シリア反体制勢力の動き(2014年8月12日追記)

アレッポ市革命軍事評議会司令部(アブドゥッサライーム・ハミーディー大佐が議長)は声明を出し、アレッポ作戦司令室のウマル・アブドゥッラフマーン退役大佐を解任し、アフマド・マンスール中佐を後任の司令官に任命すると発表した。

Kull-na Shuraka', August 13, 2014
Kull-na Shuraka’, August 13, 2014

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クッルナー・シュラカー(8月12日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線は、イドリブ県ハーン・シャイフ・キャンプでイスラーム教を侮辱した罪で、住民をむち打ちの刑に処し、その映像を公開した。

『ハヤート』(8月14日付)によると、イドリブ県ハーン・シャイフーン市一帯は、「自由シリア軍」がハマー県ムーリク市に転戦したことで、「真空」状態が生じ、その隙を突くかたちで、ヌスラ戦線が勢力を伸張している、という。

Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、August 13, 2014、al-Hayat, August 14, 2014をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

諸外国の動き(2014年8月12日)

米豪外務防衛閣僚会合(2プラス2)がオーストラリアのシドニーで開かれた。

『ハヤート』(8月13日付)などによると、会合では、欧米諸国、オーストラリア、東南アジア諸国のジハード主義者たちが、中東地域、とりわけシリアとイラクでテロ行為に加担している問題が取り上げられ、両国は国連にこの問題への対応を共同提起することで合意した。

AFP(8月12日付)などによると、ジョン・ケリー米国務長官は、ジハード主義戦闘員が「母国に戻り、無秩序や混乱が起こるのを防ぐ措置を関係国がとれるようにする」必要があると述べた。

なお会合後の共同声明では、シリアとイラクで戦闘行為を続けるダーイシュ(イスラーム国)を「もっとも強い言葉で非難する」とした。

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月12日)

シリア国内の動き

ハサカ県では、ARA News(8月12日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とシリア軍の空軍情報部が、ジハード主義武装集団のグワイラーン自由人大隊によって占拠されているガザル検問所、ハサカ中央刑務所周辺などを砲撃、また人民防衛隊とグワイラーン自由人大隊が激しく交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

なおこの戦闘に先立ち、グワイラーン地区では11日、若者らによるデモが発生し、ダーイシュ(イスラーム国)にハサカ市での戦闘への介入と「背教と民兵からの解放」が求められた、という。

ARA News, July 12, 2014
ARA News, July 12, 2014

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アブー・ハマーム市、ガラーニージュ市、キシュキーヤ町で、ダーイシュ(イスラーム国)がシュアイタート部族民兵ら住民18人を処刑した。

なお同地制圧に際して、ダーイシュはイラクで捕獲して米国製のハンヴィー(HMMWV)を投入したという。

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アレッポ県では、ARA News(8月14日付)によると、アアザーズ市近郊のラーイー町で、ダーイシュ(イスラーム国)とクルド人戦線旅団が交戦、またダーイシュはアアザーズ市東部のカッラ・クーズ村とジャーフ・ラッシュ村の住民(クルド人)を追放した。

イラク国内の動き

アンバール県では、マダー・プレス(8月12日付)がアンバール作戦司令室筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)によるイラクからシリアへの武器、ロケット弾の密輸、持ち込みがにわかに増加している、と報じた。

またラマーディー市西部では、警察筋によると、ダーイシュとの戦闘によって警察治安部隊、覚醒評議会のメンバー7人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、サーマッラー作戦司令室によると、イラク軍の空爆でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員7人が死亡した。

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ディヤラ県では、第5機械化歩兵師団司令部によると、イラク軍がアズィーム地方における浄化作戦を完了した。

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バービル県では、治安筋によると、ジュルフ・サフル地方でのイラク軍の攻撃により、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員教練を統括するムハンマド・サイード・ダアミー氏ら複数の関係者が死亡した。

