ホワイト・ヘルメットは新型コロナウイルス感染拡大防止を口実としたシリア政府の制裁解除要求に応じないよう呼びかける(2020年3月22日)

ホワイト・ヘルメットは「市民の尊厳ためのシリア協会」と共同声明を出し、新型コロナウイルス感染拡大防止を口実としてシリア政府が国際社会に求めている制裁解除に応じないよう呼びかけた。

シリアの外務在外居住者省の公式筋は19日、声明で、近隣諸国で新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、国際社会に対して、シリアに対する欧米諸国の違法な強制措置を解除するために行動するよう呼びかけていた。

声明は「医療部門はシリア政府に対する制裁からそもそも除外されている」、「シリア政府は支配地域での感染者の存在を否定している」、「感染拡大に向けた実効的な措置を講じていない」などといった理由をあげて、シリア政府による制裁解除要求に「仰天」しているとしたうえで、「これまでの経験から、シリア政府への経済支援は、体制そのものとその汚職のネットワークを支えるために利用される。医療支援が人々に直接行われなければ、必要としている人のもとにそれが届くことはない」と主張した。

また「体制はこれまで、シリア人の健康に絶大な関心を払ってきた病院を破壊し、医療スタッフを殺害してきた」と非難、「体制にいかなる支援を行っても…、さらなる殺戮、抑圧に向けられ、尊厳や健康な生活といった基本要素をシリア人から奪うことに繋がる」と断じた。

そして、世界保健機構(WHO)に対して、感染拡大を阻止するために必要な措置を講じさせるようシリア政府に圧力をかけることを求めるとともに、国連や国際機関に対して、体制が管理する刑務所に立ち入り、受刑者の感染状況を調査、必要な治療を施すよう呼びかけた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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イドリブ保健局はイドリブ県で新型コロナウイルスの感染が疑われる4人の検査を行っていると発表(2020年3月22日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の反体制派支配地(いわゆる「解放区」)で保健衛生活動を行っているイドリブ保健局のムンズィル・ハリール局長はフェイスブックのアカウントを通じてビデオ声明を出し、トルコ国境に面するアティマ村の病院で新型コロナウイルス感染の疑いのある4人を隔離し、検査を行ったことを明らかにした。

ハリール局長は、「検査はまだ不充分で、結果を確認するには時間を要する」と述べ、この4人の感染を否定した。

また、「解放区」に感染者がいるかもしれないが…、分析結果が届くまで確認することはできない」と付言した。

https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/videos/145204003508059/?__xts__%5B0%5D=68.ARBhgkPjPQy0Yhd-QV8CH2URA_DHjdNQKVA72oifYq6ZH0XFyCFUXZpnKQyMy29suM89ZRynjv5dvpEbh4rtYDoAAN4teOMW4op4xKZgskddtmsg5SpTi0oBJeUDmES2-ocEAuikK5uA-ukBPtLu4w1ElvZJ0NlYI99wch1hfYFJaeyGhsjc9k-I3Dqv2FUnipbCwKB0vG0HuDfKAQnZJ-pNlji8SgPADsBTlW-b7RaKzjPVtKrSqQbDMexKlGMcixBnGIapmdwaymP4idxWjNgl5zvs9_-BS6gsfPiz9WRHfabQTsNFE282vIgbSkuUwUqr5EPjLIthQSW1ycF6IFSxPW9ODfy_iks_jQ&__tn__=-R

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暫定内閣は声明を出し、国際社会がシリア北部で新型コロナウイルス感染防止に務める同内閣の保健省を支援しなければ、「差し迫った災害」が現実のものになると警鐘を鳴らした。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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トルコはハサカ市への水道供給を停止(2020年3月22日)

ハサカ県では、SANA(3月22日付)やシリア人権監視団によると、ラアス・アイン市近郊のアルーク村にある揚水所に駐留するトルコ軍部隊が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市およびその周辺地域への水道水の供給を停止した。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シリア人権監視団は政府支配地域で新型コロナウイルス感染者1人が死亡したと主張(2020年3月22日)

シリア人権監視団は、信頼できる複数の医療筋の情報として、ダマスカス県、ヒムス県、ラタキア県、タルトゥース県で新型コロナウイルスの感染を疑われ、隔離されている患者の数が128人に達していると発表した。

このうちの56人は検査の結果が陰性だったために隔離施設を後にしたが、72人は現在も隔離されているという。

また、女性1人が新型コロナウイルスに感染して死亡したが、シリアの治安当局は箝口令を敷き、この事実を公表していないという。

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シリア人権監視団はまた、ダイル・ザウル県のマヤーディーン市でも、新型コロナウイルスに感染している「イランの民兵」が15人に達したと発表した。

内訳は、イラン人11人、イラク人4人。

同市では、イラン人1人が肺炎で死亡している。

新型コロナウイルスに感染していたと思われるが、事実確認はとれないという。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣はパン製造業者に衛生管理の徹底を要請、そのための費用をパン代に上乗せすると発表(2020年3月22日)

イドリブ県の反体制派支配地の軍事・治安権限を握るシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣は、新型コロナウイルス感染防止策として、県内のパン(フブズ)製造業者に対して、施設の殺菌と清掃のための費用として、パン1袋に対して2シリア・ポンドの費用を上乗せすると通達した。

