諸外国の動き(2014年8月22日)

オランダのフランス・ティマーマンス外務大臣はハーグで記者団に対し、「イラクでダーイシュ(イスラーム国)に対してより断固たる方針をとることを主唱している人々は、シリアでもこの組織と戦う準備ができてのみ成果をなすということを理解しなければならない」と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、国連安保理決議2139号に関する報告書のなかで、シャームの民のヌスラ戦線が、シリア・トルコ間の密輸業を完全に掌握しており、それが同組織の主要な活動資金になっていると指摘した。

ARA News(8月23日付)が伝えた。

AFP, August 22, 2014、AP, August 22, 2014、ARA News, August 22, 2014、August 23, 2014、Champress, August 22, 2014、al-Hayat, August 23, 2014、Kull-na Shuraka’, August 22, 2014、al-Mada Press, August 22, 2014、Naharnet, August 22, 2014、NNA, August 22, 2014、Reuters, August 22, 2014、SANA, August 22, 2014、UPI, August 22, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月22日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ航空基地周辺での20日以降のシリア軍によるスカッド・ミサイルなどでの空爆や地雷の爆発で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員70人が死亡した。

シリア軍はタブカ航空基地以外のラッカ県各所でも、ダーイシュの拠点に対して「樽爆弾」での空爆を行った。

シリア軍は24日には、タブカ航空基地に増援部隊をヘリコプターで派遣したという。

他方、クッルナー・シュラカー(8月22日付)によると、ダーイシュ・ラッカ州のシャリーア委員会が、ダーイシュ諜報機関の連絡調整担当官であるアブー・ウバイダ・マグリビー氏を含む3人を、背任、逃亡(トルコへの逃亡を計画)、欧米および地域諸国の諜報機関との内通の罪で処刑した。

マグリビー氏は、アレッポ県アイン・アラブ市出身のクルド人で、ダマスカス大学卒業後、2012年にダーイシュに参加していた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフティームッラート村にクルド人戦線旅団やジハード主義武装集団が突入を試み、同村周辺でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ダーイシュはまた、イスラーム戦線タウヒード旅団の本拠地であるマーリア市を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(8月22日付)によると、ヒサーン村で、ダーイシュ(イスラーム国)が、アブナー・イスラーム運動シャリーア委員会のムハンマド・シャイフ委員長(アブー・サッラージュ)を「背教」の罪で処刑した。

シャイフ委員長は、元政治犯で、釈放後にアンサール大隊に所属、その後アブナー・イスラーム運動シャリーア委員会の委員長に就任し、ダイル・ザウル県の他の武装集団とともにシャームの民のヌスラ戦線に忠誠を誓っていた。

Kull-na Shuraka', August 22, 2014
Kull-na Shuraka’, August 22, 2014

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ハサカ県では、ARA News(8月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、マギーラート村を奪還したと発表した。

声明によると、この戦闘で人民防衛隊隊員15人、ダーイシュ戦闘員100人以上が死亡した。

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レバノンの動き(2014年8月22日)

ヒズブッラーは、ダーイシュ(イスラーム国)による米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏処刑に関して声明を出し、「テロ集団によって勇敢なままに殺害された」と哀悼の意を示したうえで、「テロ集団に資金、武器を供与し、シリアとイラクでの恐るべき犯罪を政治的に隠蔽し、沈黙を装うことこそ…恐るべき行為の主因だ」と述べ、両国でのジハード主義武装集団を支援してきたトルコ、サウジアラビア、カタールなどを暗に批判した。

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ベカーア県バアルベック郡アルサール村を8月初めに襲撃した武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)が拉致した内務治安軍総局隊員ら24人のうち、隊員8人とレバノン軍兵士1人の合わせて9人が撮影された映像がユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=A41L-5mr1Mg)にアップされた。

ビデオで、隊員らは、「悪魔の党」(ヒズブッラーのこと)のシリアへの干渉に抗議するためのデモや道路封鎖を行うよう家族に対して呼びかけ、もしそうしなければ自分たちは殺害されるだろうと語った。

