シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の幹部は「シリア革命」10周年に合わせて、民主主義と世俗主義の拒否などからなる7つの「妥協できない基本原則」を明示(2021年3月4日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構のイスラーム法学者で軍司令官のヤフヤー・ブン・ターヒル・ファルガリー氏(アブー・ファトフ・ガルガリー)は、「シリア革命」10周年に合わせて声明を出し、7つの「妥協できない基本原則」を明示した。

「妥協できない基本原則」以下の通り:

  1. アッラーの法に基づく裁定とその言葉の称揚。
  2. シャリーアが認める枠組みのもとで、可能なかたちでスンナとジャマーアの民(スンナ派)を保護すること。
  3. アッラーの言葉を称揚し、その法に基づく裁定を行うためのジハードに準じること。
  4. 自らのジハードと決定を自分たち以外のために行わないこと。
  5. 議会やそれに類する逸脱した方法をとらないこと。
  6. 民主主義や世俗主義の支配に同意するなどして、自らの宗教に世俗性を付与しないこと。
  7. ジハード戦士を背教者に引き渡すような交渉、さらには思考を受け入れないこと。

AFP, March 4, 2021、ANHA, March 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2021、Reuters, March 4, 2021、SANA, March 4, 2021、SOHR, March 4, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アブドゥッラフマーン・ムスタファー暫定内閣首班「カタールからトルコ占領下のアレッポ県北部への投資の確約を得た」(2021年3月4日)

シリア革命反体制勢力国民連立の傘下にある暫定内閣のアブドゥッラフマーン・ムスタファー首班は、ムドゥン(3月3日付)のインタビューに応じ、そのなかで、カタールがトルコ占領下のアレッポ県北部における複数のプロジェクトへの投資を確約したことを明らかにした。

ムスタファー首班によると、この確約は、最近のカタール訪問に際して得たもの。

ムスタファー首班はまた、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の自治を委託されているシリア救国内閣との関係について、協力する意思はないと述べた。

AFP, March 4, 2021、ANHA, March 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2021、al-Mudun, March 4, 2021、Reuters, March 4, 2021、SANA, March 4, 2021、SOHR, March 4, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フール・キャンプに収容されていたダイル・ザウル県南東部の住民65世帯が帰還(2021年3月4日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプに収容されていたダイル・ザウル県の住民65世帯が、キャンプからダイル・ザウル県スワル町に移送され、同地でIDカードと身分証明書を支給され、ダーイシュ(イスラーム国)の最後の拠点だったハジーン市、バーグーズ村、シャアファ村、スーサ町に帰還した。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

AFP, March 4, 2021、ANHA, March 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2021、Reuters, March 4, 2021、SANA, March 4, 2021、SOHR, March 4, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍憲兵隊がイドリブ県サルキーン市近郊の民家前で子供を銃殺(2021年3月4日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるサルキーン市近郊のマドルーサ村の民家前でトルコ軍憲兵隊が子供を銃殺した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がトルコ占領下のマリーミーン村を砲撃し、3人が負傷した。

AFP, March 4, 2021、ANHA, March 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2021、Reuters, March 4, 2021、SANA, March 4, 2021、SOHR, March 4, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県、ダイル・ザウル県でシリア民主軍が襲撃を受け、兵士7人死亡(2021年3月4日)

ハサカ県では、SANA(3月4日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるヤアルビーヤ町近郊のトゥワイリシュ村のガソリン・スタンド近くでオートバイに仕掛けられてい爆弾が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士が乗った車の通過を狙って狙って爆発し、兵士6人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約35輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県の各所に設置されている基地に向かった。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(3月4日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるルワイシド村でシリア民主軍の車が襲撃を受け、兵士1人が死亡、2人が負傷した。

AFP, March 4, 2021、ANHA, March 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2021、Reuters, March 4, 2021、SANA, March 4, 2021、SOHR, March 4, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で62人(2021年3月4日)

保健省は政府支配地域で新たに62人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者84人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、3月4日現在の同地での感染者数は計15,815人、うち死亡したのは1,050人、回復したのは10,123人となった。

SANA(3月4日付)が伝えた。

AFP, March 4, 2021、ANHA, March 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2021、Reuters, March 4, 2021、SANA, March 4, 2021、SOHR, March 4, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がトルコ軍の拠点が設置されているイドリブ県アーフィス村を砲撃(2021年3月4日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが2020年3月5日の首脳会談で停戦に合意してから364日目を迎えた。

シリア人権監視団によると、同地では、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村、バーラ村一帯、フライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、トルコ軍の拠点が設置されているアーフィス村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。
**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナワー市でシリア軍兵士1人が何者かの発砲を受けて死亡した。

また、ジャースィム市では、和解委員会のメンバーが武装集団に銃で撃たれて死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(イドリブ県9件、ラタキア県6件、アレッポ県0件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は14件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 4, 2021、ANHA, March 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 4, 2021、Reuters, March 4, 2021、SANA, March 4, 2021、SOHR, March 4, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民73人と国内避難民(IDPs)457人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は649,735人、2019年以降帰還したIDPsは76,838人に(2021年3月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月4日付)を公開し、3月3日に難民73人(うち女性22人、子供37人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民73人(うち女性22人、子供37人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は649,735人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者254,487人(うち女性76,497人、子ども129,513人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,739,233人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は879,015人(うち女性263,773人、子供448,004人)となった。

**

一方、国内避難民457人が新たに帰宅した。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は76,838人(うち女性27,719人、子供29,597人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,345,434人(うち女性410,278人、子供673,363人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 4, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.