シリア救国内閣はまた、すべてのパン製造業者に対し、施設の衛生管理にかかる指示を遵守し、従業員に周知徹底するよう要請した。

具体的には、手洗いの徹底、施設の塩素消毒、マスクの着用、パンの袋の密閉など。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県バーブ市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発(2020年3月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市内のファーラービー病院近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子ども1人を含む2人が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍がタッル・アブヤド市西部郊外にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点を砲撃した。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シリア全土で23~24日に全交通機関停止、22日から紙媒体の新聞発行中止、23日からレバノンからの入国停止(2020年3月22日)

イマード・ハミース内閣は閣議で新型コロナウイルス感染予防策を協議、3月23日午後8時から24日夕刻まで、各県内、および県外の公共および民間の交通機関の運行を停止することを決定、各省庁、組合、民間の生産施設に対して、従業員の移動手段を確保するよう要請した。

また、保健省などが作成した今後6ヶ月の新型コロナウイルス対策案を承認、隔離センターを増設するとともに、各県に19の緊急監視チームを発足させ、ダマスカス県、ラタキア県、アレッポ県に世界保健機構(WHO)連携してウイルス感染診断用のラボを設置することを決定した。

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情報省は、新型コロナウイルス感染予防策として、22日から追って通知があるまでの機関、紙媒体の新聞の発行中止を要請することを決定した。

これを受け、バアス党の機関紙『バアス』、人民議会に近い『サウラ』、大統領府に近い『ティシュリーン』、民間の『ワタン』が要請に応じた。

なお、4紙はインターネットを通じた記事の配信は続ける。

また、進歩国民戦線のムハンマド・シャッアール副書記長と労働者総連合のジャマール・カーディリー総裁は、戦線加盟政党と組合に対して紙媒体での機関紙の発行を中止するよう要請した。

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内務省は、新型コロナウイルス感染予防策として、3月23日正午から追って通知があるまでの期間、レバノンからのシリア人および外国人の入国を禁止することを決定した。

貨物車輌の運転手の入国は除外される。

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SANA(3月22日付)が伝えた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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ヤーズジー保健大臣はシリア国内で新型コロナウイルス感染者1人が初めて確認されたと発表(2020年3月22日)

ニザール・ヤーズジー保健大臣はシリア国内で1人が新型コロナウイルスの感染していることが確認されたと発表した。

シリア国内で感染者が確認されたのはこれが初めて。

記者らとの会見で、ヤーズジー保健大臣は、帰国者に対して実施している検査で、湾岸諸国から帰国した女性1人から陽性反応が出て、新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと述べた。

ヤーズジー保健大臣は、保健省が現在、この男性を隔離するなどの必要な措置を講じているとしたうえで、隔離は14日間行われる予定で、患者が回復するまで4日毎にウイルス検査が実施される予定だと付言した。

感染が確認されたのは、20代の女性で、帰国時に感染の症状は見られなかったという。

ヤーズジー保健大臣はそのうえで、この女性は何らの症状も訴えていないため、比較的早い段階で回復が見込まれるだろうと述べた。


SANA(3月22日付)が伝えた。

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サッカーのシリア代表チーム通称「カシオンの鷲」が新型コロナウイルス感染拡大を阻止するため、不要不急の外出を控え、自宅で過ごすよう呼びかける(2020年3月22日)

サッカーのシリア代表チーム通称「カシオンの鷲」のメンバーが、ファンらに向けてビデオ・メッセージを配信し、新型コロナウイルス感染拡大を阻止するため、不要不急の外出を控え、自宅で過ごすよう呼びかけた。

ビデオ・メッセージでは、ウマル・スーマ選手、イブラーヒーム・アーリマ選手、アフマド・サーリフ選手、ムアイイド・アッジャーン選手が、世界規模での新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、保健省の指示に従って、大勢の人が集まる場所を避け、自宅で過ごすといった予防策を講じるよう呼びかけた。

なお、シリア・サッカー連盟は、3月10日から4月15日まで国内リーグの試合を中止することを決定している。

SANA(3月22日付)が伝えた。

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アサド大統領は政令を施行し、2020年3月22日以前の犯罪に対する恩赦を決定(2020年3月22日)

アサド大統領は2020年政令第6号を施行し、2020年3月22日以前の犯罪に対する恩赦を決定した。

恩赦の対象となるのは、死刑(無期懲役刑に減刑)、無期懲役刑(刑期を20年に減刑)、
無期禁固刑(刑期を20年に減刑)、回復の見込みのない疾病を患っている受刑者、70歳以上の受刑者など。

SANA(3月22日付)が伝えた。

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トルコ軍はM4高速道路沿線に新たに2カ所の拠点を設置(2020年3月22日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから17日目となる3月22日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハザーリーン村一帯でにある「決戦」作戦司令室の拠点を攻撃を試み、砲撃を行ったが、「決戦」作戦司令室の反撃を受けて、兵士3人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、ファッティーラ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、戦車や装甲車など約60輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させたほか、M4高速道路沿線のジスル・シュグール市近郊のムシャイリファ村とタッル・ハッターブ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は以下46カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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