トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県タッル・タムル町近郊の学校や民家を攻撃(2021年3月24日)

ハサカ県では、ANHA(3月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のクーズリーヤ村の学校や民家に重火器や機関銃で発砲を加えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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シリア国民軍所属のスルターン・スライマーン師団はラッカ県でPKK/PYDに「特攻(インギマースィー)作戦」を行い、21人以上を殺害、遺体と武器の捕獲に成功したと発表(2021年3月24日)

シリア国民軍第1軍団に所属するスルターン・スライマーン師団はユーチューブを通じて声明を出し、同師団の特殊部隊が、北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ県北部のアイン・イーサー市近郊のディブス村に潜入し、「分離主義テロ組織PKK/PYD」の拠点複数カ所に対する「特攻(インギマースィー)作戦」を実施し、戦闘員21人以上を殺害、遺体3体と武器を捕獲することに成功したと発表した。

スルターン・スライマーン師団の戦闘員には死傷者はなかったという。

https://www.youtube.com/watch?v=fxFZrZj4nt4

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シリア人権監視団によると、死亡したのは、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するラッカ軍事評議会の兵士。

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シリア民主軍の広報センターは、この戦闘で兵士7人が戦士したと発表した。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2021年3月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県とダイル・ザウル県の各所に設置されている基地に向かった。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプ第6区でダイル・ザウル県出身の子供1人の遺体発見(2021年3月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第6区で、内務治安部隊(アサーイシュ)がダイル・ザウル県出身のシュアイタート部族の子供1人の遺体を発見した。

子供は、第6区の学校の守衛を努めていたダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーによって殺害されたという。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県で「イランの民兵」の嫌がらせを受けていた青年が焼身自殺(2021年3月24日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル市の総合情報部支部をパレスチナ人民兵組織のクドス旅団が襲撃、守衛と撃ち合いとなり、双方に死傷者が出た。

総合情報部がクドス旅団のメンバー3人を拘束するなどして、撃ち合いは収束した。

クドス旅団による襲撃の理由は不明。

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反体制派系サイトのアイン・フラート(3月24日付)は、シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県マヤーディーン市で、「イランの民兵」の一つサイイダ・ザイナブ旅団のメンバーらから数度にわたって暴行や侮辱を受けていた青年が焼身自殺した、と伝えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、‘Ayn al-Furat, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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シリアは新型コロナウイルス感染症治療用の酸素ボンベ75トンのレバノンへの提供を決定(2021年3月24日)

ハサン・ガッバーシュ保険大臣は、シリアを訪問したレバノンのハマド・アリー・ハサン保険大臣(ヒズブッラー指名、シーア派)と会談し、新型コロナウイルス感染症への対応などについて協議した。

会談後の記者会見で、ガッバーシュ保健大臣は、アサド大統領の支持を受け、レバノンの感染症対策支援の一環として、治療に用いる酸素ボンベ75トンをレバノンに供与することを合意したとしたうえで、3日以内の第一弾として25トン分を提供することを明らかにした。

SANA(3月24日付)が伝えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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ロシア調整センターのヴァヂモヴィッチ副センター長は、政府支配地域と反体制派支配地の境界の通行所を再開するようトルコに提案したと発表(2021年3月24日)

フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣、ハサン・スライマーン・シリア軍政治局長(少将)、ロシア調整センターのカルポヴ・アレクサンドル・ヴァヂモヴィッチ(Karpov Alexander Vadimovich)副センター長(海軍少将)は共同記者会見を開き、シリア、ロシア両国が引き続き、シリア政府の支配下に復帰した地域への難民と国内避難民(IDPs)の帰還に向けた努力を継続することを確認した。

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マフルーフ地方行政環境大臣は、西側諸国が一方的制裁を課し、コロナ禍であるにもかかわらず、シーザー・シリア市民保護法などを通じて医薬品や医療機器の提供を禁じる一方、米国やトルコが領土の一部を占領し、違法行為を続け、さらにはイスラエルの攻撃が続くなかにあって、シリア政府が難民とIDPsの帰還を支援するため必要なあらゆるサービスを提供していると強調した。

また、復興、人道対策、医療支援に注力することで、難民、IDPsの帰還を促そうとしていると付言した。

その一方で、国内の158地域で手工業関連の就業施設約750カ所の復旧を完了し、3万人以上の雇用を新たに創出するとともに、「テロ攻撃」によって被害を受けた住宅に対する補償、道路、下水道、公園の修繕・復旧に向けた復旧計画の策定も順調に進んでいることを明らかにした。

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続いて、ヴァヂモヴィッチ副センター長は、これまでに2,230,090人の難民・IDPsが避難生活を終えたと発表、ロシア調整センターが2021年に入ってから100の人道支援を実施したことを明らかにした。

そのうえで次のように述べた。

シリア政府の支配下にある地域は、生活を正常に戻すための大規模な活動が行われている。その一方で、イドリブ県の緊張緩和地帯では、劣悪な状況が続き、民間人に対するテロ組織の暴力行為によって人道危機が助長されている。

トルコ軍の支配下にあるシリア領内の地域の困難な人道状況を踏まえて、トルコ側に緊張緩和地帯内のサラーキブ市(イドリブ県)、ミーズナーズ村、アブー・ザンディーン村(以上アレッポ県)の通行所を再開することを提案した。

提案は、3月25日からの通行所を通じた車輌による人道支援物資の配送、避難民の退去という二つのプロセスからなっている。

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スライマーン少将は、米軍がシリア領内に違法に設置した基地への武器装備の供給と「分離主義民兵」への支援を続けるとともに、シリア国内の石油をはじめとする資源を盗奪していると改めて指摘した。

また、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を来たるべき攻撃に備えて最教練していると非難した。

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SANA(3月24日付)、ロイター(3月24日付)などが伝えた。

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なお、通行所再開に関して、シリア人権監視団は、ロシアとトルコの間で合意がなされたとしたうえで、反体制派支配地の住民の間で合意への不満が高まっていると伝えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で153人、北・東シリア自治局支配地域で76人(2021年3月24日)

保健省は政府支配地域で新たに153人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者113人が完治し、12人が死亡したと発表した。

これにより、3月24日現在の同地での感染者数は計17,896人、うち死亡したのは1,195人、回復したのは11,907人となった。

SANA(3月24日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに76人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、3人が死亡したと発表した。

これにより、3月24日現在の同地での感染者数は計9,297人、うち死亡したのは361人、回復したのは1,275人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性39人、女性37人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市19人、カーミシュリー市22人、マーリキーヤ(ダイリーク)市6人、アームーダー市4人、ダルバースィーヤ市4人、ラッカ県のラッカ市10人、タブカ市10人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)1人。

ANHA(3月24日付)が伝えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県各所を砲撃(2021年3月24日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、バーラ村、カンスフラ村、フライフィル村、バイニーン村、ルワイハ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のクライディーン村、アンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるアイン・ズィクル村とタスィール町を結ぶ街道で、シリア政府との和解に応じた元武器密売業者1人が何者かの発砲を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県14件、ラタキア県8件、アレッポ県3件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は24件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民154人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は651,771人に(2021年3月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月24日付)を公開し、3月23日に難民154人(うち女性47人、子供79人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民154人(うち女性47人、子供79人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は651,771人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者256,523人(うち女性77,112人、子ども130,551人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は881,051人(うち女性264,388人、子供449,042人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は81,262人(うち女性29,769人、子供30,493人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,349,858人(うち女性412,328人、子供674,259人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 24, 2021をもとに作成。

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