2014年2月27日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

米国務省は2013年版の人権報告書(http://www.state.gov/j/drl/rls/hrrpt/humanrightsreport/index.htm#wrapper)を公表した。

報告書は冒頭で、2013年8月のシリアでの化学兵器攻撃に関して、アサド政権によるものと断じ、1,400人以上の市民が死亡したことを厳しく批判した。

al-Hayat, March 1, 2014などをもとに作成。

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2014年2月27日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(2月28日付)によると、カーミシュリー市にあるアッシリア民主機構の本部が、西クルディスタン移行期民政局に参加しているシリア正教民主連合に属する武装した男女によって襲撃された。

Kull-na Shuraka’, February 27, 2014などをもとに作成。

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2014年2月27日のシリア情勢:諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は、MSNBC(2月27日付)に対し「彼(アサド大統領)がしていることはとんでもなく、知性でイメージできず、容認できず、間違っており、臆病だ。我々みながそのことを知っている。すべての人がそのことを知っている」と批判した。

ケリー国務長官はまた「率直に言うと、ロシアはアサド政権を支援している。そのことが彼の姿勢を変えさせ…、善意をもって交渉に臨まねばならないと決心させる…うえで建設的だとは思わない」と付言した。

ケリー国務長官はそのうえで「オバマ大統領は、さまざまな選択肢の再検討を続けている…。オバマ大統領はいかなる選択肢も排除しない」と強調した。

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米国防総長報道官は、シリアの化学兵器廃棄プロセスに関して、危険度の高い化学物質が現時点で1度しかシリア国外に搬出されていないと指摘し、シリア政府が国連安保理決議第2118号の定める廃棄行程を遵守していないと批判した。

一方、化学兵器禁止機関は26日、シリア政府がマスタードガスを国外に搬出したと発表した。

AFP, February 27, 2014、AP, February 27, 2014、ARA News, February 27, 2014、Champress, February 27, 2014、al-Hayat, February 28, 2014、Iraqinews.com, February 27, 2014、Kull-na Shuraka’, February 27, 2014、MSNBC, February 27, 2014、Naharnet, February 27, 2014、NNA, February 27, 2014、Reuters, February 27, 2014、SANA, February 27, 2014、UPI, February 27, 2014などをもとに作成。

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2014年2月27日のシリア情勢:イラクの動き

合同作戦司令室は声明を出し、治安部隊がアンバール県の対シリア国境で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の車輌16輌を攻撃、破壊し、戦闘員10人を殺害したと発表した。

AFP, February 27, 2014、AP, February 27, 2014、ARA News, February 27, 2014、Champress, February 27, 2014、al-Hayat, February 28, 2014、Iraqinews.com, February 27, 2014、Kull-na Shuraka’, February 27, 2014、Naharnet, February 27, 2014、NNA, February 27, 2014、Reuters, February 27, 2014、SANA, February 27, 2014、UPI, February 27, 2014などをもとに作成。

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2014年2月27日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス県では、パレスチナ自治政府(危機管理内閣)のアフマド・マジュダラーニー労働大臣がAFP(2月27日付)に対して、ヤルムーク区のパレスチナ難民キャンプの状況に関して「昨晩から今朝にかけて重要な二つの進展があった。すなわち、パレスチナ諸派からなる武装・非武装の部隊がキャンプに入り、キャンプ西部の治安維持のために展開した…。またキャンプ中心部につながる主要道路が開通し、緊急治療が必要な167人が搬送された」と述べた。

またマジュダラーニー労働大臣によると、UNRWAの人道支援物資がキャンプ内で配給されたという。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、タッル・マアルーフ町で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)などからなるジハード主義武装集団が、コーラン暗誦学校、ハズナウィー家(著名なクルド人ウラマーの家系でナクシュバンディー教団)廟などを自爆攻撃などで破壊した。

