シリア政府の動き(2014年8月17日追記)

ARA News(8月18日付)によると、ハサカ市のバアス党ハサカ支部で党幹部による会合が開かれ、同市、とりわけグワイラーン地区の治安対策についての審議が行われた。

会合には、ヒラール・ヒラール地域指導部副書記長、ユースフ・アフマド地域指導部地域組織局長、ムハンマド・シャアバーン・アッズーズ地域指導部労働者局長(兼労働者総連合総裁)、ハラフ・マフシャム・ハサカ支部書記長、ムハンマド・ズアール・アリー・ハサン県知事、ハマード・サウード農民総同盟総裁らが出席した。

会合では、同地でのバアス大隊(国防隊)の早急な結成の必要などが確認されたという。

ARA News, August 18, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月17日)

サウジアラビアのアリー・アウダ・アスィーリー在レバノン大使はレバノンの声(8月17日付)に対し、「我々はダーイシュ(イスラーム国)などのグループが、レバノンに自らの決定を押しつけることを許さない…。アルサール村(ベカーア県バアルベック郡)での混乱がレバノンの他の地域で繰り返されないことを望む」と述べた。

AFP, August 17, 2014、Anadolu Ajansı, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014、Voice of Lebanon, August 17, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月17日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラッカ市内にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所にこれまで最大規模となる空爆を行い、ダーイシュの司令官、戦闘員ら31人以上が死亡した。

空爆は、ラッカ市内の軍事法廷、検閲査察局、政治治安部、「アレッポ大使館」発着場、県庁舎一帯、現代医学病院一帯、国立病院一帯、旅客バス発着場などに対し26回にわたって行われ、市民ら少なくとも18人も死傷した。

ラッカ市空爆に関して、マーヒル・アスアドを名乗るラッカ市の活動家は、アナトリア通信(8月17日付)に対し、空爆の精度が高く、シリア軍の旧式戦闘機の攻撃とは思えないとしたうえで、「空爆は米軍によるものだろう」と主張した。

シリア軍はまた、タブカ市およびその周辺に対しても11回にわたり空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているウマル油田一帯を5回にわたり空爆した。

これに対し、ダーイシュは、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区で、シリア軍の車輌を襲撃し、将兵を殺害、またシリア軍もハウィーカ地区各所を砲撃した。

一方、SANA(8月17日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ジュバイラ地区、ウルフィー地区、スィヤーサ橋付近、フジャイジャト・カーディア付近で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備、地下トンネルを破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、ハミーディーヤ村、サーリヒーヤ村、アスバンル村、ウユーン村、アルシャーフ村の住民を「身の安全を守る」という理由で、追放した。

ダーイシュは、これらの村の住民に対して、「覚醒評議会」(ダーイシュと対立するジハード主義武装集団)の拠点や本部が「ムジャーヒディーンの正当な標的」であるため近づかないよう求める布告を出していたという。

またスマート・ニュース(8月17日付)によると、ダーイシュによって占拠されたトゥルクマーン・バーリフ村で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、ダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

一方、アフタリーン市入り口のウンム・クラー・モスク近郊で、ジハード主義武装集団、クルド人戦線旅団などが、ダーイシュと交戦した。

他方、シリア軍は、ダーイシュによって占拠されているアアザーズ市、バンーン・フッス村、バーブ市、バーブ市・ラーイー村街道、アフタリーン市を10数回にわたり空爆した。

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シリア人権監視団は、シリア軍が各地でダーイシュ(イスラーム国)の拠点などに対して1日だけで122回にわたって空爆を行ったと発表した。

同監視団によると、うち43回が北東部、41回が北部・南部に対する空爆で、このほかにも38発の「樽爆弾」が投下されたという。

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ARA News(8月17日付)は、ハサカ県フール村の住民の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がイラクのニナワ県スィンジャール郡で拉致したと思われるクルド人(ヤズィード教徒)女性数百人を、ハサカ県タッル・ハミース市、フール村に連行し、2万5,000~5万シリア・リラで人身売買している、と報じた。

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MTV(8月17日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)の武装闘争に外国人女性戦闘員が参加しているとしたうえで、もっとも著名な6人の身元を紹介した。

この6人の女性のうち、2人は英国籍を持つソマリア人の双子姉妹(サルマー町、ザフラ)で、戦闘員と結婚するためにシリアに潜入、その後、軍事教練を受け、戦闘に参加するようになり、「テロリスト双子姉妹」などと呼ばれているという。

またこのほかにも、「ダーイシュの女たちのアミール」を呼ばれるサウジ人女性(ウンム・ミクダード)、ラッカ県のハンサー大隊(女性部隊)を指揮するチュニジア人女性(ウンム・ムハージル)、欧州諸国で女性戦闘員のリクルートを統括するとされる英国人女性(ウンム・ライス)らがいるという。

