クルド民族主義勢力の動き(2014年8月3日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊総司令部は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)によるスィンジャール郡(ニナワ県)制圧に関して、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガと「クルド人の至上の利益に資するべく、最高レベルで直接連携関係を発展させる準備がある」と発表した。

ARA News, August 3, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月3日)

シリア国内の動き

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方の無人地帯(対レバノン国境地帯)を軍が砲撃、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

この戦闘で、ヒズブッラー戦闘員4人が死亡、またシリア軍はカーラ市一帯も空爆したという。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第93旅団基地周辺(アイン・イーサー市)で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また、ARA News(8月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が撤退したファイヌータ村とバルカル村(タッル・アブヤド市近郊)を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダラニー村、スワイダーン・ジャズィーラ村、アブー・ハマーム市で、ダーイシュ(イスラーム国)とシュアイタート部族の民兵が交戦し、ダーイシュにモロッコ人戦闘員とチェチェン人戦闘員の2人が死亡した。

またマヤーディーン市に近いバクラス町の砂漠地帯で武装集団がダーイシュを要撃し、ダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

さらにブーライル村では、ダーイシュと戦うシュアイタート部族への支持を表明するデモが行われ、住民らが参加した。

一方、ダーイシュは、ジハード主義武装集団の元司令官を逮捕した。

他方、シリア軍はクーリーヤ市を砲撃、またティヤーナ村のダーイシュ拠点を空爆したもの、子供1人を含む4人が技師となった。

空爆はダーイシュが撤退したあとに行われたという。

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ヒムス県では、SANA(8月3日付)によると、シャーイル山(ハマー県)西部一帯の軍検問所を襲撃しようとした武装集団を軍が撃退した。

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ハサカ県では、ARA News(8月4日付)によると、ハサカ市ナシュワ地区でシリア治安当局のパトロール部隊を狙った爆弾テロが発生し、隊員2人が負傷、またシリア軍が展開する同市南部に迫撃砲弾1発が着弾した。

これを受け、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とアサーイシュがハサカ県アズィーズィーヤ地区などに展開し、治安維持活動にあたった。

また、シリア軍も、ダーイシュ(イスラーム国)が展開するハサカ市南部のフール村をヘリコプターで空爆したほか、カーミシュリー市南部にあるダーイシュの拠点タッル・ハミース市近郊を砲撃した。

一方、SANA(8月3日付)によると、カーミシュリー市東部郊外のラフヤート村一帯に潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

またラーシディーヤ村の武装集団拠点を軍が攻撃した。

イラク国内の動き

ニナワ県では、マダー・プレス(8月3日付)、ARA News(8月3日付)などによると、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガの撤退を受け、ダーイシュ(イスラーム国)がスィンジャール郡を制圧、同地にあるヤズィーディー派の巡礼地や礼拝所多数を爆破、破壊した。

これを受け、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが同地への増援部隊派遣を決定した。

またダーイシュが占拠するモスル・ダム近くでペシュメルガとダーイシュが交戦した。

一方、イラク軍はタッルアファル郡を空爆し、ダーイシュ戦闘員100人を死傷させた。

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バービル県では、マダー・プレス(8月3日付)によると、バービル県、バグダード県の合同治安部隊がジュルフ・サフル地方でダーイシュ(イスラーム国)の掃討を進め、ダーイシュ戦闘員40人を殲滅し、車輌多数を破壊した。

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バグダード県では、マダー・プレス(8月3日付)によると、アブー・グライブ地方のザイダーン村で、イラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員2人、イラク軍兵士1人が死亡した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(8月3日付)によると、トゥーズ郡のサラーム村のダーイシュ(イスラーム国)拠点をイラク軍が空爆し、ダーイシュ戦闘員45人が死傷、車輌35輌が破壊された。

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アンバール県では、マダー・プレス(8月3日付)によると、カダー郡でイラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員16人を殺害、逮捕、車輌13輌を破壊した。

AFP, August 3, 2014、AP, August 3, 2014、ARA News, August 3, 2014、August 4, 2014、Champress, August 3, 2014、al-Hayat, August 4, 2014、Kull-na Shuraka’, August 3, 2014、al-Mada Press, August 3, 2014、Naharnet, August 3, 2014、NNA, August 3, 2014、Reuters, August 3, 2014、SANA, August 3, 2014、UPI, August 3, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月3日)

、のままだという。

戦闘は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったイスラームの暁大隊のイマード・アフマド・ジュムア司令官をレバノン当局が2日に逮捕したことを発端として発生していた。

