フランスで収監中で拷問を受けたイスラーム軍元報道官の写真を家族が公開(2021年3月1日)

フランスの刑務所に収監されているイスラーム軍元報道官のイスラーム・アッルーシュ氏(本名マジュディー・ニウマ)の家族は、ツイッターのアカウント「マジュディー・ニウマの家族」(https://twitter.com/Majdifamily)を通じて、メッセージを投稿し、アッルーシュ氏がフランスの刑務所で拷問を受けていると主張、同氏の顔写真を公開した。

メッセージの内容は以下の通り:

マジュディーの弁護士はジャズィーラ・チャンネルに対して語る:マジュディーが逮捕に抗っていたという者は、この問題について何も知らない。この写真は、#フランスの刑務所の担当の看取らによって撮影されたものだ。
#マジュディーに自由を

アッルーシュ氏は、2017年6月にイスラーム軍の報道官を自認し、務め、その後2017年2月に反体制活動を停止すると発表していた。

その後、2020年1月、エラスムス計画の奨学生として学生ビザを取得し、フランスに入国したが、当局がシリア情報表現の自由センター(SCM)などの申し立てに応じるかたちで、マルセイユで逮捕していた。

2013年12月のダマスカス郊外県東グータ地方での女性活動家ラッザーン・ザイトゥーン氏の失踪事件への関与を疑われ、捜査を受けている。

AFP, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021などをもとに作成。

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シリア人権監視団は2021年2月のシリア国内での戦闘による死者が476人を記録したと発表(2021年3月1日)

シリア人権監視団は、2021年2月のシリア国内での戦闘による死者が476人を記録したと発表した。

内訳は以下の通り:

民間人139人(うち18歳未満の子供21人、18歳以上の女性15人)

  • シリア軍の砲撃による死者:7人(うち子供1人、女性2人)
  • シリア政府当局の拷問による死者:11人(うち子供1人、女性2人)
  • ロシア軍の攻撃による死者:5人
  • 反体制派が殺害:2人
  • 人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が殺害:2人(うち子供1人)
  • トルコ軍国境警備隊が殺害:2人(うち子供2人、女性1人)
  • シャーム解放機構が殺害:人
  • 地雷、爆発性戦争残存物(ERW)の爆発で死亡:26人(うち子供7人、女性2人)
  • 爆弾、手榴弾で死亡:8人(うち子供1人、女性2人)
  • 即席爆弾の爆発で死亡:2人
  • 暗殺:53人(うち子供5人、女性6人)
  • 不明:21人(うち子供4人、女性3人)

戦闘員337人

  • イスラーム主義武装諸派:16人
  • シリア民主軍:21人
  • シリア軍離反兵:1人
  • シリア民主軍の外国人戦闘員:1人
  • シリア軍兵士:67人
  • 親政権シリア人民兵:55人
  • 親政府・親イラン民兵の外国人戦闘員:37人
  • ジハード主義者:7人
  • ダーイシュ:130人
  • トルコ軍兵士:2人

 

AFP, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021などをもとに作成。

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アサーイシュがハサカ県のフール・キャンプ第1区で胸部と腹部に銃で撃たれたイラク人難民の遺体を発見(2021年3月1日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理課にあるフール・キャンプ第1区で、内務治安部隊(アサーイシュ)が、胸部と腹部に銃で撃たれたイラク人難民の遺体を発見した。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

AFP, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌約45輌からなる車列が盗奪した小麦や大麦を積んでイラクに(2021年3月1日)

ハサカ県では、SANA(3月1日付)によると、米主導の有志連合の車輌約45輌からなる車列が盗奪した小麦や大麦を積んで、ハッラーブ・ジール村の違法に設置している航空基地から、同じく違法に設置されているワリード国境通行所を経由して、イラクに向かった。

AFP, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021などをもとに作成。

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イスラエル軍が首都ダマスカス周辺の複数カ所に対してミサイル複数発を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃(2021年3月1日)

シリア軍筋は、2月28日午後10時16分、イスラエル軍が占領下のゴラン高原から首都ダマスカス周辺の複数カ所に対してミサイル複数発を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃、ほとんどを撃破したと発表した。

これに関して、外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送り、イスラエル軍のミサイル攻撃について報告、繰り返される侵害行為を抑止するための断固たる措置を講じるよう要請した。
SANA(3月1日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、ミサイル攻撃を受けたのは、イラン・イスラーム革命防衛隊とレバノンのヒズブッラーの拠点とされるダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町一帯。

死傷者数は不明。

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一方、イスラエル公共放送協会(KAN)は、この攻撃に関して、「ダマスカスに対するイスラエルの攻撃は、イランの手によって船舶が爆破されたことへの報復で…、攻撃された標的はイランのものだ…。船舶を標的としたことに対するイスラエルの報復への逃げ場はない」と伝えた。

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「船舶の爆破」とは、2月25日にシンガポールに向ってオマーン湾を航行していたイスラエル籍の貨物船MVヘリオス・レイ(MV Helios Ray)内で、2度にわたって発生し、UAEのドバイのラーシド港に緊急入港した爆発事件のこと。

この事件に関して、イスラエルのベニ・ガンツ国防大臣は2月27日、状況を調査した結果、UAEのドゥバイに向かっていたイスラエル籍船舶で発生した爆発の責任がイランにあることが初動調査から判明したと述べていた。

また、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も3月1日、「これがイランの仕業だということは明白だ」としたうえで、報復すると述べた。

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なお、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月11日付)は、米国及び中東諸国の複数の高官の話として、2019年末以降、イスラエルが攻撃したシリアに石油、鉱物資源、武器などを搬送するイラン籍船舶が12隻に達していると伝えた。

12隻はいずれも沈没は免れたが、2隻はイランへの帰還を余儀なくされたという。

AFP, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、KAN, April 28, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021、The Wall Street Journal, March 11, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で54人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で7人(2021年3月1日)

保健省は政府支配地域で新たに54人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者79人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、3月1日現在の同地での感染者数は計15,642人、うち死亡したのは1,032人、回復したのは9,880人となった。

SANA(3月1日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で3月1日に新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、83人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡7人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計21,182人、うち回復したのは18,640人、死亡したのは408人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1524334584438094/

AFP, March 1, 2021、ACU, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県では、「決戦」作戦司令室がザーウィヤ山地方のファッティーラ村近郊のシリア軍拠点を砲撃し、兵士複数人が死傷(2021年3月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がザーウィヤ山地方のファッティーラ村近郊のシリア軍拠点を砲撃し、兵士複数人が死傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ザーウィヤ山地方ではまた、シリア軍と「決戦」作戦司令室が、バーラ村一帯、ファッティーラ村、フライフィル村、カンスフラ村で砲撃戦を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサフワ村近郊に設置されている空軍情報部の検問所が正体不明の武装集団の襲撃を受け、兵士1人が死亡、2人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を29件(イドリブ県11件、ラタキア県13件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を12件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民74人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は649,520人に(2021年3月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月1日付)を公開し、2月28日に難民74人(うち女性22人、子供37人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民74人(うち女性22人、子供37人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は649,520人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者254,272人(うち女性76,432人、子ども129,404人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,739,233人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は878,800人(うち女性263,708人、子供447,895人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は75,564人(うち女性27,116人、子供29,368人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,344,160人(うち女性409,675人、子供673,134人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2021をもとに作成。

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