Kull-na Shuraka', August 17, 2014
Kull-na Shuraka’, August 17, 2014

イラク国内の動き

キルクーク県では、トゥーズ・フールマートゥー郡知事によると、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが、ダーイシュ(イスラーム国)との3日にわたる戦闘の末、ダーイシュ戦闘員75人を殲滅、70人を負傷させた。

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モスル県では、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガ筋によると、ペシュメルガが米空軍の支援のもと、モスル市東部のブアシーカ地方、タッルカイフ郡の複数の町、モスル・ダム周辺の村々を奪還した。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(8月17日付)によると、ヤアクーバ市北部のカラ・タバ村(トルクメン人の村)に設置されたイラク・クルディスタン地域ペシュメルガ・アサーイシュ合同検問所を襲撃しようとしたダーイシュ(イスラーム国)戦闘員3人が殺害された。

また合同部隊は、女性の服を着て、カラ・タバ村に潜入しようとしたダーイシュ司令官を逮捕した。

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バービル県では、バービル作戦司令室によると、ジュルフ・サフル地方へのイラク軍の空爆でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員25人が死亡した。

またイラク軍部隊は、ダーイシュ戦闘員20人を逮捕した。

一方、ダーイシュはアーミリーヤト・ファッルージャ地方とジュルフ・サフル地方を結ぶファーディリーヤ橋を破壊した。

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アンバール県では、アンバール作戦司令室筋によると、ハディーサ郡周辺、ラーワ郡入り口で、イラク軍と警察の合同部隊が、ダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、ダーイシュ戦闘員16人(うち外国人戦闘員は7人)を殲滅した。

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、MTV, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、SMART News, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月17日)

NNA(8月17日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で、レバノン軍が武装集団を要撃し、「ジハード主義者」12人を逮捕した。

今月上旬のアルサール村襲撃に参加した武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーだと思われる。

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ナハールネット(8月17日付)などは、ウラマー委員会のメンバーからの情報として、ベカーア県バアルベック郡アルサール村で武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)に拉致されていた内務治安軍総局隊員のうち2人が解放された、と報じた。

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月17日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アズィーザ村では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

またシリア軍はアレッポ市ライラムーン地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カフルハムラ村を「樽爆弾」などで空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャルアーヤー村周辺で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサーなどからなるジハード主義武装集団と交戦、武装集団がタッラト・シャルアーヤーを制圧した。

また武装集団はカフルトゥーン村でシリア軍装甲車を破壊した。

一方、SANA(8月17日付)によると、アクラブ町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市で、ジハード主義武装集団が地下トンネルを掘って爆弾を爆破し、シリア軍、国防隊隊員20人以上を殺害した。

これに対して、シリア軍はカラムーン地方無人自体(対レバノン国境)を空爆した。

一方、SANA(8月17日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナマル町での爆破による死者数が25人に増加した。

一方、SANA(8月17日付)によると、タッル・アラーキーヤ、ラジャート高原、ブスル・ハリール市、ヌアイマ村、ダルアー市ハムザ・モスク周辺、カタキート工場周辺、ミスリー交差点東部、スワイダーン地区、ヨルダン通り南、ウンム・ダラジュ地区周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県、SANA(8月17日付)によると、サアサア町、ヒンナーウィー農場、ナッジャール農場、バイト・サービル町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月17日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、タッル・アブー・サナービル周辺、ウンム・サフリージュ村、ウンム・リーシュ村、東サラーム村、ハウラ地方、ラスタン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(8月17日付)によると、ダーマー村およびダイル・ダーマー村を襲撃した「武装テロ集団」を、シリア軍、人民防衛諸集団(国防隊、人民諸委員会)、および市民が撃退した。

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月17日)

ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣(兼軍武装部隊副司令官)は、ダマスカス郊外県ムライハ市内を視察した。

SANA(8月17日付)が伝えた。

SANA, August 17, 2014
SANA, August 17, 2014
Kull-na Shuraka', August 17, 2014
Kull-na Shuraka’, August 17, 2014

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年8月17日)

ハサカ県では、ARA News(8月17日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュが、3日前にヤアルビーヤ村で拘束したシャンマル族のシャイフの一人、マジュハム・アースィー・ジャルバー氏を釈放した。

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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シリアの反体制勢力の動き(2014年8月17日)

シリア国内で活動する民主的変革諸勢力国民調整委員会が、シリア北東部で自治を進める西クルディスタン移行期民政局所属のアッシリア民主党とキリスト教市民連合との間で「相互理解文書」を締結した。

「相互理解文書」はハサカ県アームーダー市で14日付で締結され、①独裁体制の廃止と、自由、尊厳、公正民主主義の実現、②排外主義、宗派主義、分割主義の拒否、③ジュネーブ合意に基づいた交渉による紛争の政治的解決、④外国の軍事的干渉、暴力停止に資さない介入の拒否、⑤外国人戦闘員の排除、をめざすことが定められている。

『ハヤート』(8月18日付)などが報じた。

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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