ロシアのラヴロフ外務大臣:「イスラエルには自国の安全を守り、自衛する権利がある」(2021年3月18日)

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣はモスクワでイスラエルのガビ・アシュケナージ外務大臣と会談し、『シャルク・アウサト』(3月18日付)によると、シリアにおける「イランの民兵」の処遇などについて意見を交わした。

会談後の記者会見で、アシュケナージ外務大臣は、「イスラエルを含む地域の安定を維持するため、イランの活動を食い止めねばならない」としたうえで、「我々は自国の安全保障を守るため、自らの力であらゆることをする。イランをめぐる問題の解決策を見つけるため、ロシアなどと協力する」と述べた。

ラヴロフ外務大臣は、今月末に予定されている制憲委員会第6ラウンドを建設的なものとすべく、アスタナ・プロセスの保障国(トルコ、イラン)と努力していると述べる一方、シリア領内に対するイスラエルの度重なる爆撃・ミサイル攻撃へのロシアの姿勢を訊かれ、「イスラエル政府には自国の安全を守り、自衛する権利がある」と答えた。

シリアン・オブザーバー(3月18日付)などが伝えた。

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、al-Sharq al-Awsat, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021、The Syrian Observer, March 18, 2021などをもとに作成。

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ホワイト・ヘルメットはイドリブ県で井戸に落ちた少年の救出活動にあたるも、少年を遺体で発見したと発表(2021年3月18日)

ホワイト・ヘルメットはフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/)などを通じて、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県カフルルーヒーン村で掘削されたばかりの井戸に落ちたハサン・ハドル・ザアラーンくん(10歳)が遺体で発見されたと発表した。

ホワイト・ヘルメットは3月17日にハサンくんが井戸に落ちたと発表、大型重機などを投入して救出活動にあたるスタッフの写真や映像を公開していた。

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2941302159527506

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2941817799475942

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2941860976138291

 

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2941947796129609

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2942046986119690

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2942687476055641

 

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2942749299382792

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/posts/2942815082709547

 

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシリア政府の支配下にあるハマー県、ヒムス県、ラッカ県の砂漠地帯でダーイシュに対して75回以上の爆撃を実施(2021年3月18日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシリア政府の支配下にあるハマー県、ヒムス県、ラッカ県の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に対して75回以上の爆撃を実施した。

また、ダイル・ザウル県マヤーディーン市近郊の砂漠地帯では、シリア軍と親政権民兵がダーイシュのセルの摘発活動を継続した。

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2021年3月18日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県の各所(ルマイラーン町、タッル・バイダル村)に設置されている基地に向かった。

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で「アラブの春」波及に伴う抗議デモで最初の犠牲者が出てから10年が経ったのに合わせて抗議デモが行われる(2021年3月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で、「アラブの春」が波及して発生した抗議デモで最初の犠牲者(2人)が出た2011年3月18日から10年が経ったのに合わせて、大規模デモが組織され、「シリア革命」の継続と体制打倒が訴えられた。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10159911411033115

 

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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シリア政府支配下のダルアー市などで「アラブの春」波及に伴う抗議デモで最初の犠牲者が出てから10年が経ったのに合わせて抗議デモが行われる(2021年3月18日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市(ウマリー・モスク前)、ジーザ町、アルマー町などで、「アラブの春」が波及して発生した抗議デモで最初の犠牲者(マフムード・ジャワービラ氏、フサーム・アイヤーシュ氏)が出た2011年3月18日から10年が経ったのに合わせて、デモが行われ、「シリア革命」の成就と体制の打倒が訴えられた。

ジャワービラ氏とアイヤーシュ氏は2011年3月18日、ダルアー市での抗議デモを強制排除しようとした治安部隊の発砲を受けて死亡した。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10159911855098115

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県北部でシリア国民軍とシリア軍が砲撃戦(2021年3月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府の支配下にあるターディフ市一帯を砲撃した。

これに対して、シリア軍もトルコの占領下にあるバーブ市近郊のハズワーン村一帯を砲撃した。

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県、アレッポ県、ラッカ県各所で、トルコによるアフリーン市占領から3年が経ったのに合わせて大規模デモ(2021年3月18日)

ANHA(3月18日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県のハサカ市、カーミシュリー市、アームーダー市、タッル・ハミース市、タッル・ブラーク町、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市、マアバダ(カルキールキー)町、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村、ヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町、マーリキーヤ(ダイリーク)市、タッル・タムル町、ワーシューカーニー国内避難民(IDPs)キャンプ、ダルバースィーヤ市、ラッカ県のラッカ市、アレッポ県のアレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、アイン・アラブ(コバネ)市、タッル・リフアト市近郊(バーブニス村とファーフィーン村を結ぶ街道)で、トルコによるアレッポ県アフリーン市占領(2018年3月18日)から3年が経ったのに合わせてデモを行った。

