トルコ国防省:「最近の挑発行為」が非武装地帯設置合意を阻害することを狙ったものだとの認識でロシア側と一致した発表(2018年11月25日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣と電話会談を行い、24日晩に発生した反体制武装集団によるアレッポ市への塩素ガス砲撃について意見を交わした。

会談後、トルコ国防省は声明で、「最近の挑発行為」が、イドリブ県一帯でのロシアとトルコによる非武装地帯設置合意を阻害することを狙ったものだとの認識で両大臣は一致したことを明らかにした。

声明によると、電話会談では、同様の攻撃が続いた場合の対応などについて意見交換を行ったという。

ロイター通信(11月25日付)が伝えた。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県北部でシリア軍によるジャルジャナーズ町の学校への砲撃への「報復」を求めるデモ(2018年11月25日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月25日付)によると、県北部のハルザ村などの学校で、24日のシリア軍によるジャルジャナーズ町の学校への砲撃への「報復」を求めるデモが行われた。

al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018
al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍はロジャヴァ支配下のトルコ国境地帯に監視所設置を開始、マンビジュ市の部族はYPG主体のシリア民主軍による徴兵制採用を拒否(2018年11月25日)

『シャルク・アウサト』(11月25日付)は、米軍が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配下の北東部(ユーフラテス川以東地域)に監視所の建設を開始したと伝えた。

監視所の建設が開始されたのは、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市一帯。

**

アレッポ県マンビジュ市一帯地域の最大部族であるバニー・サイード家は声明を出し、同地で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が実施しようとしている徴兵制を拒否すると表明した。

徴兵制採用の動きは、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団の攻撃に備えるためのもの。

al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、al-Sharq al-Awsat, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍憲兵隊は住民の苦情に対応し、ダマスカス郊外県ハムーリーヤ市にある軍事情報局の検問所5カ所を撤去、士官を6人を逮捕(2018年11月25日)

ダマスカス郊外県では、バラディー・ニュース(11月25日付)によると、空軍情報部がアクラバー町でイスラーム軍の元メンバー3人を逮捕した。

一方、サウト・アースィマ(11月25日付)によると、ロシア軍憲兵隊がハムーリーヤ市近郊にある軍事情報局の検問所5カ所を撤去した。

検問所の撤去は、嫌がらせを受けているとの住民の苦情を受けたもので、ロシア軍憲兵隊は、合わせて軍事情報局の士官4人、共和国護衛隊の士官2人を拘束した。

al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018

**

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月25日付)によると、サナマイン市にあるシリア軍の検問所に、同地の青年たちが手榴弾を投げ込むとともに、激しい発砲を加えた。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、Baladi News, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、Sawt al-‘Asima, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPGはアレッポ県シーラーワー町近郊でシャーム軍団を攻撃(2018年11月25日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターによると、YPGがシーラーワー町近郊のブルジュ・ハイダル村に向かうシャーム軍団を攻撃した。

ANHA(11月25日付)が伝えた。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市への塩素ガス砲撃の直後、シャーム解放機構は、コーカサスの兵、イッザ軍、フッラース・ディーン機構、トルキスタン・イスラーム党に、フランス人が改良を加えた有毒ガス兵器50発を供与、イドリブ県各所に配備(2018年11月25日)

スプートニク・ニュース(11月25日付)は、24日晩のアレッポ市に対する反体制武装集団(シャーム解放機構)の塩素ガス砲撃の数時間後に、シャーム解放機構が、フランス人専門家によって改良されたロケット弾約50発をイドリブ市やイドリブ県各地の複数拠点に配備したと伝えた。

配備されたロケット弾は、イドリブ市中央刑務所近くの地下に建設された弾薬庫で改良がなされ、弾頭には有毒ガスが装填されているという。

シャーム解放機構はこれらのロケット弾を5回に分けてイドリブ県各所に移送し、うち10発はコーカサスの兵に供与され、県南東部のタッル・スルターン村に配備、10発はイッザ軍に供与され、カフルズィーター市に配備、10発はフッラース・ディーン機構に供与され、ムーリク市に配備、10発はトルキスタン・イスラーム党に供与されたという。

のこる10発の供与先は不明だという。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、Sputnik News, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はダイル・ザウル県南東部を爆撃し、住民14人が死亡(2018年11月25日)

ダイル・ザウル県では、SANA(11月25日付)によると、米主導の有志連合が県南東部のシャアファ村を爆撃し、住民14人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月26日付)が複数の地元筋の情報として伝えたところによると、この爆撃で住民21人が死亡した。

一方、ユーフラテス・ポスト(11月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が砂嵐に乗じて、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるバフラ村に潜入し、シリア民主軍多数を殺傷し、同地の一部を制圧した。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、November 26, 2018、Euphrates Post, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍はアレッポ市へのシャーム解放機構の塩素ガス攻撃への報復として同地東部一帯を爆撃、シリア軍も砲撃(2018年11月25日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)複数機がアレッポ市西のラーシディーン地区郊外一帯、ハーン・トゥーマーン村を爆撃、シリア軍もアレッポ市西部郊外、北西部郊外を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月25日付)によると、爆撃を行ったのはロシア空軍。

