トルコの支援を受ける国民解放戦線総司令官が辞任、ロシア・トルコ軍の合同パトロールへの反対が理由でないと強調(2020年3月15日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)は、複数の情報筋の話として、トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)のファドルッラー・ハッジー総司令官が辞任したと伝えた。

ハッジー総司令官はシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の司令官でもあるが、同軍団司令官職にはとどまるという。

ハッジー総司令官の辞任は、3月13日のトルコと戦線所属組織との合同会合の場で「イドリブ県での最近の戦闘での戦果」を踏まえて決定された事実上の解任で、ロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対したことが理由ではないことが強調された。

AFP, March 15, 2020、ANHA, March 15, 2020、AP, March 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2020、Reuters, March 15, 2020、SANA, March 15, 2020、SOHR, March 15, 2020、UPI, March 15, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県各所で「シリア革命」9周辺を祝う集会(2020年3月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「シリア革命」開始(2011年3月15日)9周年を祝う集会がマアッラトミスリーン市、カッリー町などで行われた。

AFP, March 15, 2020、ANHA, March 15, 2020、AP, March 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2020、Reuters, March 15, 2020、SANA, March 15, 2020、SOHR, March 15, 2020、UPI, March 15, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県マンビジュ市郊外のキャンプにイドリブ県からの避難民が入居(2020年3月15日)

アレッポ県では、ANHA(3月15日付)によると、北・東シリア自治局傘下のマンビジュ民政評議会がイドリブ県からの国内避難民(IDPs)を収容するためにマンビジュ市の南約26キロの場所に建設していたジュダイダト・ハムル・キャンプに、第1陣となる25世帯が入居した。

AFP, March 15, 2020、ANHA, March 15, 2020、AP, March 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2020、Reuters, March 15, 2020、SANA, March 15, 2020、SOHR, March 15, 2020、UPI, March 15, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は「シリア革命」9周年に合わせて声明を出し、シリア政府と反体制派が悲劇を長引かせていると非難(2020年3月15日)

北・東シリア自治局は「シリア革命」開始(2011年3月15日)9周年に合わせて声明を出し、シリア国内の悲劇を終わらせ、安定と民主主義の実現に貢献するため、「道徳的・愛国的責任を果たす」と表明した。

同局はまた「シリアの諸集団が望む革命の西進を維持」すると強調、シリア政府と外国のアジェンダにかかわる反体制派がシリアの悲劇を長引かせていると非難した。

そのうえで、すべての政治勢力に問題解決と安定の実現を支援するよう呼びかけるとともに、国際社会に対しては、国連安保理決議第2254号に準じ、紛争解決において役割を果たすよう訴えた。

AFP, March 15, 2020、ANHA, March 15, 2020、AP, March 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2020、Reuters, March 15, 2020、SANA, March 15, 2020、SOHR, March 15, 2020、UPI, March 15, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がハサカ県、アレッポ県、ラッカ県を砲撃(2020年3月15日)

ハサカ県では、ANHA(3月15日付)、SANA(3月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊のタッル・タウィーラ村(タウィーラト・ウィカーア村)を砲撃した。


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アレッポ県では、ANHA(3月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(3月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村を砲撃した。

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米軍の貨物車輌62輌が軍用車両11輌とともにイラクからシリア領内に新たに進入(2020年3月15日)

ハサカ県では、SANA(3月15日付)によると、米軍の貨物車輌62輌が軍用車両11輌とともにイラク国境のワリード国境通行所からシリア領内に進入した。

AFP, March 15, 2020、ANHA, March 15, 2020、AP, March 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2020、Reuters, March 15, 2020、SANA, March 15, 2020、SOHR, March 15, 2020、UPI, March 15, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局もモスクでの集団礼拝を禁止するなど新型コロナウイルス感染予防策を続ける(2020年3月15日)

北・東シリア自治局は決定第28号を施行、新型コロナウイルス感染予防策として、16日から19日までの4日間、自治局内のすべての公共機関を閉鎖することを決定した。

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北・東シリア自治局傘下のイスラーム民主社会大会は、14日の決定第23号施行を受けて、自治局支配地域内のモスクでの金曜日午後の集団礼拝を中止することを決定した。

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北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の保健委員会(保健省に相当)はハサカ県カーミシュリー市で記者会見を開き、新型コロナウイルス感染予防策として関係機関施設内での消毒作業を開始したと発表した。


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北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ市シャイム・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区で、北・東シリア自治局保健委員会が新型コロナウイルス感染予防策として、両地区に入る住民の健康状態のチェックを開始した。
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ANHA(3月15日付)が伝えた。

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シリア政府による新型コロナウイルス感染予防策続く(2020年3月15日)

保健省は声明を出し、イラクから空路で帰国し、新型コロナウイルスの感染が疑われていたシリア人男性1人の検査結果が陰性だったと発表した。

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イマード・ハミース内閣は前日に続いて閣議を開き、新型コロナウイルス感染防止対策を実施するために各省に具体的な指示を与えた。

