2014年2月10日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記2)

アレッポ自由技師連合は声明を出し、軍によるアレッポ市への攻撃を「蛮行」を非難するとともに、シリア革命反体制勢力国民連立に対してジュネーブ2会議の交渉を中止するよう呼びかけた。

Kull-na Shuraka’, February 12, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

SANA(2月11日付)は、外務在外居住者省筋の話として、EU外相会議が、対シリア制裁の一環として凍結していたシリアの資産の凍結を解除し、化学兵器廃棄プロセス、とりわけ化学兵器禁止機関による活動資金に充てることを承認したと伝え、この動きを国連憲章など国際法に反する動きだと批判した。

SANA, February 11, 2014をもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、ダイル・ザウル県に残留するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員に対して、3日以内に武装解除し、投降するよう呼びかけた。

Kull-na Shuraka', February 12, 2014
Kull-na Shuraka’, February 12, 2014

Kull-na Shuraka’, February 11, 2014をもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:諸外国の動き

シリアで化学兵器の廃棄作業を進めている国連・化学兵器禁止機関の合同派遣団は声明を出し、化学物質を積んだノルウェー籍の貨物船が、中国、デンマーク、ノルウェー、ロシアの巡視船とともにラタキア港を出港した、と発表した。

シリア国内から公海上に化学物質が搬出されたのはこれが3度目。

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バレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア政府と国連がヒムス旧市街での停戦を72時間延長することに合意したことに関して、歓迎の意を示した。

ロイター通信(2月10日付)が伝えた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、RTL(2月10日付)に、シリアの都市部に医薬品や食糧物資を搬入するための「人道回廊」を設置するための決議案を国連安保理に提出すると述べた。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、RTL, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:イラクの動き

ルクマーン・フィーリー駐米イラク大使は、イラク領空を経由してシリア領内に向かうイランの貨物機の監視を継続すると述べるとともに、米国議会の承認を受け、近く防空管制システム(7億ドル相当)の供与を受けると述べた。

AFP(2月10日付)が伝えた。

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イラキー・ニュース(2月10日付)によると、サラーフッディーン県ティクリート市南部のサーマッラー地区で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員12人を殺害した。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(2月10日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外のユニーン村をシリア軍が2度にわたって空爆した。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、『ハヤート』(2月11日付)によると、ヒムス市旧市街での休戦が72時間延長されたことを受け、タラール・バラーズィー県知事と国連のヤアクーブ・フルウ代表が会談、女性、子供、老人などさらなる市民の退去について協議した。

バラーズィー知事はまた、会談で国連・シリア赤新月社の合同チームに、民間人退去とともに、ヒムス市旧市街での失踪者の問題にも対処するよう求めたという。

また、シリア赤新月社は、ヒムス市旧市街の停戦延長を受け、10日に新たに約300人の市民を旧市街から退去させたと発表した。

一方、SANA(2月10日付)によると、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、アルシューナ村、サラーム・ガルビー村、サリーム村、ダフラト・アルーシャ村、ダフラト・ジャバルター村、ザーラ村郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジ人、チェチェン人の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとする反体制武装集団との3日間にわたる激しい攻撃を受け、10日早朝までに県全土から撤退した。

同監視団によると、ダーイシュ戦闘員は、ラッカ県境の一部地域以外にはもはや存在しないという。

しかし、ジャフラ油田近くでは、爆弾が仕掛けられた車が自爆し、ヌスラ戦線戦闘員など5人が死亡、またアブリーハ村でも同じく車が自爆し、18歳以下の若者6人を含む22人が死亡した。

自爆攻撃はダーイシュの外国人戦闘員によるものだという。

一方、SANA(2月10日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ムッラート村、フサイニーヤ町、カスラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また武装テロ集団が、ズハイル・トゥワイル刑事裁判所長を暗殺した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月10日付)によると、アドラー市旧市街、同ウンマーリーヤ地区、ムライハ市、ダイル・アサーフィール市、ザバディーン市、サクバー市、アルバイン市、アーリヤ農場、タッル・クルディー町、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市周辺、ダーライヤー市、タッル市郊外、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アンサール旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市では、反体制武装集団の迫撃砲攻撃により学生4人を含む市民11人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(2月10日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月10日付)によると、アレッポ市、マルジャ地区、カルム・マイサル地区、カーディ・アスカル地区、カルム・ジャズマーティー地区、スッカリー地区、ハイダリーヤ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ジャンドゥール地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシャイフ・ルトフィー村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ファーフィーン村、バービース村、アターリブ市、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス村、アルバイド村、ダイル・ハーフィル市、バーブ街道地区、マアーッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月10日付)によると、サラーキブ市北部、マアッラトミスリーン市、カフルルーマー村、アブー・ズフール町、ウンム・ジャリーン村、マアラーター村、ダイル・ガルビー裏、タッフ村、ファイルーン村、ジダール・ビカフルーン村、タッル・サラムー村、マジャース村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月10日付)によると、ウンム・マヤーズィン町、ナイーミーヤ村、マハーミード農場、ダルアー市各所、タイバ町、西ガーリヤ村、サイダー町、ジーザ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(2月10日付)によると、ハーン・アルナバ市、西サムダーニーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(2月10日付)によると、武装テロ集団が、バッカーラ部族の名士でヒッティーン地方で自警活動を指揮していたバシール・ムハンマド・マフムード氏を暗殺した。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:シリア政府の動き

