撃し、兵士18人を殺害した。

al-Durar al-Shamiya, November 16, 2018

AFP, November 16, 2018、ANHA, November 16, 2018、AP, November 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 16, 2018、al-Hayat, November 17, 2018、Reuters, November 16, 2018、SANA, November 16, 2018、UPI, November 16, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア合同調整センター:ロシア、イラン、ドイツ、カナダ、英国、カタール、サウジなどによる236の工業事業が進行中(2018年11月16日)

ロシア国防省は国外難民と国内避難民の帰還を支援するための外務省との合同調整センターが、シリアの国外難民帰還調整委員会との合同会合を開催したと発表した。

会議では、難民の帰国、避難民の帰宅の進捗状況が報告されたほか、シリア国内で進行中の工業部門における外国資本の事業についての情報が開示された。

それによると、現在236の事業(資本総額750億シリア・ポンド)が、ロシア、ドイツ、カナダ、インド、中国、インドネシア、香港、北朝鮮、英国、カタール、オマーン、キプロス、オーストラリア、クウェート、エジプト、イラン、レバノン、アルジェリア、イラク、UAE、ヨルダン、サウジアラビア、トルコ、バーレーンといった国によって行われているという。

また、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯(55キロ地帯)に隣接するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプの状況に関して、シリア難民5万人のなかに、米国が支援する革命特殊任務軍の戦闘員6,000人が紛れ込み、活動を続けているとの報告がロシア側からなされた。

Ministry of Defence of Russia, November 16, 2018

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 16, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから108人、ヨルダンから1,125人の難民が帰国、避難民284人が帰宅(2018年11月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月16日付)を公開し、11月15日に難民1,233人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは108人(うち女性25人、子供68人)、ヨルダンから帰国したのは1,125人(うち女性361人、子供583人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は39,687人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者24,507人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者15,180人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 268,967人(うち女性80,694人、子供137,081人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,614人(うち女性1,994,284人、子供3,390,283人)。

一方、国内避難民284人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは28人(うち女性12人、子供7人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは256人(うち女性75人、子供138人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は167,122人(うち女性50,813人、子供84,200人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,249,484人(うち女性375,811人、子供636,583人)となった。

**

ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県5件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも5件の停戦違反(アレッポ県1件、ハマー県4件)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 16, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.