2014年2月15日のシリア情勢:諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領はロサンジェルス郊外のランチョ・ミラージュでヨルダンのアブドゥッラー国王と会談、シリア情勢などについて協議した。

会談で、オバマ大統領は「短期間で(シリアの紛争が)解決すると期待していない。それゆえ、そこでの人道状況に対して支援を行うため、早急なステップがなされるだろう…。アサド政権にさらなる圧力をかけるため、我々に可能な段階的な措置が講じられるだろう」と述べた。

オバマ政権高官によると、2時間にわたる会談で、オバマ大統領は「穏健な反体制勢力への支援」の必要を強調、ヨルダンに「穏健な反体制勢力に関して、重要な役割を果たし得る」と伝えたのだという。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:イラクの動き

合同作戦司令部は声明を出し、アンバール県ハーリディーヤ地方などで、イラク軍第一師団がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、複数の戦闘員を殲滅したと発表した。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:レバノンの動き

タマーム・サラーム首相は、大統領宮殿で、ミシェル・スライマーン大統領、ナビーフ・ビッリー国民議会議長と会談後、10ヶ月10日におよぶ組閣交渉を経て24閣僚からなる内閣発足で合意したと発表した。

Naharnet, February 15, 2014
Naharnet, February 15, 2014

サラーム新内閣は、3月14日勢力の閣僚8人、3月8日勢力の閣僚8人、中道派(スライマーン大統領、進歩社会主義党)の閣僚8人からなる。

内閣発足の動きは、1月17日にサアド・ハリーリー元首相が、3月8日勢力閣僚が参加する挙国一致内閣に参加の意思を示したことで一気に加速していた。

しかし3月14日勢力を構成するレバノン軍団は、ヒズブッラーからの閣僚輩出に異議を唱え、入閣を拒否した。

一方、3月8日勢力内では、自由国民潮流が電力水資源大臣の維持を主張する一方、アシュラフ・リーフィー前内務治安軍総局長の内務大臣に推すヒズブッラーと対立していたが、自由国民潮流が要求を受け入れられたかたちとなった。

 

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヤブルード市内の住宅地に対して砲撃を続けた。

またアドラー市ウンマーリーヤ地区周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー民兵が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(2月15日付)によると、ヤブルード市周辺、リーマー農場、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、ドゥーマー市、ムライハ市、アドラー市ウンマーリーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市郊外に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ガントゥー市を軍が砲撃する一方、ムシャイリファ村、マスアダ村、サラーム・ガルビー村、サラーム・シャルキー村、ハッターブ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(2月15日付)によると、ザーラ村、タルビーサ市、タッルドゥー市、マスアダ無r、ムシャイリファ村、ハッターブ村、サラーム・ガルビー村、サラーム・シャルキー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市のキャンプ地区周辺で軍と反体制武装集団が交戦する一方、ヌアイマ村を軍が砲撃した。

一方、SANA(2月15日付)によると、アトマーン村、ダルアー市各所(旧税関地区など)、ズバイラ村、ダーイル町、西ガーリヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ムウタスィム・ビッラー旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーラーン市周辺で、軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦する一方、軍がラターミナ町を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(2月15日付)によると、スーラーン市、ムーリク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アキユール地区、ジュルーム地区、マアスラーニーヤ地区を軍が砲撃する一方、カラージュ・ハジャズ通行所一帯で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またハンダラート・キャンプ、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、アッザーン村、ラスム・アッブード村、カフルダーイル村を軍が砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はアズィーザ村のシリアテル陸橋の軍拠点を砲撃した。

一方、SANA(2月15日付)によると、アレッポ市マイサル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ中央刑務所周辺、アッザーン村、ラスム・アッブード村、カフルダーイル村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ハンダラート村、マアスラーニーヤ村、タッル・ジャニーン村、ムスリミーヤ村、マンスーラ村、バシュカーティーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(2月15日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月15日付)によると、バシーリーヤ村、カフルナジャブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(2月15日付)によると、ラシーダ村の給水施設を反体制武装集団が迫撃し、ポンプが破壊された。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(2月15日付)によると、ダマスカス県シャーグール区で、シリア軍によるテロとの戦いとシリア政府のジュネーブ2会議参加を支持するデモが実施され、数千人の市民が参加した。

このデモの最中に、反体制武装集団が同地区入り口にあるイブン・アサーキル通りのバス停前に仕掛けた爆弾が爆発し、1人が負傷した。

またアレッポ県のサフィーラ市、スワイダー県のカナワート市、クナイトラ県のハドル村でも同様のデモが実施され、多数の市民が参加した。

SANA, February 15, 2014
SANA, February 15, 2014

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ヒムス県のタラール・バラーズィー知事はAFP(2月15日付)に、ヒムス市旧市街から退避後に当局に身柄拘束されていた15歳から55歳の男性のうち32人が新たに解放された、と述べた。

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DamasPost(2月15日付)は、複数の消息筋の話として、マーヒル・アサド准将(第4師団第42旅団司令官)が、シリア情勢の進展に安堵し、シリア軍およびシリア国民の勝利を確信しつつ、軍における任務にあたっている、と報じた。

