レバノンの動き(2015年1月27日)

ナハールネット(1月27日付)によると、レバノン軍がベカーア県バアルベック郡ラアス・バアルベック市郊外の武装集団拠点などに対して砲撃を行った。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:アイン・アラブ市郊外でのYPGの進軍続く(2015年1月27日)

アレッポ県では、ARA News(1月27日付)によると、アイン・アラブ市を制圧した西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、同市東部郊外のタッル・ハージブ村一帯などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ハルナジュ村、マズラアト・ダーウード村、ディーハービク村などを制圧した。

人民防衛隊はまた、アイン・アラブ市南部郊外のマナーズ村周辺でもダーイシュと交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ティヤーナ村、ダイル・ザウル市各所でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

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 ヒムス県では、SANA(1月27日付)によると、シャーイル・ガス採掘所周辺で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:イドリブ、ラタキアなどで戦闘(2015年1月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザーウィヤ山のバーラ村、ヒザーリーン村、マアッラトマーティル村、タラブ村、ウンム・ジャッリーン村、ハミーディーヤ村、アブー・ズフール町一帯を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(1月27日付)によると、ラーミー村、バサーミス村、カフルシャラーヤー村、ハミーディーヤ村、タラブ村、ウンム・ジャッリーン村、タッル・サラムー村、サルミーン市、ナフラ村、シャイフ・ユースフ村、ダルクーシュ町南部などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町一帯(いわゆる「クルド山地」)をシリア軍が空爆する一方、ジハード主義武装集団が、マシュキーター村、スクービーン村、アイン・バイダー町、バフルーリーヤ村などを砲撃し、女性1人を含む3人が死亡した。

またスィラージュ・プレス(1月27日付)によると、「クルド山地」(場所は不明)と称される一帯で、サラーフッディーン末裔大隊のハーリド・ハーッジ・バクリー司令官(アブー・サーミー)が何者かに暗殺された。

一方、SANA(1月27日付)によると、ダイル・ハンナ村、スッカリーヤ村、カンタラ村、ブルジュ・ハヤート村、アティーラ村、カッラス村、フラーフィー山、ズワイク村、キンサッバー町、カビール村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマーダト・ウマル村、ラフジャーン村、クライブ・サウル村、ラターミナ町、カルマス村などをシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サイファート村、ハンダラート・キャンプ一帯、アレッポ市ブスターン・カスル地区などで、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(1月27日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市一帯、カラムーン地方対レバノン国境無人地帯を砲撃した。

一方、SANA(1月27日付)によると、ドゥーマー市、フーシュ・ファーラ農場、バハーリーヤ村、サアサア町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、カーラ市郊外無人地帯では、「レバノンのムスタクバル潮流の支援を受けた」ジハード主義武装集団のレバノン領からの潜入をシリア軍が阻止、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市でのシリア軍との戦闘でジハード主義武装集団戦闘員15人を含む16人が死亡した。

またシリア軍はイブタア町、アクラバー村、アトマーン村、サイダー町、ジーザ町、ダイル・アダス村、インヒル市、ダルアー市各所などを空爆した。

一方、SANA(1月27日付)によると、シャイフ・マスキーン市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月27日付)によると、カフルラーター村、タイバ村、マリーミーン村、シャニーヤ村、ムシャイリファ村、マスアダ村、ラスタン市、ガジャル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、Siraj Press, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

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シリア外務省、イスラーム軍によるダマスカス無差別砲撃への安保理非難決議を呼びかける(2015年1月27日)

外務在外居住者省は国連安保理議長、事務総長に宛てて書簡を送付し、25日のイスラーム軍によるダマスカス県への無差別ロケット弾攻撃を「テロ行為」として非難し、「イスラーム軍をテロ組織に指定し、「実行犯とその背後にいる国々、勢力」とりわけサウジアラビア、トルコ、カタールへの制裁を定めた安保理決議を採択するよう要請した。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

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西クルディスタン移行期民政局はアイン・アラブ市奪還を宣言(2015年1月27日)

西クルディスタン移行期民政局執行評議会(コバネ)のアンワル・ムスリム議長と人民防衛隊のマフムード・バドルハーン総司令官は記者会見を開き、アイン・アラブ市をダーイシュ(イスラーム国)から完全に解放したと宣言した。

『ハヤート』(1月28日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

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イスラーム国報道官による声明(2015年1月26日)

ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官と思われる人物が音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=kGq8k4WC8B0)を出し、ホラサン地方に拡大したと発表した。

アドナーニー報道官は「我々はムジャーヒディーンにイスラーム国がホラサンに拡大したことをことを告げる。これは(同地)のムジャーヒディーンがカリフ制の条件を満たし、州(ウィラーヤ)を宣言を受けたものである」と述べた。

Youtube, January 26, 2015をもとに作成。

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ダイル・ザウルで「マヤーディーンの鷹」を名のる集団がイスラーム国幹部ら11人を襲撃・殺害(2015年1月26日)

ダイル・ザウル県では、ARA News(1月27日付)によると、「マヤーディーンの鷹」を名のる集団が、マヤーディーン市とカム石油貯蔵所を結ぶ街道で、ダーイシュ戦闘員が乗った車を襲撃、マヤーディーン市のワーリー補佐を務めるイラク人司令官ムハンマド・ファッラーフ・カルカズ氏、シューラー検問所司令官(アミール)アブー・タルハ・トゥーニスィー氏、サラーフ・アリー氏、ヒシャーム・カースィム氏らダーイシュ・メンバー11人を殺害した。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領、米『フォーリン・アフェアーズ』誌のインタビューに応じる(2015年1月26日)

