諸外国の動き(2014年8月27日)

Turkey Today(8月27日付)によると、トルコ軍警察は、自爆ベルトを身につけ、ハサカ県ラアス・アイン市からトルコ領内に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)メンバーだという女性1人を逮捕した。

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オーストラリア保安情報部のデーヴィッド・アーバイン長官は、シリア・イラクでオーストラリア人ジハード主義者15人が死亡、うち2人が自爆攻撃を行ったことを明らかにした。

アーバイン長官はまた、60人程度のオーストラリア人がダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線に参加し、シリアやイラクで戦闘を行っていると付言した。

『ハヤート』(8月28日付)が伝えた。

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シリアでの人権侵害を調査するために国連が設置した国際調査委員会(パウロ・セルジオ・ピネイロ委員長)は、最新の報告書を発表し、シリア軍や反体制武装集団に加えて、ダーイシュ(イスラーム国)が同国の紛争に関与し、「複合要因に左右される戦闘に変貌した」と指摘、またダーイシュによる処刑、拷問などを「人道に対する罪」と非難した。

調査機関は2014年1月中旬から7月中旬で、480人に対して聞き取り調査を行ったという。

一方、報告書では、シリア軍が4月に8カ所に対して塩素ガスを装填した「樽爆弾」を投下した疑いがあると指摘した。

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ドイツ外務省報道官は、ドイツが、米国などとダーイシュ(イスラーム国)に対する軍事介入の可能性について協議しているとしたうえで、ドイツがこの軍事介入に参加することはないだろうと付言した。

『ハヤート』(8月28日付)が伝えた。

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、Turkey Today, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月27日)

アレッポ県では、SANA(8月27日付)によると、アルシャーフ村、フサーミーヤ村、ブラート村、タッル・シャイール、マンスーラ村、カフルハムラ村、ハイヤーン町、製材所、航空士官学校一帯、アレッポ市サーフール地区、バニー・ザイド地区、アシュラフィーヤ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)などの反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の一大拠点であるダイル・ザウル航空基地周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が交戦した。

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ラッカ県では、SANA(8月27日付)によると、バアス・ダム一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点・武器庫を攻撃し、戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月27日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、シリア軍との戦闘の末、イスラエル占領下のゴラン高原に通じるクナイトラ検問所を制圧した。

これに先立ち、ヌスラ戦線、シリア革命家戦線、シャーム自由人イスラーム運動などが声明を出し、クナイトラ市およびその周辺の解放を目的とした「真理の約束の戦い」を開始したと発表した。

この戦闘で、シリア軍兵士、国防隊隊員20人以上が死亡、ヌスラ戦線側も4人が死亡した。

なお両者の戦闘は、クナイトラ市内、ジャッバー村、クルーム丘、ラワーディー村で続いているという。

これに関して、シリア革命家戦線はツイッターで、「革命の旗がクナイトラ検問所に建てられた」との書き込みを行った。

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ARA News, August 27, 2014
ARA News, August 27, 2014

一方、SANA(8月27日付)によると、バイト・サービル町近郊、ウンム・バーティナ村近郊、ルワイヒーナ村・ウンム・ファッターム村交差点、ラスフ・ハワーリド村、ラスム・フール村、アイン・ダルブ村、ラスム・アリー・アブドゥッラー村、ビイル・アジャム村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(8月27日付)によると、トルコ(キリス)に面するバーブ・サラーマ国境通行所を北の嵐旅団が襲撃し、一時占拠した。

その後、イスラーム戦線が救援部隊を派遣し、数時間後に同通行所を奪還したという。

また、ARA News(8月27日付)によると、ハンダラート・キャンプ近郊で、アンサール・ディーン・イスラーム戦線とシリア軍が交戦、シリア軍兵士20人が死亡した。

一方、シリア軍は、アアザーズ市・カトマ村間の農地を空爆した。死傷者はなかったという。

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ダマスカス郊外県では、SANA(8月27日付)によると、サラーム高速道路東部の農業施設、シャクハブ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月27日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ウンム・シャルシューフ村、アブー・サナースィル丘周辺、マスアダ、ラスム・タウィール村、ムシャイリファ村、ジュースィーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月27日付)によると、ジーザ町、ザアタル丘北部、ヤードゥーダ村、タファス市西部、アトマーン村、ハーッラ市、アクラバー村東部、カフル・ナースィジュ村街道、ダルアー市アルバイーン地区、ヨルダン通り、Syriatelビル南部、旧税関地区西部、インヒル市、ダーイル町、サムリーン村・インヒル市街道で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月27日付)によると、ビンニシュ市周辺、スッカリーヤ村近郊で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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DPA(8月27日付)によると、民主的変革諸勢力国民調整委員会のサフワーン・アッカーシュ書記長が、家族とともに首都ダマスカスからハマー県に向かう途中、ヒムス市で治安当局に拘束された。

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、DPA, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月27日)

