トルコのエルドアン大統領:「シャルア暫定大統領は断固とした立場を取り、いかなる譲歩もしなかった」(2025年7月21日)

アナトリア通信によると、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、北キプロス・トルコ共和国から帰国する大統領機内での記者団に対して、スワイダー県をめぐる混乱について、アフマド・シャルア暫定大統領が「断固とした立場を取り、いかなる譲歩もしなかった」と述べた。

また、イスラエルについては、「イスラエルは挑発を続けており、この地域の安定を望んでいない。シリアが統一されることは自らの利益に反すると考えている」、「イスラエルは常に地域全体を混乱させようとしている。シリアの安定化プロジェクトを妨害しているということを、世界に対して明確にする必要がある」と非難した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルのカッツ外務大臣「イスラエルの攻撃はシリアにおけるドゥルーズ派の虐殺を止める唯一の手段であった」(2025年7月21日)

イスラエルのイスラエル・カッツ外務大臣は、Xを通じて、以下の通り綴った。

スワイダーとダマスカスで体制を狙ったイスラエルの攻撃は、シリアにおけるドゥルーズ派の虐殺を止める唯一の手段であった。彼らはイスラエルの我々の兄弟であるドゥルーズ派の兄弟たちだ。この攻撃に批判を加える者は、事実を理解していない。ヘルモン山および安全保障地域におけるイスラエル軍の存在、そしてドゥルーズ派の保護を含む政府のシリアにおける政策は、正しく、責任あるものであり、力と相互扶助を反映している。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は「シリアには追求され、責任を負うべき政府がある」としつつも、シャルア移行期政権との協力継続を強調(2025年7月21日)

イナブ・バラディーによると、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、レバノンのナウワーフ・サラーム首相との会談後に、ベイルートで記者会見を開き、記者らの質問に答えるかたちで、「シリアには追求され、責任を負うべき政府がある」と述べ、スワイダー県での衝突に伴う人権侵害や人道危機に批判的な姿勢を示した。

バッラク大使は「少数派や部族は、前政権のもとで混乱の中に暮らしており、事件が起これば自分たちの部族や家族、身内に頼るしかなかった」としたうえで、スワイダー県の状況について「恐ろしく、想像を絶し、信じがたい事態」と表現し、一刻も早くあらゆる問題が解決されることを望むと述べた。

一方、バッラク大使は、アフマド・シャルア移行期政権について、「15年以上に及ぶ内戦と暴力を経て成立した新しい政府であり、現状に精通していないとはいえ、軍と治安機関を有しており、過去7ヵ月以上にわたってすべての勢力や少数派と協力してきている」と評価した。

そのうえで、「総じて米国は、最近のシリアの出来事に強い懸念を抱いており、援助を提供したいと考えている。また、シリアの新政府がすべての少数派を統合しようとしていることを理解したいと思っている」と述べた。

さらに「シリアのすべての少数派が統合されること、そして周辺国、とりわけイスラエルとの調整がなされること」が重要だと強調、これらの当事者が一体となって行動すべきだと述べた。

**

トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、AP通信のインタビューに応じ、アフマド・シャルア移行期政権との協力を続けると言し、それ以外の代替案はないと強調した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ベドウィン・部族系武装勢力が停戦違反を繰り返す:「部族軍」を名乗る武装勢力がシャフバー町、ウンム・ザイトゥーン村などを無人航空機で攻撃(2025年7月21日)

シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力による停戦違反が各所で確認され、ウンム・ザイトゥーン村・スワイムラ村間、シャフバー町近郊のシーハーン丘およびドゥルーズ派の聖地であるシーハーン霊廟、アリーカ村に対して迫撃砲や無人航空機による攻撃が行われた。

スワイダー24によると、無人航空機による攻撃が、停戦合意を破った武装集団によってシャフバー町の防衛線に対して行われた。

スワイダー24によると、ウンム・ザイトゥーン村で交戦が確認された。

スワイダー24によると、アリーカ村に迫撃砲弾が着弾した。

**

シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力はシャフバー町を、赤外線カメラを搭載した無人航空機で複数機で攻撃し、住民9人が負傷した。