ARA News(2月27日付)によると、この襲撃により、タッル・マアルーフ町はダーイシュに制圧され、ほとんどの住民が避難した。

これに関して、シリア・クルド国民評議会は声明を出し、ダーイシュによるタッル・マアルーフ町襲撃・占拠を非難した。

ARA News, February 27, 2014
ARA News, February 27, 2014

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)ラッカ州の司令官の一人、アブー・バクル・フラーティー氏が県東部での戦闘で負傷し、戦死した。

フラーティー氏はダーイシュ治安委員会幹部でもあった。

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ダマスカス郊外県では、『ワタン』(2月27日付)によると、カラムーン地方ヤブルード市一帯で作戦を続行する軍部隊が、「ヤブルード市に面する二つの丘を制圧したのを受け、同市およびその周辺にゆっくりと進軍するための新たな計画実行の準備」を始めた。

これに関してAFP(2月27日付)は、治安筋の話として、軍によるカラムーン地方での作戦は漸進的な成果を上げており、ヤブルード市周辺の丘陵部は軍が制圧、反体制武装集団の兵站路も、そのほとんどが軍によって制圧されるか、交戦状態にあると伝えた。

SANA(2月27日付)によると、ヤブルード市で、軍がフィラース・ファウワーズ・カースィム氏ら多数の「テロリスト」を殺害した。

カースィム氏は、車爆弾によるテロの責任者だという。

また、ヤブルード市郊外、マシュラファ村、リーマー農場、ジャブアディーン町、サルハ市、ダーライヤー市、ムライハ市郊外、アドラー市旧市街、サイドナーヤー中央刑務所東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、SANAによると、ブカイン市、マダーヤー町で投降した反体制活動家350人と、ダーライヤーで投降した反体制活動家82人の合わせて432人が釈放された。

SANA, February 27, 2014
SANA, February 27, 2014

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ヒムス県では、タラール・バラーズィー県知事が、ヒムス市旧市街からの住民退避に伴い一時身柄拘束されていた男性のうち50人が釈放されたと発表した。

『ハヤート』(2月28日付)によると、一時身柄拘束されていた15歳から55歳の男性の数は522人で、うち431人が釈放された。

バラーズィー県知事によると、現在も身柄拘束中の91人のうち、47人が兵役逃れ、9人が軍からの脱走の容疑で聴取を受けているという。

なおヒムス市旧市街から退避した住民の数は1,400人に達するという。

一方、シリア人権監視団によると、ヒムス市アクラマ地区(アラウィー派が多い地区)で、車爆弾ないしは迫撃砲弾着弾によると思われる爆発が起こり、3人が死亡、9人が負傷した。

またヒムス市ワアル地区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃した。

他方、SANA(2月27日付)によると、ジュッブ・ジャッラーフ町、マスウーディーヤ村、ハーリディーヤ村・ダール・カビーラ村間、ラスタン市、ハワーシュ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(2月28日付)によると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区を軍が空爆、イザーア地区では、軍とジハード主義武装集団と交戦した。

またシャイフ・ナッジャール市、アレッポ国際空港守備にあたる第80旅団基地近くで、ジハード主義武装集団が軍、国防隊、ヒズブッラーの拠点を砲撃、交戦した。

これに対し、軍は、アブティーン村のガソリン・スタンドを空爆した。

一方、SANA(2月27日付)によると、アレッポ市アンサーリー地区、ブスターン・カスル地区、バニー・ザイド地区、カッラーサ地区、ハーン・アサル村、ファーフィーン村、フライターン市、アウラム・クブラー町、クワイリス村、アルバイド村、ジュダイダ村、アレッポ中央刑務所周辺、アイン・ジャマージマ村、シャリーア村、ジャービリーヤ村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ナイラブ航空基地近くで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(2月27日付)によると、フール村、ハッジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月27日付)によると、ウカイリバート町一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月27日付)によると、ジスリー村、ラスーム・バルガシャ村、マタッラ村、ダルアー県旧税関地区、ヨルダン通りで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月27日付)によると、カストゥーン村、カフルターター村、マアッルバリート村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 27, 2014、AP, February 27, 2014、ARA News, February 27, 2014、Champress, February 27, 2014、al-Hayat, February 28, 2014、Iraqinews.com, February 27, 2014、Kull-na Shuraka’, February 27, 2014、Naharnet, February 27, 2014、NNA, February 27, 2014、Reuters, February 27, 2014、SANA, February 27, 2014、UPI, February 27, 2014、al-Watan, February 27, 2014などをもとに作成。

