2014年2月6日のシリア情勢:諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官はCNN(2月6日付)に「アサドが若干事態を改善したことは確かだが、まだ勝利はしていない。硬直状態だ」と述べた。

また米国の対シリア政策に関しては「大きな挑戦」「大きな困難」に直面しているとしつつ、その失敗を認めることはなかった。

ケリー国務長官は「とにかく言い訳したくはないが…、この事態が早く進展して欲しいと思っているし、よりよいかたちで進めてきたいと思っている…。つまり私が今言いたいのは、外交は困難で、時間をかけて行われるものだということだ」と述べた。

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潘基文国連事務総長は、シリアの化学兵器廃棄プロセスに関して「我々の目標(廃棄完了の期限)は今年の6月30日だ。これは困難な目標だが、シリア政府からの充分な支援があれば実行可能だと考えている」と述べた。

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OPCW・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は国連安保理で「シリアでの化学兵器廃棄の遅れは克服が困難な問題ではないが、シリアはプロセスを加速する必要がある」と述べた。

ロイター通信(2月6日付)が伝えた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連代表大使は、米英仏、オーストラリア、ルクセンブルグ、ヨルダンが作成を進めていたシリアへの人道支援に関する安保理決議案に関して「時期が全く不適切だ」と述べ、「事を政治化すべきでない」と反対の意思を示した。

『ハヤート』(2月7日付)が伝えた。

AFP, February 6, 2014、AP, February 6, 2014、Champress, February 6, 2014、CNN, February 6, 2014、al-Hayat, February 7, 2014、Iraqinews.com, February 6, 2014、Kull-na Shuraka’, February 6, 2014、Naharnet, February 6, 2014、NNA, February 6, 2014、Reuters, February 6, 2014、Rihab News, February 6, 2014、SANA, February 6, 2014、UPI, February 6, 2014などをもとに作成。

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2014年2月6日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(2月6日付)は、治安筋の話として、治安部隊がバービル県ムサイイブ地方でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、エジプト人指導者2人を殺害した、と報じた。

AFP, February 6, 2014、AP, February 6, 2014、Champress, February 6, 2014、al-Hayat, February 7, 2014、Iraqinews.com, February 6, 2014、Kull-na Shuraka’, February 6, 2014、Naharnet, February 6, 2014、NNA, February 6, 2014、Reuters, February 6, 2014、Rihab News, February 6, 2014、SANA, February 6, 2014、UPI, February 6, 2014などをもとに作成。

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2014年2月6日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(2月6日付)が、複数の反体制筋の話として、シャーム自由人イスラーム運動とシャームの民のヌスラ戦線がアレッポ中央刑務所を制圧し、男性収監者約3,000人と女性収監者約800人を解放した、と報じた。

刑務所解放作戦では、軍の拠点に対して爆弾を積んだ自動車3台による自爆攻撃などが行われ、シャーム自由人運動の戦闘員3人、ヌスラ戦線の前線司令官のサイフ・シーシャーニー氏が戦死したという。

また戦闘激化を受け、軍は刑務所周辺への砲撃を強化、また刑務所周辺で軍と反体制武装集団が依然交戦中だという。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、これに関して、シャーム自由人イスラーム運動とヌスラ戦線が刑務所の約80%を制圧したと発表した。

同代表によると、この戦闘で政府軍兵士20人、反体制武装集団戦闘員10人が死亡したという。

しかしシリア・アラブ・テレビ(2月6日付)は、アレッポ中央刑務所制圧を否定、刑務所を襲撃した「テロ集団」を軍が撃退したと報じた。

またSANA(2月6日付)は、軍がアレッポ中央刑務所を襲撃しようとした反体制武装集団を撃退、シャームの民のヌスラ戦線のアブー・サイフ・シーシャーニー氏らを殺害したと報じた。

Kull-na Shuraka', February 6, 2014
Kull-na Shuraka’, February 6, 2014

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団などによると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区に軍が「樽爆弾」を投下し、子供3人、女性3人を含む11人が死亡した。

一方、SANA(2月6日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、スッカリー地区、カルム・マイサル地区、マルジャ地区、ジュダイダ地区、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、サムリーン村、ムスリミーヤ氏、アブティーン村、ハーン・トゥーマーン氏、シュワイフナ村北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市周辺に軍が「樽爆弾」14発を投下した。

一方、SANA(2月6日付)によると、ハラスター市、アッブ農場、アシュアリー農場、カフルバトナー町、ムライハ市郊外、ザバディーン市、ダイル・アサーフィール市、マルジュ・スルターン村、ヌーラ市、ビラーリーヤ村、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市周辺、ダーライヤー市、ザバダーニー市、ヤブルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(2月6日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月6日付)によると、クルト村、ムライジュ峰で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の英国人、サウジ人、トルコ人、リビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月6日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・スィバーア地区、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガズィーラ村、ザーラ村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月6日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ジュバイラ地区、ラシュディーヤ地区、労働者住宅地区、ハウィーカ地区、ハトラ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月6日付)によると、ダルアー市内各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 6, 2014、AP, February 6, 2014、Champress, February 6, 2014、al-Hayat, February 7, 2014、Iraqinews.com, February 6, 2014、Kull-na Shuraka’, February 6, 2014、Naharnet, February 6, 2014、NNA, February 6, 2014、Reuters, February 6, 2014、Rihab News, February 6, 2014、SANA, February 6, 2014、UPI, February 6, 2014などをもとに作成。

