2014年2月18日のシリア情勢:諸外国の動き

AFP(2月18日付)は、シリア政府、反体制勢力の複数の消息筋の話として、米国など西側諸国が1年以上にわたってヨルダンで反体制武装集団数千人の教練を行っており、彼らが近く、ダマスカス郊外県での作戦に投入されるだろう、と報じた。

また『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2月18日付)や『ニューヨーク・タイムズ』(2月18日付)は、米国の高官などからの情報をもとに、バラク・オバマ米政権が、ジュネーブ2会議の決裂を受けて、アサド政権やロシアに圧力をかけるため、反体制武装集団の教練、武器供与、航空禁止空域の設定などと言った軍事的オプションの再検討を行っている、と報じた。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は「米国は依然として、外交がシリアの内戦を終結させるための理想的な方法であると確信している…。しかしすべての選択肢を検討している」と述べた。

ロイター通信(2月18日付)が伝えた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣はテレビのインタビューで、ジュネーブ2会議の決裂に関して「ロシアは移行期政府樹立に合意したが、何もしなかった」と批判する一方、「(アサド政権は)嫌な体制だ。我々は穏健な反体制勢力の支援を続ける…。イランとロシアに「すべきことをせよ」と言いたい。我々は今、人道的な決定を科すための安保理決議案を審議している」と述べた。

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UNICEF報道官は記者会見で、ヒムス市旧市街の住民退避に伴い治安当局が一時身柄拘束している15歳から55歳の男性に関して、「15歳から18歳の青年34人、15歳未満の子供10人、18歳以下の少女12人がアンダルス・センターにいる」と述べ、即時釈放を求めた。

AFP(2月18日付)が伝えた。

AFP, February 18, 2014、AP, February 18, 2014、Champress, February 18, 2014、al-Hayat, February 19, 2014、Iraqinews.com, February 18, 2014、Kull-na Shuraka’, February 18, 2014、Naharnet, February 18, 2014、The New York Times, February 18, 2014、NNA, February 18, 2014、Reuters, February 18, 2014、Rihab News, February 19, 2014、SANA, February 18, 2014、UPI, February 18, 2014、The Wall Street Journal, February 18, 2014などをもとに作成。

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2014年2月18日のシリア情勢:イラクの動き

国防省は声明を出し、アンバール県ラマーディー市ブー・スィヤーブ地区で軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)メンバー17人を殺害したと発表した。

また合同作戦司令部も声明を出し、アフガニスタン人戦闘員、シリア人戦闘員などからなるダーイシュのメンバー45人を同県で殺害したことを確認したと発表した。

このほかイラキー・ニュース(2月18日付)は治安筋の話として、アンバール県ハイサー地方で治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)メンバー4人を逮捕したと報じた。

AFP, February 18, 2014、AP, February 18, 2014、Champress, February 18, 2014、al-Hayat, February 19, 2014、Iraqinews.com, February 18, 2014、Kull-na Shuraka’, February 18, 2014、Naharnet, February 18, 2014、NNA, February 18, 2014、Reuters, February 18, 2014、Rihab News, February 19, 2014、SANA, February 18, 2014、UPI, February 18, 2014などをもとに作成。

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2014年2月18日のシリア情勢:レバノンの動き

レバノン軍は声明を出し、ベカーア県バアルベック郡の対シリア国境に位置するバッザーリーヤ村郊外などにシリア領内から発射されたロケット弾複数発が着弾した。

これに関して、マナール・チャンネル(2月18日付)は、ロケット弾がシリア領内からではなくレバノン領内のアルサール村郊外から発射されたとしたうえで、「タクフィール主義者」の犯行である可能性が高いと報じた。

