イスラエル軍がダルアー県のジャービヤ丘とウンム・ハウラーン丘にあるシリア軍の防空基地をミサイルで攻撃(2024年7月30日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍がジャービヤ丘とウンム・ハウラーン丘にあるシリア軍の防空基地をミサイルで攻撃した。

また、ミサイル攻撃と合わせて、シリア軍は同地に飛来した無人航空機複数機を迎撃した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍によるシリアへの攻撃は、7月に入って6回目、今年に入って55回目(うち39回が航空攻撃、16回が地上攻撃)、これにより111あまりの標的が破壊され、軍関係者180人が死亡、96人が負傷しているという。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):23人
ヒズブッラーのメンバー:38人
イラク人:18人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):45人
「イランの民兵」の外国人メンバー:14人
シリア軍将兵:42人

また、民間人も16人(女性3人と子供1人を含む)が死亡、36人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:22回
ダルアー県:16回
ヒムス県:7回
クナイトラ県:6回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:1回
アレッポ県:2回

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

シリア、ロシア、イランはイスラエルによるベイルート郊外への攻撃を非難:ハリス米副大統領は「イスラエルは自衛権を有する」と擁護(2024年7月30日)

外務在外居住者省は声明を出し、27日にイスラエル占領下のゴラン高原のマジュダル・シャムス村のサッカー場にヒズブッラーのロケット弾、あるいはイスラエル軍のアイアン・ドーム防空システムのミサイルが着弾して子供ら12人が死亡したことへの報復だとして、イスラエル軍が30日晩にレバノンの首都ベイルートの南部郊外に対して行った爆撃について、「地域における緊張化と攻撃拡大に基づく政策を続けるための口実を作り出そうしている」としたうえで、攻撃を「レバノンの主権へのあからさまな違反」と非難、こうした侵害行為に直面するレバノン国民への連帯の意志を表明した。

SANA(7月30日付)が伝えた。

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ロシア外務省も声明を出し「重大な国際法違反」と非難した。

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イラン外務省のナーセル・カナーニー報道官は、「悪質かつ犯罪的な行動」と非難、「抑圧されたパレスチナ人を支援し、イスラエルのアパルトヘイト政権の侵略に対抗するという、レバノンの誇り高い抵抗の名誉ある道を歩み続けることを決して止めることはできない」と強調した。

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カマラ・ハリス米副大統領は記者らに対して、「ヒズブッラーはまさにテロ組織で、イスラエルはそれに対する自衛権を有する」と述べた。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合による55キロ地帯への侵犯を6件確認したと発表(2024年7月30日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、米国が違法に占領するヒムス県ヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、F-15戦闘機2機、TF-16n戦闘機2機、A-10サンダーボルト攻撃機2機による領空侵犯を6件確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(7月30日付)、タス通信(7月30日付)が伝えた。

RIA Novosti, July 30, 2024、TASS, July 30, 2024をもとに作成。

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イスラエル軍無人航空機が首都ベイルートの南部郊外の住宅地をミサイルで攻撃:3人が死亡、74人が負傷するも、狙われたヒズブッラー幹部は無事(2024年7月30日)

イスラエル軍は30日晩、首都ベイルートの南部郊外(ダーヒヤ)の住宅地を標的とした航空攻撃を行った。


27日にイスラエル占領下のゴラン高原のマジュダル・シャムス村のサッカー場にヒズブッラーのロケット弾、あるいはイスラエル軍のアイアン・ドーム防空システムのミサイルが着弾して子供ら12人が死亡したことへの報復。

マナール・チャンネル(7月30日付)によると、ベイルート県南部郊外(ダーヒヤ)ハーラト・フライク地区のバフマン病院近くにイスラエル軍無人航空機がミサイル3発を発射、NNA(7月30日付)によると、女性1人が死亡、子供複数を含む68人が負傷した。

また、その後の保健省の発表によると、3人が死亡、74人が負傷した。

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イスラエルのチャンネル12(7月30日付)は、攻撃がヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の軍事顧問で、イスラエルが「ヒズブッラーのナンバー2」と見ているフアード・シュクル氏(ハーッジ・ムフスィン)を狙ったものだと伝えた。

シュクル氏は、1983年の首都ベイルートでの米海兵隊兵舎爆破事件(241人が死亡)において主導的な役割を果たしたとされる人物で、イスラエル軍は、シュクル氏に関する情報提供者に500万米ドルの報酬を支払うと表明していた。

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だが、レバノンの複数の治安筋によると、イスラエルが狙ったとされるフアード・シュクル氏は攻撃が行われる前に標的となった建物を後にしており、無事だった。

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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前10時56分、レバノン南部にあるヒズブッラーのテロ標的約10ヵ所を夜間に攻撃。また、バイト・リーフ村に対する航空攻撃および地上攻撃で、ヒズブッラーのテロリスト1人を殺害、武器貯蔵施設、テロ・インフラ、軍事施設などを攻撃。

午後3時30分、レバノンから上ガリラヤ地方に約10発の飛翔体が飛来、ほとんどを迎撃。1発がハゴシュリム(キブツ)地域に着弾し、民間人1人が負傷。イスラエル軍は飛翔体発射地を攻撃。また、ジブシート村にあるヒズブッラーのテロ・インフラを攻撃。

