ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区郊外のトゥウマ検問所近くにある建物が反体制武装集団の攻撃により倒壊し、中にいた軍兵士30人以上が死亡した。
信頼できる消息筋によると、ビルはイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のヨルダン人戦闘員による自爆攻撃で倒壊し、攻撃にはハビーブ・ムスタファー旅団も参加していたという。
al-Hayat, February 12, 2014などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
民主的反体制勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はマヤーディーン(2月9日付)のインタビューに応じ、シリア革命反体制勢力国民連立とのジュネーブ2会議の反体制勢力代表団拡大をめぐる交渉失敗の経緯について明らかにした。
アブドゥルアズィーム代表はインタビューで、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長らとカイロで折衝を重ね、反体制勢力全体によるバランスがとれた代表団の結成、ヴィジョンの統一を求めたが、「それが実現しなかったために参加を中止した。国民調整委員会は無視されようとしていた。潘国連事務総長からの招待状もなかった」としたうえで、連立の対応を「夜中に話したことが昼間に打ち消された」と批判した。
アブドゥルアズィーム代表はまた、ジュネーブ2会議への参加条件に関して「我々はジャルバー氏に関して、第2ラウンドへの参加の用意はあるが、政治的解決に関する一般方針に関する原則文書が合意されるのが先だと伝えた」ことを明らかにした。
アブドゥルアズィーム代表は、連立との折衝に参加したサフワーン・アッカーシュ氏とともに「カイロ宣言」と題した原則文書を提出し、審議・承認を求めたという。
この文書には、ジュネーブ2会議での反体制勢力代表団の拡大、ジュネーブ合意に基づく暴力停止、逮捕者釈放、包囲解除、人道支援搬入の優先的処理、これらの措置と並行した移行期統治機関発足をめぐる審議などを骨子としていたという。
アブドゥルアズィーム代表によると、反体制勢力の代表団拡大に関して、連立は委員会メンバー5人(うち4人が公式代表団、1人が技術代表団)の代表団入りに同意する一方、連立メンバー5人(うち4人が公式代表団、1人が技術代表団)に加えて、自由シリア軍メンバー5人の参加を提案し、自由シリア軍メンバーを3人とすることで合意したという。
これと合わせて、委員会は、民主統一党メンバー2人の参加を求め、了承されたという。
しかし翌日の折衝で、連立は、委員会メンバーに占める公式代表団の数について同意していないとするとともに、民主統一党メンバーの参加を望まないと主張、さらに3日目には、委員会メンバーの人選に対しても異議を唱え、最終的に協議を打ち切ったという。
Qanat al-Mayadin, February 9, 2014をもとに作成。
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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(2月10日付)に、ハマー県マアーン村(アラウィー派の村)を、ジュンド・アクサー大隊などからなるジハード主義武装集団が襲撃し、41人を殺害した、と述べた。
このうち20人が国防隊の戦闘員、21人が民間人だという。
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ジュンド・アクサー大隊はユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=iUtFPduMJcU、2月9日付)で「マアーン解放作戦」と題した映像をアップし、戦果を誇示した。

AFP, February 9, 2014、Youtube, February 9, 2014などをもとに作成。
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イラン外務省報道官は声明を出し、ヒムス市旧市街からの住民の退去に関して「この退去は、シリアの人道状況の改善に資する措置だと考える」と支持を表明した。
AFP(2月9日付)が伝えた。
AFP, February 9, 2014、AP, February 9, 2014、Champress, February 9, 2014、al-Hayat, February 10, 2014、Iraqinews.com, February 9, 2014、Kull-na Shuraka’, February 9, 2014、Naharnet, February 9, 2014、NNA, February 9, 2014、Reuters, February 9, 2014、Rihab News, February 9, 2014、SANA, February 9, 2014、UPI, February 9, 2014などをもとに作成。
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イラキー・ニュース(2月9日付)によると、アンバール県ラマーディー市で、治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員13人を殺害した。
また、バービル県ジュルフ・シャーキル地方ファーリスィーヤ地区などで、軍がダーイシュの拠点を破壊し、ダーイシュの幹部3人を殺害した。
AFP, February 9, 2014、AP, February 9, 2014、Champress, February 9, 2014、al-Hayat, February 10, 2014、Iraqinews.com, February 9, 2014、Kull-na Shuraka’, February 9, 2014、Naharnet, February 9, 2014、NNA, February 9, 2014、Reuters, February 9, 2014、Rihab News, February 9, 2014、SANA, February 9, 2014、UPI, February 9, 2014などをもとに作成。