一方、LBCI(2月18日付)などによると、シリア軍のヘリコプターがベカーア県バアルベック郡に領空侵犯し、のアルサール村郊外を空爆、1人が負傷した。

AFP, February 18, 2014、AP, February 18, 2014、Champress, February 18, 2014、al-Hayat, February 19, 2014、Iraqinews.com, February 18, 2014、Kull-na Shuraka’, February 18, 2014、LBCI, February 18, 2014、Naharnet, February 18, 2014、NNA, February 18, 2014、Reuters, February 18, 2014、Rihab News, February 19, 2014、SANA, February 18, 2014、UPI, February 18, 2014などをもとに作成。

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2014年2月18日のシリア情勢:国内の暴力

ロイター通信(2月18日付)などは、休戦(政権が言うところの「国民和解」)が実現したダマスカス郊外県バービッラー市で、軍の将兵と反体制武装集団の戦闘員が笑顔で握手を交わし、懇談する写真などを配信した。

al-Hayat, February 18, 2014
al-Hayat, February 18, 2014
al-Hayat, February 18, 2014
al-Hayat, February 18, 2014

これらの写真は、欧米諸国の報道機関などに対して政府当局が準備した報道ツアーに同行したロイター通信のカメラマンらが撮影したものだという。

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同じくダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヤブルード市一帯での軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員の攻勢により、ジハード主義武装集団の特殊任務大隊の司令官を含む3人が、ヤブルード市郊外、ジャイルード市郊外で死亡した。

この戦闘に関して、SANA(2月18日付)は、軍が、イスラーム戦線司令官の一人でサウジアラビア人の「アブー・マーリク」と、同戦線内務治安局長のサミール・ナスルッラー・ラフムーン氏、「同地域のテロ活動を唱導し、資金援助を行ってきた」とされるマフムード・ウルーク氏(アブー・アリー・ヤブルーディー)、そしてシャーム自由人イスラーム戦線メンバーで同じく「同地域のテロ活動を唱導し、資金援助を行ってきた」とされるアナス・アッブード氏とルクン・ミスカール氏を殺害したと報じた。

Kull-na Shuraka', February 18, 2014
Kull-na Shuraka’, February 18, 2014

またシリア人権監視団によると、ヒライラ市周辺の非居住地域などを軍が砲撃した。

一方、SANA(2月18日付)によると、ヤブルード市一帯、サフル村郊外、ジャラージール町郊外、リーマー農場、サーリヒーヤ農場、アーリヤ農場、ムライハ市郊外、ダイル・アサーフィール市郊外、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ジャイルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥーマー市郊外のガソリン・スタンド近くで反体制武装集団が住民に発砲、1人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ガルナータ村が軍の砲撃を受ける一方、ザーラ村周辺での軍、国防隊との戦闘で、ジハード主義武装集団戦闘員6人が死亡した。

またフーリーン村では、軍の拘置所で男性1人が拷問を受け死亡した。

このほか、クッルナー・シュラカー(2月18日付)によると、軍がカルアト・ヒスン市を空爆した。

一方、SANA(2月18日付)によると、ザーラ村、ダール・カビーラ村、タドムル市郊外のシャーイル山(ハマー県)西部、タルビーサ市、ハッターブ村、サラーム・シャルキー村、ハーリディーヤ村、ガースィビーヤト・ナイーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地周辺、シャイフ・ナッジャール市周辺で、シャームの民のヌスラ戦線、ハドラー大隊などからなる武装集団が軍と交戦する一方、軍が工業団地地区一帯を砲撃した。

またクルド人が多く住むアフラス村を武装した何者かが襲撃、村人15人を拉致・連行した。

さらにアレッポ市ではアーミリーヤ地区で市民が射殺されたほか、マシュハド地区に迫撃砲弾が着弾し、建物などが被害を受けた。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、西サムダーニーヤ村、ウンム・バーティナ村、クサイバ村、アイン・ザイワーン村が軍の砲撃、「樽爆弾」などによる空爆を受けた。

一方、SANA(2月18日付)によると、軍がタッラト・ヤルズンを制圧した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内のラシード公園で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が祝宴を行い、「復興評議会」(ダーイシュと対立する反体制武装集団)をと殺すると唱道する一方、アレッポ市奪還を誓ったという。