Kull-na Shuraka', February 15, 2014
Kull-na Shuraka’, February 15, 2014

 

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、DamasPost, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月15日付)は、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所筋の話として、トルコ側に設置された避難民キャンプの若者による窃盗、密輸などの犯罪行為に対処するため、トルコ当局が同キャンプの撤去しようとしていると伝えた。

これを受け、イスラーム戦線が同県のハーリム市、サルキーン市、サルマダー市に代替キャンプを設営し、72時間以内に移動するよう避難民に求めているという。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はフェイスブックで、ダマスカス県のダーマールーズ・ホテル(旧メリディアン・ホテル)で駐シリア・イラン大使館が開催したイラン革命35周年記念パーティーに、委員会代表として招待され、出席したと発表した。

Kull-na Shuraka', February 15, 2014
Kull-na Shuraka’, February 15, 2014

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クッルナー・シュラカー(2月15日付)は、アレッポ県アターリブ市からのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の撤退を受け、同村で「シリア建設連合」なる自治組織が結成され、復興をめざしていると報じた。

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シリア人権監視団は2011年3月以降の紛争による死者数が14万人を越えたと発表した。

同監視団によると死者総数は14万41人で、うち民間人は4万9,951人(子供は7,626人、女性は5,064人)、軍、国防隊戦闘員は5万4,199人、ヒズブッラーの戦闘員は275人、身元不明は2,837人だという。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:ジュネーブ2会議第2ラウンド

スイスのジュネーブでジュネーブ2会議第2ラウンドの直接交渉(最終日)が開かれたが、次回(第3ラウンド)の日程についても合意できないまま、事実上決裂した。

交渉後、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者団に「第2ラウンドにおける最後のセッションは、これまでのすべての会合と同じく厳しいものだったが、次回ラウンドが開催された際に、その議題を決定することで合意した」と述べた。

ブラーヒーミー共同特別代表はまた「シリア政府はテロとの戦いの問題をまず審議したいと考え、この問題の解決策が案出されるまで別の問題に議論を移すことを拒否している…。これに対して、反体制勢力はもっとも重要なのが移行期統治機関だと考えている…。我々は初日に暴力やテロとの戦いについて審議し、次に移行期統治機関について話し合うことを提案した…。しかし政府は拒否し、反体制勢力の側に、政府が移行期統治機関について議論したくないとの疑念が高まった」と述べた。

そのうえで、ブラーヒーミー共同特別代表は、2回にわたるラウンドで何らの成果も実現できなかったことをシリア国民に謝罪した。

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は「政治的移行プロセスについて話さないのなら、時間の無駄だ」としたうえで、「政府は真剣ではない…。我々はジュネーブ合意を議論するためでなく、それを実施するために来たのだ…。我々は政府が時間稼ぎではなく、政治的解決を望んでいることを確認せねばならない…。残念ながら、特筆すべき前向きな成果はなかった」と述べた。

これに対して、政府代表団を率いたバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は記者会見で「テロ支援者への我々のメッセージは、シリア国民はテロを拒否しているというものだ。国民の流血を止めばならない。しかし、これは、先方がこの問題を二義的なものにしようとしたために実現しなかった。そればかりか、第1ラウンドではシリアにテロはないとさえ言っていた…。物事を理解するもっとも単純な基礎とは、本をはじめから読むということで、後ろから読むことではない」と述べた。

またジャアファリー大使は、シリア政府代表団が交渉継続を拒否したとするブラーヒーミー共同特別代表の発言に関して「不正確だ…。テロとの戦いが二義的な項目で、移行期統治機関の設置が本質的であるような印象を先方が与えたのだ…。しかし政府代表団は、すべての盲目を包括的に見据えている…。政府代表団は午前中の会合冒頭で、ブラーヒーミー氏が提示した議題に同意した…。我々が拒否すると考えていた先方がこれに憤っただけだと思う…。我々が最初の議題から一つずつ検討、審議することを力説すると、先方はテロとの戦いの項目にうわべだけで対処し、合意に達しないようにしたうえで、移行期統治機関に関する議題に移ろうとした」と反論した。

さらに、ジャアファリー大使は「オバマ米大統領と(ヨルダンの)アブドゥッラー国王の会談(穏健な反体制勢力支援の強調)、そしてダルアーの戦線の戦闘激化が、ジュネーブでの成功とテロとの戦いを完全に妨げている」と非難した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は声明を出し、「次回交渉について合意できなかったことは、シリアでの和平に向けた努力の重大な失敗で、その直接の責任はアサド政権にある」と非難した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ジュネーブ2会議の事実上の決裂に関して「あらゆる進展を妨害したシリア政府の姿勢を非難する」との声明を出した。

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ジュネーブ2会議の事実上の決裂を受け、ロイター通信(2月15日付)は、2013年11月25日付でシリアの司法当局がテロ撲滅法に基づき、反体制活動家1,500人の資産を凍結していたとのクッルナー・シュラカーのリーク(2月13日付、http://all4syria.info/Archive/131018)を伝えた。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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