シャーム解放機構と国民解放戦線が撃墜したシリア軍戦闘機のパイロットの遺体をめぐって交戦、トルコ軍が介入し前者に遺体が引き渡される(2020年3月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室を主導するシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構と、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に対して、3日にトルコ軍によって撃墜されたシリア軍戦闘機のパイロットの遺体の引き渡すよう要求、国民解放戦線が拒否したことで戦闘状態に入った。

トルコ軍が介入し、戦闘は収束、遺体はシャーム解放機構に引き渡された。

AFP, March 6, 2020、ANHA, March 6, 2020、AP, March 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 6, 2020、Reuters, March 6, 2020、SANA, March 6, 2020、SOHR, March 6, 2020、UPI, March 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領「シリアでなぜトルコ軍兵士が死んでいるのか? トルコの国益とは無関係の同胞団的なエルドアン大統領の大義のためだ」(2020年3月5日)

アサド大統領はロシア24(3月5日付)のインタビューに応じた。

インタビューは通訳を通じてロシア語・アラビア語で行われた。

アサド大統領の主な発言は以下の通り:

https://youtu.be/xTuS27YHaGo

 

**

米国は、自らが思い描く計画をこの地域の世俗的政府が実行できないと判断した。ここでいう国というのは米国の同盟国のことで、同盟国でないシリアのような国のことを話しているのではない。米国はこうした体制を、人々を指導するために宗教を利用する同胞団的体制にとって代えようと決心したのだ…。この転換プロセスはいわゆる「アラブの春」を通じて始められた。もちろん、当時存在した唯一の同胞団的国家とは、エルドアン自身が作り出したトルコ国家だけだった…。それ以前は我々と(トルコと)の関係は良好だった…。我々はトルコが隣人で同胞だと考えていた。しかし、エルドアンの同胞団的帰属はこうした言葉よりも強かった。彼は自身のこの帰属に立ち返り、的帰属に基づいて…シリアに対する政策を構築した。同胞団が権力の座に着くために暴力に依存し、宗教を利用しようとした最初のグループだというのは周知の通りだ。こう問いかけたとする。シリアでなぜトルコ軍兵士が死んでいるのか? 大義は何なのか…? 大義は一つしかない。トルコの国益とは無関係の同胞団的な大義だ…。トルコ国民はこの大義のためだけに死んでいるのだ。だから、彼はトルコ国民になぜシリアでトルコの兵士が戦っているのかを説明できないのだ。

ロシアとトルコの多元的、集中的な会合であれ、シリアとトルコの軍・治安関係者の限定的な階段であれ…、トルコをテロ支援から遠ざけ、あるべき場所に戻ってもらうことが、我々ロシアとシリアの共通の目的だ。なぜなら、我々シリアにとって、そしてあなた方(ロシア)にとっても、トルコは隣国だからだ…。そうしたことは可能か? もちろん、可能だ。だが、エルドアンがテロリストを支援していれば、この結果に到達することはできない。テロ支援をあきらめさせねばならない。それで、事態は元に戻る。なぜなら、両国民の間に敵意はないからだ。敵意は政治的な出来事、あるいは特定の利害が絡んだ政策が理由だ。シリア国民レベル、そしてトルコ国民レベルにおいて、意見の対立はない。だから…、こうした関係を正常なものに戻すべきなのだ。

私はトルコ国民に問いたい。シリアとの関係におけるあなた方の大義とは何なのか? トルコの市民がシリアのために死ぬに値する大義とは何なのか? この戦争、あるいはそれ以前に、トルコに対してシリアが行った大なり、小なりの敵対行為とは一体何なのか? そんなものは存在しないのだ。

私は、同胞団に属する様々な国の人たちと会ってきた。彼(エルドアン)もその一人だ…。彼らはみな同じことをする。シリア、そして私との個人的関係についてきれいごとを言うが、事態が変わると、全く逆のことを言う。それがムスリム同胞団なのだ。彼らに政治的道徳、社会的道徳、宗教的道徳などない。彼らにとって宗教は善行ではなく、暴力なのだ。