**

シリア人権監視団によると、ウンム・ザイトゥーン村でも、ドゥルーズ派武装勢力とベドウィン・部族系武装勢力が一進一退の戦闘を繰り広げた。

スワイダー24によると、「部族軍」を称する武装勢力がウンム=ザイトゥーン村近郊の穀物サイロを攻撃した。

また、シャフバー町を無人航空機で攻撃したのもこの武装勢力だという。

**

シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力は、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師の出身地であるカナワート市に向かって進攻を開始し、ドゥルーズ派武装勢力側との戦闘で4人が死亡した。

**

スワイダー24は、スワイダー市での国防省・内務省の合同部隊(の制服を着た要員)によるドゥルーズ派に対する虐殺の映像を公開した。

**

シリア人権監視団によると、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃などでの死者は1,265人となった。

内訳は以下の通り:
●スワイダー県の住民:609人(民間人104人を含む。うち子ども6人、女性16人)
●国防省および内務省治安部隊の要員:440人(うちベドウィン部族出身者32人、レバノン国籍の武装要員1人を含む)
●イスラエルの爆撃によって死亡した国防省・内務省の要員:15人
●国防省の庁舎へのイスラエル爆撃で死亡:3人(女性1人、不明身元2人)
●交戦中に死亡した報道関係者:1人
●国防省・内務省の要員による処刑で死亡:194人(女性28人、子ども8人、高齢男性1人を含む)
●ドゥルーズ派武装勢力による処刑で死亡したベドウィン・部族の住民:3人(女性1人、子ども1人を含む)

**

シリア人権ネットワークによると、7月13日以降、少なくとも558人が死亡、783人以上が負傷した。

死者のうち、女性17人、子ども11人、医療関係者6人(うち女性3人)、報道関係者2人。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドゥルーズ派武装勢力側は、善意の証として拘束していたベドウィン・部族系武装勢力の捕虜約1300人を釈放(2025年7月21日)

シリア人権監視団によると、ドゥルーズ派武装勢力側は、善意の証として、拘束していたベドウィン・部族系武装勢力の捕虜約1300人を釈放した。

今後48時間以内に、それ以外のベドウィン・部族系武装勢力、国防省・内務省の要員も釈放される見込みで、これに対して、ベドウィン・部族系武装勢力側もドゥルーズ派の捕虜110人を解放すると見られる。

(C)青山弘之 All rights reserved.

尊厳のシャイフ軍団の指導者であるライス・バルウース氏がビデオ声明でヒジュリー師を非難:尊厳の男たち運動は声明でこれを否定(2025年7月21日)

尊厳の男たち運動の創設者であるワヒード・バルウース師(2025年9月に戦死)の息子で、尊厳のシャイフ軍団の指導者であるライス・バルウース氏は、イフバーリーヤ・チャンネルを通じてビデオ声明を出し、スワイダー県で続く衝突や人道危機に関して、「もう一方の当事者」に責任があると述べ、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師を暗に非難した。

ライス氏は、アフマド・シャルア移行期政権と地元指導者たちとの間で調整役を務めてきたが、ヒジュリー師に忠誠を誓う諸派の反発に直面していた。

**

尊厳の男たち運動はフェイスブックを通じて声明を出し、この発言について、イフバーリーヤ・チャンネルなどの公式メディアを通じて流布された内容を否定するとしたうえで、これらメディアを、組織的な情報操作を通じて無辜の血を流す共犯者であると見なすと表明した。