各会場には、数百人から数千人の住民らが集まり、アフリーン郡の解放を訴えた。




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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、トルコによるアフリーン市占領から3年が経ったのに合わせて声明を出し、トルコが同地を過激派とテロの温床に変貌させたと非難、シリアのすべての社会勢力に一致団結してトルコを含むあらゆる占領者に抵抗するよう呼びかけた。

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北・東シリア自治局も声明を出し、トルコの占領がシリア内戦の根本的な原因で、シリアの地理的・社会的分断をもたらしていると非難、同地区解放に向けた闘争を継続する意思を表明した。


AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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イラク国家安全保障担当顧問はフール・キャンプを「時限爆弾」と評して、米大使にその解体を要請(2021年3月18日)

イラクの国家安全保障担当顧問のカースィム・アアラジー氏は広報局を通じて声明を出し、マシュー・テュエラー在イラク米大使との会談で、北・東自治局の支配下にあるハサカ県のフール・キャンプを解体するよう求めたと発表した。

アアラジー氏は声明で、首都バグダードで行われた大使との会談が、両国の戦略対話会合の一環で行われ、安全保障、科学技術、経済、文化などといった分野について意見を交わしたとしたうえで、大使に次のように伝えたことを明らかにした。

イラクは、国際社会が参加するかたちで、さまざまな国籍のテロリストを収容しているフール・キャンプをめぐる問題の実質的・最終的な解決を必要としている。
フール・キャンプを現状のまま維持することは、時限爆弾のようなものだ。なぜなら、そこにはイラク人児童20,000人が収容されているが、彼らは、イラクとこの地域に脅威を及ぼすダーイシュ(イスラーム国)になってしまうからだ。この問題を解決するためにみなが肩を寄せ合わねば、イラク、この地域、そして世界の安全を脅かすことになる。

ANHA(3月18日付)が伝えた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理課にあるフール・キャンプに収容されていたダイル・ザウル県出身の国内避難民(IDPs)261人がスワル町にバスで移送された。

IDPsの移送は、フール・キャンプの閉鎖をめざすシリア民主評議会のイニシアチブによるもの。

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トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県タッル・リフアト市一帯でトルコ軍、シリア国民軍がシリア民主軍と交戦(2021年3月18日)

アレッポ県では、ANHA(3月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のタッル・マディーク村、ザイワーン村、タッル・ラッハール村、ラジオ塔、シャッアーラ村、シャッアーラ遺跡、シャイフ・イーサー村、アイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村、マルアナーズ村、アルカミーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、バイナ村、ダイル・ジャマール村一帯を砲撃した。

シリア人権監視団によると、これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍もトルコの占領下にあるアアザーズ市一帯を砲撃した。

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で149人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で4人(2021年3月18日)

保健省は政府支配地域で新たに149人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者91人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、3月18日現在の同地での感染者数は計16,925人、うち死亡したのは1,130人、回復したのは11,322人となった。

SANA(3月18日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で3月18日に新たに4人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、20人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡1人、アフリーン郡2人、アアザーズ郡1人。

これにより、同地での感染者数は計21,251人、うち回復したのは19,215人、死亡したのは637人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1536884553183097/

AFP, March 18, 2021、ACU, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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イドリブ市でシャーム解放機構がダーイシュのセルと思われる武装グループを追跡中に戦闘となり、数人死傷(2021年3月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市のサラースィーン通りで、ダーイシュ(イスラーム国)のセルと思われる武装グループが、いわゆる自由警察とシャーム解放機構の治安部隊と交戦、自由警察とシャーム解放機構側に複数の死傷者が出た。

戦闘は、自由警察とシャーム解放機構がこの武装グループを追跡中に発生した。

民間人1人も巻き添えとなって負傷した。

一方、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村一帯、カンスフラ村、スフーフン村一帯、ファッティーラ村、バイニーン村、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県17件、ラタキア県9件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は34件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 18, 2021、ANHA, March 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 18, 2021、Reuters, March 18, 2021、SANA, March 18, 2021、SOHR, March 18, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民113人と国内避難民(IDPs)457人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は650,766人、2019年以降帰還したIDPsは80,628人に(2021年3月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月18日付)を公開し、3月17日に難民113人(うち女性34人、子供58人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民113人(うち女性34人、子供58人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は650,766人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者255,518人(うち女性76,774人、子ども129,981人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は880,046人(うち女性264,084人、子供448,530人)となった。

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一方、国内避難民457人が新たに帰宅した。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は80,628人(うち女性29,480人、子供30,362人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,349,224人(うち女性412,039人、子供674,128人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 18, 2021をもとに作成。

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