同地への爆撃は、9月17日にロシアとトルコによる非武装地帯設置合意以降初めてで、24日晩のアレッポ市に対するシャーム解放機構の塩素ガス砲撃への報復と見られ、トルコ軍の監視所から約1キロの地点にも及んだという。

**

ハマー県では、SANA(11月25日付)によると、シャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍)などからなる反体制武装集団がムーリク市、ラターミナ町方面からスーラーン町、マサースィナ村一帯に潜入し、シリア軍の拠点を攻撃、シリア軍も応戦し、これを撃退した。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの庇護を受ける国民解放戦線報道官は、改めてアレッポ市への塩素ガス砲撃への関与を否定(2018年11月25日)

トルコの庇護を受ける国民解放戦線の報道官を務めるナージー・ムスタファー大尉は報道向け声明を出し、「革命家が塩素ガスを装填した砲弾…でアレッポ市を砲撃したとの犯罪者体制の主張を否定する。関連する国際機関が記録・確認している通り、シリアで塩素ガスを保有しているのは犯罪者体制だけだ」と主張した。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省はアレッポ市に対する反体制派の砲撃でアル=カーイダ系のシャーム解放機構が塩素ガスを使用した断定(2018年11月25日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、24日晩に反体制武装集団が行ったアレッポ市への砲撃に関して声明を出し、「一次情報から、アレッポ市住宅街で負傷した人々に現れた中毒症状が、この地域に打ち込まれた砲弾に塩素ガスが装填されていたことを示していることが確認される」と述べたうえで、「ロシア軍放射線化学生物学防護部隊が負傷者の検査と必要な医療措置を開始した」ことを明らかにした。

SANA, November 25, 2018

コナシェンコフ報道官はまた、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターの情報として、ハーリディーヤ地区、ナイル通りに着弾した砲弾に関して、塩素ガスを装填した120ミリ迫撃砲で、シャーム解放機構の支配下にあるブライキーヤート村の南東部郊外から発射されたと述べた。

さらに、ホワイト・ヘルメットが、シリア国内、とりわけイドリブ県の非武装地帯で活動を続ける「テロ組織」と直接つながりがあると改めて指摘、同地での事態悪化を回避するために重点的に監視を続けているとしたうえで、同地で問題が発生した場合、その責任はトルコ側にあると警告した。

また、アレッポ市に対する塩素ガス攻撃への調査をトルコとともに継続し、同地での戦闘停止に尽力すると表明した。

**

ロシア軍放射線化学生物学防護部隊の代表を務めるコンスタンティン・ポチョムキン報道官は、アレッポ市への塩素ガス攻撃を行ったのが、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に所属するグループだと発表した。

**

ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官は、24日晩に反体制武装集団が行ったアレッポ市への砲撃に関して、記者団に対して「シリアでの生活が正常化するプロセスを妨げようとする行為で…、国際社会全体が無条件で避難すべき」と述べた。

スプートニク・ニュース(11月25日付)が伝えた。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、Sputnik News, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラン外務省報道官はアレッポ市に対する反体制派の塩素ガス砲撃に関して、域内外の一部の国の無制限の支援が原因と非難(2018年11月25日)

イラン外務省のブラハーム・カーセミー報道官は、24日晩のアレッポ市に対する反体制武装集団の有毒ガス攻撃に関して、「域内外の一部の国がこれらのテロ集団を思想、政治、資金、軍事面で無制限に支援することが、こうした非人道的な行為の原因」と非難した。

SANA(11月25日付)が伝えた。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの外務在外居住者省はアレッポ市に対する反体制派の塩素ガス砲撃を報告、支援国を非難(2018年11月25日)

シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に書簡を送り、24日晩のアレッポ市に対する反体制武装集団の塩素ガス砲撃について報告、こうしてテロ行為が一部諸国による化学物質供与の結果だと非難、安保理に非難の意思を示すよう求めた。

SANA(11月25日付)が伝えた。

AFP, November 25, 2018、ANHA, November 25, 2018、AP, November 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2018、al-Hayat, November 26, 2018、Reuters, November 25, 2018、SANA, November 25, 2018、UPI, November 25, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから159人、ヨルダンから496人の難民が帰国、避難民231人が帰宅(2018年11月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月25日付)を公開し、11月24日に難民655人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは159人(うち女性47人、子供81人)、ヨルダンから帰国したのは496人(うち女性154人、子供496人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は48,173人となった。

SANA, November 25, 2018

内訳は、レバノンからの帰国者26,397人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者21,776人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 277,453人(うち女性83,234人、子供141,412人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,614人(うち女性1,994,284人、子供3,390,283人)。

一方、国内避難民231人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは30人(うち女性10人、子供11人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは201人(うち女性73人、子供86人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は169,250人(うち女性51,532人、子供85,179人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,251,612人(うち女性376,530人、子供637,562人)となった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県5件、ラタキア県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも2件の停戦違反(イドリブ県1件、アレッポ県1件)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 25, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.