トルコ在住の反体制女性ジャーナリストが新型コロナウイルスに感染、誰にも告げずホテルで自主隔離(2020年3月31日)

トルコのイスタンブール在住の反体制女性ジャーナリストのアーラー・ムハンマド氏が、インスタグラムを通じて新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした。

ムハンマド氏は2019年まで反体制メディアのオリエント・テレビの司会者を務めていた。

ムハンマド氏によると、トルコで外出制限が発表された当初、外出を控えておらず、スーパーマーケットやモールで買い物をした際に感染したと考えられるが、感染時期や経路は明らかではないという。

感染が確認される前、ムハンマド氏は水タバコ・カフェで過ごしていたが、トイレに行こうとして立った際に目眩がして意識を失い、気がつくと病院に搬送されていたという。

その後、インフルエンザに感染したようなだるさを感じ、3日目に悪化、病院で新型コロナウイルスに係るPCR検査を受けた結果、陽性と診断されたという。

夫と2歳の息子に感染することを恐れ、ムハンマド氏は、自分が感染したことを誰にも告げずにイスタンブール市内のホテルに部屋を借り、自主隔離を開始したという。

インスタグラムでビデオ・メッセージを発信したのは、自主隔離を始めてから11日目が経ち、健康状態が回復したからで、「シリア人に明日への希望を与え…、感染の恐怖の犠牲となって欲しくなく、人の意志に勝るものがないことを示したかった」からだという。

AFP, April 1, 2020、ANHA, April 1, 2020、AP, April 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2020、Reuters, April 1, 2020、SANA, April 1, 2020、SOHR, April 1, 2020、UPI, April 1, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はアレッポ県、ラッカ県北部を砲撃(2020年3月31日)

アレッポ県では、ANHA(3月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局共同支配下のマンビジュ市郊外のサイヤーダ村、ダンダニーヤ村、ウンム・アダサ村、ファーラート村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(3月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のクール・ハサン村を砲撃した。

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ハサカ県では、SANA(3月31日付)によると、ラアス・アイン市一帯を不法占拠するトルコ軍が同市西のアルーク村にある揚水場からの水道水の供給を再開、シリア政府支配下のタッル・タムル町近郊の貯水場の水道水貯蔵が確保された。

AFP, March 31, 2020、ANHA, March 31, 2020、AP, March 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2020、Reuters, March 31, 2020、SANA, March 31, 2020、SOHR, March 31, 2020、UPI, March 31, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍がヒムス県のシャイーラート航空基地をミサイル攻撃(2020年3月31日)

SANA(3月31日付)はシリア軍筋の話として、3月31日午後8時25分、イスラエル軍戦闘機複数機がレバノン領空を侵犯、ヒムス県に向かってミサイル複数発を発射したと伝えた。

シリア軍防空部隊はただちにこれを迎撃、ミサイル多数を撃破したという。

イスラエルがシリア領内をミサイル攻撃したのは、3月5日以来約1ヶ月ぶり。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機によるミサイル攻撃は、ヒムス県西部のシャイーラート航空基地から県中部のT4航空基地(タイフール航空基地、ティヤース航空基地)に輸送機1機が移動したのを受けて行われた。

この攻撃で、イスラエル軍戦闘機はシャイーラート航空基地におよび同基地一帯に展開する「イランの民兵」の拠点複数カ所に対して、ミサイル8発以上を発射した。

レバノン24(3月31日付)によると、レバノン山地県キスラワーン郡、ジュベイル郡上空で、イスラエル軍戦闘機4機が低空で飛行し、旋回を繰り返す様子が確認されたという。

https://www.facebook.com/380935266099933/videos/523225111897457/?t=0

 

AFP, March 31, 2020、ANHA, March 31, 2020、AP, March 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2020、Lebanon 24, March 31, 2020、Reuters, March 31, 2020、SANA, March 31, 2020、SOHR, March 31, 2020、UPI, March 31, 2020などをもとに作成。

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SANAは新型コロナウイルス感染者の隔離先となっているダマスカス郊外県サイイド・ザイナブ町のジャミール・プラザ・ホテルを取材(2020年3月31日)

SANA(3月31日付)は、新型コロナウイルス感染者の隔離施設として使用されているダマスカス郊外県サイイド・ザイナブ町のジャミール・プラザ・ホテルを取材し、ホテルで勤務する医師、隔離されている患者などの様子を写真で公開した。

ジャミール・プラザ・ホテルについては、反体制派系サイトのジュルフ・ニュース(3月26日付)などが、サイイダ・ザイナブ町一帯に展開する「イランの民兵」の間で新型コロナウイルス感染が拡がっており、90人あまりが同ホテルで隔離されていると伝えていた。

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ダマスカス県とダマスカス郊外県の国内通商消費者保護局は声明を出し、新型コロナウイルス感染防止のための営業禁止令に違反した商店28店舗を31日に営業停止としたと発表した。

違反した店舗は、燃料などに価格を上乗せして販売していた。

なお、3月に営業停止処分を受けた店舗の総数は187件にのぼるという。

SANA(3月31日付)が伝えた。

AFP, March 31, 2020、ANHA, March 31, 2020、AP, March 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2020、Jurf News, March 31, 2020、Reuters, March 31, 2020、SANA, March 31, 2020、SOHR, March 31, 2020、UPI, March 31, 2020などをもとに作成。

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ハッダーム元副大統領が滞在先のパリで死亡(2020年3月31日)

ロイター通信(3月31日付)などは、アブドゥルハリーム・ハッダーム元副大統領(88歳)が滞在先のパリで死亡したと伝えた。

ハッダーム元副大統領に近い消息筋によると、元副大統領は31日の現地時間午前5時に心臓発作で死亡したという。


ハッダーム元副大統領は、対レバノン政策などをめぐって政権およびバアス党内で孤立を深め、2005年2月のレバノンのラフィーク・ハリーリー元首相暗殺事件後にシリアを去り、反体制活動家に転身していた。

シリアの軍事裁判所ダマスカス第1法廷は2008年8月、ハリーリー元首相暗殺事件に関して国連の調査委員会に嘘の証言を行い、イスラエルと結託して政権転覆を企てたとして、ハッダーム元副大統領に無期懲役刑の有罪判決を下している。

AFP, March 31, 2020、ANHA, March 31, 2020、AP, March 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2020、Reuters, March 31, 2020、SANA, March 31, 2020、SOHR, March 31, 2020、UPI, March 31, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はM4高速道路で11度目となる単独パトロールを実施(2020年3月31日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから26日目となる3月31日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路のタルナバ村とムサイビーン村を結ぶ区間で11度目となる単独パトロールを実施した。

トルコ軍はまた、戦車や装甲車など25輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入させた。

一方、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるアーフィス、ザーウィヤ山一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して「決戦」作戦司令室もサラーキブ市内のシリア軍拠点を砲撃した。

「決戦」作戦司令室はまた、ファッティーラ村一帯でシリア軍を狙撃、兵士2人を殺害した。

AFP, March 31, 2020、ANHA, March 31, 2020、AP, March 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 31, 2020、Reuters, March 31, 2020、SANA, March 31, 2020、SOHR, March 31, 2020、UPI, March 31, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年3月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月31日付)を公開し、3月30日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 31, 2020をもとに作成。

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