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NNA(1月9日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村のワーディー・フマイイド検問所で、レバノン軍が、シリア革命軍事評議会メンバーで離反兵のマフムード・アッバース大佐を逮捕した。
これに関して、レバノン軍は、声明を出し、ウマル・マフムード・ウスマーン氏、ラドワーン・マフムード・アイユーシュ氏の2人のシリア人をワーディー・フマイイドで逮捕したと発表した。
AFP, February 9, 2014、AP, February 9, 2014、Champress, February 9, 2014、al-Hayat, February 10, 2014、Iraqinews.com, February 9, 2014、Kull-na Shuraka’, February 9, 2014、Naharnet, February 9, 2014、NNA, February 9, 2014、Reuters, February 9, 2014、Rihab News, February 9, 2014、SANA, February 9, 2014、UPI, February 9, 2014などをもとに作成。
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ヒムス県では、SANA(2月9日付)によると、ヒムス市旧市街からの住民の退避が再開され、女性、子供、老人の合わせて621人(ヒムス県タラール・バラーズィー県知事発表)が避難する一方、国連とシリア赤新月社の合同チームが旧市街に食糧物資、医療物資を搬入した。
また、シリア人権監視団によると、マヒーン町の民家で爆弾が爆発、またザーラ村で軍、国防隊が、ジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(2月9日付)によると、ウンム・ハーラタイン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区の軍警察本部(反体制武装集団が占拠)に対して、軍が「樽爆弾」で空爆を行い、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員1人を含む5人の戦闘員が死亡した。
またアレッポ市シャッアール地区、カーティルジー地区、マルジャ地区、インザーラート地区にも軍は「樽爆弾」を投下した。
一方、ヌスラ戦線をはじめとするジハード主義武装集団は、アレッポ中央刑務所を砲撃、また刑務所周辺で軍と交戦した。
このほか、カブターン・ジャバル村で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が殺害したと思われる活動家が遺棄された集団墓地が発見された。
他方、SANA(2月9日付)によると、アレッポ市のカラム・トゥラーブ地区全域とマアスラーニーヤ地区の一部で、軍が反体制武装集団を掃討し、制圧した。
また軍はアレッポ中央刑務所で反体制武装集団を殲滅した。
このほか、アレッポ市マアスラーニーヤ地区では、反体制武装集団が軍の部隊を要撃し、同行していたSANAのカメラマンをはじめとする同行記者名が負傷した。
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ダマスカス郊外県では、ヤルダー市郊外で、タッル市周辺が軍の砲撃を受けたほか、西グータ地方のサラーム街道で軍や親政権民兵の兵士・戦闘員が乗ったバス2輌が反体制武装集団の襲撃を受けた。
一方、SANA(2月9日付)によると、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ザバダーニー市、ザマルカー町、アルバイン市、ドゥーマー市郊外、アドラー市ウンマーリーヤ地区、リーマー農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。
一方、SANA(2月9日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
また反体制武装集団がダマスカス県庁舎を迫撃砲で攻撃し、市民2人が負傷した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、クーブラ村、クードナ村、アブー・クバイス村などに駐留する軍の連隊基地、タッル・アフマル村などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍がクードナ村、ヒッジャ村を空爆した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がアラウィー派が多く住むマアーン村を襲撃し、軍、国防隊と交戦した。この戦闘で、反体制武装集団の戦闘員2人、村人2人が死亡した。
これに関して、SANA(2月9日付)は、マアーン村を反体制武装集団が襲撃し、女性10人を殺害したと報じた。
一方、ハマー市では、シリア人権監視団によると、アースィー広場で、オートバイに仕掛けられた爆弾が爆発した。
これに関して、SANAはハマー市のアースィー広場で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発し、市民1人が死亡したと報じた。
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ラタキア県では、複数の消息筋によると、ラタキア港で爆発が発生した(詳細は不明)。
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ラッカ県では、Syria-News(2月9日付)が、複数の消息筋の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の外国人戦闘員9人とシリア人戦闘員4人がラッカ市サイフ・ダウラ通りで離反し、ラッカ市を去ったと報じた。
また同報道によると、ダーイシュのラッカ市のアミールの一人アブー・アナス・イラーキー氏は、外国人戦闘員の離反に警戒し、42人のダーイシュ・メンバーを拘束したという。
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イドリブ県では、SANA(2月9日付)によると、バスィーダー村一帯、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、アルバイーン山一帯、カフルナジュド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ターリバーン自由人大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
