国内で活動を続ける反体制派が「国民民主戦線」(JWD)の名で新たな政治組織を結成する準備を開始(2021年3月22日)

RT(3月22日付)は、シリア国内で活動する反体制活動家らが、首都ダマスカスで「国民民主戦線」(JWD)の名で新たな政治組織を結成するための準備を開始していると伝えた。

国内で活動を続ける反体制組織の一つであるアラブ社会主義民主統一党のアフマド・アスラーウィー書記長がRTに述べたところによると、JWD結成の準備を主導しているのは、反体制派の重鎮で、シリア交渉委員会にも代表を輩出している民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会は、アラブ社会主義連合民主党、シリア共産主義行動党、アラブ社会主義バアス民主党、シリア・クルド民主党(派閥不明)、人民民主党(PYD)、民主社会党、シリア共産党政治局、アラブ社会主義者運動(アブドゥルガニー・アイヤーシュ派) 、スィルヤーニー連合党、反シオニズム国民協会からなる。

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3月27日に首都ダマスカスにあるアブドゥルアズィーム氏の自宅で、対話に基づく政治的解決を通じた政治以降と民主化をシリア内戦当初から指示してきた反体制活動家を一同に介した結成大会が開催される予定だという。

結成大会に出席を予定しているのは、民主的変革諸勢力国民調整委員会に所属する諸派、そのほかの反体制諸派(10人弱)、無所属活動家。

国外在住の諸派・活動家も一部参加が見込まれているという。

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アスラーウィー書記長は、JWDの結成と今年半ばに予定されている大統領選挙の関係についてRTに対して次のように述べた。

何の関係もない。我々はこの大会を、数ヶ月まででなく、数年前から準備してきた。シリアを取り巻く状況は、この手の活動を行うことを後押しするものではない。だが、我々は愛国的なプロジェクトを目の前にしている。我々は今も活動を続け、その実現に向けて取り組んでいる。予定された開催日を数日後に控えてはいるが、今もこの手の大会の開催を阻止するような非常事態するのではと懸念している。

アスラーウィー書記長はまた、JWDが推し進めようとしている「愛国的プロジェクト」の中身について次のように述べた。

政治的行動、対話による政治解決に向けて新たな地平を切り開き…、国連安保理決議第2254号の実施に向けた取り組みだ…。だが、この大会によって、政府が提案する解決策を受け入れるようなグループが作り出されることを期待すべきではない。

AFP, March 28, 2021、ANHA, March 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2021、Reuters, March 28, 2021、RT, March 22, 2021、SANA, March 28, 2021、SOHR, March 28, 2021などをもとに作成。

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シリア軍がラッカ県内の北・東シリア自治局支配地に至る通行所を封鎖(2021年3月22日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタブカ市西のブーカースィー村(北・東シリア自治局支配地)とシュアイブ・ズィクル村(政府支配地)の間に設置されている通行所、ラッカ市とハマー県サラミーヤ市を結ぶ主要幹線道路に設置されている通行所を閉鎖し、住民や物資の移動を禁止した。

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通行所封鎖は、シリア軍第4師団が、北・東シリア自治局の支配地域で産出される石油を政府支配地域に輸送するタンクローリーの監視の方法をめぐって、ロシア軍と対立したことが発端。

ロシア軍はタンクローリー通行の監視を全面移譲するよう要請したが、第4師団はこれを拒否し、通行所を閉鎖し抵抗しているという。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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フーシー派を支援するためにイランが派遣していたシリア人戦闘員が帰国する一方、アレッポ市で新たな民兵組織「イマーム・アリー大隊」の戦闘員を募集する事務所開設(2021年3月22日)

反体制派系サイトのアイン・フラート(3月22日付)は、イランが募集し、アンサール・アッラー(いわゆるフーシー派)を支援するためにイエメンに派遣されていたシリア人戦闘員多数が帰国したと伝えた。