Naharnet, August 22, 2014
Naharnet, August 22, 2014

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シリア国内の暴力(2014年8月22日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シーハ村近郊でのシリア軍との戦闘で、ジハード主義武装集団の司令官が死亡した。

またシリア軍はハラファーヤー市に空爆を行い、同地一帯やハスラーヤー村で反体制武装集団と交戦し、反体制武装集団戦闘員5人を含む10人以上が死亡した。

これを受け、シャームの民のヌスラ戦線が、反体制武装集団を支援するために、アレッポ県方面からハラファーヤー市一帯に増援部隊を派遣した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シャアラーン地区のダール・サラーム学校近くにジハード主義武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、子供3人を含む4人が死亡した。

ヤルムーク区出身の男性1人が治安機関の拘置所で拷問を受け死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市へのシリア軍の空爆で女性1人が死亡した。

シリア軍はまたインヒル市、ダーイル町、東ガーリヤ村を「樽爆弾」で空爆し、子供5人が死亡した。

このほか、ダルアー市で負傷していた男性1人が死亡したほか、ムサイフラ町出身の男性2人が治安機関の拘置所で拷問を受け死亡した。

一方、SANA(8月22日付)によると、ダルアー市マンシヤ地区、ヌアイマ村、ラジャート高原、サイダー町、アトマーン村・ダーイル市街道、ヤードゥーダ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(8月22日付)によると、ムライハ市郊外のTAMICOを占拠していた「テロ集団」をシリア軍が掃討した。

またアドラー市旧市街、ドゥーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、バスィーマ町では、地元和解プロセスの一環で反体制武装集団元メンバー180人が当局に投降、その後放免となり、釈放された。

Kull-na Shuraka', August 22, 2014
Kull-na Shuraka’, August 22, 2014

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ヒムス県では、SANA(8月22日付)によると、シャーイル山(ハマー県)西部、ウンム・シャルシューフ村、タルビーサ市、ウンム・リーシュ市、ラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月22日付)によると、ナフラ町、マアッルバリート村、シャビーバ軍事基地周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(8月22日付)によると、ジャドル・シヤーフ街道で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月22日)

クッルナー・シュラカー(8月22日付)は、ダマスカス郊外県での化学兵器使用事件(2013年8月21日)1周年に合わせて、反体制活動家らが、ダマスカス郊外県ダーライヤー市でシリア軍が毒ガスを使用し、3人が死亡、45人が負傷したと主張している、と報じた。

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シリアで日本人が拉致(2014年8月22日)

アレッポ県のムハンマド・アッカード知事は、共同通信(8月21日付)と会見し、ダーイシュ(イスラーム国)によると思われる日本人の拉致に関して、「ダーイシュから捕虜交換の要請があれば、解放に向けて支援する用意がある」と述べ、釈放に向けた協力の意思を示した。

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『読売新聞』(8月23日朝刊)は、ダーイシュ(イスラーム国)によって拉致されたとされる日本人男性と行動をともにしていたというイスラーム戦線メンバーが、この男性の解放に向けた直接交渉を開始したことを明らかにしたうえで、「解放条件が身代金なのか捕虜交換なのかは不明だが、我々は要求に応える準備がある」と語ったと報じた。

このメンバーによると、拉致されたとされる男性は現在、ダーイシュが制圧するアレッポ県バーブ市で拘留されていると見られるという。

しかし、『読売新聞』(8月23日夕刊)は、ダーイシュと直接交渉を始めたとするイスラーム戦線メンバーが22日、「ダーイシュとの戦闘が激化して状況が急変し、交渉は進まなかった」と明かした。

このメンバーによると、イスラーム戦線はバーブ市にメンバー4人を派遣し、当初は電話で交渉を始めたという。

だが、22日からバーブ市一帯での戦闘激化を受けて、予定されていたイスラーム戦線とダーイシュの代表の面会は中止されたという。

なお、イスラーム戦線メンバーがバーブ市で収集した情報によると、拉致された男性は「拘束時に顔や体にけがを負ったが、無事のようだ」という。

共同通信2014年8月22日、『読売新聞』2014年8月23日などを参照。

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