またイドリブ市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲で、子供1人が負傷した。
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ダルアー県では、SANA(2月9日付)によると、ダルアー市内各所、アーイブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、SANA(2月9日付)によると、アブドゥルアズィーズ山で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(2月9日付)によると、ブーカマール市、ムーハサン市、ダイル・ザウル市郊外(工場地区、製塩所)、同市ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、ハウィーカ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, February 9, 2014、AP, February 9, 2014、Champress, February 9, 2014、al-Hayat, February 10, 2014、Iraqinews.com, February 9, 2014、Kull-na Shuraka’, February 9, 2014、Naharnet, February 9, 2014、NNA, February 9, 2014、Reuters, February 9, 2014、Rihab News, February 9, 2014、SANA, February 9, 2014、Syria-news.com, February 9, 2014、UPI, February 9, 2014などをもとに作成。
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『ハヤート』(2月9日付)は、シリア政府と国連の間で取り決められたヒムス市旧市街の人道支援物資搬入と住民退去のための停戦を72時間延長することが決定されたと報じた。
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ウムラーン・ズウビー情報大臣はSANA(2月9日付)に対して、「ジュネーブ合意における移行期統治機関に関して、我々は先方が多元的民主政治のプロセスの当事者となり、国家の復興発展に参加するのであれば、自由に議論されるべきだと理解している」と述べた。
そのうえで「政府代表団は、あらゆる問題、主題を議論・対話するが、ジュネーブで何らかの成果がもたらされた場合、それを受け入れるか否かの決定は、国民投票を通じて、シリア国民の意思のもとに審判されることになろう」と付言した。
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SANA(2月9日付)によると、10日に再開されるジュネーブ2会議第2ラウンドに出席するため、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣を団長とする政府代表団がジュネーブに到着した。
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SANA(2月9日付)によると、ラタキア市で、シリア軍によるテロとの戦い支持、ジュネーブ2会議におけるシリア政府代表団の活動支持、サウジアラビア、トルコによるテロ支援非難を訴えるデモが行われ、多数の市民が参加した。
デモでは、全長20メートルのシリア国旗、40メートル×25メートルのアサド大統領の写真などが掲げられた。
またデモには、バアス党ラタキア支部のムハンマド・シュライティフ書記長、サアドゥッラー・サーフィヤー人民議会議員、アンマール・アサド人民議会議員、サフワーン・アブー・サアディー・イドリブ県知事らが参加した。


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『ハヤート』(2月10日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立が、アサド政権とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が結託し、協力関係にあることを示す証拠や証言をまとめた「体制とダーイシュの関係」と題した覚書を作成したと報じた。
覚書によると、「自由シリア軍が1月3日にダーイシュに宣戦を布告し、その拠点の多くを制圧した結果、アサド政権とダーイシュの関係に関して広く考えられてきたことを確認するような文書が発見された」という。
また覚書は、政府軍がダーイシュ戦闘員を保護支援するとした「自由シリア軍」戦闘員の証言、「穏健な反体制勢力を破壊する」という目的の実現に向けて両者が協力していることを示す証拠などから、こうした結論に至ったのだという。
さらに覚書は、ラッカ市やヒムス県郊外での軍の空爆・砲撃に関して、同市内の自由シリア軍の拠点に対して軍は低空で激しい攻撃を加えたのに対し、ダーイシュの拠点にはまったく攻撃はしなかったと断じている。
そのうえで、覚書は、政権とダーイシュの関係が「融合」段階へと至っていると主張、ムハンナド・ジュナイディー氏に代表されるダーイシュのアミールらは軍の士官で、イラク戦争中、アサド政権に協力していたと断じる一方、「自由シリア軍」が制圧したダーイシュの拠点から、シリアの治安機関のID、イランへの入国ビザが押されたパスポート、イランの携帯電話のカードなどが押収されたことを明らかにした。
結論において、覚書は、シリア政府が「シリア革命を力尽くで破壊しようとして、ダーイシュがシリア国内に入る…ことを許し…、政権がシリア国内でテロと戦っていると国際社会に確信させようとしている」と断じ、締めくくった。
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『ハヤート』(2月10日付)は、複数の反体制筋の話として、エジプトのナビール・ファフミー外務大臣によるシリア革命反体制勢力国民連立と民主的変革諸勢力国民調整委員会の仲介(8日)は、何の結論を得ないまま失敗に終わったと報じた。
同消息筋によると、8日に予定されていた両者の会合に、調整委員会の代表が出席しなかったことで両者の決裂は決定的になったという。
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