アスタナ11会議が開幕、制憲委員会の設置、難民の状況、そしてイドリブ県の戦況が主な議題(2018年11月28日)

カザフスタンの首都アスタナで、ロシア、トルコ、イランによるアスタナ11会議が2日間の日程で開幕した。

会議には、三カ国の代表のほか、シリア政府(バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表)、反体制派諸派(団長はアフマド・トゥウマシリア革命反体制勢力国民連立暫定内閣前首班、報道官はアイマン・アースィミー氏が務め、ヤースィル・アブドゥッラフマーン氏、ヤースィル・ファルハーン氏ら)、そして国連の代表(スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表)が参加。

アナトリア通信(11月28日付)によると、初日となる28日には、市内のザ・リッツ・カールトン・ホテルでロシアとシリア政府の代表団が会談した。

また、SANA(11月28日付)によると、シリア政府代表団は、カザフスタンのカイラット・アブドラフマノフ外務大臣、ロシアの使節団、ホセイン・ジャーベリー・アンサーリー・アラブ・アフリカ担当外務副大臣を団長とするイランの使節団と会談した。

SANA, November 28, 2018

ロシアの代表団を率いるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、記者会見で、制憲委員会の設置、難民の状況、そしてイドリブ県の戦況の三つを協議すると述べた。

そのうえで、参加者が、イドリブ県の緊張緩和地帯だけでなく、シリア情勢全般について意見を交わし、シリア南部、イラク国境地域などの情勢が改善しつつあることを確認するとともに、イドリブ県にかかるこれまでの合意を引き続き遵守することで改めて一致したことを明らかにした。

また、イドリブ県には依然としてヌスラ戦線(シャーム解放機構)のテロリスト約1万5000人が残留していると指摘、ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線をはじめとするテロ組織を根絶するまで「テロとの戦い」を継続するとしたうえで、ロシアは難民帰還や安定回復に向けて可能なあらゆる支援を継続すると強調した。

ラヴレンチエフ特使によると、参加者はまた、シリア東部の状況、とりわけ米軍の違法な占領への対応についても協議したという。

一方、インターファクス通信(11月28日付)がロシア代表団筋の話として伝えたところによると、制憲委員会の設置に関しては、メンバーの75%は確定したとしつつ、市民社会代表の人選について、シリア政府、反体制派諸派の対立が続いたという。

AFP, November 28, 2018、Anadolu Ajansı, November 28, 2018、ANHA, November 28, 2018、AP, November 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2018、al-Hayat, November 29, 2018、Interfax, November 28, 2018、Reuters, November 28, 2018、SANA, November 28, 2018、UPI, November 28, 2018などをもとに作成。

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レバノン東部のアルサール村にあるシリア難民キャンプ20カ所以上に、レバノン軍部隊がヒズブッラーの部隊とともに突入し、女性20人以上を含む約300人を拘束(2018年11月28日)

『ナハール』(11月28日付)によると、レバノンのベカーア県バアルベック郡のアルサール村にあるシリア難民キャンプ20カ所以上に、レバノン軍部隊がヒズブッラーの部隊とともに突入し、女性20人以上を含む約300人を拘束した。

逮捕されたシリア人はいずれもレバノン当局によって指名手配されていたという。

レバノン治安当局は10月にも、アルサール村のワーディー・アルナブ難民キャンプで121人の難民を拘束している。

al-Durar al-Shamiya, November 28, 2018

AFP, November 28, 2018、ANHA, November 28, 2018、AP, November 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2018、al-Hayat, November 29, 2018、al-Nahar, November 28, 2018、Reuters, November 28, 2018、SANA, November 28, 2018、UPI, November 28, 2018などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン郡で武装集団による住民の拉致、強盗が続く(2018年11月28日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月28日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のカフルサフラ村でトルコの支援を受ける国民軍所属のサマルカンド大隊が、少女2人を含む住民多数を拉致・連行した。