また、公式フェイスブック・アカウント以外から発出されたあらゆる声明やコメントは、尊厳の男たち運動の立場を一切代表するものではないと強調した。

声明では、ライス・バルウース氏のインタビューについて、同氏が尊厳の男たち運動の一員でも幹部でもないと強調した。

**

さらに、別の声明では、戦闘で殉教した46人の指導者・戦闘員の氏名を公表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県ハッラーブ・ジール村の農業用空港に設置されている米主導の有志連合の基地に、軍事装備、物流物資を積んだ米軍の輸送機が着陸(2025年7月21日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハッラーブ・ジール村の農業用空港に設置されている米主導の有志連合の基地に、軍事装備、物流物資を積んだ米軍の輸送機が着陸した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県からベドウィン系住民のダルアー県への退避が始まる(2025年7月21日)

SANAによると、スワイダー市内で「拘束」されていたベドウィン系住民およびスワイダー県からの避難を希望するベドウィン系住民の退避作業が内務省内務治安司令部によって行われた。

シリア人権監視団によると、スワイダー市内で拘束されていたベドウィン系住民の旅客バスによる移送は、ドゥルーズ系武装勢力の監視下で行われ、スワイダー県北部郊外、ダマスカス・スワイダー街道、スワイダー・ダルアー街道など広範囲に展開する内務省の治安部隊に内部治安部隊に身柄は引き渡された。

**

SANAによると、ムスアブ・アリー保健大臣は、ダルアー県のズィヤード・マハーミード保健局長とともに、ダルアー国立病院を視察し、スワイダー県での衝突での負傷者を見舞った。

**

SANAによると、スワイダー県ムスタファー・バックール知事は、ダルアー県のムハンマド・ザウビーイズラア郡知事とともに、スワイダー市から避難してきた家族が滞在しているダルアー県内の複数の避難所を視察した。

**

SANAによると、ダルアー県のアンワル・ターハー・ズウビー知事は、スワイダー市で「拘束」されていたベドウィン系住民約200世帯1,000人が本朝、ダルアー県の避難所に到着したと発表した。

ズウビー知事は、ダルアー県内の避難所には、これに先立ってすでに3,250世帯が到着しているほか、スワイダー県から避難してきた世帯が20,000~30,000世帯に上っていることを明らかにした。

**

SANAによると、民間防衛機構は、スワイダー県で「拘束」されていた家族のうち、主に女性、子ども、高齢者ら民間人約1,500人を、ダルアー県内の避難所へ移送した。

**

社会問題労働省は、フェイスブックを通じて、スワイダー県からダルアー県に避難した世帯数に関する統計を発表した。

それによると、避難世帯は2,068世帯に達し、21ヵ所に分われて受け入れられている。

**

SANAによると、南部地域での最近の緊張激化への緊急対応の一環として、米国のNGO組織メドグローバル(MedGlobal)は、保健省と連携して、スワイダー県から避難してきた家族への緊急医療サービスを提供するため、ダルアー県のブスル・ハリール市、ナーフタ町に移動診療所を設置した。

**

SANAによると、フランス外務省は、スワイダー県をめぐる停戦合意の発表を改めて歓迎し、すべての当事者に対し、それを尊重し順守するよう呼びかけた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

人民議会選挙高等委員会は首都ダマスカスの人民議会議事堂で、ダルアー県の代表団、ジャーナリストおよびメディア関係者と会合を開く(2025年7月21日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、首都ダマスカスの人民議会議事堂で、ダルアー県の代表団と会合を開き、次回の選挙制度について協議した。

SANAによると、人民議会選挙高等委員会はまた、人民議会議事堂で、ジャーナリストおよびメディア関係者らと会合を開き、次回選挙の準備作業における実施手順や、透明性の確保とメディアによる監視のありようについて説明し、メディア関係者の意見や提案を聴取した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

3月に沿岸部などで発生したアラウィー派らに対する殺戮、略奪などの事件の真相究明を目的とする独立調査国民委員会は7月22日に記者会見を開くと発表(2025年7月21日)