また同地方でのイラク軍の掃討作戦により、ダーイシュ戦闘員35人が死亡、10人が負傷した。

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、August 13, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月12日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方無人地帯(対レバノン国境)をシリア軍が空爆し、「備えよ」旅団司令官でレバノン人のアブー・ムハンマド・リファーイー氏を含むジハード主義武装集団戦闘員7人が死亡した。

シリア革命反体制勢力国民連立は、この空爆に関して、シリア軍が「樽爆弾」を投下し、リファーイー氏ら11人を殺害したと発表した。

LBCI(8月12日付)などによると、リファーイー氏はレバノンの北部県トリポリ市に本部を持つバシャーイル協会の代表で、ファールーク大隊創設メンバーの一人。ヒムス市バーブ・アムル地区、ダマスカス郊外県ヤブルード市、サフル村、ランクース市での戦闘に参加したのち、「備えよ」旅団司令官としてカラムーン作戦司令室に参画、自由シリア軍教練を担当していた。

またシリア人缶監視団によると、ムライハ市およびその周辺で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地を22回にわたり空爆した。

このほか、ドゥーマー市一帯、アルバイン市に対してもシリア軍は空爆を行った。

一方、SANA(8月12日付)によると、ザバダーニー市東部山岳地帯、カラムーン地方(マシュラファ市、ラアス・マアッラ町)無人地帯(対レバノン国境)、ムライハ市およびその周辺、バイト・ティーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線のリビア人、サウジアラビア人戦闘員や、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

Naharnet, July 12, 2014
Naharnet, July 12, 2014

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が各地に「樽爆弾」を投下、6人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ジャースィム市、ラジャート高原、ナワー市、ダルアー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ウンム・シャルシューフ村南部で、シリア軍がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月12日付)によると、カフルタハーリーム町にあるシャームの民のヌスラ戦線の拠点をシリア軍が攻撃し、「テロリスト」35人を殲滅した。

またアイン・フサイン村、イッズッディーン町、サアン村、タドムル市郊外のカラア地方で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルトゥーン村近郊で反体制武装集団がシリア軍を要撃し、士官を拉致、兵士3人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市カルム・タッラーブ地区を手製の迫撃砲で攻撃した。

またシリア軍がアレッポ市のバーブ・ナイラブ地区を「樽爆弾」で空爆し、女性2人、子供5人を含む10人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、アレッポ市カースティールー地区、マルジャ地区、ハナーヌー地区、マイサル地区、フィルドゥース地区、旧市街、クワイリス村、アルド・マッラーフ地区、カフルハラブ村、シャイフ・アフマド村、タッル・スースィーン村、アフタリーン市、ハズワーン村、ハーン・トゥーマーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月12日付)によると、ビイル・アジャム村、ジャディーダ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、LBCI, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月12日)

AFP(8月12日付)によると、シリア当局は、イラクのモスル県スィンジャール郡へのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻によって、スィンジャール山に避難したイラク人(ヤズィード教徒)約1,000人を受け入れることを決定した。

SANA(8月12日付)によると、シリアのキンダ・シャンマート社会問題大臣は、ハサカ県マーリキーヤ郡にイラク人避難民約1,000人を収容するのための集合仮設住宅(テント700張)を確保したことを明らかにした。

そのうえで、シャンマート社会問題大臣は、国連世界食糧計画(WFP)に対し、ハサカ県への支援物資の空輸を増加させるよう呼びかけた。

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ワーイル・ハルキー首相は、ダマスカスを訪問中のアーサリン・カズン国連世界食糧計画(WFP)事務局長と会談した。

SANA(8月12日付)によると、会談でハルキー首相は、タクフィール主義テロ組織のテロ行為によって被災した国民への人道支援物資の配給のため、WFPなどの国際機関と協力する意思を改めて伝えた。

カズン事務局長はまた、ワリード・ムアッリム外務大臣、キンダ・シャンマート社会問題大臣とも個別に会談し、シリアへの人道支援物資の配給などについて意見を交わした。

SANA, July 12, 2014
SANA, July 12, 2014

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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