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文化省は、閣議決定を受けて、新型コロナウイルス感染防止対策として、同省が所轄していた文盲撲滅活動、祭典、展示・展覧会、ブックフェア、講演会、セミナー、演劇・音楽・映画上演、博物館展示、文化関連の集会を開催しないことを決定した。

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宗教関係省は、3月15日から4月4日まで金曜日午後の集団礼拝および説教を中止することを決定した。

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アレッポ県では、前日の閣議決定を受けて、新型コロナウイルス感染防止対策として、アレッポ大学の大学寮、アレッポ市内の公共交通機関(旅客バス)で消毒作業が行われた。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル市議会が、新型コロナウイルス感染防止対策として、長距離旅客バスの消毒作業を実施した。

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SANA(3月15日付)が伝えた。

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シリア赤新月社はシャーム解放機構が自治を委託するシリア救国内閣によるイドリブ市とアリーハー市の事務所閉鎖と設備・医薬品没収を非難(2020年3月15日)

シリア赤新月社は声明を出し、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構によって自治を委託されているシリア救国内閣の検察総局が、イドリブ市、アリーハー市でのシリア赤新月社の事務所を閉鎖し、設備や医薬品を没収したことを受け、「テロ集団」がアリーハー市の事務所を襲撃、略奪が行われたと非難した。

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M4高速道路でのロシア・トルコ軍合同パトロールが住民とシャーム解放機構の妨害で中断を余儀なくされる(2020年3月15日)

イドリブ県では、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の5日の首脳会談での停戦合意に従い、ラタキア市とアレッポ市を結ぶM4高速道路での両国軍による合同パトロールが開始された。

RT(3月15日付)によると、合同パトロール部隊は、サラーキブ市の西約2キロの距離に位置するタルナバ村を出発、ジスル・シュグール市西のアイン・フールに向かった。

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しかし、ロシア国防省は声明を出し、「テロ組織による挑発」を受けて、実施範囲が制限されたと発表した。

シリア人権監視団によると、合同パトロール部隊は、ナイラブ村まで到着したが、「ジハード主義グループ」の妨害と住民の座り込みデモに遭い、引き返したという。

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シリア人権監視団やドゥラル・シャーミーヤによると、M4高速道路沿線では13日からアリーハー市近郊(アリーハー橋)で、「尊厳の座り込み」と銘打った座り込みデモが行われ、住民がタイヤを燃やすなどして道路を封鎖、合同パトロールに反対していた。

これに関して、SANA(3月15日付)は、「トルコ政府の支援を受けるテロ集団」がM4高速道路を封鎖し、通行妨害したと伝えた。

SANAの特派員が伝えたところによると、この「テロ集団」はアリーハー市近郊で、市民数十人を「人間の盾」として利用し、路上でタイヤを焼くなどして、ロシア軍がトルコ軍とともに15日から開始することを決定していたパトロールに抗議したという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)は、「民衆の大規模な反対」のなか合同パトロールが実施されたと伝えた。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(3月15日付)も、ロシア国防省の声明に関して、「座り込みデモ参加者をテロリスト呼ばわりした」と報じた。

しかし、シリア人権監視団は、「ジハード主義諸派」が、ロシア・トルコ軍の合同パトロール実施に先立って、M4高速道路沿線の部隊を強化するとともに、街道に架かる橋1本を爆破したと発表した。

SANA(3月16日付)によると、破壊されたのはアリーハー市西のムハムバル村の橋。

シリア人権監視団によると、「ジハード主義諸派」は、市民とともに路上でタイヤを燃やすなどして、街道を封鎖したという。

また、シャーム解放機構支持者が、ロシア・トルコ軍の合同パトロールに同行取材するロシア人の記者らを殺害したら、多額の報酬を与えると呼びかけるとともに、シャーム解放機構とシリア救国内閣が、座り込みに参加する住民に対して、交通費を負担、参加者に宿泊用のテント、食糧や飲み物を配給した。

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シリア軍はロシア・トルコ軍のM4高速道路沿線での合同パトロールが中断したのを受けて砲撃を実施(2020年3月15日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(5日深夜)してから10日目となる3月15日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(イドリブ県3件、ラタキア県3件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認なかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア・トルコ軍の合同パトロールが中断したのを受けるかたちでシリア軍がカンスフラ村などザーウィヤ山一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサルマーニーヤ村一帯を砲撃した。

AFP, March 15, 2020、ANHA, March 15, 2020、AP, March 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 15, 2020、Reuters, March 15, 2020、SANA, March 15, 2020、SOHR, March 15, 2020、UPI, March 15, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民956人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,144人に(2020年3月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月15日付)を公開し、3月14日に難民956人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは127人(うち女性38人、子供65人)、ヨルダンから帰国したのは829人(うち女性249人、子供423人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,144人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者181,896人(うち女性54,966人、子ども93,064人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,581,051人(うち女性1,974,315人、子供3,356,336人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,424人(うち女性242,242人、子供411,555人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 15, 2020をもとに作成。

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