SANAによると、3月に沿岸部などで発生したアラウィー派らに対する殺戮、略奪などの事件の真相究明を目的とする独立調査国民委員会は声明を出し、7月22日に記者会見を開き、同委員会の調査手法および手順、主要な調査結果と勧告について明らかにすると発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トランプ米政権高官:「ビビ(ベンヤミン・ネタニヤフ首相の愛称)は狂人のようだ。常に何かを爆撃している」(2025年7月20日)

アクシオスは、ドナルド・トランプ米政権がイスラエルによるシリアの首都ダマスカス爆撃に不満を募らせていると伝えた。

ホワイトハウスの高官の1人は、アクシオスに対して、「ビビ(ベンヤミン・ネタニヤフ首相の愛称)は狂人のようだ。常に何かを爆撃している」、「これはトランプが進めようとしていることを台無しにしかねない」などと述べたという。

別の高官も、「ネタニヤフはまるで言うことを聞かない子どものようだ」と述べた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は停戦合意が履行されていると主張:在シリア米国大使館は国民にシリアからの退避を改めて呼びかける(2025年7月20日)

トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、Xを通じて以下の通り発表した。

敵対行為の激化を抑えるためには、暴力の停止、無辜の人々の保護、人道的支援の許可、そして危険からの退避に関する合意が不可欠である。ダマスカス時間の17時現在、すべての当事者が停戦と敵対行為の停止に合意し、実行に移している。今後、包摂的かつ持続的な緊張緩和への道のりの基礎となる次の一歩は、人質および拘束者の完全な交換であり、その実施に向けた手続きが現在進行中である。

**

マルコ・ルビオ米国務長官は、スワイダー県で続く衝突について、Xを通じて以下の通り伸べ、ダーイシュ(イスラーム国)の再台頭とイランの再浸食に警戒心を示した。

米国はこの3日間、シリア南部で起きている恐ろしく危険な事態に対し、イスラエル、ヨルダン、ダマスカス当局と密接に連携してきた。
現在も続いている、罪なき人々に対する強姦や虐殺は、直ちに終わらせなければならない。
もしダマスカス当局が、ダーイシュやイランの支配から解放された、統一的で包摂的かつ平和なシリアを実現する可能性を少しでも残したいのであれば、この惨事を終わらせるべく、治安部隊を使ってダーイシュやその他の暴力的なジハード主義者がこの地域に侵入し、虐殺を行うのを阻止しなければならない。そして、自らの部隊を含め、残虐行為に関与した者をすべて法の下に裁き、責任を取らせなければならない。
さらに、ドゥルーズ派とベドウィン系部族との間で、内部で起きている戦闘も、即座に停止されなければならない。

**

在シリア米国大使館は、シリアに対する渡航勧告は「レベル4:渡航中止勧告」のままだとしたうえで、自力でシリアを出国できる場合は、直ちに出国するよう求めた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県バイト・ジン村にあるドゥルーズ派の宗教的聖地の一つシャイフ・アブドゥッラー廟が何者かによって爆破され(2025年7月20日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・ジン村にあるドゥルーズ派の宗教的聖地の一つシャイフ・アブドゥッラー廟が何者かによって爆破された。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県バーグーズ村で、ユーフラテス川を渡ってオートバイを運搬しようとしていた密輸業者の男性がシリア民主軍に銃撃され死亡(2025年7月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、バーグーズ村で、ユーフラテス川を渡ってオートバイを運搬しようとしていた密輸業者の男性が、シリア民主軍に銃撃され死亡した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県ではアラウィー派2人が殺害、ダマスカス県ではクルド語を離していた若者5人が拘束(2025年7月20日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ジャドリーン村で、正体不明の武装グループがアラウィー派の住宅を襲撃、父親と9歳の息子を殺害した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マッザ・ジャバル地区でクルド語を話していたアレッポ県アフリーン郡出身のクルド人の若者5人が、治安部隊により拘束された。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍の有人戦闘機および無人航空機がベドウィン・部族系武装勢力の攻撃に合わせて、爆撃を実施(2025年7月20日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、県中部、ゴラン高原のマンタラ・ダム近くの公園一帯で大規模部隊を展開させた。