我々は小国だが、このような戦争で大国になる要素がある。第1に、そして最も重要なものとして、愛国的意識、国民的意識だ。今起きていることが西側の陰謀の結果であるとの意識をシリア国民が持っていなければ、シリアはあっという間に消滅、ないしは破壊されていただろう。国民的意識がさまざまな方面で国民統合をもたらした…。この意識がテロに立ち向かう国家との結束をもたらした…。第2の要素は、犠牲を惜しまない国民の伝説的とも言える能力だ。それをシリア・アラブ軍に見ることができる…。軍の犠牲に加えて、国民自身も犠牲を払った。非常に困難な状況で暮らしている。砲撃は続き、制裁が行われ、経済状況も悪い。にもかかわらず、国民は自らの祖国を守ろうとしている。第3の要素は国家を維持するのに重要な役割を果たす公的セクターだ。これがあるために、最悪の状況でも、給与は支払われ、学校は運営され、市民に日々のサービスが提供された…。これらの要素に加えて、ロシアやイランをはじめとする我々の友人が支えてくれたことも挙げられる。

今日のシリア社会は…結束力という点、さまざまな集団が社会的に統合されている点で、戦争以前よりも良くなっている。理由は簡単だ。戦争というのはどんな社会にも重要な教訓を与えるからだ…。過激派が破壊を行い、他者を受け入れないことが深刻な問題をもたらすという教訓。その結果、集団どうしが近づいていった…。問題は政府の支配の外にあった地域だ…。だが、シリアの戦争は宗派間の戦争だとする西側の作り話はさておき、私は懸念していない。こうした言葉は正しくはない。

このような戦争において、もっとも基本的な内政策の一つが恩赦だ。我々は犯された過ちに恩赦することなければ、安定を回復できない。これが戦争の最初から我々が行ってきたことだ…。このプロセスは非常にうまくいき、多くの地域で安定が回復された。我々はこの政策を続けていく。とはいえ、恩赦ができない状況も限定的ではあるが存在する。犯罪行為を行い、多くの人々を殺戮した者だ。そのほとんどがテロリストの幹部だ。ただし、ほとんどの場合、国家に復帰することができると考えている。なぜなら、武器を手にした者の多くが、そうせざるを得なかったからだ。彼らにはそれ以外の選択肢はなかった。武器を手にしなかったら、殺されていた。こうした者は、必然的に過激派になったのはない。テロリストとしての過去もない。武器を手にすることを強いられた普通の人間だ。

(政府の支配下に復帰した)多くの地域には、民間人はいない。テロリストが入ってきた時に出て行ってしまったからだ。我々がこれらの地域で最初することは、住民が戻れるようになるためのインフラの整備だ…。第2の挑戦は…学校の再建だ…。この二つが、テロリストが退去し、安定が戻ってきた地域において重要な二つの基礎だ。

関係正常化や和解がうまくいったからといって、それは100%の成功を意味しない。完璧は存在しない。一部の者はテロリストの傾向や過激派イデオロギーを留めている。別の場所の過激派に協力し、テロ行為を実行したりすることもある。最近でも、さまざまな場所で多くの爆弾事件が発生した…。しかし、それは和解プロセスを止めることではなく、スリーパー・セルを追跡することを意味する。我々は多くの容疑者を逮捕できたが、まだいる。

憲法がある。我々は立憲国家だ。西側の脅威、西側の望みに従うことはない…。だから、憲法の制定や大統領・議会選出のための投票を延期するよう提案がなされたが、我々はこの戦争を通じてそれを拒否してきた。次期国会選挙は数ヶ月中におこなわれる。我々は決められた日程に従って事を進める。

