ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「我々の任務は、イランの撤退がシリアだけでなく地域全体の平和、安定、安全を保証する最善の方途であるということを皆に説得することにあり、そのなかにはロシアも含まれている」(2018年11月14日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は、ドナルド・トランプ米政権が数ヶ月以内に、シリア国内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いを決着させる意向だとしたうえで、戦闘終了後も米軍がダーイシュが「復活しないよう保証」するためにシリア駐留を続けると明言した。

一方、イランに関して、ジェフリー特使は「英国は、シリアにおけるイランのプレゼンスが誰の利益にもならないと見ている…。我々の任務は、それ(イランの撤退)がシリアだけでなく地域全体の平和、安定、安全を保証する最善の方途であるということを皆に説得することにあり、そのなかにはロシアも含まれている」と述べた。

そのうで「シリアからのイランの部隊の撤退は…米国の軍事目標ではないが、紛争を終結させるプロセスの結果として生じ、持続的平和に向けた唯一の道でなければならない」と強調した。

ロイター通信(11月15日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, November 15, 2018

AFP, November 15, 2018、ANHA, November 15, 2018、AP, November 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 15, 2018、al-Hayat, November 16, 2018、Reuters, November 15, 2018、SANA, November 15, 2018、UPI, November 15, 2018などをもとに作成。

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トルコで暮らしていたシリア難民の7%以上がトルコによって解放(占領された)シリア北部に移住か?(2018年11月14日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は首都アンカラで記者会見を行い、トルコ国内にいたシリア難民のうち26万人以上を、同国が実質占領するアレッポ県北部のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域(ジャラーブルス市、バーブ市、アアザーズ市一帯)と「オリーブの枝」地域(アフリーン郡)に帰国させたことを明らかにした。

チャヴシュオール外務大臣は「シリア難民26万人以上が、今日までに「ユーフラテスの盾」作戦と「オリーブの枝」作戦を通じて解放されたシリア国内の地域にトルコから戻った」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月14日付)が伝えた。

なお、UNHCRに登録したシリア難民は、2018年11月12日現在で5,637,050人、うちトルコでの登録人数は3,594,232人(https://data2.unhcr.org/en/situations/syria)。

チャヴシュオール外務大臣の発言が事実であれば、トルコで暮らしていたシリア難民の72%が、シリア北部に移住したことになる。

al-Durar al-Shamiya, November 14, 2018

AFP, November 14, 2018、ANHA, November 14, 2018、AP, November 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 14, 2018、al-Hayat, November 15, 2018、Reuters, November 14, 2018、SANA, November 14, 2018、UPI, November 14, 2018などをもとに作成。

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サウジアラビアのサルマーン国王救援人道支援センターの支援チームがアレッポ県北西部、ハマー県北部の反体制派支配地域に農業関連物資や生活物資の支援を行う(2018年11月14日)

SPA(11月14日付)は、サルマーン国王救援人道支援センターの支援チームが、シリア国内で支援を必要としている人々を対象とした農業関連物資や生活物資の支援を行ったと伝えた。

同通信社によると、サルマーン国王救援人道支援センターの技術チームは14日、アレッポ県北西部アアザーズ市近郊のシャイフ・アリー村、カフル・ハラブ村、カフル・ヌーラーン村、ニヤーラ村、タリール・シャーム村、ターティーヤ村、シャマーリフ村、サッジュー村、ファイラズィーヤ村、シャマーリーン村、カルジャブリー村、ハマー県カルアト・マディーク町近郊のハワーシュ村で支援を必要としている住民に対して、肥料、小麦の種子、飼料を配給した。

支援チームはまた、家畜の管理や、冬季の小麦栽培などにかかる農業技術の教練を行うための現地視察活動を行った。

SPA, November 14, 2018
SPA, November 14, 2018
SPA, November 14, 2018

AFP, November 14, 2018、ANHA, November 14, 2018、AP, November 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 14, 2018、al-Hayat, November 15, 2018、Reuters, November 14, 2018、SANA, November 14, 2018、SPA, November 14, 2018、UPI, November 14, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュの司令官1人をラッカ市で拘束(2018年11月14日)

ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターによると、シリア民主軍がラッカ市で、バシール・フワイディー氏暗殺に関与したと思われるダーイシュ(イスラーム国)の司令官1人を拘束した。

ANHA(11月14日付)が伝えた。

AFP, November 14, 2018、ANHA, November 14, 2018、AP, November 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 14, 2018、al-Hayat, November 15, 2018、Reuters, November 14, 2018、SANA, November 14, 2018、UPI, November 14, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はダイル・ザウル県南東部を白リン弾で爆撃し、多数の住民が死傷(2018年11月14日)

ダイル・ザウル県では、SANA(11月14日付)が複数の住民からの情報として伝えたところによると、米主導の有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」と称して、ハジーン市、シャフア村を白リン弾で爆撃し、多数の住民が死傷、住居などに甚大な被害が出た。

SANA, November 14, 2018

AFP, November 14, 2018、ANHA, November 14, 2018、AP, November 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 14, 2018、al-Hayat, November 15, 2018、Reuters, November 14, 2018、SANA, November 14, 2018、UPI, November 14, 2018などをもとに作成。

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ハマー県でシリア軍と反体制武装集団が交戦(2018年11月14日)

ハマー県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍が、雨天に乗じてラターミナ町からハマー市北部のシリア軍拠点複数カ所に潜入しようとした反体制武装集団を撃退した。

AFP, November 14, 2018、ANHA, November 14, 2018、AP, November 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 14, 2018、al-Hayat, November 15, 2018、Reuters, November 14, 2018、SANA, November 14, 2018、UPI, November 14, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから116人、ヨルダンから905人の難民が帰国、避難民236人が帰宅(2018年11月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月14日付)を公開し、11月13日に難民1,021人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは116人(うち女性35人、子供59人)、ヨルダンから帰国したのは905人(うち女性272人、子供462人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は37,469人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者24,270人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者13,119人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 266,749人(うち女性80,012人、子供135,927人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,614人(うち女性1,994,284人、子供3,390,283人)。

一方、国内避難民236人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは35人(うち女性11人、子供9人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは201人(うち女性69人、子供100人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は166,593人(うち女性50,646人、子供83,930人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,248,955人(うち女性375,644人、子供636,313人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(アレッポ県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 14, 2018をもとに作成。

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