2014年2月1日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

ミュンヘン安保会議に出席するためドイツを訪問中のジョン・ケリー米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、国連の潘基文事務総長、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が会談し、ジュネーブ2会議第2ラウンドなどシリア情勢などについて協議した。

会談後に米国務省は声明を出し、ジュネーブ2会議第2ラウンドに関してシリアの反体制勢力の代表団を拡大する必要があると発表した。

『ハヤート』(2月3日付)によると、会談では、民主的変革諸勢力国民調整委員会、イスラーム戦線メンバーのシリア革命反体制勢力国民連立代表団への参加の可否について協議がなされたという。

また同紙は、クルド消息筋の話として、ロシアが、民主的変革諸勢力国民調整委員会とクルド最高委員会に、反体制勢力(シリア革命反体制勢力国民連立)の代表団に参加するよう求めていると伝えた。

al-Hayat, February 3, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シリア人権監視団は2011年3月から2013年1月末にかけてシリアでの紛争での死者総数が13万6,227人に達したと発表した。

死者総数のうち、民間人は1ヶ月前の発表より約1万8,000人少ない(!)4万7,998人(うち子供は7,300人)、ジハード主義武装集団を含む反体制武装集団戦闘員は3万1,629人、軍兵士、国防隊戦闘員、人民諸委員会メンバー、「シャッビーハ」などは5万3,776人、ヒズブッラー戦闘員は271人、アサド政権を支持する「シーア派民兵」戦闘員は338人、身元不明者は2,824人だという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、ドイツで開催中のミュンヘン安保会議(1月31日~2月2日)に出席し、2月10日に再開が予定されているジュネーブ2会議第2ラウンドに出席する意思を表明した。

ジャルバー議長は「連立はジュネーブ2会議に行くとの勇敢な決断を下した。我々は、シリアに民主的解決、ジュネーブ合意の実施、移行期統治機関の樹立をもたらすような政治的解決を支持する」と述べた。

そのうえで「アサド政権はあらゆるカードを交渉のために利用している。人道回廊までもだ…。人々をMiG戦闘機、ミサイル、樽爆弾で攻撃している政権と交渉することは正しいことではない。だが、こうした状況にもかかわらず…、連立は2月10日からの第2ラウンドに出席することを決定した」と強調した。

また「我々は何度も、ヒズブッラー…などすべての民兵のシリアからの退去を要求してきた…。一方、テロ組織のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)もおり、我々との戦争を通じて、アレッポ、イドリブ、ハマーを解放した」と主張した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(2月2日付)が、東グータ地域の複数の消息筋の話として、「革命家」が軍の戦闘機をバイタリーヤ地方で撃墜したと報じた。

AFP, February 1, 2014、al-Hayat, February 3, 2014、Kull-na Shuraka’, February 2, 2014をもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:諸外国の動き

ドイツで開催中のミュンヘン安保会議(1月31日~2月2日)で、西側諸国、ロシアなどの安全保障当局者がシリア情勢、ウクライナ情勢などに関して意見を交換した。

またジョン・ケリー米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、国連の潘基文事務総長、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は安保会議とは別に会談し、シリア情勢などについて協議した。

なおこの会談に先立って、ケリー米国務長官はラブロフ外務大臣と個別に会談した。

これに関して『ハヤート』(2月2日付)は、米高官の話として、ケリー国務長官が、化学兵器廃棄プロセスに関して、ラブロフ外務大臣にラタキア港からの化学物質搬出の作業の遅れを指摘し、シリア政府に搬出作業を進展させるようを急がせるよう求めたと報じた。

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ジェニファー・サキ米国務省報道官は、ジュネーブ2会議期間中に米国の複数の外交官がワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らシリア政府代表団に直接交渉を要請していたとの一部情報を否定した。

ロイター通信(2月1日付)が伝えた。

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『ハヤート』(2月2日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、フォバート・フォード駐シリア米大使がジョン・ケリー米国務長官に辞意を伝えたと報じた。

AFP, February 1, 2014、AP, February 1, 2014、Champress, February 1, 2014、al-Hayat, February 2, 2014、Iraqinews.com, February 1, 2014、Kull-na Shuraka’, February 1, 2014、Naharnet, February 1, 2014、NNA, February 1, 2014、Reuters, February 1, 2014、Rihab News, February 1, 2014、SANA, February 1, 2014、UPI, February 1, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:イラクの動き