**

シリア人権監視団によると、イスラエル空軍の戦闘機が、スワイダー県西部のアリーカ村、ダルアー県北西部のナワー市、クナイトラ県のハーン・アルナバ市の上空に飛来した。

**

シリア人権監視団によると、イスラエル軍の有人戦闘機および無人航空機は、ベドウィン・部族系武装勢力が攻撃を開始したのに合わせて、爆撃は、マズラア町とアリーカ村を結ぶ道路、ダウル村とマズラア町を結ぶ道路、ウンム・ザイトゥーン村一帯、スワイムラ村近くに対して集中して行われた。

また、ダーマー村も無人航空機によるとみられる爆撃を受けた。

一方、イスラエルのヘリコプターがスワイダー県の上空を飛行し、住民に向けて物資を投下したとの情報もある。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドゥルーズ派武装勢力の捕虜となったスルターン・スライマーン・シャー師団(シリア国民軍)のメンバーがスワイダー県でのドゥルーズ派虐殺への移行期政権と外国人戦闘員の関与を自白(2025年7月20日)

シリア人権監視団は、アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊(新シリア軍)に合流したシリア国民軍所属のスルターン・スライマーン・シャー師団(通称アムシャート師団、現在はシリア軍第62旅団に再編)のメンバーで、ドゥルーズ派武装勢力に捕虜として捉えられたとする男性の証言ビデオを入手したと発表した。

この男性は、自身が同旅団の兵士であることを認めたうえで、スワイダー県への襲撃に、ウズベク人やトルキスタン人といった外国人戦闘員200人から300人が加わり、その一部は爆発物処理や軍事工学の専門家だったと証言した。

また、スワイダー県での作戦開始に先立って、ハマー県のアシャーリナ村方面から約800台の軍用車輌が集結し、ダルアー県を経由して、スワイダー県のウルガー村を通過、スワイダー市内に進入したという。

この男性はさらに、「捕虜にしたドゥルーズ教徒は全員殺害または斬首せよ」との指示を受けていたと証言、これを「宗派大量虐殺の方針」と評したという。

男性によると、作戦指揮者らは国防省直属部隊であることを意図的に隠し、イスラエルによる爆撃の標的になることを回避しようとした。

また、攻撃には、内務省治安部隊も参加、地元のベドウィン系武装集団が主体をなすような報道内容を否定した。

証言の最後で、男性は自発的に投降し、武器と軍服を差し出したことを明かし、拘束後は良好な扱いを受けており、ビデオ撮影は拘束当日に行われたと付け加えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー軍事評議会:スワイダー県での人道的侵害と蹂躙を「ダーイシュとヌスラ戦線による過去の攻撃の延長線上にある」と非難、徹底抗戦を改めて表明(2025年7月20日)

ANHAによると、スワイダー軍事評議会は国際世論に向けて声明を出し、スワイダー県で無辜の民間人に対する忌まわしい人道的侵害と蹂躙が繰り返されているとしたうえで、これを「ダーイシュ(イスラーム国)およびヌスラ戦線(現アフマド・シャルア移行期政権)による過去の攻撃の延長線上にある」と非難した。

また、停戦合意が成立したとの一連の発表にもかかわらず、「現場では何の効果も見られず、同胞の血が抑止されることなく流されている」と指摘、アフマド・シャルア移行期政権の対応について、「これまでに誠意ある応答や具体的な対応は何ひとつ得られていない」と失望を露わにした。

そのうえで、スワイダー軍事評議会は、独立した報道機関および国際的な専門委員会に対して、ドゥルーズ派住民に対する集団虐殺の犯罪を緊急に記録・調査するよう強く求めたるとともに、引き続き抵抗を続けスワイダー県を防衛すると表明した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア地域民主自治局はスワイダー県の住民に向けた緊急人道支援車輌隊の準備を完了(2025年7月20日)

ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局は、スワイダー県の住民に向けた緊急人道支援車輌隊の準備を完了した。

車輌隊は現在、支援物資を届けるための安全な通行回廊の確保を待っている状況にあるという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

人民議会選挙高等委員会は、ダマスカス郊外県クドスィーヤー郡、ヒムス県タルビーサ区の名士らと会談(2025年7月20日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、首都ダマスカスの人民議会議事堂で、ダマスカス郊外県クドスィーヤー郡の学識者、名士、地元の有力者らによる代表団と会合を行い、人民議会議員の選出に関する手続き、条件、基準を説明し、参加者の意見や提案を聴取した。

また、SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、ヒムス県のタルビーサ区の名士や社会活動家からなる代表団と会合を行い、選挙プロセスの仕組みや、次期人民議会での地域の実効的な代表確保に向けた協力体制について協議した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県では、停戦合意成立以降もベドウィンや部族からなる武装勢力による攻撃を受けて、ドゥルーズ派武装勢力との間に戦闘発生(2025年7月20日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、停戦合意が成立したにもかかわらず、19日深夜から20日未明にかけて、シャフバー町とウンム・ザイトゥーン村を結ぶ街道沿線で、散発的な交戦が確認された。

**

シリア人権監視団によると、ベドウィンや部族からなる武装勢力がアリーカ村、リーマ村、ハーズィム村、シャフバー町を攻撃、ドゥルーズ派武装勢力との間で戦闘となった。

**

シリア人権監視団によると、このうちアリーカ村に進攻した部族系武装勢力に関しては、スワイダー県に至るすべての街道を封鎖しているシャルア移行期政権当局が意図的に進入を許したとの疑問が噴出しているという。

停戦合意の成立を受けて、アフマド・シャルア移行期政権の内務省治安部隊は、緊張緩和のため、スワイダー県に通じる道路に土嚢や盛り土によるバリケードを設置し、これを封鎖し、各地の部族系武装勢力の進入・参戦を阻止、救急車を除く車輌の通行を遮断している。

なお、ドゥルーズ派武装勢力は戦闘の末、アリーカ村、リーマ村、ハーズィム村を制圧した。

一方、捕虜交換が予定されていたウンム・ザイトゥーン村では、ベドウィン・部族系武装勢力が進攻、ドゥルーズ派武装勢力と戦闘となった。

**

シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力がウンム・ザイトゥーン村を砲撃、これを受けて捕虜交換の実施は見送られた。

捕虜交換の2段階からなり、第1段階は19日にドゥルーズ派の女性4人とベドウィン側の若者1人がそれぞれ解放されたが、20日に予定されていた第2段階は中止された。

**

シリア人権監視団によると、ブスターン村、ダーマー村、ナジュラーン村でベドウィン・部族系武装勢力の大規模集結が確認された。

この動きは、近隣村落への新たな進攻の準備と見られる。

**

SANAによると、民間防衛機構(旧民間防衛隊、ホワイト・ヘルメット)は声明を出し、7月16日にスワイダー市内で消息を絶った緊急対応センター責任者であるハムザ・アマーリーン氏の即時釈放を、同市の関係当局に対して改めて強く求めた。

**

シリア人権監視団によると、7月13日(日)以降の戦闘や処刑による死者は1,120人に上っている。

内訳は以下の通り:
●スワイダー県民:531人(うち民間人104人、子ども6人、女性16人)
●国防省・内務省総合治安局関係者:373人(うちベドウィン18人、レバノン国籍戦闘員1人含む)
●国防省・内務省職員:15人(イスラエルの爆撃により死亡)
●市民3人(うち女性1人、不明者2人。イスラエルの国防省庁舎への爆撃で死亡)
●報道関係者1人(スワイダー県での戦闘中に死亡)
●国防省・内務省関係者による処刑:194人(うち女性28人、子ども8人、高齢男性1人)
●ドゥルーズ派武装勢力による処刑:3人(ベドウィンの女性1人と子ども1人含む)