MTV(8月3日付)、NNA(8月3日付)によると、武装集団は、第83大隊の兵舎、アルサール専門学校検問所などを一時制圧したが、レバノン軍により奪還されたという。

武装集団に関して、LBCIは「そのほとんどがシリア人避難民キャンプからやって来た」と報じた。

Naharnet, August 3, 2014
Naharnet, August 3, 2014

その後、ウラマー委員会の仲介のもと、午後9時に人道停戦が発効し、負傷者や遺体の搬出作業が行われた。

一方、レバノンの声(8月3日付)によると、シリア軍戦闘機がアルサール村近郊を空爆し、武装集団戦闘員複数が死傷したという。

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LBCI(8月3日付)によると、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)によって、拉致された内務治安郡総局の隊員20人がユーチューブを通じてビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=G8lbArRkI3c)を出し、「レバノン軍によるアルサール村攻撃によって民間人の被害が出ることを回避するために、離反した」と発表した。

隊員らはまた、ヒズブッラーがシリア国内でテロ活動を行っていると非難した。

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ヒズブッラーは、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)に関して声明を出し、「組織されたテロ集団によるこうした犯罪の継続は、外国の保護や国内の事情によって支えられている」との見方を示したうえで、「こうしたテロ集団を正当化する口実を排除して…レバノン人はみなで立ち向かうべきだ」と主唱した。

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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首はレバノン山地県の遊説先で、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)に関して、「ヒズブッラーがシリアで戦っていることがレバノンにテロの脅威をもたらしたのではない」との見方を示すとともに、国内の不和を解消し、軍、治安部隊を支援し、タクフィール主義者に対抗する必要があると強調した。

ナハールネット(8月3日付)が伝えた。

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米国務省は声明を出し、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃(2日)に関して、犠牲者に哀悼の意を示すとともに、過激派を含むすべての当事者にレバノン政府を尊重するよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シリア人武装集団によるベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃を非難、レバノンの主権、独立、安定を尊重する必要を強調するとともに、レバノンのシリア人避難民の保護を求めた。

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NNA(8月3日付)によると、北部県トリポリ市のシリア街道、スタルコ地区、ブラード・ビーサール地区、グラバー地区、タラアト・ウマリー地区、クッバ地区で深夜、武装集団が発砲し、軍と交戦した。

AFP, August 3, 2014、AP, August 3, 2014、ARA News, August 3, 2014、Champress, August 3, 2014、al-Hayat, August 4, 2014、Kull-na Shuraka’, August 3, 2014、al-Mada Press, August 3, 2014、MTV, August 3, 2014、Naharnet, August 3, 2014、NNA, August 3, 2014、Reuters, August 3, 2014、SANA, August 3, 2014、UPI, August 3, 2014、Voice of Lebanon, August 3, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月3日)

『ハヤート』(8月3日付)は、ダマスカス郊外県ダーライヤー市で活動する地元評議会と武装集団がシリア政府との停戦交渉に向け、使節団を結成することで合意したと報じた。

活動家の一人によると、ダーライヤー市の反体制活動家らは、同市からのシリア軍の撤退、2,000人に及ぶ逮捕者、とりわけ女性、子供の釈放を盛り込むことを停戦合意締結の条件としているという。

これに対して、使節団メンバーの一人でムウタッズ・ムラードを名乗る活動家はフェイスブックで、過去数ヶ月にわたって、ダーライヤー市住民から、シリア政府と交渉を行い、現状改善を行うよう求める圧力を受けていたことを明かし、「名誉ある政治解決」をめざすとの意思を示した。

そのうえで、停戦合意の内容については、「住民が帰宅できるよう、ダーライヤー市周辺の軍の再展開がまず必要だ」との見方を示した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マッザ刑務所近く、ウマウィーイーン広場周辺、ムハージリーン区アーディル・バイハム学校近くなどに迫撃砲弾複数発が着弾し、ムハージリーン区で住民複数が負傷した。

これに関して、アジュナード・シャーム・イスラーム連合は声明を出し、ダマスカス県マーリキー地区、カフルスーサ区とマッザ86地区など治安厳戒地区を「防衛工場で製造した」手製の迫撃砲で攻撃した、と発表した。

なお、クッルナー・シュラカー(8月3日付)によると、アジュナード・シャーム・イスラーム連合は2日に、「アジュナード・ロケット作戦」と銘打って、イード・アル=フィトル中もダマスカス郊外県ダーライヤー市や東グータ地方に対して続けられたシリア軍の攻撃に対する報復として、ダマスカス県内の治安関連施設を攻撃すると予告していた。