ほとんどのアラブ諸国はシリアとの関係を維持してきた。しかし、(欧米諸国の)圧力を恐れて非公式に、だ。これらの国にはシリアへの指示を表明し、テロリストに対する我々の勝利を願ってきた。だが、西側、とくに米国がこれらの国に強い圧力をかけ、シリアに大使館を再開しないよう迫ってきた。とりわけ湾岸諸国に対してだ。一方、欧州は…、国際政治において存在していないに等しい…。欧州諸国は米国によって任されたことを実効しているだけだ…。本当のところ、我々は欧州の役割や欧州の政治について話すことに時間を費やしたくもない。主人は米国なのだ。米国について話すということは、自動的に欧州について話すことにもなる。だが…、変化はある。これらの国の望みは何一つ実現せず…、代価を支払っているのは欧州だということが明らかになっている。欧州の難民問題は深刻だ。

我々とあなた方ロシアの関係は60年以上に及ぶ…。両国の関係は互恵関係だ…。我々はこの戦争において1日たりとも、ロシアが我々に何かを押しつけようとしているとは感じていない。ロシアはいつも尊敬の念をもって我々に接してきた…。シリアとロシアの関係は、特にこの戦争を経て、明らかに戦略的な関係になった。そしてこの関係はより強固で、より信頼に満ちたものとなった。

もっとも重要なのは破壊し尽くされた郊外の復興だ。投資系企業にとってのトップ・プライオリティだと私が考えているのがこれだ…。この分野は確実に利益が見込める。それ以外にも、石油・ガス部門がある。この分野も利益が見込める。現在、多くのロシア企業がシリア国内で活動を始めている…。生産を拡大するうえで最大の障害は、テロリストと米国の占領だ。米国はとくにシリアの油田地帯を占拠している。

軍事的側面における最優先課題はイドリブ県だ。だから、エルドアンは全力を投じている。もちろん、それが米国の支持に従っていることは間違いない。なぜなら、イドリブ県の解放は、我々が東部の解放に向かうことを意味しているからだ。私はこれまで何度も、イドリブ県というのが軍事的側面において前哨地だと言ってきた。だから、トルコはイドリブ県の解放を阻止しようと全軍を配置してきた。我々が東進しないようにするためだ。だが、もし、我々が東部地域で戦争を始めないとしても、市民と連絡は取り合っている。東部地域での人々の怒りは徐々に高まっており、占領者に対する抵抗プロセスが始まることだろう。国家は、愛国的、そして憲政上の義務として、占領勢力に対する抵抗を支援する…。民衆は米国の占領に反対するだろう…。米国にはとどまることはできないだろう。石油のためであれ、ダーイシュ(イスラーム国)やヌスラ(シャーム解放機構)といったテロリストを支援するためであれ、なんであれ…。もちろんシリア北部を占領しているトルコも同じだということを忘れてはならない。

我々はシリア北部のすべてのクルド人政治グループと連絡をとっている。だが、問題なのは、これらのグループの一部が米国の権威のもとに活動していることだ。我々はクルド人とは言わない。なぜなら、クルド人の大部分は愛国的なグループ・部族で、国家とともにあるからだ。だが、これらのグループは声を出せない。この地域を支配しているのは、米国と共に行動する小さなグループに過ぎない。

シリアにはいわゆるクルド問題はない。理由は簡単だ。クルド人は歴史的にシリアのなかに生きづいているからだ。トルコの弾圧を受けて20世紀にやってきた人々…我々は彼らをシリアに迎え入れた。クルド人やアルメニア教徒らがシリアにやって来たが、問題はなかった…。問題は数十年前から分離主義的なアジェンダを提起するグループにある…。だが、トルコの国家がクルド人に対して弾圧、殺戮を行えば、我々は彼らを支持する。

彼らはシリアで国籍を取得した。もともとシリア人ではなかったのだ。クルド人をめぐってはいつも良いことが生じていた。つまり、いわゆるクルド問題というのは不正確な表現なのだ。

現時点での問題は米国との関係だ。米国は占領者だからだ。米国は我が国の領土を占領し、石油を盗んでいる。

このクルド人グループはトルコの占領に反対すると言い、トルコの占領と戦うという声明を何度も出している。しかし、トルコが(イドリブ県に)進攻した時、一発も撃たなかった。なぜか? トルコが進攻する場所を決めているのが米国だからだ…。我々は言動を一致させて欲しいのだ…。しかし彼らは中立を守っている。米国、トルコと共に歩んでいる。

