諸外国の動き(2014年8月21日)

米国のチャック・ヘーゲル国防長官は、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長と会見を開き、シリアとイラクで台頭するダーイシュ(イスラーム国)に関して、高度な軍事力や豊富な資金を有する「これまでに見たことがない組織だ」と述べ、警戒感を示した。

ヘーゲル国防長官は、イスラーム国が「単なるテロ組織の枠を超えている」としたうえで、「あらゆる事態に備えねばならない」と強調、「米軍の関与は終わらない」と述べた。

そのうえで、シリア国内でのダーイシュへの空爆について「引き続きあらゆる選択肢を考えている」と排除しない考えを示した。

同席したデンプシー統合参謀本部議長も、ダーイシュを打倒するには、シリア国内で対処する必要があるとしたうえで、「空爆もその一つだ」と語った。

しかし、米軍が直接空爆を行う可能性については「少なくとも米国が行うことは予期していない」と述べ、現時点では否定した。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、QNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月21日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、タブカ航空基地の攻略をめざすダーイシュ(イスラーム国)と同飛行場周辺で激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員11人を殺害した。

シリア軍はまた、飛行場周辺に対して「樽爆弾」、スカッド・ミサイルなどで空爆・砲撃を行った。

一方、ダーイシュは、爆弾を積んだ自動車で2度にわたって自爆攻撃を行い、シリア軍にも7人の戦死者が出たという。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月21日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、工業地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ジュバイラ地区、ジスル・スィヤーサ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(8月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊・アサーイシュが、ハサカ市グワイラーン地区で、ダーイシュ(イスラーム国)の支持者とされるハサン・タイス氏の自宅を攻撃し、ダーイシュを支持する武装集団メンバー5人を殺害した。

また対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町南部のハビービーヤ村、スッカリーヤ村、クーズ村、ジャズア村一帯で、民主統一党とダーイシュが20日晩から交戦を続けた。

このほか、クッルナー・シュラカー(8月21日付)によると、20日晩、ラアス・アイン市南部のブワイダ村で、人民防衛隊がダーイシュと交戦した。

イラク国内の動き

キルクーク県では、治安筋によると、イラク軍がトゥーズ郡スライマーン・ベク地方にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員20人を死傷させた。

またフワイジャ郡北西部で、部族民兵が未明にダーイシュの車列を襲撃し、ダーイシュ戦闘員10人を殲滅した。

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バービル県では、治安筋によると、ジュルフ・サフル地方でのイラク治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、ダーイシュ司令官1人と副官3人が死亡した。

またイラク軍は同地一帯を空爆し、ダーイシュ戦闘員22人を死傷させた。

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アンバール県では、アンバール作戦司令室によると、ラマーディー市西部のハディーサ郡で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)の襲撃を撃退し、ダーイシュ戦闘員12人を殺害した。

一方、ヒート郡では、警察と覚醒評議会の合同部隊の車列がダーイシュの攻撃を受け、警官ら9人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、治安筋によると、ティクリート市南部のダルーイーヤ郡北部でのイラク警察治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘で、ダーイシュ戦闘員3人が死亡、警官3人が負傷した。

諸外国の動き

ヨルダンのジハード主義潮流のムハンマド・シャラビー氏(アブー・サヤーフ)は『ハヤート』(8月22日付)に対し、今週1週間でヨルダンの治安当局が、同潮流の若者約20人を「ダーイシュ(イスラーム国)を支援しているとの容疑」で、「不当逮捕」したことを明らかにした。

シャラビー氏によると、治安当局による逮捕・摘発はアンマン、サルト、サルトなどで行われ、逮捕された若者は「ほとんどがダーイシュを支援しており、シャームの民のヌスラ戦線を支持しているのはわずかだ」という。

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カタール外務省報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)による米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏処刑に関して「犯罪集団の手による殺害をもっとも強い表現で非難する」と述べるとともに、「シリアの民間人の苦難の真相の解明など、危険地での真相報道を行ってきた故人の勇気」を高く評価、哀悼の意を示した。

カタール通信(QNA、8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、QNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月21日)

ダマスカス郊外県では、SANA(8月21日付)によると、ザーキヤ町西部、フサイニーヤ町郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、ムライハ市郊外、アイン・タルマー渓谷、ナシャービーヤ農場、アルバイン市、ザマルカー町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月21日付)によると、ウーファーニヤー村、ハズラジーヤ農場で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月21日付)によると、ダーイル町南部、ナワー市周辺、ジュムーア丘、ラジャート高原、ヒルバト・ガザーラ町周辺、ダルアー市旧税関地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月21日付)によると、ウンク・ハワー村、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タッル・ザハブ町、ダイル・フール村、サアン村、アルシューナ村、西サラーム村、マリーミーン村、西グール村、カルヤタイン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月21日付)によると、ウワイジャ地区、サルジャ村、ブラート村、ハーン・アサル村、カフルダーイル村、アレッポ市カッラーサ地区、シャッアール地区、ライラムーン地区、ハナーヌー地区、ジュダイダ地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月21日付)によると、スビールー村、クマイナース村、バラーギーティー村、ムスタリーハ村、イドリブ市・ハーリム市街道、バズィート村、バーリス村、アブー・ズフール町西部、ハミーマート・ダーイル村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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「国民和解合意」(停戦合意)をめぐる動き(2014年8月21日)

