反体制派系のサウト・アースィマ:シリア軍第4師団の兵士40人が新型コロナウイルスに感染(2020年3月28日)

反体制派系のサウト・アースィマ(3月28日付)は、シリア軍第4師団の兵士40人が新型コロナウイルスに感染し、ダマスカス郊外県クタイファ市の国立病院に搬送され、隔離されていると伝えた。

同サイトによると、3月19日、兵士8人がクタイファ市の国立病院に搬送され、検査の結果、新型コロナウイルスに感染していることが確認されていたが、今週に入って、新たに30人の感染が確認されたという。

AFP, March 28, 2020、ANHA, March 28, 2020、AP, March 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2020、Reuters, March 28, 2020、SANA, March 28, 2020、Sawt al-‘Asima, March 28, 2020、SOHR, March 28, 2020、UPI, March 28, 2020などをもとに作成。

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アレッポ県、ハマー県、タルトゥース県で教会、NGOが新型コロナウイルス感染対策として物資の無料配送を行う(2020年3月28日)

国営のシリア・アラブ通信(SANA)は、新型コロナウイルス感染対策として外出や移動が制限されているなか、シリア各地で地元の住民による互助的な試みが続けられていると伝えた。

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アレッポ市のアルメニア福音教会は、住民が外出することなく、必需品を常時得られるようにするため、消毒用の機器、マスク、パンを配給する活動を始めた。

シリア小児がん患者治療看護協会(CCS)もアレッポ市で「あなたのパックをあなたの家に」と銘打った活動を始め、小児がん患者とその家族への支援を始めた。

CCSのマズナ・アラビー理事長によると、このキャンペーンは、小児がん患者の家族に食糧パック100個を配給し、新型コロナウイルス感染予防策に伴う彼らの負担軽減をめざしているという。

アラビー理事長は「小さな行動が支援を必要としている人々の生活に大きな変化をもたらすことができます」と述べ、キャンペーンに参加し、互いに助け合うよう呼びかけた。

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ハマー県のミスヤーフ市では、ボランティア・グループの「ムスタミッルーン」が「家にいよう」キャンペーンを始め、市内の高齢者や障害者への食糧品や必需品の無料配送を始めた。

代表を務めるアングリード・ワトファ氏によると、キャンペーンがミスヤーフ市の住民のニーズに応え、彼らの自宅待機を支援することが目的で、市内の多数の業者や市民の寄付によって、パンなどの食糧品を無料で住民に配送しているという。

「ムスタミッルーン」はまた、市内の高等学校、中学校などの施設の作業も行っている。

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タルトゥース県では、ボランティア・グループの「あなたの声を届けよう」が、新型コロナウイルス感染対策として就業・就労を制限されている戦死者、負傷兵、そして失踪者の家族を支援するため、食糧品や人道支援物資の配給を開始した。

「あなたの声を届けよう」は7人のボランティア活動家が、タルトゥース市、カドムース町、ハッターニーヤ村、ワーディー・サキー村、ジューフィーン村、フナイティク村、タワーヒーン町など県内各所の170世帯に、砂糖、米、食用油、トマト・ペースト、そして食材を配給している。

AFP, March 28, 2020、ANHA, March 28, 2020、AP, March 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2020、Reuters, March 28, 2020、SANA, March 28, 2020、SOHR, March 28, 2020、UPI, March 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部で国民軍に所属する東部自由人連合と「自由警察」が交戦(2020年3月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市であるバーブ市で、国民軍に所属する東部自由人連合とトルコの支援を受ける警察(内務治安部隊、いわゆる「自由警察」)が交戦し、東部自由人連合の戦闘員2人が死亡、双方に14人の負傷者が出た。

戦闘は、警察が、新型コロナウイルス感染防止対策として、バーブ市内の市場の商店を閉店させようとして発砲し、東部自由人連合の治安責任者が巻き添えとなって死亡したのを受けたもの。

また、ガンドゥーラ町近郊の検問所(タッル・ハワー検問所)では東部自由人連合が警察の隊員複数人を拘束した。

一方、ANHA(3月28日付)によると、トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、イルシャーディーヤ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(3月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のディブス村M4高速道路沿線を砲撃した。

AFP, March 28, 2020、ANHA, March 28, 2020、AP, March 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2020、Reuters, March 28, 2020、SANA, March 28, 2020、SOHR, March 28, 2020、UPI, March 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還調整委員会は米国が新型コロナウイルス感染拡大に乗じてルクバーン・キャンプのテロリストに物資供与を試みていると批判(2020年3月28日)

ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還調整委員会は共同声明を出し、米国が、新型コロナウイルス感染拡大に乗じて、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプへの人道支援物資と称して、同地の「テロリスト」への物資供与を試み、国連に圧力をかけてこれを認めさせようとしていると非難した。

両センターは、ルクバーン・キャンプの人道状況は米国による違法な占領の結果だと指摘、ロシアとシリアはその封鎖を解除するために必要なすべての措置を講じていると強調した。

AFP, March 28, 2020、ANHA, March 28, 2020、AP, March 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2020、Reuters, March 28, 2020、SANA, March 28, 2020、SOHR, March 28, 2020、UPI, March 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がM4高速道路のサラーキブ市とムサイビーン村を結ぶ区間で9度目となる単独パトロールを実施(2020年3月28日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから23日目となる3月28日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路のサラーキブ市とムサイビーン村を結ぶ区間で9度目となる単独パトロールを実施した。

一方、シリア軍がナージヤ村を砲撃、ファッティーラ村、カフルナブル市一帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, March 28, 2020、ANHA, March 28, 2020、AP, March 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 28, 2020、Reuters, March 28, 2020、SANA, March 28, 2020、SOHR, March 28, 2020、UPI, March 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年3月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月28日付)を公開し、3月27日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 28, 2020をもとに作成。

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