国防省は声明を出し、アンバール県ファッルージャ市でイラク空軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の車輌3台を破壊し、戦闘員15人を殺害したと発表した。

イラキー・ニュース(2月1日付)が伝えた。

AFP, February 1, 2014、AP, February 1, 2014、Champress, February 1, 2014、al-Hayat, February 2, 2014、Iraqinews.com, February 1, 2014、Kull-na Shuraka’, February 1, 2014、Naharnet, February 1, 2014、NNA, February 1, 2014、Reuters, February 1, 2014、Rihab News, February 1, 2014、SANA, February 1, 2014、UPI, February 1, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(2月1日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡ヘルメル市のガソリン・スタンドで爆弾を積んだ自動車が自爆し、3人が死亡、約30人が負傷した。

この自爆テロに関して、シャームの民のヌスラ戦線が犯行を認める声明をツイッターを通じて出した。

声明でヌスラ戦線は「愛すべきシリアにおいて、我らがか弱い国民に対するイランの党(ヒズブッラー)の犯罪が続くなか…、我々はこの党の虐殺を止めるために、党の支配地域で同様の方法をとらざるを得ない。この党が自らの決定を再考することを希望しつつ」と表明した。

またヌスラ戦線は「レバノンのスンナ派に、この抑圧的な軍事支配に反乱を起こす」よう呼びかけた。

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OTV(1月1日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡での自爆テロ発生の数時間後、北部県アッカール郡のウブーディーヤ村とアリーダ村に面する国境通行所2カ所をシリア当局が一時閉鎖した。

Youtube, February 1, 2014
Youtube, February 1, 2014

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NNA(2月1日付)によると、北部県アッカール郡のヌーラ村、ヒクル・ジャニーン村、カシュラク村の郊外が、シリア領内からの迫撃・銃撃を受けた。

AFP, February 1, 2014、AP, February 1, 2014、Champress, February 1, 2014、al-Hayat, February 2, 2014、Iraqinews.com, February 1, 2014、Kull-na Shuraka’, February 1, 2014、Naharnet, February 1, 2014、NNA, February 1, 2014、OTV, February 1, 2014、Reuters, February 1, 2014、Rihab News, February 1, 2014、SANA, February 1, 2014、UPI, February 1, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マルジュ・スルターン村で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アブー・ファドル・アッバース旅団が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(2月1日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ハラスター市、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市郊外、ダーライヤー市東部、アイン・ハドラー村、ヤブルード市、ラアス・アイン市、マアルーラー市・ジャブアディーン町間で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アブド村の軍連隊基地への反体制武装集団の攻撃を受け、軍が撤退、反体制武装集団が同村を制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ街道地区を軍が砲撃し、6人が死亡、またマルジャ地区に「樽爆弾」が着弾し、市民3人が死亡、またクワイリス航空基地周辺を反体制武装集団が砲撃した。

またイスラーム旅団が占拠するムスリミーヤ村郊外の歩兵学校に、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が爆弾を仕掛けた車3台を突入させ、イスラーム旅団の「アブー・ハーティム」を名乗る司令官を含む12人を殺害、数十人を負傷させた。

一方、ハラブ・ニュース(2月1日付)によると、アレッポ市ハムダーニーヤ地区では、軍が一般住宅や避難民が身を寄せるモスク、学校などで反体制活動家の捜索活動を行ったという。

他方、SANA(2月1日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、ラスム・アッブード村、ヒーラーン村、アッザーン村、ハッダーディーン村、ワディーヒー村、アルバイド村、クワイリス村、シャイフ・ナッジャール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ジュダイダ地区、マシュハド地区、シャッアール地区、アンサーリー地区、マルジャ地区、ブスターン・カスル地区、バニー・ザイド地区、カルム・ジャズマーティー地区、カルム・マイサル地区、カーディー・アスカル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、シャリーア委員会拠点などを破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ザーラ村を軍が空爆した。

一方、SANA(2月1日付)によると、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、サアン村、アイン・フサイン村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる武装集団がムーリク市南部の軍検問所、ハラファーヤー市・タイバト・イマーム市間の検問所を制圧した。

同監視団によると、ヌスラ戦線などは、ムーリク市一帯をすでに制圧し、イドリブ県ワーディー・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ村、ハーン・シャイフ・キャンプなどにいたる軍の兵站路を遮断したという。

