ダーイシュはYPG主導の民主軍メンバー10人を焼き殺す、シリア民主軍も報復としてダーイシュ・メンバー10人を処刑(2018年11月10日)

「ラッカは沈黙によって惨殺される」(11月10日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ県の住民10人を焼き殺したことへの報復として、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ラッカ県出身のダーイシュ・メンバー10人を処刑した。

ダーイシュが焼き殺した10人のほとんどは、ラッカ市東のカラーマ村出身で、シリア民主軍に徴兵されたが、ダーイシュに捕捉されていた。

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Raqqa-sl, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領「我々は近く、PKKの不正に苦しむ人々のために安全と安心を充実させる」(2018年11月10日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、大統領府で「我々は、シリアの兄弟たちが、分離主義者PKK(クルディスタン労働者党)の不正のもと、ユーフラテス川東岸でどのようにうめき声をあげているかを見ている…。我々は近く、この地域でも不正に苦しむ人々のために安全と安心を充実させるつもりだ」と述べた。

また「この地域においてトルコが行う措置を頓挫させようとしてダーイシュ(イスラーム国)を利用している者たちは、自らの過ちに気づくことだろう」と述べ、米国を批判した。

アナトリア通信(11月10日付)が伝えた。

AFP, November 10, 2018、Anadolu Ajansı, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍と地元和解委員会がダルアー市を視察、住民と面談し、拘束中の逮捕者の情報や苦情を聴取(2018年11月10日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月10日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、装甲車2輌とジープ2台からなるロシア軍の車列が、地元和解委員会のメンバーが乗った2台の車とともに、ダルアー市ダルアー・バラド地区を視察した。

同消息筋によると、ロシアの使節団が10月初め、タスィール町を訪問し、住民と面談、シリアの当局が拘置中の逮捕者についての情報、住民らの苦情などを聴取していたという。

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヨルダン外務省報道官は、米主導の有志連合占領地が立ちはだかるルクバーン・キャンプのシリア難民の自発的帰国を促そうとするロシアの計画を支持(2018年11月10日)

ヨルダンのマージド・カターリナ外務省報道官は、米主導の有志連合が占領するヒムス県のタンフ国境通行所一帯(55キロ地帯)の南部に位置するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプのシリア難民帰国に関して、ロシアが提示している対応策に協力する意思を示した。

カターリナ報道官は「ロシア、米国、そしてヨルダンは、(ルクバーン・キャンプの)難民が自発的に自分達の居住地域に帰国するのに必要な状況を拡充するという問題を根本的に解決するために集中的な検討を行っている」としたうえで、難民のシリア政府支配地域への自発的帰国を促そうとするロシアの計画を支持すると述べた。

RT(11月10日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、RT, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける反体制武装集団がマンビジュ市(アレッポ県)北東で住民に発砲(2018年11月10日)

アレッポ県では、ANHA(11月10日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配地域とトルコの実質占領地域が接するマンビジュ市北東のハムラーン村で、オリーブの実を収穫していた住民がトルコの支援を受ける反体制武装集団の発砲を受けた。

**

ラッカ県では、ANHA(11月10日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるスルーク町で、爆弾が爆発した。

ANHA, November 10, 2018

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはサファー丘(ダマスカス郊外県)でシリア軍と交戦、シャーム解放機構はイドリブ県でダーイシュ・メンバーを拘束(2018年11月10日)

ダマスカス郊外県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(11月10日付)によると、スワイダー県東部に隣接するサファー丘でダーイシュとシリア軍が交戦、シリア軍兵士10人が死亡した。

**

イドリブ県では、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に近いイバー・ネット(11月10日付)によると、シャーム解放機構の治安部隊が、タッル・マンス村でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー12人を拘束した。

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県北部でシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構がイッザ軍に対する攻撃への報復としてシリア軍拠点を攻撃、兵士多数を殺害。シリア人権監視団はシリア軍の停戦違反を示唆するも、トルコは停戦違反を報告せず(2018年11月10日)

ハマー県では、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に近いイバー・ネット(11月10日付)によると、10日のシリア軍によるイッザ軍拠点攻撃への報復として、シャーム解放機構のアサーイブ・ハムラー部隊が県北部のタラービーア村にあるシリア軍の作戦司令室を攻撃し、兵士20人以上を殺害した。

SANA(11月10日付)も、ハスラーヤー村で活動を続ける反体制武装集団が、タッル・ミルフ村一帯に潜入し、シリア軍拠点を攻撃し、シリア軍は武装集団を撃退したが、兵士数人が死傷したと伝えた。

ロシア国防省の発表によると、シリア軍兵士6人が死亡、5人が負傷した。

この戦闘に関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(11月10日付)に対して、非武装地帯近郊、すなわち同地帯に隣接する反体制派支配地域(緊張緩和地帯)で戦闘が発生し、シリア軍少なくとも8人がシャーム解放機構によって殺害されたと述べ、シリア軍側の停戦違反を示唆した。

だが、ロシア国防省によると、ロシア・トルコ停戦監視委員会のトルコ側監督チームからの緊張緩和地帯での停戦違反についての報告はない。

一方、SANAによると、シリア軍はまた、ザッリーン村およびズラーキーヤート村一帯でイッザ大隊(イッザ軍)との戦闘を続けた。

SANA, November 10, 2018

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

タス通信はスワイダー県出身者を拉致していたダーイシュに対する特殊作戦にロシア軍が協力していたと伝える(2018年11月10日)

タス通信(11月10日付)は、7月にスワイダー県東部(スィブキー村一帯)でダーイシュ(イスラーム国)が拉致した女性や子供のうち殺害・解放されていなかった19人全員をシリア軍が8日に無事解放したことに関して、ロシア軍部隊がシリア軍とともに、人質解放作戦に参加していた」と伝えた。

同通信によると、解放のための特殊作戦は、ロシア軍の支援のもとに準備、調整されたという。

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、TASS, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県シブキー村で、ダーイシュに殺害された人質4人の国葬が行われる(2018年11月10日)

スワイダー県では、SANA(11月10日付)によると、7月にダーイシュ(イスラーム国)によって拉致された住民のうち、解放(8日)を待たずに死亡した4人の国葬がシブキー村で執り行われ、マンスール・アッザーム大統領府担当国務大臣がアサド大統領の代理として参列した。

SANA, November 10, 2018
SANA, November 10, 2018

AFP, November 10, 2018、ANHA, November 10, 2018、AP, November 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2018、al-Hayat, November 10, 2018、Reuters, November 10, 2018、SANA, November 10, 2018、UPI, November 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから578人、ヨルダンから547人の難民が帰国、避難民298人が帰宅(2018年11月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月10日付)を公開し、11月9日に難民1,125人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは578人(うち女性173人、子供295人)、ヨルダンから帰国したのは547人(うち女性164人、子供279人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は33,708人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者23,836人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者9,872人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 262,988人(うち女性78,902人、子供134,022人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,643,618人(うち女性1,993,085人、子供3,321,809人)。

一方、国内避難民298人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは34人(うち女性15人、子供8人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは264人(うち女性78人、子供140人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は165,481人(うち女性50,264人、子供83,418人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,247,843人(うち女性375,262人、子供635,801人)となった。

**

ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(アレッポ県4件、ラタキア県1件、ハマー県4件)確認し、シリア軍兵士6人が死亡、5人が負傷したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 10, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.