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ダルアー県では、SANA(2月18日付)によると、二ムル村・ハーッラ市間の街道、ナスィーブ村、ウンム・マヤーズィン町、フラーク市郊外、ダルアー市・ナーフタ町間の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(2月18日付)によると、ジャドヤー村・サラーヒド村間で、ラジャーとの鷹大隊メンバー3人を関係当局が強盗殺人容疑で逮捕した。

AFP, February 18, 2014、AP, February 18, 2014、Champress, February 18, 2014、al-Hayat, February 19, 2014、Iraqinews.com, February 18, 2014、Kull-na Shuraka’, February 18, 2014、Naharnet, February 18, 2014、NNA, February 18, 2014、Reuters, February 18, 2014、Rihab News, February 19, 2014、SANA, February 18, 2014、UPI, February 18, 2014などをもとに作成。

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2014年2月18日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(2月18日付)によると、ヒムス市ザフラー地区、アルメニア地区、ハサカ市、ハマー市パレスチナ難民キャンプで、軍によるテロ掃討作戦支持、マアーン村での住民虐殺抗議を訴えるデモが行われ、多数の市民が参加した。

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ワーイル・ハルキー首相は、レバノンのタマーム・サラーム首相に新内閣組閣成功の祝辞を贈った。

SANA(2月18日付)が伝えた。

またマナール・チャンネル(2月18日付)は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がジュブラーン・バースィール新外務大臣(自由国民潮流)と電話会談し、祝辞を述べたと報じた。

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ビラード・シャーム・ウラマー連盟のムハンマド・タウフィーク・ブーディー会長は、ダマスカス県のダーマー・ルーズ・ホテルで開催されたシリア支援青年学生会合に出席し、シリアの現状に関して「宗教を標的とした陰謀」だと述べ、宗教施設への攻撃やジハード主義者のテロを批判した。

クッルナー・シュラカー(2月18日付)が伝えた。

AFP, February 18, 2014、AP, February 18, 2014、Champress, February 18, 2014、al-Hayat, February 19, 2014、Iraqinews.com, February 18, 2014、Kull-na Shuraka’, February 18, 2014、Qanat al-Manar, February 18, 2014、Naharnet, February 18, 2014、NNA, February 18, 2014、Reuters, February 18, 2014、Rihab News, February 19, 2014、SANA, February 18, 2014、UPI, February 18, 2014などをもとに作成。

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2014年2月18日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イドリブ県などで活動する複数の武装集団がビデオ声明を出し、「シャーム軍」を結成したと発表した。

「シャーム軍」に参加したのは、ダーウド旅団(ハッサーン・アッブード)、真実の剣旅団、アンサール・アッラー旅団、オリエントの鷹旅団、フカラー・イラー・アッラー旅団、イスラーム少年旅団、ガーブの獅子旅団、イスラームの鷲旅団、ジスル・シュグール革命軍事評議会。

Kull-na Shuraka', February 18, 2014
Kull-na Shuraka’, February 18, 2014

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ヒムス市旧市街からの住民退避に際して一時身柄拘束され、現在もなお拘束中の15歳から55歳の男性の釈放を求めた。

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シリア人権監視団は、ダマスカス県ヤルムーク区、ダマスカス郊外県東グータ地方で、2月16、17日の2日間で少なくとも子供3人を含む7人が餓死したと発表した。

AFP, February 18, 2014、AP, February 18, 2014、Champress, February 18, 2014、al-Hayat, February 19, 2014、Iraqinews.com, February 18, 2014、Kull-na Shuraka’, February 18, 2014、Naharnet, February 18, 2014、NNA, February 18, 2014、Reuters, February 18, 2014、Rihab News, February 19, 2014、SANA, February 18, 2014、UPI, February 18, 2014などをもとに作成。

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