2014年2月2日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シリア・ムスリム同胞団(ハッサーン・ハーシミー政治局長)は声明を出し、ジュネーブ2会議第1ラウンドがアサド政権のペテンと国際社会の沈黙によって成果を得られなかったと非難、第2ラウンド開始までに、軍による砲撃、「樽爆弾」による空爆の停止、逮捕者釈放、都市・村に対する軍の包囲解除、被災者への人道支援のための安全保障回廊の設置を実現するため、国連安保理に実務的な行動を求めた。

Kull-na Shuraka’, February 3, 2014をもとに作成。

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2014年2月2日のシリア情勢:諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、ミュンヘン安保会議(1月31日~2月2日)で演説し、「国際社会は、ボスニア、ルワンダのときと同じように…シリアでその無力を露呈した…。国連事務総長は今すぐヒムス、ヤルムークに行って、許しを請うべきだ…。中国であれ、ロシアであれ、米英仏であれ、今こそ安保理で行動すべきだ」と述べ、シリア国内の被災地域への人道支援物資搬入を義務づける安保理決議の採択を呼びかけた。

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サウジアラビアの前総合情報庁長官のトゥルキー・ファイサル王子はミュンヘン安保会議で「私はバッシャール・アサド政権の集団虐殺や人道犯罪を非難する。アサドがこうした犯罪を犯すことをイランが支援していることを非難する。ロシアがバッシャールに武器供与を続けていることを非難する。中国が安保理でロシアに追随し、シリアでの戦闘をとめる努力に反対していることを非難する…。フランス以外の西側諸国がシリア国民への支援に慎重であることを非難する」と述べた。

しかし、シリア国内でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線などのジハード主義勢力については何ら批判しなかった。

AFP, February 2, 2014、AP, February 2, 2014、Champress, February 2, 2014、al-Hayat, February 3, 2014、Iraqinews.com, February 2, 2014、Kull-na Shuraka’, February 2, 2014、Naharnet, February 2, 2014、NNA, February 2, 2014、Reuters, February 2, 2014、Rihab News, February 2, 2014、SANA, February 2, 2014、UPI, February 2, 2014などをもとに作成。

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2014年2月2日のシリア情勢:イラクの動き

内務省報道官は声明を出し、サラーフッディーン県ティクリート市東部で、警察部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の指導者の一人バディーア・アフマド・マフムード氏を殺害したと発表した。

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イラキー・ニュース(2月2日付)は、治安筋の話として、バービル県北部のブハイラート地方で軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、テロリスト16人を殺害、7人を逮捕したと報じた。

AFP, February 2, 2014、AP, February 2, 2014、Champress, February 2, 2014、al-Hayat, February 3, 2014、Iraqinews.com, February 2, 2014、Kull-na Shuraka’, February 2, 2014、Naharnet, February 2, 2014、NNA, February 2, 2014、Reuters, February 2, 2014、Rihab News, February 2, 2014、SANA, February 2, 2014、UPI, February 2, 2014などをもとに作成。

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2014年2月2日のシリア情勢:国内の暴力

ダイル・ザウル県では、Syria-news(2月2日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ハトラ村、ヒサーン村、ヒシャーム村など県東部のシャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を攻撃し、ヒシャーム村のCONOCO石油精製所、穀物加工工場などを制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍ヘリコプターがアレッポ市各所に多数の「樽爆弾」を投下し、少なくとも85人が死亡した。

シリア革命総合委員会によると、「樽爆弾」が投下されたのは、アレッポ市内のバーブ・ナイラブ地区、マアーディー地区、マイサル地区、バーブ街道地区、ハルワーニーヤ地区、ダフラト・アワード地区、カーティルジー地区、スッカリー地区、バニー・ザイド地区、アシュラフィーヤ地区、アンサーリー地区、アーミリーヤ地区、ジャズマーティー地区などだという。

またアレッポ市以外でも、マーイル町などが軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、SANA(2月2日付)によると、アレッポ市カルム・フーミド地区、旧市街、シャッアール地区、カーディー・アスカル地区、バーブ・ハディード地区、マイサル地区、マルジャ地区、ジャンドゥール交差点で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクワイリス村、アブー・ジャッバール村、ダイル・ハーフィル市、マーイル町、バービース村、ムスリミーヤ村、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ICARDA、ナイラブ村東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ザーラ村、フッス村一帯で、軍、国防隊、ヒズブッラー民兵が、反体制武装集団と交戦、軍が空爆を行った。

一方、SANA(2月2日付)によると、ザーラ村、サフサーファ村、ウンム・トゥワイニー村、ジャルフ村、ブルダイヤート農場、ガントゥー市、ムフターリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からクサイル市郊外に潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

