英仏独トルコが非公開首脳会談でイドリブ県の人道状況への対応などを協議(2020年3月17日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、英国のボリス・ジョンソン首相が非公開のビデオ会談を行った。

ビデオ会談では、新型コロナウイルス感染対策、シリア情勢(イドリブ県の人道状況)やリビア情勢への対応などについての意見が交わされた。

アナトリア通信(3月17日付)が伝えた。

AFP, March 17, 2020、Anadolu Ajansı, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「M4高速道路でのロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対するデモはロシアの攻撃への関与への抗議」(2020年3月17日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は16日晩、M4高速道路でのロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対する住民の座り込みデモ(「尊厳の座り込み」)がシャーム解放機構によって組織されたものだとする主張に関して、「ロシアの主張を拒否する」と述べた。

ジェフリー特使は「1年近く前から、アサド政権はロシアとイランの支援を受けて、イドリブ県に対して無慈悲で無差別の軍事攻撃を行い、数千人の民間人を死傷させ、100万人が避難を余儀なくされた」としたうえで、「デモ参加者はロシアがイドリブ県に対する軍事攻撃に関与していることに対して抗議の意思を示したまでだ」と述べた。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

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米軍がハサカ県でロシア軍パトロール部隊の進行を再び妨害(2020年3月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍のパトロール部隊がハサカ市とカーミシュリー市を結ぶ街道(M4高速道路)を移動中のロシア軍パトロール部隊の進攻を妨害、ロシア軍部隊は進路の変更を余儀なくされた。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

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国民軍戦闘員が前日に続いて、トルコ軍からの給与未払いに抗議するデモ(2020年3月17日)

トルコ占領下の「平和の泉」地域(ラッカ県北部およびハサカ県北部)では、シリア人権監視団によると、国民軍がハサカ県のラアス・アイン市とタッル・アブヤド市で、トルコ軍による給与未払いに抗議するための座り込みデモを行った。

タイヤを燃やすなどして道路を封鎖した国民軍の戦闘員はまた、国境の開放、戦闘員の交代も合わせて要求した。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がラッカ県北部のシリア軍拠点を砲撃(2020年3月17日)

ラッカ県では、ANHA(3月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村、クーバルラク村、アフダクー村、フッリーヤ村、アリーダ村を砲撃した。

アリーダ村に対する砲撃では、シリア軍の拠点1カ所が狙われた。

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アレッポ県では、ANHA(3月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

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シリア政府支配地、北・東シリア自治局支配地、トルコ占領地で新型コロナウイルス予防に向けた動きが続く(2020年3月17日)

ニザール・ヤーズジー保健大臣は報道向け声明を出し、省内での会合で、全国の市民サービス・センター、公園、映画館、劇場、クラブ、式場などの公営施設の閉鎖を決定したと発表した。

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ダマスカス県は、新型コロナウイルス感染予防策として民間のインターネット・カフェ、屋内の遊び場、スポーツ・サロン、映画館、劇場、式場を閉鎖することを決定した。

また、すべての店主に対して、店舗・施設外での食品の陳列を行わないこと、またレストラン、カフェ・喫茶店の店主に対して、閉鎖された場所での水タバコの提供、家庭への提供を行わないよう要請した。

この要請に応じない店舗や施設に対しては法的措置を講じて、無期限の閉鎖処分にすると強調するとともに、この決定の遵守、あるいは違反者への処分に対する苦情がある場合は、電話(番号は127番)で申し立てを行うよう呼びかけた。

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運輸省は18日、19日に予定していたダマスカス・カイロ便、カイロ・ダマスカス便を予定通り運航すると発表した。

以上、SANA(3月17日付)が伝えた。

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ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(3月17日付)が、シリア政府が新型コロナウイルス感染予防策としてブーカマール国境通行所の閉鎖を決定しているにもかかわらず、人と物の往来が続いていると伝えた。

同サイトによると、シリア政府支配地域と北・東シリア自治局支配地域を結ぶダイル・ザウル市近郊のサーリヒーヤ村の通行所も依然として開放されたままだという。

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北・東シリア自治局ジャズィーラ地方の危機対策室は声明を出し、新型コロナウイルス感染予防策として、公共施設での殺菌作業に加えて、旅客車輌の消毒作業の実施、カフェ、集会所、飲食店、インターネット・カフェ、スポーツ・サロン、娯楽施設の閉鎖、レストラン内の閉鎖敵な空間での飲食の禁止、公営・民間病院への見舞いの禁止、公道や屋外市場での消毒作業の実施を新たに決定したと発表した。

ANHA(3月17日付)が伝えた。

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ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県とトルコ占領下のアレッポ県北西部を結ぶ街道上の複数カ所に、新型コロナウイルス感染を検査するための医療チェックポイントが設置されたと伝えた。

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トルコのガジアンテップ市で活動する暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)の傘下組織)のムンズィル・ハリール保健大臣は声明を出し、16日現在、「解放区」において新型コロナウイルス感染者は確認されていないと発表した。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Euphrates Post, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構はM4高速道路への接近と通行を阻止するため、沿線に土嚢と堀を設置(2020年3月17日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから12日目となる3月17日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が停戦合意に違反し、ファッティーラ村一帯への進軍を試みたが、「決戦」作戦司令室の応戦を受け、シリア軍兵士4人が死亡、2人が負傷した。

「決戦」作戦司令室側も1人が死亡、4人が負傷した。

これに対し、SANA(3月17日付)は、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が停戦合意に違反し、カフルナブル市、ハザーリーン村のシリア軍拠点に対して砲撃を行い、シリア軍がただちに応戦したと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構は、ラタキア市とアレッポ市を結ぶM4高速道路でのロシア・トルコ軍の合同パトロールを阻止するため、ナイラブ村からアリーハー市にいたる30キロ今日の区間にM4高速道路上に土嚢を積み上げた。
ハバル24(3月17日付)によると、シャーム解放機構はナイラブ村・アリーハー市間のM4高速道路の両側に土嚢を積み上げるとともに、堀を掘削し、道路への接近を阻止しようとしているという。

SANAもまた、シャーム解放機構がナイラブ村近郊のM4高速道路上に巨大な穴を掘り、道路を寸断したと伝えた。

この他、シリア人権監視団によると、トルコ軍が戦車、装甲車など50輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入させた。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、地元住民(ドゥルーズ派)によって構成されるシャイフ・カラーマ軍団が声明を出し、ヒズブッラーのメンバー2人を拘束したと発表、シリア軍によって拘束されているメンバー1人の釈放を要求した。

シャイフ・カラーマ軍団は、メンバーが釈放されれば、ヒズブッラーのメンバーも解放するとしている。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タッル・シハーブ町で「シリア革命」9周年に合わせて、住民が書いたと思われる落書きが発見された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, March 17, 2020、ANHA, March 17, 2020、AP, March 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2020、Xeber 24, March 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 17, 2020、Reuters, March 17, 2020、SANA, March 17, 2020、SOHR, March 17, 2020、UPI, March 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:新型コロナウイルス感染拡大を受け難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年3月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月17日付)を公開し、3月16日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,144人。

内訳は、レバノンからの帰国者181,896人(うち女性54,966人、子ども93,064人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,581,051人(うち女性1,974,315人、子供3,356,336人)。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,424人(うち女性242,242人、子供411,555人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 17, 2020をもとに作成。

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