**

ABC Newsによると、国連国際移住機関(IOM)によれば、今回の戦闘により計128,571人が避難を強いられているという。

このうち、前日(7月19日)に避難したのは43,000人は達するという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

保健省はスワイダー県に医療支援車輌隊を派遣するが、シリア赤新月社の物資以外の搬入を拒否される:外務在外居住者省はヒクマト・ヒジュリー師とイスラエルを批判(2025年7月20日)

SANAによると、保健省は、前日の停戦合意を受けるかたちで、スワイダー県に医療支援車輌隊を派遣した。

車輌隊には、完全装備の救急車20台、専門医療チーム、大量の医薬品および救急資材が含まれており、停戦合意を受けて設置された回廊を通じて、早朝にスワイダー国立病院に向けて出発した。

ムスアブ・アリー保健大臣によると、車輌隊は数日前に準備されていたが、イスラエル軍の爆撃で派遣ができずにいたという。

**

しかし、SANAによると、「ヒクマト・ヒジュリーに属するグループ」が車輌隊の進入を阻止した。

保健省のアフマド・アブドゥッラー広報局長はSANAに対して、車輌隊が「ヒクマト・フジュリーによって受け入れを拒否された」としたうえで、アラブ赤新月社の支援物資搬入の搬入のみが認められ、車輌隊は、アリー保健大臣、ヒンド・カバワート社会社会問題労働大臣、ラーイド・サーリフ緊急事態災害大臣ら保健省、社会問題労働省、緊急事態災害省の関係者らからなる代表団とともに首都ダマスカスに引き返したと説明した。

**

シリア人権監視団によると、人道支援物資を積んだトラックなどからなる車列が、ダルアー県のブスラー・シャーム市とスワイダー県のバカー村を結ぶ街道を通じて、スワイダー県内に入り、スワイダー市方面とサルハド市訪問に向かった。

この車列は、アフマド・シャルア移行期政権の治安部隊を護衛として伴わないとの条件のもと、受け入れを認められた。

**

シリア外務在外居住者省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、「ヒクマト・ヒジュリーに属する違法武装勢力」がスワイダー県への車列隊の立ち入りを阻止したことを強く非難した。

また、スワイダー県の治安の悪化は、イスラエルの露骨な介入と、それに伴うシリアの治安部隊の撤退によるものだと非難した。

**

ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、フェイスブックを通じて声明を出し、スワイダー県に届けられた人道支援を提供した国際機関や団体に謝意を示すとともに、スワイダー県に対する攻撃の即時停止、暴力と憎悪を煽ることを目的とした偽情報や悪意ある噂の流布の中止を改めて求めた。

また、別の声明では、民間人に対する殺害、略奪行為が続いていることを受けて、以下の通り要求した。

スワイダー県のドゥルーズ派住民を襲った痛ましく悲劇的な出来事、そして無辜の民間人に対して行われた凄惨な虐殺を受けて、我々は改めて以下の要求を表明する:

●あらゆる軍事攻撃の即時停止。ダマスカス政府に属するすべての部隊(軍、治安機関、民兵)を、山岳(ジャバル・ドゥルーズ)地帯およびその周辺の町村から完全に撤収させること
●住民どうしの連絡・連携を確保し、人質の交換および即時解放を可能にするため、インターネットおよび通信手段の緊急的な復旧。合意の成功と安全な履行を保証するため、関係各国による国際的保証のもとで実施すること

我々はスワイダー全域の住民に対し、この目的の達成に向けて最大限の責任感と協力精神を持って臨むよう呼びかける。
本件(捕虜交換)は本日午後6時、ウンム・ザイトゥーン村の広場にて実行に移されるべきである。
すべては、我々の息子、娘たち、そして子供たちが平穏無事に戻ってくるために。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領は3月に沿岸部などで発生したアラウィー派らに対する殺戮、略奪などの事件の真相究明を目的とする独立調査国民委員会からの最終報告書を受け取る(2025年7月20日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、3月に沿岸部などで発生したアラウィー派らに対する殺戮、略奪などの事件の真相究明を目的とする独立調査国民委員会からの最終報告書を受け取った。

