70%以上がシリア政府と反体制派の直接交渉による紛争解決を支持(SADA世論調査)

反体制NGOのサダー研究世論調査機構は、紛争解決に向けたシリア政府と反体制派の直接対話に関する世論調査を実施し、70%以上が対話を支持しているとする結果を発表した(http://www.sadasy.org/?p=101)。

世論調査は、トルコ、レバノン、ヨルダンで暮らすシリア人避難民、シリア国内の複数の都市(場所は不明)居住者1,700人の対象に7月15日から8月10日にかけて実施、回答者は女性を全体の40%、40歳未満を全体の60%に配分するかたちでランダムに選択された。

結果は以下の通り:

1. シリア政府との直接交渉が紛争解決の糸口となるか? なる638人、ならない395人、国際社会が保障すればなる607人。

2. 国内の反体制派(民主的変革諸勢力国民調整委員会、シリア国家建設潮流など)はこの交渉で反体制派の一部とみなし得るか? みなし得る689人、みなし得ない640人、交渉における提案次第311人。

3. 国内での戦闘停止を交渉開始の条件とすべきか? すべき1,164人、すべきでない214人、優先事項とすべき262人。

4. 大国が交渉を監督、保障すべきか? すべき1,378人、すべきでない147人、アラブ諸国がすべき115人。

5. 交渉の期間はどのくらいかかると思うか? 1年以下98人、2年以下148人、3年以下295人、長期間を要する1,099人。

 

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月30日)

ダイル・ザウル県では、SANA(8月30日付)によると、ムーハサン市、マリーイーヤ村、ブー・ウマル村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団が、ハサカ市グワイラーン地区の話として、同地区で活動する武装集団を指導する「チュニジア人アミール」が、ダーイシュ(イスラーム国)への忠誠を宣言する準備をしていることを明らかにした。

これに関して、ARA News(8月30日付)は、シリア軍が、ダーイシュのチュニジア人司令官「アブー・ズバイル」がグワイラーン地区に潜入し、同地区の武装集団の司令官になったことを受け、同地への総攻撃の準備を行っている、と報じた。

このほか、シリア人権監視団によると、ムーハサン市、マヤーディーン市で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対する空爆を行った。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)が、クルド人戦線旅団、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, August 30, 2014、AP, August 30, 2014、ARA News, August 30, 2014、Champress, August 30, 2014、al-Hayat, August 31, 2014、Kull-na Shuraka’, August 30, 2014、al-Mada Press, August 30, 2014、Naharnet, August 30, 2014、NNA, August 30, 2014、Reuters, August 30, 2014、SANA, August 30, 2014、UPI, August 30, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力:ヌスラ戦線、イスラーム戦線、ハズム運動などがイドリブ県で攻撃を激化(2014年8月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺の検問所、マストゥーマ軍事基地、イドリブ市郊外の煉瓦工場に対して、ジハード主義武装集団が砲撃を行い、シリア軍と交戦した。

ワーディー・ダイフ軍事基地周辺での戦闘により、シリア軍兵士3人が死亡したしたという。

これに関して、クッルナー・シュラカー(8月30日付)は、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム軍団、イスラーム戦線、ハズム運動、シリア革命家戦線、第13師団、第101師団、ガーブの鷹が「統一軍の戦い」を銘打って、ワーディー・ダイフ軍事基地に対する攻撃を激化させたと報じた。

これに対して、シリア軍はマアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市一帯を空爆した。

このほか、イシュタブリク村(アラウィー派の村)周辺で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月30日付)によると、クマイナース村、マアッラト・ヌウマーン市、ナイラブ村、カフルラーター村、アルバイーン山一帯、クーリーン村、ラーマ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区に対し11回にわたり空爆を行うとともに、同地区内でシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月30日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団などによると、ドゥーマー市、ザーキヤ町、ザバダーニー市をシリア軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(8月30日付)によると、アウジャ村、ハーン・シャイフ・キャンプ、ザバダーニー市、フライタ村郊外の無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市各所をシリア軍が空爆、またハラファーヤー市に「樽爆弾」を投下した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区一帯で、シリア軍がジハード主義武装集団と交戦した。

またシリア軍はアレッポ市ジャバル・バドルー地区に「樽爆弾」を投下し、子供1人と女性2人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(8月30日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、航空士官学校周辺、歩兵士官学校周辺、ハーン・アサル村、ウンム・クラー町、ハイヤーン町、マーリア市、カフル・カルミーン村、ナイラブ航空基地周辺、シャイフ・ルトフィー村、アレッポ市スッカリー地区、ザバディーヤ地区、アンサーリー地区、旧市街、ライラムーン地区、アグユール交差点一帯、シュカイフ地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月30日付)によると、ナブア・サフル村、西サムダーニーヤ村、マジュドゥーリーヤ村、ルワイヒーナ村周辺、ブライカ村周辺、ルワイヒーナ・ダム周辺などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月30日付)によると、アトマーン村東部、サムリーン村・ズィムリーン村交差点、ジーザ町、インヒル市、ラジャート高原、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道、ダルアー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月30日付)によると、ラッフーム村、ファーウシャーウィーシュ村、西サラーム村、マスアダ村、ウンム・リーシュ村、ジャズル・ガス採掘所周辺、ウンム・シャルシューフ村などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ヒムス県で当局に投降した反体制武装集団メンバーら66人が、同県の国民和解会合委員会の支援のもと、免罪となり、釈放された。

AFP, August 30, 2014、AP, August 30, 2014、ARA News, August 30, 2014、Champress, August 30, 2014、al-Hayat, August 31, 2014、Kull-na Shuraka’, August 30, 2014、al-Mada Press, August 30, 2014、Naharnet, August 30, 2014、NNA, August 30, 2014、Reuters, August 30, 2014、SANA, August 30, 2014、UPI, August 30, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国内の暴力:ヌスラ戦線がUNDOF隊員を拉致(2014年8月30日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ゴラン高原のルワイヒーナ村一帯で早朝、UNDOFがシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

これ関して、フィリピンのヴォルテル・ガズミン外務大臣は、記者団に対して文書で、UNDOFに所属するフィリピン軍部隊72人がゴラン高原の拠点2カ所に分かれて孤立、うち拠点1カ所に駐留していた部隊は脱出したが、もう一つの部隊が攻撃を受けていることを明らかにした。

また、『ハヤート』(8月31日付)は、国連高官の話として、ゴラン高原の非武装地帯で孤立していたUNDOFフィリピン軍部隊隊員72人のうち32人が、ヌスラ戦線などからなる武装集団との戦闘の末に、無事脱出したことを明らかにしたと報じた。

ヌスラ戦線らは27日にフィリピン軍部隊を包囲し、武器の引き渡しと降伏を求めているが、フィリピン軍部隊はこれを拒否しているという。

AFP, August 30, 2014、AP, August 30, 2014、ARA News, August 30, 2014、Champress, August 30, 2014、al-Hayat, August 31, 2014、Kull-na Shuraka’, August 30, 2014、al-Mada Press, August 30, 2014、Naharnet, August 30, 2014、NNA, August 30, 2014、Reuters, August 30, 2014、SANA, August 30, 2014、UPI, August 30, 2014などをもとに作成。

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