ロシア大統領府報道官「シリアで現在、いかなる軍事作戦も行われてない」(2020年3月23日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は「シリアで現在、いかなる軍事作戦も行われてない」と述べ、イドリブ県で当面攻撃を再開しない意向を示した。

ペスコフ報道官は「イドリブ県の状況はヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が合意を交わして以降安定した」としたうえで、「トルコとロシアの合同パトロールが現在、アレッポ市とラタキア市を結ぶ(M4高速)道路で実施されてる。それゆで、この地域でいかなる軍事作戦も行われていないと言うことができる」と述べた。

タス通信(3月23日付)が伝えた。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、TASS, March 22, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でロシア・トルコ軍が2度目となるのM4高速道路での合同パトロールを実施(2020年3月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍が5日の停戦合意の規定に従い、M4高速道路で2度目となる合同パトロールを実施した。

1度目のパトロールはシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構のメンバーとその支持者の妨害で中断を余儀なくされた。

2度目となる合同パトロールは、サラーキブ市からタルナバ村にいたる約2キロの区間で実施された。


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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とロシア軍が北・東シリア自治局とシリア政府自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市西の国境地帯で合同パトロールを実施した。

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ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターは、「トルコ側は近い将来、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路での合同パトロール活動を妨害する「過激派」を無力化する措置を実施すると誓約した」と発表した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は外出禁止令の期間を15日間と定める(2020年3月23日)

北・東シリア自治局は声明を出し、新型コロナウイルス感染防止策として3月23日に発効した外出禁止令の期間を15日に定めるとしつつ、必要に応じて延期する可能性があると発表、支配地の住民に対して、自治局が発表する決定を遵守するよう呼びかけた。

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北・東自治局の内務委員会(内務省に相当)のアリー・ハッジュー共同議長は声明を出し、新型コロナウイルス感染防止策として23日に発効した外出禁止令に関して、実施状況が80%以上に達していると発表した。


AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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UNICEFシリア事務所長はトルコによる水道水供給停止でハサカ県の子どもが新型コロナウイルス感染の脅威に晒されていると非難(2020年3月23日)

国際連合児童基金(UNICEF)シリア事務所のフラン・エクイザ所長は声明を出し、トルコ軍がアルーク揚水所からの水道水供給を停止していることに関して、「新型コロナウイルス感染拡大を食い止めようとする努力がなされているなか、子どもや家族を危機に晒しており、受け入れられない。石鹸で手を洗うことはCOVID-19に立ち向かううえできわめて重要だ」と非難した。

エクイザ所長はまた「アルーク揚水所は、ハサカ市、タッル・タムル町、フール・キャンプ、アリーシャ町で暮らす約46万人にとって主要な水源で、安全な水を得られることは、この地域の子どもや家族が病気にかからないようにし、安全でない水を使わせないようにするうえで必要なことだ。UNICEFとその協力機関はハサカ市の世帯、国内避難民(IDPs)キャンプへの水の搬入を支援しているが、再び水道供給が途絶えれば、必要最低限さえカバーできなくなる」と付言した。

そのうえで「どんな子どもでも、安全な水がない状態で1日を過ごしてはならない。きれいな水と手洗いが命を救う。軍事的・政治的目的を実現するために水利施設や水を利用することは受け入れられない。子供たちはこうしたことでまっさきに被害を受けるからだ」と締めくくった。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍が前日に続いてアルーク揚水所からハサカ市への水道供給を停止(2020年3月23日)

ハサカ県では、SANA(3月23日付)によると、ラアス・アイン市近郊のアルーク村にある揚水所に駐留するトルコ軍部隊が、前日に続いて、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市およびその周辺地域への水道水の供給を停止した。


また、ANHA(3月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(3月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、クール・ハサン村などM4高速道路沿線一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(3月23日付)によると、トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のウンム・フーシュ村を砲撃、住民1人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市のアブー・バクル・モスク近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

また、ジンディールス町でも第2軍(国民解放戦線所属)の拠点近くでオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県ハームー村に入ろうとした米軍部隊をシリア軍と住民が撃退(2020年3月23日)

ハサカ県では、SANA(3月23日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のハームー村で、シリア軍と住民が村に入ろうとした米軍の車列を撃退した。

報道によると、装甲車11輌からな米軍の車列は村に入ろうとしたが、住民がシリア軍とともに立ちはだかり、投石するなどしてこれを追い返したという。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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内務省は新型コロナウイルス感染に関する嘘の情報を発信する者に対して必要な法的措置を講じると発表(2020年3月23日)

内務省は声明を出し、シリア国内での新型コロナウイルス感染に関してSNS上で拡散されている嘘の情報を監視しているとしたうえで、市民の恐怖を煽ろうとする行為を追跡し、必要な法的措置を講じると発表した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が散発的に交戦、シリア軍兵士1人死亡(2020年3月23日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから18日目となる3月23日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反は確認されなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、カフル・ウワイド村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室もカフルナブル市一帯に展開するシリア軍に反撃し、兵士1人が死亡した。

一方、トルコ軍は戦車、装甲車など45輌からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

トルコ軍はまた、ジスル・シュグール市西のM4高速道路沿線のビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は49カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所
イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点
イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザイズーン村、サルマーニーヤ村、ズィヤーラ町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を砲撃した。

一方、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地に向かって飛来した無人航空機(ドローン)が防空部隊によって撃墜された。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ブライカ村でヒズブッラーの退去を求める落書きが壁に書かれているのが発見された。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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ロシアのショイグ国防大臣がシリアを訪問しアサド大統領と会談(2020年3月23日)

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

SANA(3月23日付)によると、会談では、3月5日にロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が交わした緊張緩和地帯第1ゾーン(イドリブ県)での停戦合意、「テロ組織」による停戦違反、M4高速道路の南北各6キロ、総幅12キロの沿線一帯からの「テロリスト」の排除にかかる合意の実施方法が取り上げられた。

会談ではまた、北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川東岸、米国による同地の石油略奪、治安と安定の回復に向けた措置、対シリア制裁解除に向けたロシアの取り組みなどについても協議された。

これらの問題に関して、両国間で今後の政策、措置への意見の一致が確認されたという。

さらに会談では、両国国防省と軍の協力関係についても意見が交わされた。

会談には、アリー・アブドゥッラー・アイユーブ国防大臣、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長が同席した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民52人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,792人に(2020年3月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月23日付)を公開し、3月22日に難民52人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは52人(うち女性15人、子供27人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,792人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,544人(うち女性55,161人、子ども93,396人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,072人(うち女性242,437人、子供411,887人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2020をもとに作成。

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