Watan FM(8月21日付)は、ノルウェーの首都オスロで、シリア政府に近いビジネスマン、商人、反体制武装集団代表、シリア国内外の反体制活動家が非公式会合を開き、紛争の政治的解決などについての審議を開始したと報じた。

「オスロ会合」と称されるこの非公式会合は3日間の審議を予定しており、英国、ノルウェー、スウェーデンが開催を支援しているという。

会合には、反体制勢力の側から、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、クナイトラ県で武装活動をしているアンサール・イスラーム戦線、ハビーブ・ムスタファー、シリア解放戦線、シリア東部および北部で活動する武装集団の代表ら、シリア政府からはマルウィー・フアード女史(国連特使担当局長)が参加しているほか、政権、反体制勢力のいずれにも属さない「グレーゾーン」の要人も出席しているという。

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『ハヤート』(8月22日付)は、ダマスカス県カダム区およびアサーリー地区で発効した停戦合意(国民和解合意)の内容を明らかにした。

同報道によると、停戦合意は以下11項目などからなるという。

1. 当事者によるすべての発砲停止。

2. シリア軍のカダム区からの完全撤退。

3. カダム区入り口へのシリア軍の検問所の設置。

4. 民間人の帰宅を促すための道路の整備・清掃

5. 主要道路の再開。

6. ライフ・ライン、生活インフラの復旧。

7. カダム区、アサーリー地区での逮捕者、とりわけ女性と子供の釈放。

8. 「自由シリア軍」による武器携帯、自治運営、国家機関や公務員の保護。

9. カダム区、アサーリー地区の「自由シリア軍」400人からなる治安維持部隊の設置。

10. 治安維持部隊と軍による検問所の共同管理。

11. 負傷者の治療。

カダム区、アサーリー地区は、サハーバ大隊、カダム・ムジャーヒディーン、シャーム解放、シャームの民のヌスラ戦線などによって占拠されていた。

この停戦合意に、ヌスラ戦線は参加していないという。

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ダマスカス県では、SANA(8月21日付)によると、カダム区でシリア軍と反体制武装集団の間で「国民和解合意」(停戦合意)が発効したのを受け、同地区住民数十世帯が帰宅、またシリア軍が住民に支援物資を配給した。

SANA, August 21, 2014
SANA, August 21, 2014

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014、Watan FM, August 21, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月21日)

シリア人権監視団は、2011年3月18日から2014年8月20日までの3年5ヶ月間での紛争による死者総数が18万215人に達していると発表した。

同監視団によると死者の内訳は、民間人(武装した民間人を含むという)が5万8,805人(うち子供9,428人、女性6,036人)、軍および親政権民兵が6万8,780人(うち軍、治安部隊が4万438人、人民諸委員会や国防隊が2万5,927人)、反体制武装集団戦闘員が4万9,699人、シャームの民のヌスラ戦線やイスラーム(ダーイシュ)などに属す外国人戦闘員が1万6,855人、ヒズブッラーなどの親政権の外国員戦闘員が1,854人、身元不明が2,931人。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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シリアで日本人が拉致(続報、2014年8月21日)

アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)と拘束されたとされる日本人男性に関して、NHK(8月20、21日付)、『読売新聞』(8月20、21日付)は、この男性と行動をともにしていたというイスラーム戦線メンバーを名乗る人物の話として、「この男性は無事で、我々のもとにいる」との連絡をダーイシュから得たと報じた。

イスラーム戦線メンバーによると、男性を拘束しているとされる組織との接触は仲介人を通じて行われており、同組織は男性の解放に向けた捕虜交換に前向きな姿勢を示しているという。

ただ、この組織のどのレベルの人物が回答してきたかは分からず、現在、この人物について調べるとともに、交渉の具体的な時間や場所について、やり取りを進めているという。

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またTBS(8月20日付)も、この男性が5月にシリアに不法入国した際にバーブ・サラーマ国境通行所で合流し、同行したという「自由シリア軍」メンバーを名乗る人物の話として、この男性が無事で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点であるアレッポ県バーブ市に移されたものと思われると報じた。

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一方、共同通信(8月21日付)は、日本政府当局者が18日夜、トルコのイスタンブールで、シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)のハーディー・バフラ議長と会談していたと報じた。

詳細は不明だが、会談は日本側の要請によるもので、男性の解放に向けた支援が求められたという。

シリア革命反体制勢力国民連立筋が明らかにした。

なお、日本外務省のヨルダン現地対策本部は「誰と接触しているかは明らかにできない」と述べ、確認を避けたという。

NHK、TBS、共同通信、読売新聞などをもとに作成。

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