トルコ国防省はシリア領内からのロケット弾攻撃に対して報復攻撃を行ったと発表(2021年3月19日)

トルコ国防省はツイッターのアカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)を通じて、ラッカ県から南部キリス県にロケット弾攻撃が行われたと発表した。

ロケット弾は空き地に着弾したため、死傷者や物的被害はなかったが、トルコ軍は、ロケット弾が発射された地点に向けて報復攻撃を行うとともに、同地での停戦を監視するロシア軍に対し報復攻撃を実施する旨、事前通知したという。

https://twitter.com/tcsavunma/status/1372640357079474176

https://twitter.com/tcsavunma/status/1372640359990366215

 

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団は3月14日から18日にかけてトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市など各所でトルコ軍とシリア国民軍を攻撃し、トルコ軍兵士2人を含む5人を殺害したと発表(2021年3月19日)

アフリーン解放軍団は声明を出し、3月14日から18日にかけてトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市など各所でトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍を攻撃し、トルコ軍兵士2人とシリア国民軍兵士3人を殺害したと発表した。

アフリーン解放軍団が関与を認めた攻撃は以下の通り:

  • 3月14日、アフリーン市アシュラフィーヤ地区でスルターン・ムラード師団の車輌を攻撃し、破壊。
  • 3月16日、アフリーン市近郊のシリア国民軍拠点を襲撃し、戦闘員1人を殺害。
  • 3月16日、ジンディールス町近郊の街道にあるシリア国民軍の検問所を襲撃し、戦闘員2人を殺害。
  • 3月17日、アフリーン市マフムーディーヤ地区でシリア国民軍を襲撃。
  • 3月18日、アフリーン市近郊にあるトルコ軍の拠点を襲撃し、トルコ軍兵士2人を殺害。

ANHA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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ラッカ県アイン・イーサー市一帯でトルコ軍・シリア国民軍がシリア民主軍と激しく交戦し、双方に死傷者(2021年3月19日)

ラッカ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のムシャイリファ村、サイダー村、M4高速道路沿線一帯を砲撃した。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦し、激しい戦闘となった。

シリア人権監視団によると、戦闘は、地雷・爆発性戦争残存物(ERW)の解体・撤去作業が完了したサイダー村、マアラク村に、住民がシリア民主軍とロシア軍の護衛を受けて帰還しようとしたのを狙って、トルコ軍とシリア国民軍が砲撃を行ったことをきっかけとした。

砲撃を受けた住民は避難、またロシア軍が撤退すると、トルコ軍・シリア国民軍はサイダー村に侵攻、シリア民主軍が抵抗し、激しい戦闘となったという。

ANHAによると、この戦闘で、シリア民主軍が「傭兵」(シリア国民軍の戦闘員)3人を殺害、トルコ軍のHMMWV四輪駆動車1輌を破壊した。

これに関して、シリア民主軍の広報センターは声明を出し、19日の戦闘で、トルコ軍兵士と「傭兵」16人を殺害、7人を負傷させたと発表した。

一方、シリア人権監視団は、戦闘でトルコ軍士官1人とシリア民主軍戦闘員3人が死亡、多数が負傷、また、シリア民主軍側も兵士2人が死亡したと発表した。

また、ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が、アイン・イーサー市の南東に位置するハドリヤート村一帯を砲撃し、子供1人が死亡、住民5人が負傷した。

一方、SANA(3月19日付)は、子供1人が死亡、住民4人が負傷したと伝えた。

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アレッポ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍国境警備隊が、不法入国を試みたバーブ市出身の男性1人を射殺した。

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ハサカ県では、SANA(3月19日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市で、地元の部族長や名士らが国民部族会合を開催し、トルコ軍と米軍の撤退を要求した。

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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シリア政府、ダイル・ザウル軍事評議会、シャーム解放機構の各支配地で「シリア革命」10周年に合わせた抗議デモ発生(2021年3月19日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるカナーキル村で金曜日の集団礼拝後に、「シリア革命」開始10周年に合わせて抗議デモが行われた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるアズバ村で、「シリア革命」開始10周辺に合わせて、「革命」継続と体制打倒を求めるデモが発生した。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10159914915743115?__cft__%5B0%5D=AZVv_7p3T9Zn-53BDYPbgb2UKi3QQ_1PFtisJr0EV71z7L7NWONaxui6wvaiTsOD8PxZUDO2ba_qnfePOotVDUIllxxveiEFL5A9YCwtQx76xCCGRXX1Way3jZUVzjC3DbmsWdxk22dlcxsvg0JEpu_A&__tn__=%2CO%2CP-R

 

 

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で前日に続いて、「シリア革命」の継続と体制打倒を求める抗議デモが発生した。

シリア人権監視団は、このデモに関して「シャーム解放機構とシリア救国内閣の庇護のもとで…デモが続けられた」と伝えた。

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは、シャーム解放機構がホワイト・ヘルメット、西側の諜報機関とともに、シリア軍の有毒ガス使用を偽装する準備をしていると発表(2021年3月19日)

ロシア当事者和解調整センターのアレクサンドル・カルポヴ(Alexander Karpov)副センター長(海軍少将)は、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム解放機構)の「テロリスト」たちが、ホワイト・ヘルメットと西側諜報機関と連携して、イドリブ県北東部でシリア軍による有毒ガスの使用を偽装する準備をしているとの情報を得たと発表した。

RT(3月19日付)などが伝えた。

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、RT, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で152人(2021年3月19日)

保健省は政府支配地域で新たに152人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者88人が完治し、11人が死亡したと発表した。

これにより、3月19日現在の同地での感染者数は計17,077人、うち死亡したのは1,141人、回復したのは11,410人となった。

SANA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県ザーウィヤ山地方、ハマー県ガーブ平原を砲撃(2021年3月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、バイニーン村、スフーフン村、バーラ村一帯、カンスフラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村、クライディーン村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるハーッラ市の公園で、治安機関の協力者として知られていた男性を狙ったと見られる爆発が発生し、この男性が死亡、子供3人が巻き添えとなり負傷した。

また、ダーイル町では空軍情報部のメンバー2人が何者かの発砲を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を23件(イドリブ県15件、ラタキア県6件、アレッポ県0件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は21件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民127人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は650,915人に(2021年3月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月19日付)を公開し、3月18日に難民149人(うち女性45人、子供76人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民149人(うち女性45人、子供76人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は650,915人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者255,667人(うち女性76,853人、子ども130,115人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は880,195人(うち女性264,129人、子供448,606人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は80,628人(うち女性29,480人、子供30,362人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,349,224人(うち女性412,039人、子供674,128人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 19, 2021をもとに作成。

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