一方、SANA(2月1日付)によると、カフルズィーター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市の航空基地近くで軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(2月1日付)によると、郡がティーム油田周辺およびマリーイーヤ村で反体制武装集団の拠点を破壊し、同油田周辺一帯を制圧した。

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ダマスカス県では、SANA(2月1日付)によると、カダム区(ブール・サイード)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月1日付)によると、シャクラー村、イズラア市、ダルアー市各所(名民キャンプ地区など)、サナア・ハマーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月1日付)によると、ビンニシュ市、イドリブ刑務所街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 1, 2014、AP, February 1, 2014、Champress, February 1, 2014、Halabnews.com, February 2, 2014、al-Hayat, February 2, 2014、Iraqinews.com, February 1, 2014、Kull-na Shuraka’, February 1, 2014、Naharnet, February 1, 2014、NNA, February 1, 2014、Reuters, February 1, 2014、Rihab News, February 1, 2014、SANA, February 1, 2014、UPI, February 1, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らシリア政府代表団がジュネーブ2会議を終え、空路でダマスカスに帰任した。

ムアッリム外務在外居住者大臣は移動中の機内で記者団の取材に応じ、モントルー市滞在中に米国側から直接交渉を持ちかけられたが、ジョン・ケリー米国務長官がジュネーブ2会議初日の演説で行ったシリア政府への非難に対しての謝罪がないかぎりは応じられないと応え、これを拒否したことを明らかにした。

また、移行期統治機関やアサド大統領の退陣をめぐるシリア革命反体制勢力国民連立の姿勢に関して「彼らの支持者や支援者が抱いている幻想をあきらめなければ、現実と齟齬をきたすことになろう」と批判した。

SANA, February 1, 2014
SANA, February 1, 2014

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、レバノンのベカーア県ヘルメル市での自爆テロに関して、「レバノン、シリア、イラクで発生しているそれ以外のテロと同じように、これで得をするのは、シオニストだけだ」と批判した。

SANA(2月1日付)が伝えた。

AFP, February 1, 2014、AP, February 1, 2014、Champress, February 1, 2014、al-Hayat, February 2, 2014、Iraqinews.com, February 1, 2014、Kull-na Shuraka’, February 1, 2014、Naharnet, February 1, 2014、NNA, February 1, 2014、Reuters, February 1, 2014、Rihab News, February 1, 2014、SANA, February 1, 2014、UPI, February 1, 2014などをもとに作成。

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2014年2月1日のシリア情勢:反体制勢力の動き

フランス24(2月1日付)は、ダマスカス県バルザ区での休戦成立(https://syriaarabspring.info/wp/?p=383)を受け、1月末以降、同地区のサラーム・モスク前でシリア軍と反体制武装集団の合同検問所が設置され、両者が協力して警備活動に当たっていると報じ、ユーチューブの映像(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=gkd5KMLjPTg)やツイッターなどで公開された写真を公開した。

サラーム・モスクは、停戦発効以前の軍と反体制武装集団の支配地区の境界に位置しているという。

しかし、これに対して、自由シリア軍広報センター局長を名乗るズィヤード・シャーミー氏は両者の間にいかなる連絡もなされていない、とこれを否定しているという。

Kull-na Shuraka', February 1, 2014
Kull-na Shuraka’, February 1, 2014

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クッルナー・シュラカー(2月1日付)は、ムハンマド・ヤフヤー・マクタビー氏(アブー・バッラー)がシリア革命反体制勢力国民連立を脱会したと報じた。

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シリア人権監視団は、軍によるアレッポ市への「樽爆弾」による攻撃で、2月1日(土曜日)の1日だけで46人の民間人が犠牲となったと発表した。

同監視団によると、うち33人は同一地区への攻撃による死者だとする一方、シャッアール地区での攻撃では、軍はシャームの民のヌスラ戦線の拠点を標的とし、戦闘員8人が死亡したことを明らかにした。

AFP, February 1, 2014、AP, February 1, 2014、Champress, February 1, 2014、France 24, February 2, 2014、al-Hayat, February 2, 2014、Iraqinews.com, February 1, 2014、Kull-na Shuraka’, February 1, 2014、Naharnet, February 1, 2014、NNA, February 1, 2014、Reuters, February 1, 2014、Rihab News, February 1, 2014、SANA, February 1, 2014、UPI, February 1, 2014などをもとに作成。

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