(私の)公的な立場に関して、このような状況でまず考えるのは、祖国防衛だ。これが国家を担っている私の義務だ…。過ちはあるだろうか? もちろん、どんな行動にも過ちはある。もっと良い政治的・軍事的判断はなかったろうか? 必ずある…。シリアの場合も同じだ…。しかし、9年が経って思うのは、我々が別の方向に進んでいたら、我々は祖国を真っ先に失っていただろうということだ。つまり、決定は正しかったのだ。一方、日々の過ちはもちろん続いていた。過ちがなされるたびに、我々はそれをただし、決定を改めねばならない。それは当然のことだ。

一方、個人的な事柄について言うと…、どんな人間にも祖国への思いというものがある。とくに、我々は戦争が始まる前は急成長を遂げていた…。もちろん改革プロセスにおいて多くの問題があった…。汚職、失政などだ。とはいえ、国力は改善し、発展していた…。間違いなく言えるのは、どんな戦争にも理由があるが、その結果は非常に悪いものになるというものだ。戦争に良い感情を持つことなどあり得ない。常に痛みや憤りを感じ、常に正しい人々が失われ、日々資源が失われる…。しかしこうした痛みが同時にもっと働こうという動機、インセンティブになる。

Russia 24, March 5, 2020、SANA, March 5, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がラッカ県、アレッポ県を砲撃(2020年3月5日)

ラッカ県では、ANHA(3月5日付)によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村を砲撃した。

一方、シリア民主軍は、アイン・イーサー市とシャルカラーク穀物サイロ間の上空に飛来したトルコ軍の偵察用無人航空機(ドローン)を撃墜した。

**

アレッポ県では、ANHA(3月5日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府支配の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村、シャイフ・イーサー村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

一方、アフリーン解放戦線が声明を出し、ラージュー町近郊とブルブル町近郊で反体制武装集団を攻撃し、戦闘員7人を殺害したと発表した。

AFP, March 5, 2020、ANHA, March 5, 2020、AP, March 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 5, 2020、Reuters, March 5, 2020、SANA, March 5, 2020、SOHR, March 5, 2020、UPI, March 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領がイドリブ県の現状を凍結して5日深夜から停戦することを合意(2020年3月5日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がモスクワで首脳会談を行った。

6時間にわたる会合では、イドリブ県情勢への対応などについて意見が交わされた。

**

エルドアン大統領は会談後の共同記者会見で、イドリブ県の情勢への対応をめぐって合意点と相違点を確認したとしたうえで、「(5日)深夜より停戦を発効する」と発表した。

エルドアン大統領はまた、現場がこの停戦に応じることを希望すると述べる一方、シリア軍によるすべての攻撃に対する報復権を留保すると付言した。

**

一方、プーチン大統領は、同地の現状を凍結するかたちで停戦することを定めた合同文書を交わしたことを明らかにした。

プーチン大統領は、トルコ側の見解のすべてに同意していないとしながらも、今回は事態の深刻さを踏まえて、合意に至ったと付言した。

そのうえで、シリアの独立、主権、国土統一の原則を遵守し、「テロとの戦い」を継続することを改めて強調するとともに、アスタナ会議の枠組みに沿った活動の継続に関心を示し続けると述べた。

AFP, March 5, 2020、ANHA, March 5, 2020、AP, March 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 5, 2020、Reuters, March 5, 2020、SANA, March 5, 2020、SOHR, March 5, 2020、UPI, March 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県、ハマー県、アレッポ県で、シリア軍、ロシア軍、トルコ軍、「決戦」作戦司令室の戦闘続く(2020年3月5日)

イドリブ県を中心とする反体制派支配地では、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領による停戦合意発効(5日深夜)に先立って、シリア軍とトルコ軍、そしてその支援を受ける「決戦」作戦司令室(シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体)の戦闘が続き、ロシア・シリア軍、そしてトルコ軍が爆撃を実施した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、サラーキブ市近郊、アリーハー市近郊、マアッラトミスリーン市近郊、ザーウィヤ山一帯を爆撃した。