同サイトによると、帰国したのは「イランの民兵」の一つファーティミーユーン旅団に参加していたシリア人戦闘員45人。

イエメンでの戦闘任務を終えて、首都ダマスカスを経由し、5台の車輌に分乗してシリア政府支配下のラッカ県マアダーン町一帯に帰還したという。

また、これとは別に、ヒムス県タドムル市一帯から派遣されていた18人も帰還した。

シリア国内では、イラク人民動員隊に所属するヒズブッラー大隊とファーティミーユーン旅団が、戦闘員を募集し、イエメンに派遣しているという。

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『シャルク・アウサト』(3月22日付)は、複数の報道筋の話として、シリア政府の支配下にあるアレッポ県のアレッポ市で、イランが新たな民兵組織「イマーム・アリー大隊」の戦闘員を募集するための事務所を開設したと伝えた。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、al-Sharq al-Awsat, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシリア政府の支配下にあるハマー県、ラッカ県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯で、ダーイシュに対して約54回の爆撃を実施し、戦闘員7人を殺害(2021年3月22日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシリア政府の支配下にあるハマー県、ラッカ県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に対して約54回の爆撃を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員7人を殺害した。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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所属不明のドローンがシリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県ブーカマール市近郊の砂漠地帯にある「イランの民兵」管理下の油田を攻撃(2021年3月22日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)がシリア政府の支配下にあるブーカマール市近郊の砂漠地帯にある油田を攻撃した。

攻撃を受けた油田は「イランの民兵」の管理下にあったという。

ナフル・メディア(3月22日付)によると、攻撃を受けたのは、フマール油田、ハウワータ油田。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Nahr Media, Marhc 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるハサカ県ラアス・アイン市内での爆発で、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団のメンバー5人、子供4人、女性2人の合わせて11人が死亡(2021年3月22日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市内の住宅の倉庫で爆発が発生し、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団のメンバー5人、子供4人、女性2人の合わせて11人が死亡、6人が負傷した。

また、これに先立ち同市では、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、男性1人とその子供2人が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(3月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のダイル・ジャマール村を砲撃した。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県で部族会合が開催され、「テロとの戦い」を続けるシリア軍との連帯、トルコや米国による占領拒否を表明(2021年3月22日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月22日付)によると、シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル市で、部族会合が開催され、地元の部族長や名士らが参加、「テロとの戦い」を続けるシリア軍との連帯、トルコや米国による占領拒否を訴える声明を発表した。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県マーリキーヤ市でシリア民主軍が地元の若者を射殺(2021年3月22日)

ハサカ県では、SANA(3月22日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマーリキーヤ市入り口の検問所(ジャールーディーヤ検問所)で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が地元の若者に発砲し、射殺した。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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シリアで新型コロナウイルスの感染者が確認されてから1年、シリア政府支配地域での1日の感染者数は172人(2021年3月22日)

シリアでは、保健省が新型コロナウイルスの感染者を最初に確認した2020年3月22日から1年が経過した。

保健省は政府支配地域で新たに172人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者94人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、3月22日現在の同地での感染者数は計17,583人、うち死亡したのは1,175人、回復したのは11,693人となった。

SANA(3月22日付)が伝えた。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県でワタド石油社の施設が前日に続いて攻撃を受ける一方、「決戦」作戦司令室との戦闘でシリア軍中尉死亡(2021年3月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるサルマーダ市近郊のワタド石油社の石油精製用燃焼装置が砲撃を受けた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ワタド石油社は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」で灯油、ガソリンなどの燃料の取引を牛耳る組織。

一方、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下のマアッラト・ヌウマーン市近郊のルワイハ村一帯でシリア軍と交戦し、砲撃によりシリア軍の中尉1人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるジャースィム市でシリア政府との和解に応じた元離反兵が正体不明の武装集団の発砲を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を40件(イドリブ県16件、ラタキア県17件、アレッポ県5件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を28件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で5人(2021年3月22日)

反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で3月22日に新たに5人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、24人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡0人、アフリーン郡3人、アアザーズ郡1人。

これにより、同地での感染者数は計21,265人、うち回復したのは19,278人、死亡したのは637人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1539670332904519/

AFP, March 22, 2021、ACU, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民180人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は651,444人に(2021年3月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月22日付)を公開し、3月21日に難民180人(うち女性54人、子供92人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民180人(うち女性54人、子供92人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は651,444人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者256,196人(うち女性77,013人、子ども130,384人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は880,724人(うち女性264,289人、子供448,875人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は80,628人(うち女性29,480人、子供30,362人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,349,224人(うち女性412,039人、子供674,128人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 22, 2021をもとに作成。

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