午後7時6分、レバノンから数時間以上にわたり、上ガリラヤ地方に15発の飛翔体が飛来し、イールオン(キブツ)、イフタ(キブツ)、メトゥラ町地域に墜落。午後3時51分と53分に上ガリラヤ地方で警報が発令され、レバノンからの多数のUAVの飛来が確認され、1機がベイト・ヒレル入植地地域に墜落したことを確認。さきほど、アイター・シャアブ村、カフルカラー村にあるヒズブッラーの監視ポスト、テロ・インフラを攻撃。上ガリラヤ地方に飛翔体を発射した複数ヵ所を砲撃。

午後24時1分、初期報告。イスラエル軍は、マジュダル・シャムス村への攻撃に関与した司令官を標的とする攻撃をベイルートで実施。

午後11時48分、ヒズブッラーの最高位の軍事司令官であるフアード・シュクル(サイイド・ムフスィン)の殲滅に関する声明(https://idfanc.activetrail.biz/ANC3007202451)を発表。

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レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、7月30日の戦果について以下の通り発表した。

(時刻明示せず)レバノン領空を侵犯した複数の敵航空機を防空部隊が迎撃し、撃退。

(時刻明示せず)ジブシート村に対する攻撃で、民間人が負傷したことへの報復として、ベイト・ヒレル入植地の平地大隊司令部をカチューシャ砲複数発で攻撃。

(時刻明示せず)バイト・リーフ村に対する攻撃への報復として、ジャル・アラーム陣地を砲撃。

(時刻明示せず)同じく報復として、ベイト・ヒレル入植地の平地大隊司令部を自爆型無人航空機複数機で攻撃し、兵士らを殺傷。

(時刻明示せず)カフルマーン村に対する攻撃への報復として、クファル・ユヴァル入植地に配置されているイスラエル軍部隊を攻撃し、兵士らを殺傷。

(時刻明示せず)ジブシート村に対する攻撃への報復として、ベイト・ヒレル入植地の平地大隊司令部をカチューシャ砲複数発で攻撃。

午後5時30分、アヴィヴィム入植地一帯に集結するイスラエル軍部隊を攻撃。

午後6時20分、占領下カフルシューバー村丘陵地帯のラムサー陣地をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。

午後6時20分、占領下シャブアー農場のザブディーン陣地をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。

午後6時35分、バイト・リーフ村に対する攻撃への報復として、バイヤード・ブライダー陣地を攻撃。

(時刻明示せず)ジブシート村に対する攻撃への報復として、カイラア村の防空ミサイル司令部をカチューシャ砲複数発で攻撃。

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レバノン・イスラーム抵抗はまた、戦闘員1人が死亡したと発表した。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、Channel 12, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、NNA, July 30, 2024、Qanat al-Manar, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がヒムス県スフナ市近郊の砂漠地帯とタドムル市近郊の砂漠地帯でダーイシュの拠点を狙って爆撃(2024年7月30日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、スフナ市近郊の砂漠地帯とタドムル市近郊の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を狙って爆撃を実施した。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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ドイツ外務省報道官はシリア政府との関係正常化を否定(2024年7月30日)

ドイツ外務省のセバスティアン・フィッシャー報道官は記者会見で、イタリアがG7に先駆けて在シリア大使館の臨時代理大使を大使に格上げしたことに関連して、「シリアの体制は、国連安保理決議第2254号に沿った政治プロセスの進展を今も阻害している」としたうえで、「こうした状況が続く限り、シリアの体制との関係正常化を真摯に望むことはない」と述べた。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構がイドリブ県カフルナブル市近郊で共和国護衛隊の士官1人を狙撃し、殺害(2024年7月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるカフルナブル市近郊で共和国護衛隊の士官(大尉)1人を狙撃し、殺害した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃し、同機構のメンバー1人を殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、バッカール村で正体不明の武装集団がレバノンのヒズブッラーに協力する軍事情報局の下士官1人を銃で撃ち、殺害した。

また、正体不明の武装集団がタファス市で中央委員会(反体制武装集団のメンバーを代表する仲介組織)のメンバー1人を銃で撃ち殺害した。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内の拠点都市の一つアレッポ県バーブ市近郊でアフリーン解放軍団とシリア国民軍が交戦し、双方に負傷者(2024年7月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内の拠点都市の一つバーブ市近郊のハズワーン村一帯およびアブラ村一帯で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のアフリーン解放軍団とシリア国民軍が交戦し、前者の兵士1人と後者の戦闘員3人が負傷した。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県アルマナーズ市で、住民らがジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモ(2024年7月30日)

イドリブ県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)によると、シャーム解放機構の支配下にあるアルマナーズ市で、住民らがアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモを行った。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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シリアの支配下にある兵力引き離し地域内のマジュダル・シャムス村で27日のイスラエル軍のアイアン・ドーム防空システムのミサイルがサッカー場に着弾して死亡した子供ら12人を悼むための弔問集会(2024年7月30日)

クナイトラ県では、27日にイスラエル占領下のゴラン高原のマジュダル・シャムス村のサッカー場にヒズブッラーのロケット弾、あるいはイスラエル軍のアイアン・ドーム防空システムのミサイルが着弾して死亡した子供ら12人を悼むための弔問集会が、バアス党中央指導部のヤースィル・シャーヒーン氏、サフワーン・アブー・サアダー氏、クナイトラ県のムウタッズ・アブー・ナスル・ジャムラーン知事、ドゥルーズ派のシャイフ・アクルの1人ユースフ・ジャルブーア師、クナイトラ・スワイダー県宗教関係局のナウドゥー・アリー局長、ゴラン高原のムフタールであるイサーム・シャアラーン氏、ドゥルーズ派の宗教指導者、住民らが参加した。

SANA(7月30日付)が伝えた。

AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。

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