2013年6月15日のシリア情勢

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区に対して軍が空爆・砲撃を加えた。

また、ルクンッディーン区、シャーグール区で、軍・治安部隊が逮捕摘発活動を行った。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ムライハ市、シャイフーニーヤ村、リーマー農場、ザバダーニー市、ハジャル・アスワド市などに軍が爆撃・砲撃を加えた。

またジュダイダト・アルトゥーズ町で、軍・治安部隊が逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(6月15日付)によると、アフマディーヤ市で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

ハーミスィーヤ市、ハラスター市、ダーライヤー市、ハルブーン市で軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市、ナマル町、インヒル市、ワーディー・ヤルムーク地方の村々・検問所などで、軍と反体制武装集団が交戦し、死傷者が出た。

一方、SANA(6月15日付)によると、ダルアー県国立病院周辺、ムザイリーブ町、ヌアイマ村、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ハウラ地方、カルヤタイン市、ヒムス市バーブ・フード地区、ウンム・トゥワイジーヤ村などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月15日付)によると、ラスタン市、カルヤタイン市、ヒムス市バーブ・フード地区、カラービース地区、ハーリディーヤ地区、タドムル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム解放党の戦闘員や外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市、ビンニシュ市近郊の軍住宅センターなどで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月15日付)によると、バラーギーディー村、アブー・ズフール航空基地周辺、ビンニシュ市近郊の軍事住宅センター周辺、タイイバート村、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺、アブー・ダーリー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、民主連合党と反体制武装集団の代表者が会合を開き、停戦に合意した。

停戦に合意したのは、民主連合党、バーブ市および同郊外統合軍事評議会、マンビジュ市および同郊外地元革命評議会。

住民に対する政権の犯罪非難、政権打倒のための協力なども合わせて合意したという。

またシリア人権監視団によると、アナダーン市、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、ANA(6月15日付)によると、タッラ・ティーナ村、アイン・アッサーン村、シャイフ・ナッジャール市で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またサフィーラ市、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ハトラ村でのシーア派住民虐殺を受け、反体制武装集団が「宗派内乱の発生阻止」のための治安警備活動を開始した。

治安警備活動は、カッサース旅団とウスマーン・ブン・アッファーン大隊に対して、軍事評議会が命じたものだという。

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ハマー県では、SANA(6月15日付)によると、ラスム・アブド村、ラスム・アワービド市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またウカイリバート町、ウンム・トゥワイナ村、ウンム・アワービド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月15日付)によると、マスハラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月15日付)によると、農業総同盟のダイル・ザウル支部長のラシーダ・アリーがマヤーディーン市で反体制武装集団に暗殺された。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はイスタンブールで西側諸国高官と会談し、反体制武装集団への武器供与について協議した。

しかしイドリース参謀長は「米国の友人たちは、武器装備を我々に供与するとは告げてこなかった」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長は『ジュムフーリーヤ』(6月15日付)に対して「ヒズブッラーは、どのように寝鎮めるかも知らないままに、宗派主義のモンスターを目覚めさせた」と述べ、シリアの紛争へのヒズブッラーの干渉を批判した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣は、「(シリア)政府は現地で勝利を収めた。反体制勢力はこのことを率直に認めている…。政府がきわめて狭い範囲で、化学兵器使用に訴えることにどんなメリットがあるのか」と述べた。

また「西側のメディアでは、ヨルダンにパトリオット・ミサイルやF16戦闘機を展開させ、シリア上空に飛行禁止空域を設定することが真剣に検討されているとのリークがある…。それが国際法に違反するということを理解するのに専門家はいらない…」としたうえで、米国にジュネーブ2会議開催に向けて行動するよう求めた。

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国防総省がバラク・オバマ大統領にシリア上空での飛行禁止空域の設置を提案したとの報道を受け、米ホワイトハウスのベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は、記者会見で、飛行禁止空域設置が「より困難、危険で、コストがかかる」と否定的な姿勢を示した。

ベン・ローズ副補佐官は「リビアでは、反体制勢力が国土を広範囲に制圧し、上空から彼らを守ることができた…。リビアにはシリアにあるような防空システムはなかった…。(シリアでの)飛行禁止空域が奇跡の解決策ではない」と述べたという。

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ジョン・ケリー米国務長官は、シリア情勢に関して政治的解決をめざしているとしつつ、「化学兵器の使用と、ヒズブッラーの介入増大は、(シリアの)政府が交渉に専念しておらず、政治的正常化を遠ざけようとしていることを示す」と述べた。

国務省が声明を通じて発表した。

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エジプトのムハンマド・ムルシー大統領は、「シリア救済」大会で数千人のイスラーム主義者を前に「エジプトは今日、シリアの現体制との関係を完全に絶つことを決定した。エジプトの現体制の大使館を閉鎖し、ダマスカスのエジプト常駐代表を引き上げることを」と述べた。

またムルシー大統領は、「バッシャール・アサド大統領と対決するため、シリア国民救済緊急サミット」開催に向けてアラブ・イスラーム諸国との連絡を開始したとしたうえで、シリア上空での飛行禁止空域設定を安保理に呼びかけたと述べた。

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『ハヤート』(6月16日付)は、トルコ高官の話として、シリア軍の士官71人が6月になって離反し、トルコ領内に入国したと報じた。

同高官によると、離反兵は、准将6人、大佐20人などからなりハタイ県のレイハンル市に家族とともに入国したという。

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シャームプレス(6月15日付)は、シリアから撤退したUNDOF主力部隊のオーストリア部隊の司令官の話として、イスラエルがクナイトラ県内のゴラン国境近くの一部の村で、シリアの反体制武装集団に武器、兵站、医療支援を大規模に行っていると証言した、と報じた。

AFP, June 15, 2013、Champress, June 15, 2013、al-Ḥayāt, June 16, 2013、al-Jumhūrīya, June 15, 2013、Kull-nā Shurakā’, June 15, 2013、Kurdonline, June 15, 2013、Naharnet,
June 15, 2013、Reuters, June 15, 2013、SANA, June 15, 2013、UPI, June 15,
2013などをもとに作成。

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