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2014年2月6日のシリア情勢:シリア政府の動き

外務在外居住者省は声明を出し、ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事とヤアクーブ・フッルー駐シリア国連代表は、ヒムス市旧市街の市民の退避と、残留を選んだ市民への人道支援物資の供与について合意に達したと発表した。

また国連のファルハーン・ハック副報道官もシリア政府と国連の間で合意が成立したと発表した。

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外務在外居住者省は2月4日に潘基文事務総長が安保理に提出した「シリアにおける子供と武力紛争」に関して、中立的でなく、且つ現地の実情を繁栄していない報告書だと批判した。

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SANA(2月6日付)は、ヒムス県ライヤーン村で、地元和解プロセスの一環で、武装解除し、「祖国と国民の安全に再び抵触する行為を行わないと誓約」した反体制武装集団メンバー191人を放免したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(2月6日付)は、アレッポ市サアドドゥッラー・ジャービリー広場に、2014年7月に任期が終了するアサド大統領の再選を暗示する誇大なポスターが掲示されたと報じ、その写真を転載した。

Kull-na Shuraka', February 6, 2014
Kull-na Shuraka’, February 6, 2014

 

AFP, February 6, 2014、AP, February 6, 2014、Champress, February 6, 2014、al-Hayat, February 7, 2014、Iraqinews.com, February 6, 2014、Kull-na Shuraka’, February 6, 2014、Naharnet, February 6, 2014、NNA, February 6, 2014、Reuters, February 6, 2014、Rihab News, February 6, 2014、SANA, February 6, 2014、UPI, February 6, 2014などをもとに作成。

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2014年2月6日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シャーム自由人イスラーム運動、タウヒード旅団、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム暁イスラーム運動、「命じられるまま正しくあれ」旅団連合からなる合同作戦司令部は声明を出し、24時間以内にアレッポ市内の軍の拠点、検問所、施設を攻撃する(「真の約束は近い」作戦)と発表、住民に避難を呼びかけた。

Kull-na Shuraka', February 6, 2014
Kull-na Shuraka’, February 6, 2014

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アレッポ・ウラマー戦線は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に対して3日以内にシリアを去り、イラクへ戻るよう最後通告を出すとともに、自由シリア軍およびダーイシュと交戦するジハード主義武装集団に対して、ダーイシュとの戦闘がイスラーム法上合法的だと宣言した。

Kull-na Shuraka', February 6, 2014
Kull-na Shuraka’, February 6, 2014

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AKI(2月6日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の複数の消息筋の話として、連立が他の反体制勢力のジュネーブ2会議代表団への参加に関して、これまでの決定の遵守、拒否権発動禁止を条件に、参加(拡大)を認めるとの意思を示している、と報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のミシェル・キールー氏はアラビーヤ(2月6日付)に、アサド政権が「樽爆弾」による空爆を続けるのであれば、2月10日再開予定のジュネーブ2会議第2ラウンドでの交渉をボイコットすべきだと述べた。

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クッルナー・シュラカー(2月6日付)によると、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表、アブドゥルマジード・マンジューナ氏がシリア革命反体制勢力国民連立代表と会談するため、ダマスカスを発ち、エジプトのカイロに到着した。

ジュネーブ2会議の反体制勢力代表団の拡大について協議する予定。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長はしかし、「客観的状況と自発的な条件が見なされない限り、委員会はいかなる対話にも参加しない」と述べ、ジュネーブ2会議の反体制勢力代表団への不参加を表明した。

UPI(2月6日付)が伝えた。

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シリア革命総合委員会は、ハサカ県ラアス・アイン市周辺の村々で、民主統一党人民防衛隊が市民活動家数十人を「自由シリア軍を支持している」との理由で逮捕していると主張した。

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シリア人権監視団は、アレッポ県東部への軍ヘリコプターによる「樽爆弾」の投下などで、過去5日間で子供73人を含む246人が犠牲となったと発表した。

しかし「樽爆弾」での犠牲者数は犠牲者の約30%程度だという。

AFP, February 6, 2014、AKI, February 6, 2014、Alarabia, February 6, 2014、AP, February 6, 2014、Champress, February 6, 2014、al-Hayat, February 7, 2014、Iraqinews.com, February 6, 2014、Kull-na Shuraka’, February 6, 2014、Naharnet, February 6, 2014、NNA, February 6, 2014、Reuters, February 6, 2014、Rihab News, February 6, 2014、SANA, February 6, 2014、UPI, February 6, 2014などをもとに作成。

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