これに関して、イナブ・バラディー(11月28日付)によると、シリア国民軍は、住民を拉致したのが「腐敗したグループ」だとして、関与を否定しているという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(11月28日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市中心街の両替所に、覆面をした武装集団が押し入り、トルコ・リラ、シリア・ポンド、米ドル合わせて1万5000ドルを盗んで逃走した。

なお、アフリーン市では、17日から24日にかけてトルコ軍特殊部隊と国民軍が、「破壊分子や腐敗分子」に対する摘発作戦を行っていた。

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アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターによると、YPGがトルコ占領下のアフリーン市とシーラーワー町一帯で26日にトルコの支援を受ける反体制武装集団に対して攻撃を行い、戦闘員4人を殺害した。

ANHA(11月28日付)が伝えた。

AFP, November 28, 2018、ANHA, November 28, 2018、AP, November 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2018、al-Hayat, November 29, 2018、‘Inab Baladi, November 28, 2018、Reuters, November 28, 2018、SANA, November 28, 2018、UPI, November 28, 2018などをもとに作成。

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首都ダマスカスでPKK結党記念祝典が催され、住民数十人が参加(2018年11月28日)

ダマスカス県ドゥンマル区近郊のクルド人居住地域(ゾール・アーヴァー地区)とルクン・ディーン区で、クルディスタン労働者党(PKK)結党記念日に合わせて祝典が催され、住民数十人が参加した。

ANHA(11月28日付)が伝えた。

ANHA, November 28, 2018

AFP, November 28, 2018、ANHA, November 28, 2018、AP, November 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2018、al-Hayat, November 29, 2018、Reuters, November 28, 2018、SANA, November 28, 2018、UPI, November 28, 2018などをもとに作成。

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ハマー県北部でシリア軍と反体制武装集団が交戦(2018年11月28日)

ハマー県では、SANA(11月28日付)によると、非武装地帯に設置されているムハルダ市北部一帯(ジャイサート村一帯)に潜入しようとした反体制武装集団をシリア軍が迎撃、これを撃退した。

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アレッポ県では、SANA(11月28日付)によると、県南西部で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲3発がアレッポ市ザフラー協会地区各所に着弾した。

AFP, November 28, 2018、ANHA, November 28, 2018、AP, November 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2018、al-Hayat, November 29, 2018、Reuters, November 28, 2018、SANA, November 28, 2018、UPI, November 28, 2018などをもとに作成。

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10月半ば以降ナスィーブ国境通行所を経由してヨルダンから帰国したシリア難民は2万3000人弱に(2018年11月28日)

SANA(11月28日付)によると、ダルアー県のナスィーブ国境通行所(ジャービル国境通行所)を経由して、ヨルダンに避難していたシリア難民が、28日も多数帰国したと伝えた。

ロシア合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターによると、10月半ば以降ナスィーブ国境通行所を経由して帰国したシリア難民の数は27日時点で、22,898人に達している。

SANA, November 28, 2018
SANA, November 28, 2018
SANA, November 28, 2018
SANA, November 28, 2018

AFP, November 28, 2018、ANHA, November 28, 2018、AP, November 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 28, 2018、al-Hayat, November 29, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 27, 2018、Reuters, November 28, 2018、SANA, November 28, 2018、UPI, November 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は6件の違反を確認(2018年11月28日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県2件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも6件の停戦違反(アレッポ県2件、ハマー県2件、イドリブ県1件、ラタキア県1件)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 28, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は11月18日~11月24日までの7日間でシリア領内で146回の爆撃を実施(2018年11月28日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月18日~11月24日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

11月18日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し26回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は24回で、ハジーン市近郊に対して実施された。

11月19日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し10回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は6回で、ハジーン市近郊に対して実施された。

11月20日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は6回で、ハジーン市近郊に対して実施された。

11月21日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し16回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は11回で、ハジーン市近郊に対して実施された。

11月22日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し11回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は11回で、ハジーン市近郊に対して実施された。

11月23日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し50回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は23回で、ハジーン市近郊に対して実施された。

11月24日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し65回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は65回で、ハジーン市近郊に対して実施された。

CENTCOM, November 28, 2018をもとに作成。

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