トルコは新型コロナウイルス対策として占領地からのシリア人の入国を禁止(2020年3月12日)

CNN Turk(3月12日付)は、アレッポ県バーブ・サラーマ国境通行所に通じるオンジュプナル国境通行所(キリス県)からのシリア人の入国を禁止することが決定されたと伝えた。

決定は、シリア側で新型コロナウイルス感染者が確認されたとの情報を受けたもの。

国境通行所は3月2日に再開されていた。

AFP, March 12, 2020、ANHA, March 12, 2020、AP, March 12, 2020、CNN Türk, March 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2020、Reuters, March 12, 2020、SANA, March 12, 2020、SOHR, March 12, 2020、UPI, March 12, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム解放機構と住民が衝突(2020年3月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルマダー市ではシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が検問所で地元住民に暴行を働いたのをきっかけに、地元の武装集団がシャーム解放機構を襲撃し、交戦した。

また、同市では、指名手配者の捜索を行うシャーム解放機構に地元住民が抵抗し、戦闘となり、女性1人と女児1人が負傷した。

一方、サルキーン市では、トルコの支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団が武装集団に撃たれて死亡した。

AFP, March 12, 2020、ANHA, March 12, 2020、AP, March 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2020、Reuters, March 12, 2020、SANA, March 12, 2020、SOHR, March 12, 2020、UPI, March 12, 2020などをもとに作成。

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米主導の有志連合がダイル・ザウル県を爆撃し、イラク人民動員隊26人が死亡(2020年3月12日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)などによると、11日深夜に、ブーカマール市南のヒスバーン地区にあるイラク人民動員隊の拠点複数カ所が爆撃を受け、少なくとも26人が死亡、15人が負傷した。

シリア人権監視団によると、人民動員隊の救急車輌複数台が、イラク側のカーイム国境通行所からダイル・ザウル県のブーカマール検問所に入り、死傷者をイラク領内に搬送したという。

AFP(3月12日付)によると、爆撃を行ったのは米軍主導の有志連合。

アイン・ユーフラテス(3月12日付)によると、この爆撃と前後して、ブーカマール市にある人民防衛隊の拠点もミサイル攻撃を受けたという。

一連の攻撃での犠牲者のなかには、「イマーム・アリー基地」(イマーム・アリー・コンパウンド)と呼ばれるシリア北東部の「イランの民兵」の基地の監督者の一人とされるウィサーム・トゥファイリー氏も含まれているという。

AFP, March 12, 2020、ANHA, March 12, 2020、AP, March 12, 2020、‘Ayn al-Furat, March 12, 2010、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2020、Reuters, March 12, 2020、SANA, March 12, 2020、SOHR, March 12, 2020、UPI, March 12, 2020などをもとに作成。

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ダルアー県で米CIAに協力していた元反体制武装集団司令官が殺害される(2020年3月12日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ウンム・マヤーズィン町で米CIA主導の「軍事作戦司令室」(通称MOC: Military Operations Command)に参加していた元反体制武装集団の司令官と随行者1人が遺体で発見された。

この司令官は、シリア政府と和解し、活動地だったヨルダンから帰国していた。

HFL(3月12日付)によると、殺害されたのは、スンナの獅子の武器庫管理責任者だったファルザート・マハーミード氏とイーハーブ・マハーミード氏。

2人は11人晩に武装集団に撃たれて死亡したという。

AFP, March 12, 2020、ANHA, March 12, 2020、AP, March 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2020、HFL, March 12, 2020、Reuters, March 12, 2020、SANA, March 12, 2020、SOHR, March 12, 2020、UPI, March 12, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県タッル・ハラム村での爆発でトルコ軍兵士が死傷(2020年3月12日)

ハサカ県では、SANA(3月12日付)によると、タッル・ハラフ村で、車に仕掛けられていた爆弾がトルコ軍の検問所脇で爆発し、トルコ軍兵士4人が死亡、8人が負傷した。

爆発発生後、トルコ領内から救急車など多数の車輌が進入し、死傷者を領内に搬送したという。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)は、この爆発でトルコ軍兵士1人と、国民軍に所属する憲兵隊員と「自由シリア警察」の隊員3人が死亡したと伝えた。

また、シリア人権監視団は、トルコ軍の検問所ではなく、同軍の支援を受ける国民軍の検問所で爆発が起き、国民軍の戦闘員2人が死亡、8人が負傷したと発表した。

タッル・ハラフ村は長らく北・東シリア自治局の支配下にあったが、2019年10月にトルコ軍が侵攻し(「平和の泉」作戦)、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯、ハサカ県ラアス・アイン市一帯などとともに占領下に置いていた。

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ラッカ県では、ANHA(3月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・リフアト市近郊のクーバルリーク、アフドキー、カズアリー村、フッリーヤ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がアイン・アラブ(コバネ)市西の国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, March 12, 2020、ANHA, March 12, 2020、AP, March 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2020、Reuters, March 12, 2020、SANA, March 12, 2020、SOHR, March 12, 2020、UPI, March 12, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県で停戦が概ね遵守されるなか、シリア軍は2カ村を再び制圧(2020年3月12日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(5日深夜)してから7日目となる3月12日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(イドリブ県6件、ラタキア県3件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認なかった。

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イドリブ県では、SANA(3月12日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がハントゥーティーン村、ハザーリーン村一帯を砲撃、シリア軍がこれに応戦した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がダール・カビーラ村一帯を砲撃した。

シリア軍はまた、マアーッラト・ムーハス村、ブライジュ村一帯に展開し、同地を再び制圧した。

同地は、シリア軍も「決戦」作戦司令室も展開しておらず、7日にもシリア軍が一時制圧したが、8日に「決戦」作戦司令室が反撃し、撤退していた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフル・アンマ村を砲撃した。

AFP, March 12, 2020、ANHA, March 12, 2020、AP, March 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 12, 2020、Reuters, March 12, 2020、SANA, March 12, 2020、SOHR, March 12, 2020、UPI, March 12, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民652人と国内避難民(IDPs)2,127人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は574,849人、2019年以降帰還したIDPsは65,682人に(2020年3月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月12日付)を公開し、3月11日に難民652人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは185人(うち女性55人、子供95人)、ヨルダンから帰国したのは467人(うち女性140人、子供238人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は574,849人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者181,360人(うち女性54,806人、子ども92,791人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者393,489人(うち女性118,090人、子ども200,672人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,580,101人(うち女性1,974,030人、子供3,355,852人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は804,129人(うち女性241,554人、子供410,385人)となった。

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一方、国内避難民2,127人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは2,127人(うち女性986人、子ども823人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は65,682人(うち女性22,940人、子供26,995人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,278人(うち女性405,499人、子供670,761人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 12, 2020をもとに作成。

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