ロシアのプーチン大統領「我々は誰とも戦争するつもりはない」(2020年3月2日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、タス通信(3月2日付)の新コーナー「ウラジーミル・プーチンの20人の高官」のなかで、イドリブ県情勢の緊迫化に関して、「我々は誰とも戦争するつもりはない。だが、我々は、誰かが我々に対して戦争をしかけるようと思いつかないようにするため、防空分野において事態に備えるようと取り組んでいる」と述べた。

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020TASSMarch 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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シリアの外務在外居住者省はトルコ軍の攻撃を厳しく非難(2020年3月2日)

シリアの外務在外居住者省の公式筋は、トルコ軍が2月27日に開始していたという「春の盾」作戦に関して、「シリアの主権と領土不可侵に対するトルコの野蛮な攻撃を厳しく非難、これを拒否する」と述べた。

同公式筋は「トルコのこの攻撃は、エルドアン体制に最低限の信頼さえも欠いており、アスタナ・プロセスやソチ合意での義務を履行しようとしないこと、テロ組織とあくまでも共闘しようとしていることを示している」と非難する一方、国際社会に対しては、「シリア人の苦しみを利用して、欧州に難民が押し寄せるのを許すことで、欧州諸国に揺さぶりかける…エルドアン体制の振る舞いを食い止める」よう呼びかけた。

SANA(3月2日付)が伝えた。

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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ダルアー県サナマイン市で政府との和解を改めて拒否した武装集団がイドリブ県に退去することで同意(2020年3月2日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市で、シリア政府との和解を改めて拒否する元反体制武装集団のメンバー26人が、ロシアの仲介により、3日早朝にイドリブ県に退去することをシリア政府側と合意した。

サナマイン市では1日、シリア軍が、戦車などからなる部隊を治安維持のために進駐させようとしたが、地元の武装集団が抵抗し交戦となり、元反体制武装集団メンバー3人が死亡していた。

2日にもシリア軍と武装集団の間で激しい戦闘があった。

 

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍機がクナイトラ県の車輌をミサイル攻撃(2020年3月2日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍無人航空機(ドローン)が、アイン・ティーナ村で、親政権民兵の車輌を攻撃し、これを破壊した。

死傷者が出たかは不明。

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これに関して、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/AvichayAdraee/)で「イスラエル軍部隊は先ほど、ゴラン高原北部地域で狙撃が行われようとしているのを補則した…。これを鑑み、同部隊はこの作戦を実施しようとしていた車を攻撃した」と発表した。

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一方、SANA(3月2日付)は、イスラエル軍が占領下ゴラン高原上空からアイン・ティーナ村で車に対してミサイル攻撃を行った、と伝えた。

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はラッカ県、ハサカ県を砲撃(2020年3月2日)

ラッカ県では、ANHA(3月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村、アイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ、フーシャーン村、ハーリディーヤ村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(3月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がアイン・アラブ(コバネ)市近郊の国境地帯で合同パトロールを実施した。

一方、アフリーン解放戦線は声明を出し、1日にマルアナーズ村でトルコの支援を受ける反体制武装集団を攻撃し、3人を殺害したと発表した。

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アサド大統領はシリアを訪問中のリビア国民軍側の副首相・外相と会談(2020年3月2日)

アサド大統領は、リビア(リビア国民軍)のアブドゥッラフマーン・ウハイリシュ副首相、アブドゥルハーディー・フワイジュ外務国際協力大臣らからなる使節団と会談した。

SANA(3月2日付)によると、会談でえは、両国関係、テロとの戦い、トルコなどによる外国の干渉への対応などについて意見が交わされた。

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍ドローンの爆撃にもかかわらず、シリア軍はサラーキブ市を奪還、トルコ軍兵士1人を砲撃で殺害(2020年3月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍無人航空機(ドローン)が、サラーキブ市一帯のシリア軍拠点に対して爆撃を行った。

また、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、サラーキブ市一帯、同市近郊のジャウバース村、タルナバ村一帯でシリア軍への攻撃を続けた。

しかし、シリア軍地上部隊はシリア・ロシア軍の航空支援を受けて反撃し、「決戦」作戦司令室との激しい戦闘の末、サラーキブ市を再び制圧した。

サラーキブ市は2月5日にシリア軍が制圧したが、トルコの支援を受ける「決戦」作戦司令室は26日にこれを奪還したと発表していた。

シリア軍によるサラーキブ市再制圧を受け、ロシア軍はサラーキブ市に憲兵隊を派遣したと発表した。

これに対して、シャーム解放機構は、精鋭のアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊を同地に派遣した。

シリア軍地上部隊はまた、タフタナーズ航空基地に設置されているトルコ軍の拠点を砲撃し、トルコ軍兵士1人が死亡、3人が負傷した。

シリア軍地上部隊はさらに、シリア・ロシア両軍の航空支援を受けて、県南部で「決戦」作戦司令室に攻勢をかけ、フライフィル村、ダール・カビーラ村、ハザーリーン村を奪還した。

一方、ロシア軍戦闘機は、県南部のほか、フーア市、アドワーン村、サラーキブ市一帯を爆撃し、フーア市で住民2人が死亡、6人が負傷、アドワーン村では国内避難民(IDPs)2人が死亡した。

これに対して、トルコ軍は、カフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所から戦車や装甲車などからなる車列をシリア領内に進入させ、イドリブ県との県境に位置するアレッポ県のバータブー村に新たな拠点を設置した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍地上部隊がカブターン・ジャバル村、アンジャーラ村、シャイフ・アキール山、カフル・ハラブ村を砲撃、「決戦」作戦司令室が同地でシリア軍と激しく交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍防空部隊が、シリア駐留ロシア軍司令室が設置されているフマイミーム航空基地に向かって飛来した無人航空機複数機を撃墜した。

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ハマー県では、SANA(3月2日付)によると、トルコ軍の支援を受ける「決戦」作戦司令室がジューリーン村を砲撃し、女性1人と子ども1人が死亡、住民7人が死亡した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士11人と「決戦」作戦司令室戦闘員21人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県4件、ラタキア県18件、アレッポ県8件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県11件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 2, 2020、ANHA, March 2, 2020、AP, March 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 2, 2020、Reuters, March 2, 2020、SANA, March 2, 2020、SOHR, March 2, 2020、UPI, March 2, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民743人と国内避難民(IDPs)1,821人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は566,954人、2019年以降帰還したIDPsは59,515人に(2020年3月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月2日付)を公開し、3月1日に難民743人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは340人(うち女性102人、子供173人)、ヨルダンから帰国したのは403人(うち女性121人、子供206人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は566,954人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者179,339人(うち女性54,199人、子ども91,761人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者387,615人(うち女性116,328人、子ども197,677人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,580,101人(うち女性1,974,030人、子供3,355,852人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は796,234人(うち女性239,185人、子供406,360人)となった。

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一方、国内避難民1,821人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したの1,821人(うち女性691人、子ども422人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は59,515人(うち女性20,280人、子供24,782人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,328,111人(うち女性402,839人、子供668,548人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 2, 2020をもとに作成。

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