マアッラトミスリーン市近郊の爆撃では、国内避難民(IDPs)7人が死亡した。

シリア軍も戦闘機がザーウィヤ山一帯を爆撃するとともに、地上部隊がナイラブ村のトルコ軍拠点を砲撃し、トルコ軍兵士2人が死亡した。

ナイラブ村への砲撃は、首脳会談直後に行われたが、停戦は発効していなかった。

これに関して、トルコ国防省は声明を出し、イドリブ県に対するシリア軍の砲撃で新たにトルコ軍兵士2人が死亡、3人が負傷した。

トルコ軍部隊は直ちに抱腹としてシリア軍に対して砲撃を行ったという。

また、トルコ軍は、砲兵部隊がタルナバ村、サラーキブ市を砲撃し、無人航空機(ドローン)が県南部一帯を爆撃した。

さらに、シリア軍と「決戦」作戦司令室がサラーキブ市一帯、ザーウィヤ山一帯で交戦した。

一方、SANA(3月5日付)によると、シリア軍はカンスフラ村、カフル・ウワイド村でトルコ軍の支援を受けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対して集中攻撃を加えた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がガーブ平原一帯を爆撃した。

また、シリア軍地上部隊がズィヤーラ町、カストゥーン村、サルマーニーヤ村、タッル・ワースィト村、アンカーウィー村、ダクマーク村、マシーク村を砲撃、「決戦」作戦司令室と交戦した。

これに対して、トルコ軍がドゥワイル村を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、また、シリア軍と「決戦」作戦司令室がハッダーダ村一帯で交戦した。

**

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月5日付)によると、「決戦」作戦司令室がダーラト・イッザ市上空でロシア軍の無人航空機(ドローン)を撃墜した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町近郊の街道で、シリア軍第4師団の兵士が何者かの発砲を受けて死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を58件(イドリブ県30件、ラタキア県15件、アレッポ県12件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を39件(イドリブ県29件、ラタキア県0件、アレッポ県10件、ハマー県0件)確認した。

AFP, March 5, 2020、ANHA, March 5, 2020、AP, March 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 5, 2020、Reuters, March 5, 2020、SANA, March 5, 2020、SOHR, March 5, 2020、UPI, March 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民842人と国内避難民(IDPs)1,520人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は569,482人、2019年以降帰還したIDPsは61,035人に(2020年3月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月5日付)を公開し、3月4日に難民842人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは194人(うち女性58人、子供99人)、ヨルダンから帰国したのは648人(うち女性194人、子供330人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は569,482人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者179,980人(うち女性54,391人、子ども92,088人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者389,502人(うち女性116,894人、子ども198,638人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,580,101人(うち女性1,974,030人、子供3,355,852人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は798,762人(うち女性239,943人、子供407,648人)となった。

**

一方、国内避難民1,520人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したの1,520人(うち女性543人、子ども491人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は61,035人(うち女性20,823人、子供25,273人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,329,631人(うち女性403,382人、子供669,039人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 5, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍がレバノン領空を侵犯し、シリア領内をミサイル攻撃、シリア軍がこれを迎撃(2020年3月5日)

SANA(3月5日付)は、シリア軍の防空部隊が5日0時30分にパレスチナ北部からレバノンのサイダー市上空を侵犯した航空機(イスラエル軍機)がヒムス県に向けて発射したミサイルを迎撃、これを撃破したと伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月5日付)によると、イスラエル軍はダマスカス郊外県のキスワ市近郊の第1師団第91旅団やムカイラビーヤ市近郊の代75旅団のシリア軍および「イランの民兵」の拠点、マルジュ・スルターン村、ダマスカス県のマッザ航空基地、ダルアー県のイズラア市などを狙ったという。

AFP, March 5, 2020、ANHA, March 5, 2020、AP, March 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 5, 2020、Reuters, March 5, 2020、SANA, March 5, 2020、SOHR, March 5, 2020、UPI, March 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.