アサド大統領は、2014年布告第273号を発し、第2次ワーイル・ハルキー内閣を発足させた。

第2次ワーイル・ハルキー内閣の閣僚は以下の通り:

1. 首相:ワーイル・ナーディル・ハルキー(アラブ社会主義バアス党)

2. 副首相兼外務在外居住者大臣:ワリード・ムアッリム(アラブ社会主義バアス党)

3. 福祉問題担当副首相、地方自治大臣:ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー(アラブ社会主義バアス党)

4. 運輸大臣:ガズワーン・ハイル・ビク(不明)

5. 観光大臣:リヤード・ヤーズジー(不明)

6. 教育大臣:ハズワーン・ワッズ(アラブ社会主義バアス党)

7. 経済対外通商大臣:ハマーム・ジャザーイリー(不明)

8. 工業大臣:カマールッディーン・トゥウマ(不明)

9. 公共事業大臣:フサイン・アルヌース(アラブ社会主義バアス党)

10. 高等教育大臣:ムハンマド・アーミル・マールディーニー(不明)

11. 国内通商消費者保護大臣:ハッサーン・サフィーヤ(不明)

12. 国防大臣:ファフド・ジャースィム・フライジュ(アラブ社会主義バアス党)

13. 財務大臣:イスマーイール・イスマーイール(不明)

14. 社会問題大臣:キンダ・シャンマート(不明)

15. 水資源大臣:カマール・シーハ(不明)

16. 宗教関係大臣:ムハンマド・アブドゥッサッタール(無所属)

17. 住宅都市開発大臣:ムハンマド・ワリード・ガザール(アラブ社会主義バアス党)

18. 情報大臣:ウムラーン・アーヒド・ズウビー(アラブ社会主義バアス党)

19. 石油鉱物資源大臣:スライマーン・アッバース(不明)

20. 環境問題大臣:ナズィーラ・ファラフ・サルキース(不明)

21. 通信技術大臣:ムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー(不明)

22. 電力大臣:イマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース(アラブ社会主義バアス党)

23. 内務大臣:ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール(アラブ社会主義バアス党)

24. 農業・農業改革大臣:アフマド・カーディリー(不明)

25. 文化大臣:イサーム・ハリール(アラブ社会主義バアス党)

26. 法務大臣:ナジュム・ハマド・アフマド(不明)

27. 保健大臣:ニザール・ワフバ・ヤーズジー(不明)

28. 労働大臣:ハラフ・スライマーン・アブドゥッラー(不明)

29. 行政開発担当国務大臣:ハッサーン・ヌーリー(無所属)

30. 国民和解問題担当国家大臣:アリー・ハイダル(シリア民族社会党インティファーダ派)

31. 人民議会担当国務大臣:アブドゥッラー・ハリール・フサイン(シリア共産党ウィサール・ファルハ・バクダーシュ派)

32. 大統領担当国務大臣:マンスール・ファドルッラー・アッザーム(アラブ社会主義バアス党)

33. 国務大臣:ジャマール・ジャアバーン・シャーヒーン(社会統一主義者党)

34. 国務大臣:ハスィーブ・イリヤース・シャンマース(不明)

35. 国務大臣:ムハンマド・ムティーア・ムアイイド(アラブ社会主義連合党)

SANA, August 27, 2014
SANA, August 27, 2014

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月27日)

クッルナー・シュラカー(8月27日付)は、複数の消息筋の話として、自由シリア軍参謀委員会が、シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会メンバー人事をめぐって、参謀委員会幹部と国内で戦闘を行っている武装集団(シリア革命家戦線、ハズム運動、ムウタッズ・ビッラー旅団など)との間で対立が生じている、と報じた。

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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「国民和解合意」(停戦合意)をめぐる動き(2014年8月27日)

『クドス・アラビー』(8月27日付)は、ノルウェーの首都オスロで、シリア政府に近いビジネスマン、商人、反体制武装集団代表、シリア国内外の反体制活動家による非公式会合(https://syriaarabspring.info/wp/?p=13103)に関して、シリア国内から民主統一党、民主的諸勢力国民調整委員会、ロナーク機構(シリアのクルド人NGO)の代表、ロシア、イラン、サウジアラビア、米国、イラク・クルディスタン地域、トルコのPKKの高官が参加した、と報じた。

同紙によると、欧米諸国が「シリア国民の唯一の正統な代表」としていたシリア革命反体制勢力国民連立のメンバーも会合には参加したが、連立代表としてではなく、個人としての参加だったと付言した。

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『ワタン』(8月27日付)は、パリで行われたとされるシリア政府高官と離反「上級士官」との非公式会合に関連して、マナーフ・トゥラース氏(元共和国護衛隊准将)に対し、離反を撤回し、帰国すれば、「高い地位」を保障するとのシリア政府のメッセージが伝えられた、と伝えた。

al-Quds al-‘Arabi, August 27, 2014、al-Watan, August 27, 2014などをもとに作成。

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