外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、そのなかで「武装テロ集団」がハマー県マアーン村で住民を虐殺したと報告、「武装テロ集団」とその支援国によるテロ行為を緊急に非難するよう求めた。

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軍武装部隊総司令部は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線が9日にハマー県マアーン村を襲撃し、女性、子供、老人など41人を虐殺したと非難、「こうした卑劣なテロ行為は処罰を免れないだろう…。軍はこれまで以上に、憲法に基づく任務を継続し、テロ組織を殲滅し、治安と安定の回復をめざす」と発表した。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月10日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ラッカ市の住民に対して、「アンバール・ディーナール」と呼ばれる独自通貨の使用を強要していると報じた。

「アンバール・ディーナール」はイラク・アンバール県のダーイシュが発行した独自の通貨だという。

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クッルナー・シュラカー(2月10日付)によると、民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、委員会メンバーで共産主義行動党幹部のサフワーン・アッカーシュ氏がレバノンから陸路でシリアに入国した直後に失踪したと発表した。

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シリア国内で活動すると思われる複数の武装集団が「シリア革命建設運動」なる新組織を結成、政権打倒を呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、アサド政権による「戦争犯罪」を告発する報告書を国連に提出した。

同報告書において、連立は、アサド政権がジュネーブ2会議開始以降、1,805人を殺害したとしている。

うち834人がアレッポ県で「樽爆弾」による空爆で死亡したのだという。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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2014年2月10日のシリア情勢:ジュネーブ2会議第2ラウンド

スイスのジュネーブにある国連本部で、ジュネーブ2会議の第2ラウンドが始まった。

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、第2ラウンドの開始にあたって、政府、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団に覚書(『ハヤート』2月11日付が全文を掲載)を回付した。

この覚書において、ブラーヒーミー共同特別代表は、ジュネーブ合意の趣旨が改めて箇条書きしたうえで、以下の議題を提案した。

1. 暴力停止、テロとの戦い

2. 移行期統治機関の設置

3. 継続性と変化を考慮した国家機関

4. 国民対話と国民和解

ブラーヒーミー共同特別代表また、第2ラウンドの議事を政府代表団、反体制勢力代表団との個別交渉を通じて進め、前向きな成果が得られた段階で直接交渉を実施するとの方針を示した。

この覚書に従い、ブラーヒーミー共同特別代表はまず、ハーディー・バフラ氏が率いる連立代表団と会談し、次いでバッシャール・ジャアファリー国連代表大使が率いる政府代表団と会談した。

国連消息筋などによると、連立代表団との会談では、移行期統治機関の設置、「樽爆弾」などによる政権の「戦争犯罪」、「人道犯罪」について意見が交わされた。

会談で連立代表団は、国連宛文書(後述)に基づき、アサド政権による殺戮の被害を報告するとともに、アレッポ市、ダーライヤー市などへの軍の「樽爆弾」での空爆、ムウダミーヤト・シャーム市、ダマスカス県バルザ区などでの軍包囲の実態を報告、人道支援物資の配給を求めた。

そのうえで政権による暴力の停止と、移行期統治機関に必要を改めて強調したという。

一方、政府代表団との会談では、「テロとの戦い」に焦点が当てられ、SANA(2月10日付)によると、政府代表団はハマー県マアーン村での「虐殺」に対する非難声明案を文書で提出し、国連およびブラーヒーミー共同特別代表に声明の発表を求めた。

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は記者団に対し「殺戮とテロが止まなければ、真の平和的プロセスについて話すことはできない」としたと強調したうえで、「我々はジュネーブ合意に示されている議題を1項目ずつ議論しなければならないと言ってきた。議題に沿って、移行期統治機関の議論にふさわしい時が来るまで、議論を繰り返すことはないだろう。一部の参加者が押しつけようとしているねつ造された幻想の優先事項として議論することはない」と述べた。

 

SANA, February 10, 2014
SANA, February 10, 2014

 

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ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣は、ロシアが、米国、国連、シリア政府、反体制政府の各高官による会談を、ジュネーブ2会議の枠組みの中で開催することを提案したと述べた。

RIAノーヴォスチ通信(2月10日付)などが伝えた。

AFP, February 10, 2014、AP, February 10, 2014、Champress, February 10, 2014、al-Hayat, February 11, 2014、Iraqinews.com, February 10, 2014、Kull-na Shuraka’, February 10, 2014、Naharnet, February 10, 2014、NNA, February 10, 2014、Reuters, February 10, 2014、RIA Novosti, February 10, 2014、Rihab News, February 10, 2014、SANA, February 10, 2014、UPI, February 10, 2014などをもとに作成。

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