一方、SANA(8月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市一帯で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月3日付)によると、ダーライヤー市、ムライハ市郊外、ナシャービーヤ農場、シャイフーニーヤ農場、アーリヤ農場、ドゥーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、フサイニーヤ町郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスル・ハリール市を軍が空爆し、子供6人が死亡、またタファス市を砲撃し、反体制武装集団戦闘員4人が死亡した。

またアトマーン村に対して軍は「樽爆弾」を投下した。

一方、SANA(8月3日付)によると、ダーイル町、ナワー市、フィキーア村、インヒル市、タッル・ムタウワク、ジャラーバー街道、サムリーン村・ズィムリーン村交差点などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市アースィー広場、サハーナ地区、ハイリーン地区に反体制武装集団が撃ったと思われる迫撃砲弾が着弾した。

これに対して、軍はラターミナ町を砲撃、またハッターブ村、ムーリク市一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イブリーン村を軍が砲撃、またアルバイーン山一帯では軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦した。

軍はこのほかにもマアッルシャマーリーン村周辺を地対地ミサイルで攻撃した。

一方、SANA(8月3日付)によると、アブー・ズフール町郊外、カフルナジュド町周辺、ハーッジ・ハンムード農場近郊、クマイナース町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マアスラーニーヤ地区、ダーヒヤト・アサド移築を軍が「樽爆弾」で空爆、ラーシディーン地区、シャイフ・ナッジャール市で、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動などと交戦した。

またフール村を軍が空爆し、住民17人が死亡したという。

一方、SANA(8月3日付)によると、アレッポ市シャッアール地区、ハイダリーヤ地区、バヤーヌーン町、バシャントラ村、ダイル・ハーフィル市、マンスーラ村、バーキド・アダス村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月3日付)によると、トゥルナジャ村、アイン・ダルブ村、マジュドゥーリーヤ村、ハズラジーヤ村方面で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 3, 2014、AP, August 3, 2014、ARA News, August 3, 2014、Champress, August 3, 2014、al-Hayat, August 4, 2014、Kull-na Shuraka’, August 3, 2014、al-Mada Press, August 3, 2014、Naharnet, August 3, 2014、NNA, August 3, 2014、Reuters, August 3, 2014、SANA, August 3, 2014、UPI, August 3, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア反体制勢力の動き(2014年8月3日)

クッルナー・シュラカー(8月3日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線やイスラーム戦線を主導する武装集団を除く武装集団18組織が共同声明を出し、「シリア革命指導評議会」を結成すると発表した。

シリア革命指導評議会に参加した18組織は以下の通り:

1. イスラーム軍

2. シャームの鷹旅団

3. ハズム運動

4. シャーム軍団

5. シリア革命家戦線

6. ムジャーヒディーン軍

7. ヌールッディーン・ザンキー運動

8. 革命の盾委員会

9. 第13師団

10. 第101師団

11. シリア解放戦線

12. フルサーン・ハック

13. ハック旅団

14. ガーブの鷹

15. ハック戦闘戦線

16. アンサール旅団

17. シリア殉教者大隊旅団連合

18. アジュナード・シャーム・イスラーム連合

声明によると、シリア革命指導評議会は、統合軍事評議会と合同司法委員会の設置を最優先事項に掲げ、同声明発表から45日以内に各部局を設置するという。

Kull-na Shuraka', August 3, 2014
Kull-na Shuraka’, August 3, 2014
Kull-na Shuraka', August 3, 2014
Kull-na Shuraka’, August 3, 2014
Kull-na Shuraka', August 3, 2014
Kull-na Shuraka’, August 3, 2014

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アジュナード・シャーム・イスラーム連合はユーチューブで声明を出し、ダマスカス県ジャウバル区で共和国護衛隊の将兵の30人を殺害したと発表、うち17人のID Cardを公開した。

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クッルナー・シュラカー(8月3日付)によると、イドリブ県で活動するハーリド・ブン・ワリード旅団はビデオ声明を出し、同県でシャームの民のヌスラ戦線との対立を深めているシリア革命家戦線からの脱退を発表した。

AFP, August 3, 2014、AP, August 3, 2014、ARA News, August 3, 2014、Champress, August 3, 2014、al-Hayat, August 4, 2014、Kull-na Shuraka’, August 3, 2014、al-Mada Press, August 3, 2014、Naharnet, August 3, 2014、NNA, August 3, 2014、Reuters, August 3, 2014、SANA, August 3, 2014、UPI, August 3, 2014などをもとに作成。

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