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ダマスカス県では、UNRWA報道官によると、ヤルムーク区に人道支援物資第4弾の搬入作業が行われた。

一方、SANA(2月2日付)によると、カダム区(ボール・サイード)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、「ハウラーンのジュネーブ」を名乗る武装集団の合同広報室がビデオ声明を出し、アトマーン村北部、シャクラー村、ヌジャイフ村の軍検問所や拠点を解放したと発表した。

一方、SANA(2月2日付)によると、アトマーン村、ヒルバト・ガザーラ町、ダルアー市各所、アーイブ村、(西)ガーリヤ村、サイダー町、フラーク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イマーム大隊(シャームの民のヌスラ戦線)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

Kull-na Shuraka', February 2, 2014
Kull-na Shuraka’, February 2, 2014

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月2日付)によると、アイン・タルマー渓谷、ザバダーニー市、マアルーラー市、シールービーム修道院周辺、ジャブアディーン町周辺、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市周辺、アッブ農場、ムライハ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性、子供を含む24人が負傷した。

さらにアサール・ワルド町にある農民総連合ダマスカス県・ダマスカス郊外県支部長のムハンマド・ハッルーフ氏の自宅前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、3人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(2月2日付)によると、マストゥーマ村、アリーハー市南部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月2日付)によると、タイバト・イマーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 2, 2014、AP, February 2, 2014、Champress, February 2, 2014、al-Hayat, February 3, 2014、Iraqinews.com, February 2, 2014、Kull-na Shuraka’, February 2, 2014、Naharnet, February 2, 2014、NNA, February 2, 2014、Reuters, February 2, 2014、Rihab News, February 2, 2014、SANA, February 2, 2014、Syria-news.com, February 2, 2014、UPI, February 2, 2014などをもとに作成。

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2014年2月2日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(2月2日付)によると、ダマスカス郊外県ナブク市で軍による治安回復を支持する集会が開かれ、バアス党ダマスカス郊外支部書記長ら要人のほか、多数の住民が参加した。

SANA, February 2, 2014
SANA, February 2, 2014

また、ダマスカス県カフルスーサ区(ルワーン地区)で、軍によるテロとの戦いを支持する集会が開かれ、多数の市民が参加した。

 

AFP, February 2, 2014、AP, February 2, 2014、Champress, February 2, 2014、al-Hayat, February 3, 2014、Iraqinews.com, February 2, 2014、Kull-na Shuraka’, February 2, 2014、Naharnet, February 2, 2014、NNA, February 2, 2014、Reuters, February 2, 2014、Rihab News, February 2, 2014、SANA, February 2, 2014、UPI, February 2, 2014などをもとに作成。

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2014年2月2日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、ジュネーブ2会議での反体制勢力の代表団の拡大に関して、「ブラーヒーミー共同特別代表が介入し、反体制勢力代表団の本質を限定することは受け入れられない。こうした介入は前進をもたらさない」と非難した。

クッルナー・シュラカー(2月2日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のファーイズ・サーラ氏(政治委員会メンバー)は、「連立内外から(ジュネーブ2会議の反体制勢力)交渉代表団の拡大が要求されている」と述べた。

サーラ氏はまた「反体制勢力の代表団が可能な限り広く代表が加わるべきだが、交渉に参加している代表団は、連立だけでなく、市民団体、地元評議会、自由シリア軍、クルド政党の代表団だ」と主張、拡大に消極的な姿勢を示した。

『ハヤート』(2月3日付)が伝えた。

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シリア国民評議会のアブドゥッラフマーン・ハーッジ氏も「連立に代表団拡大を求める国際社会の圧力がある。しかし、連立はこれによって脆弱な代表団になってしまうことを懸念している」と述べた。

『ハヤート』(2月3日付)が伝えた。

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民主的変革諸勢力国民調整員会のアーリフ・ダリーラ氏は『ハヤート』(2月3日付)に「連立の一部のメンバーが連絡してきた、ジュネーブ2会議の反体制勢力代表団への参加をもちかけた…。しかし、たとえ調整委員会がジュネーブ2会議への参加に同意したとしても、私は参加しない…。我々は調整委員会と連立による拡大会合で、共同ヴィジョンや反体制勢力使節団のメンバーで合意することを提案している」と述べた。

AFP, February 2, 2014、AP, February 2, 2014、Champress, February 2, 2014、al-Hayat, February 3, 2014、Iraqinews.com, February 2, 2014、Kull-na Shuraka’, February 2, 2014、Naharnet, February 2, 2014、NNA, February 2, 2014、Reuters, February 2, 2014、Rihab News, February 2, 2014、SANA, February 2, 2014、UPI, February 2, 2014などをもとに作成。

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