反体制組織のシリア対応調整者は新型コロナウイルスに対するイドリブ県の医療体制の脆弱さを指摘、国際社会に支援を要請(2020年3月27日)

反体制組織のシリア対応調整者は声明を出し、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の新型コロナウイルス感染に対する医療体制の脆弱さを明らかにし、国際社会、とりわけ世界保健機構(WHO)に支援を要請した。

それによると、イドリブ県内にはベッド1,689床、集中治療用機器243台、人工呼吸器107台、医療用隔離室32室が用意されているという。

同組織によると、イドリブ県の人口は4,017,000人とされ、ベッドは住民2,378人につき1床、集中治療用機器は15,534人につき1台、人工呼吸器は37,549人につき1台、隔離室は125,554人につき1室しか確保されていないことになるという。


AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市で国民軍所属組織どうしが交戦し、1人死亡、4人負傷(2020年3月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団やANHA(3月7日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市で国民軍に所属するシャーム戦線と第51旅団の戦闘員が交戦、第51旅団の戦闘員1人が死亡、双方合わせて4人が負傷した。

衝突の原因は不明だが、当初軽火器を打ち合っていた両者は、迫撃砲などを使用し激しく交戦したという。

また、アフリーン市近郊のシャッラー村でも、国民軍の戦闘員3人が何者かが投げた手榴弾の爆発に巻き込まれて死亡した。

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ラッカ県では、ANHA(3月7日付)によると、トルコ占領下のタッル・アブヤド市で国民軍戦闘員が、別の部隊との交代や2ヶ月以上延滞されている給与の支払いを求めて座り込みデモを行った。

これに対して、国民軍憲兵隊が参加した戦闘員50人以上を逮捕した。

一方、トルコ軍と国民軍は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村を砲撃した。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領とUAEのムハンマド皇太子が電話会談を行い新型コロナウイルスへの対応を協議(2020年3月27日)

シリアのアサド大統領はアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子と電話会談を行った。

SANA(3月27日付)によると、会談で、ムハンマド皇太子は、新型コロナウイルス感染が拡大する非常事態において、シリア国民を支援することを確認、「姉妹国であるシリアだけが、こうした深刻な状況下において孤立することはない」と強調したという。

両者の電話会談は2012年以降初めて。

UAEのWAM通信(3月27日付)も、会談で中東地域および世界での新型コロナウイルス感染の状況について意見が交わされたとしたうえで、シリアへの支援の可能性について協議したと伝えた。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020、WAM, March 27, 2020などをもとに作成。

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ハミース内閣の新型コロナウイルス対策チームは、3月29日から許可を得ていない者が県内の都市間、都市農村間の移動を禁止(2020年3月27日)

イマード・ハミース内閣の新型コロナウイルス対策チームは、3月29日午後2時から追って通知があるまでの期間、許可を得ていない者が各県内の都市間、都市農村間を移動することを禁じると決定した。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市近郊でシリア軍と住民が村に入ろうとした米軍の車列を撃退(2020年3月27日)

ハサカ県では、SANA(3月27日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のハームー村で、シリア軍と住民が村に入ろうとした米軍の車列を撃退した。

報道によると、装甲車5輌からな米軍の車列が村に入ろうとしたが、住民がシリア軍とともに立ちはだかり、投石するなどしてこれを追い返したという。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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スワイダー県で地元住民が誘拐犯グループを包囲、殺害(2020年3月27日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、クライヤー町近郊で、地元住民からなる民兵が誘拐犯グループを包囲、メンバー10人を殺害した。

10人のうち3人は、包囲されたのを受けて、身につけていた自爆ベルトを爆発させ、死亡したという。

また、シリア人権監視団によると、ダルアー県ブスラー・シャーム市の地元の武装集団が、クライヤー町を襲撃、同地の地元の誘拐団メンバーを捕らえ、うち6人を殺害した。

同地では、25日にこの誘拐団が、ブスラー・シャーム市の住民2人を拉致していた。

さらに、ドゥラル・シャーミーヤ(3月27日付)によると、シリア軍がサルハド市近郊の検問所で、「ウルマーン・ミフターフ・ハラーイブ」を名乗る地元の反体制武装集団の車に向けて発砲、乗っていた4人を殺害した。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、March 28, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がM4高速道路で単独パトロールを行う一方、民間人がロシア・トルコ軍合同パトロールに反対するために派遣される(2020年3月27日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから22日目となる3月27日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路のサラーキブ市とムサイビーン村を結ぶ区間で8度目となる単独パトロールを実施した。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など60輌からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、民間人の一団が、ロシア・トルコ軍のM4高速道路での合同パトロールを拒否するためのデモを行うため、アリーハー市近郊の沿線に派遣された。

このほか、シリア軍がバーラ村、スフーフン村、カフル・ウワイド村を砲撃、対する「決戦」作戦司令室もカフルバッティーフ村のシリア軍拠点を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, March 27, 2020、ANHA, March 27, 2020、AP, March 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 27, 2020、Reuters, March 27, 2020、SANA, March 27, 2020、SOHR, March 27, 2020、UPI, March 27, 2020などをもとに作成。

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