**

アン・スノウ英シリア特使は、Xを通じて、以下の通り綴った。

私がこの発言から受け取った明確なメッセージは、現在南部で行われているものを含め、あらゆる犯罪に対して説明責任が問われるということだ。
すべてのシリア人は保護されなければならず、すべてのシリア人は自らの行動に説明責任を負わなければならない。

(C)青山弘之 All rights reserved.

在シリア米国大使館:バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使がシリア民主軍のアブディー総司令官と会談(2025年7月19日)

在シリア米国大使館は、Xを通じて、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使がシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官と会談し、現在のシリア情勢および平穏と安定を回復するための緊急措置の必要性について協議したと発表した。両者はまた、すべてのシリア国民にとって平和で繁栄し、包摂的かつ安定した未来を実現するために、統一されたシリアへの統合に向けた現実的な方策についても話し合った。彼らは、「いまこそ団結の時である」という点で一致した。

バッラク大使はまた、マズルーム総司令官の指導力と、シリアにおけるISISとの戦いにおけるSDFの継続的な協力関係に対して謝意を表した。

**

アル・モニターが7月22日に伝えたところによると、会談は、ヨルダンの首都アンマンで行われ、前回の首都ダマスカスでの会談と比べて、その雰囲気はきわめて良好だったという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロイター通信:シャルア移行期政権のスワイダー県進攻はバッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使の発言の読み違いが発端(2025年7月19日)

ロイター通信は、8人の関係筋(シリアの政治・軍事関係者、外交官、地域の治安当局者)の話として、アフマド・シャルア移行期政権が、「シリアは一つの国家であり続ける」、「シリアはひとつの軍、一つの政府を有する統一国家であるべきだ」などと述べたトーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使による7月12日の発言を誤って読み取り、スワイダー県で13日から続くドゥルーズ派武装勢力とベドウィン系武装勢力の衝突の初期段階で国防省・内務省の合同部隊を進攻させ、イスラエルの爆撃を受けたと伝えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

20台の大型貨物車輛からなる米軍の車列がイラクからシリア領内に入り、ハサカ県のカスラク村にある有志連合の基地に物資を輸送(2025年7月19日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・クルディスタン地域からワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)を経由して20台の大型貨物車輛からなる米軍の車列がシリア領内に入り、カスラク村にある有志連合の基地に物資を輸送した。

またCIA(米中央情報局)の代表団が、装甲車10台に分乗して同基地に到着した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県でアサーイシュの隊員5人が麻薬密売犯との撃ち合いで死傷(2025年7月19日)

ハサカ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)がカーミシュリー市南のタルタブ村で、麻薬密売人の自宅に対する強制捜査を実施したが、その打ち合いとなり、隊員1人が死亡、4人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアブー・ハシャブ村近くの分岐点付近で、銃で殺害された男性が遺体で発見された。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県、ダマスカス郊外県でアラウィー派が相次いで殺害される(2025年7月19日)

ハマー県で、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市近郊のザグリーン村で、武装グループがアラウィー派の住民2人を銃で撃ち殺害した。

シリア人権監視団によると、ハマー市でもアラウィー派の男性が正体不明の武装グループに銃撃され、死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ディーマース町で、オートバイに乗った正体不明の武装グループがアラウィー派の若い男女の2人を至近距離から銃撃し、死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合所属と見られる無人航空機がブーカマール市近郊のスィヤール村を爆撃し、1人が重傷を負った。

**

SANAによると、国防省第70旅団のパトロール部隊が、国境付近でヨルダンに密輸されようとしていたと見られる大麻樹脂28キロを押収した。

(C)青山弘之 All rights reserved.