イドリブ県ナイラブ村近郊でシャーム解放機構と国民解放戦線の合同作戦司令室が正体不明の武装グループの襲撃を受ける一方、カーフ村近郊ではシャーム解放機構とダーイシュと思われる武装グループが交戦(2021年3月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるナイラブ村近郊に設置されているシャーム解放機構と国民解放戦線の合同作戦司令室が正体不明の武装グループの襲撃を受け、通信機器、武器、車輌などが強奪された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、「決戦」作戦司令室の支配下にあるカーフ村近郊では、27日深夜から28日未明にかけて、シャーム解放機構と、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーからなると思われる武装グループが激しく交戦した。

一方、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、バーラ村一帯、カンスフラ村、ファッティーラ村、フライフィル村、バイニーに村を砲撃した。

AFP, March 28, 2021、ANHA, March 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2021、Reuters, March 28, 2021、SANA, March 28, 2021、SOHR, March 28, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアレッポ県タッル・リフアト市一帯を砲撃(2021年3月28日)

アレッポ県では、ANHA(3月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のシャッアーラ村、ヒルバト・シャッアーラ村、ズワイヤーン村、タッル・ジブリーン村、アイン・イナーブ村、スムーカ村、シャフバー・ダムを砲撃した。

AFP, March 28, 2021、ANHA, March 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2021、Reuters, March 28, 2021、SANA, March 28, 2021、SOHR, March 28, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍がフール・キャンプで治安回復を目的とする大規模な「人道と治安」作戦を開始(2021年3月28日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるフール・キャンプで、シリア民主軍、同軍に所属する人民防衛隊(YPG)、女性防衛隊(YPJ)、テロ撲滅部隊(Yekîneyên Antî Teror‏、YAT)、内務治安部隊(アサーイシュ)の緊急対応部隊(Hevalno Asayîşe Rojava、HAT)からなる合同部隊が、大規模な治安回復作戦を開始した。

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ANHA(3月28日付)によると、内務治安部隊(アサーイシュ)とシリア民主軍が午前4時にフール・キャンプ一帯に展開、キャンプ内で「人道と治安」と銘打った治安回復作戦を開始した。

作戦に参加したのは、内務治安部隊の隊員5,000人に加えて、シリア民主軍所属各組織、女性防衛隊。



 

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内務治安部隊のハリー・ハサン報道官は、フール・キャンプ入り口で記者会見を行い、「人道と治安」作戦が、キャンプ内のダーイシュ(イスラーム国)のセルの摘発し、その影響力を奪うことが目的であることを明らかにした。

記者会見には、シリア民主軍のキーヌー・カブラーイル報道官、人民防衛隊(YPG)のヌーリー・マフムード報道官、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域評議会総司令部のアフィーナール・ダイラク氏も同席した。

ハサン報道官によると、キャンプに捕虜として収容されているダーイシュ(イスラーム国)・メンバーは、ヒスバ(宗教警察)や独自の法廷を設置する一方、子供たちに独自の教育を施し、そのことが新たなテロリストを生み出し、世界全体の脅威となる危険があるとしたうえで、子供たちを救出する必要があると強調した。

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内務治安部隊は声明を出し、「人道と安全」作戦での最初の成果として、ダーイシュ・メンバーの疑いがあるとして手配リストに記載されていた9人をキャンプの第1ブロックで拘束したを発表した。

うち1人は、ダーイシュによるメンバー勧誘に長らく携わっていたアブー・サアド・イラーキーなる幹部も含まれているという。

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SANA(3月26日付)は、複数の地元筋の話として、シリア民主軍の部隊が米主導の有志連合の支援を受けて、26日朝からキャンプを包囲し、突入の構えをみせていると伝えていた。

また、ANHA(3月26日付)も、フール町一帯地域の部族長や名士が、フール・キャンプを「世界でもっとも危険なキャンプ」と評し、シリア民主軍と内務治安部隊に対して、「断固たる措置」を講じ、「キャンプ内外でダーイシュのセルを摘発・掃討するための大規模作戦を実施するよう要請したと伝えていた。

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シリア人権監視団によると、2021年に入ってキャンプでは、41人が殺害されている。

うち30人がイラク難民(子供2人、女性5人を含む)、8人がシリア人国内避難民(IDPs、子供1人、女性3人を含む)、1人がシリア評議会(シリア人IDPsの管理を委託されている組織)の議長、2人がアサーイシュ隊員。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

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一方、SANA(3月28日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県ハサカ市のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配地)で、シリア軍が米軍のヘリポート近くの民家複数棟の住民を強制的に立ち退かせた。

AFP, March 28, 2021、ANHA, March 26, 2021、March 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2021、Reuters, March 28, 2021、SANA, March 26, 2021、March 28, 2021、SOHR, March 28, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で142人、北・東シリア自治局支配地域で95人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で2人(2021年3月28日)

保健省は政府支配地域で新たに142人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、3月28日現在の同地での感染者数は計18,498人、うち死亡したのは1,239人、回復したのは12,377人となった。

SANA(3月28日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに95人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者2人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、3月28日現在の同地での感染者数は計9,665人、うち死亡したのは369人、回復したのは1,293人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性61人、女性34人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市15人、カーミシュリー市40人、マーリキーヤ(ダイリーク)市9人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村4人、ダルバースィーヤ市1人、ラッカ県のラッカ市9人、タブカ市8人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市4人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)5人。

ANHA(3月28日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で3月28日に新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、40人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡2人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡0人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計21,288人、うち回復したのは19,455人、死亡したのは637人となった。

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AFP, March 28, 2021、ACU, March 28, 2021、ANHA, March 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2021、Reuters, March 28, 2021、SANA, March 28, 2021、SOHR, March 28, 2021などをもとに作成。

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