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2014年2月27日のシリア情勢:シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は、OPCW・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補とダマスカスで会談し、化学兵器廃棄プロセスの進捗状況などについて協議した。

SANA(2月27日付)によると、ムアッリム外務在外居住者大臣は「廃棄プロセスが政治化されず、また治安状況が守られることを勘案しつつ、シリアは国連安保理決議第2118号を遵守する」ことを確認した。

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SANA(2月27日付)によると、ダイル・ザウル市ユーフラテス大学の学生が市内文学部で、軍による「テロとの戦い」を支持するデモ行進を行った。

SANA, February 27, 2014
SANA, February 27, 2014

またヒムス市ダイル・バアルバ地区でも同様のデモが行われ、多数の市民が参加した。

AFP, February 27, 2014、AP, February 27, 2014、ARA News, February 27, 2014、Champress, February 27, 2014、al-Hayat, February 28, 2014、Iraqinews.com, February 27, 2014、Kull-na Shuraka’, February 27, 2014、Naharnet, February 27, 2014、NNA, February 27, 2014、Reuters, February 27, 2014、SANA, February 27, 2014、UPI, February 27, 2014などをもとに作成。

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2014年2月27日のシリア情勢:反体制勢力の動き

西クルディスタン移行期民政局執行評議会(コバネ)のアンワル・ムスリム議長は、大学生らと会合を開き、1、2年次の学生を対象とした短期大学の設置などについて協議、意見を交換したと発表した。

ARA News(2月27日付)が伝えた。

ARA News, February 27, 2014
ARA News, February 27, 2014

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民主的変革諸勢力国民調整委員会は、2014年1月19日時点でテロ法廷で立件された事件が822件に達すると発表した。

また2014年初めの時点で、テロ法廷で裁判手続き中の事件は1万2,413件にのぼるという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、26日のダマスカス郊外県東グータ地方で軍によるシャームの民のヌスラ戦線戦闘員らの要撃・殺害に関して、「テロ組織であるヒズブッラーの支援を受けたアサド軍が民間人に対して行った…血塗られた虐殺」と非難し、国連、国際機関に対して真相調査を呼びかけた。

連立によると、「虐殺から逃れた人々は、犠牲者が民間人だったと述べている…。175人以上の東グータ地方住民は、軍の包囲を逃れようとしていた」のだという。

この主張は26日に「東グータ統一人権局」が発表した声明の内容を踏襲している。

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ダイル・ザウル県、ラッカ県、ハサカ県で活動するとされる複数の反体制武装集団がビデオ声明を出し、「ハック軍」を結成すると発表した。

Kull-na Shuraka', February 27, 2014
Kull-na Shuraka’, February 27, 2014

ハック軍に参加した武装集団は以下の通り:

ダイル・ザウル県

  • 第一歩兵旅団
  • ハムザ旅団
  • 使徒の険旅団
  • タービヤ殉教者旅団

ラッカ県

  • サッファイン殉教者旅団
  • 特殊任務大隊
  • 第516旅団
  • 第101大隊

ハサカ県

  • ハムザ旅団
  • イスラームの光旅団
  • サフワ旅団
  • ハック・ハーシミー旅団
  • リヤード・ファーディル旅団

ラッカ県タブカ市

  • イッザト・リッラー旅団
  • イスラームの光大隊

AFP, February 27, 2014、AP, February 27, 2014、ARA News, February 27, 2014、Champress, February 27, 2014、al-Hayat, February 28, 2014、Iraqinews.com, February 27, 2014、Kull-na Shuraka’, February 27, 2014、Naharnet, February 27, 2014、NNA, February 27, 2014、Reuters, February 27, 2014、SANA, February 27, 2014、UPI, February 27, 2014などをもとに作成。

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