北・東シリア自治局は3月23日午前6時から追って通知があるまでの期間、支配地全域での住民の外出を禁止すると発表(2020年3月19日)

北・東シリア自治局執行評議会共同議長府は、新型コロナウイルス感染防止策として、3月23日午前6時から追って通知があるまでの期間、支配地全域での住民の外出を禁止し、病院、医療センター、薬局、食糧品店、国際機関事務所、赤新月社事務所を除くすべての施設を閉鎖、食品、燃料以外の輸送を禁止とすることを決定した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ポンペオ米国務長官「ロシアはイドリブ県での軍事作戦でトルコ軍兵士数十人を殺害した」(2020年3月19日)

マイク・ポンペオ米国務長官はワシントンDCの国務省での記者会見で「我々は、ロシアがイドリブ県での軍事作戦でトルコ軍兵士数十人を殺害したと信じている」と述べた。

ポンペオ国務長官はまた「イドリブ県でのアサド政権とその同盟者の攻撃は民間人、インフラに及び、100万人近くが家を追われている」と付言した。

スプートニク・ニュース(3月19日付)によると、ロシア外務省筋はただちに反論、「(新型コロナウイルス)感染症が世界的に蔓延しているなか、米国高官は嘘の情報を繰り返しロシアを貶めようとするプロパガンダを続けている」と非難した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、Sputnik News, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はイドリブ県のM4高速道路でシャーム解放機構が「見守る」なか、14の監視ポストを設置(2020年3月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によるとトルコ軍が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が「見守る」なか、M4高速道路のナイラブ村とブサンクール村を結ぶ区間の沿線の14カ所に監視ポストを設置した。

また、装甲車10輌からなるトルコ軍部隊が、タルナバ村からムハムバル村を結ぶ区間でパトロールを実施した。

監視ポストの設置とパトロール活動は、シャーム解放機構がM4高速道路沿線での警備を続けるなかで実施された。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など約90輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリアに新たに進入させるとともに、M4高速道路沿線のブサンクール村近郊に新たな拠点を設置した。

**

また、アレッポ県でも、トルコ軍はジーナ村近郊に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は以下44カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所(アスタナ会議での合意に基づき設置)

  • イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
  • アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
  • ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
  • ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

  • イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村
  • アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
  • ハマー県:ムガイル村

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リビア国内での戦闘で、トルコが派遣したシリア国民軍の死者は129人を記録、トルコはシリア国民軍戦闘員の増加を受けその給与を削減(2020年3月19日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加するためにトルコが派遣したシリア人戦闘員(国民軍)の死者数が129人を記録していると発表した。

129人は、国民軍に所属するムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザ師団、スライマーン・シャー師団のメンバーで、リビアの首都トリポリ市南部のサラーフッディーン地区、トリポリ国際空港近郊のラムラ地区一帯、ハドバ開発計画地区、ミスラータ市一帯などで、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と交戦中に死亡したと見られる。

また、トルコは、リビアに派遣した国民軍戦闘員の数が6,000人を超えたことに対処するため、給与削減に踏み切ったという。

なお、リビアに派遣された国民軍戦闘員は4,750人に達し、約1,900人が派遣に向けて、トルコ占領下のアレッポ県北部(「オリーブの枝」、「ユーフラテスの盾」地域に設置されているキャンプでトルコ軍の教練を受けている。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局はノウルーズの公式行事の中止を発表(2020年3月19日)

北・東シリア自治局は、ビーリーファーン・ハーリド、アブドゥルハーミド・マフバーシュ執行評議会共同議長の名で告知第14号を発出し、新型コロナウイルスの感染を予防するため、支配地域内で3月21日のノウルーズ(クルド人の正月、春分)に合わせて予定されていたすべての公式行事を中止すると発表した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍はアレッポ県北部、ラッカ県北部を砲撃(2020年3月19日)

アレッポ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村および近郊の森林地帯、アキーバ村、シャイフ・ヒラール村、カフル・ナーヤー村、マンナグ村、ハルバル村を砲撃した。

また、トルコ占領下(「ユーフラテスの盾」地域)のアアザーズ市で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、多数が死傷した。

シリア人権監視団によると、この爆発で少なくとも1人が死亡したという。

**

ラッカ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、ハーリディーヤ村を砲撃した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの外務在外居住者省は国際社会に新型コロナウイルス感染防止に悪影響を与える欧米諸国の制裁を解除させるよう呼びかける(2020年3月19日)

シリアの外務在外居住者省の公式筋は声明を出し、近隣諸国で新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、国際社会に対して、シリアに対する違法な強制措置を解除するために行動するよう呼びかけた。

声明は、米国や西欧諸国が、新型コロナウィスルの感染拡大の脅威に直面する一部の国々に対して一方的で違法な強制措置を科し、人権を侵害していると非難した。

そして、シリアでは、こうした強制措置、そしてテロリストの攻撃が、市民の声明、医療セクターに悪影響を与えているとしたうえで、国際社会に対して、国際法、人道の精神に基づき、欧米諸国に制裁を解除させるよう呼びかけた。

SANA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でトルコ軍が反体制派の攻撃を受け、兵士2人死亡、1人負傷(2020年3月19日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反が確認されなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

停戦違反が確認されなかったのは、2017年5月のアスタナ4会議に基づき、緊張緩和地帯が設置されて以降初めて。

また、英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから14日目となる3月19日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃は確認されなかったが、若干の戦闘と攻撃が発生した。

**

トルコ国防省はツイッターのアカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)などを通じて声明を出し、イドリブ県に駐留するトルコ軍部隊が「一部過激派集団」のロケット弾攻撃を受け、兵士2人が死亡、1人が負傷したと発表した。

攻撃を受けたトルコ軍部隊はただちにロケット弾が発射された地域を砲撃したという。

また、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのオレグ・ジュラフロフ副センター長(海軍少将)も声明を出し、M4高速道路で偵察任務に当たっていたトルコ軍部隊が3月19日に、トルコに従わないテロ組織の一つの戦闘員から攻撃を受け、兵士2人が戦闘で死亡した、と発表した。

シリア人権監視団によると、狙われたのはトルコ軍の車列で、ムハムバル村近郊を走行中、即席爆弾によると思われる爆発が2度にわたり発生したという。

トルコ軍が襲撃を受けたのを受け、「決戦」作戦司令室を主導する国民解放戦線とシャーム解放機構の車列が現場に向かい、またトルコ軍部隊も現場一帯で爆発物の撤去作業を行ったという。

シリア人権監視団によると、トルコ軍の車列を狙ったのは新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラース・ディーン機構だと思われる。

**

イドリブ県では、SANA(3月19日付)が、トルコの支援を受ける「テロ組織」が、停戦合意に違反し、ハザーリーン村一帯のシリア軍拠点を攻撃したと報じた。

また、シリア人権監視団は、シリア軍がナージヤ村を砲撃、トルコ軍が応戦したと発表した。

一方、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室は声明を出し、ザーウィヤ山地方のファッティーラ村一帯にあるシリア軍拠点を攻撃し、シリア軍と親政権民兵15人以上を殺傷したと発表した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民92人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,613人に(2020年3月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月19日付)を公開し、3月18日に難民92人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは92人(うち女性28人、子供47人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,613人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,365人(うち女性55,107人、子ども93,304人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,716,330人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,893人(うち女性242,383人、子供411,795人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.