アサド大統領は米『フォーリン・アフェアーズ』誌の単独インタビュー(http://www.foreignaffairs.com/discussions/interviews/syrias-president-speaks)に応じた。

The Foreign Affairs, January 26, 2015
The Foreign Affairs, January 26, 2015

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「すべての戦争は、世界のどこで行われようと、政治的解決をもって終わる。なぜなら戦争それ自体は解決策ではなく、戦争は政治のツールの一つだからだ」。

(シリアが政府、ダーイシュ(イスラーム国)やヌスラ戦線といったイスラーム過激派、スンナ派とクルド人からなる反体制派の三つの「小国家」に分断されているとの質問に対して)「まずこのイメージは正確でない…。シリア国民は依然としてシリアの統合を支持している。彼らは政府を依然として支持している。あなたが言っている派閥は一部の地域を制圧はしているが、彼らはあちらこちらに移動し、定着していない…。住民は、国家を政治的に支持しているかいないかはともかくとして、国家を支持している。つまり、彼らは国家をシリアの統合の代表として支持している。シリア国民が統合を信じている限り、どんな政府、役人でもシリアを統合できる。国民が二つ、三つ、四つの集団に分かれていれば、この国を統合はできない」。

(スンナ派とクルド人が依然としてシリアの統合を信じているのかとの問いに対して)「もしダマスカスに今来れば、事態が異なっていることが分かる…。シリアの分断は、宗派やエスニック集団によるものではない…。それは特定の地域を軍事的に支配する派閥によるものだ」。

「当初から、我々は開放的だ。我々はすべての党派と対話を行ってきた…。またどんな解決策であれ、最後には信任投票を通じて国民に問うべきだ…。シリア国民に問うべきだ。つまり、対話を行うことは、決定を行うこととは別問題だ。決定は、政府、反体制派のいずれもが行うものではない」。

「我々はロシアに行って、こうした交渉を行う。しかし別の問いがそこにはある。誰と交渉するのかというものだ。我々は政府として、組織、軍を持っている…。これに対して、我々の交渉相手となる者たちは、誰を代表しているのか? ここに問題がある。反体制派とは通常、地方自治体、議会などに代表を持っている…。あるいは草の根を持ち、人々を代表していなければならない…。反乱分子が公式に発表してきたことに立ち返らねばならない。彼らは何度も、反体制派は自分たちを代表していないと言ってきた…。別の側面もある。反体制派とは国民的(愛国的)であるもので、シリア国民の利益のために活動することを意味する。もしカタールやサウジアラビア、さらには米国をはじめとする西欧諸国の操り人形だとしたら、それは反体制派ではない…。反体制派はシリアの反体制派でなければならない。我々には国民的(愛国的)な反体制派がいる。私はこうした反体制派を排除しない。すべての反体制派が合法的なわけではないが、国民的(愛国的)な反体制派と操り人形は区別されなければならない」・

(モスクワで開催されるシリア政府と反体制派の和平交渉(モスクワ1)に関して「モスクワで行われているのは、解決策に関する交渉ではない。それは(和平)会議の準備だ…。どのように対話を準備するかを交渉する。会議について話し始める場合、その原則となるものは何か?… 一部のグループは、先ほど述べた通り、他国の操り人形だ…。フランスをはじめとする多くの国は、会議が成功することには関心がない。だから、彼らはこうしたグループに会議を失敗させようと命令を出している。自分たちしか代表していない者、シリアの誰も代表していない者もいる…。反体制派を一つの勢力だとして話す場合、誰が誰に影響力を及ぼしているのか? これが問題だ。こうしたことはまったく明らかでない。だから楽観というのは大げさだ。ただ、私は悲観しているとは言いたくない。希望があると言いたい」。

(和平交渉を成功させるために)「反乱分子に対処することだ。しかし反乱分子には2種類ある。今やその大多数は、アル=カーイダ、つまりはイスラーム国やヌスラ戦線で、これと並んでよりアル=カーイダに所属する小規模の似たような派閥がいるだけだ…。オバマが「幻想」呼んだもの、ないしはいわゆる「穏健な反体制派」は、反体制派ではなく、反乱分子だ。そのほとんどがアル=カーイダだ…。アル=カーイダと交渉できるだろうか? 彼らには交渉する用意はなく、自分たちの計画を持っているだけだ。我々が始め、(スタファン・)デミストゥラ氏(シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表)が続けているのは、現場に即したプラクティカルな解決策だ」。

「また我々は、ヌスラ戦線やイスラーム国に対して、国連安保理決議第2170号を実施しなければならない…。この決議はこうした組織に軍事面、財政面、兵站面での支援を行うことを禁止している。しかし、トルコ、サウジアラビア、カタールはこうしたことを依然として続けている。この決議が実施されなければ、我々は解決策について話し合うことはできない」。

「西側諸国は、「穏健な反体制派支援」などという言われる傘を取り除かねばならない。彼らは、我々が主にアル=カーイダ、すなわちイスラーム国やヌスラ戦線と対峙していることを知っているからだ」。

「武器を捨てた者に対して、我々は恩赦を与えている。彼らは普通の生活を取り戻している…。こうしたことが信頼醸成のための措置だ。だが、反体制派と収監者と間に何の関係があるのか? 無関係だ。反体制派は収監者ではない。まったく異なった問題だ」。

「イランはシリアにおいて何の野望も持っていない…。我々は他国が我々の主権を脅かすことを決して許さないからだ…。(イラン・イスラーム革命防衛隊によるシリア国内でのミサイル・プラント建設に関して)協力関係のなかで役割を果たすことは、覇権を通じて役割を果たすことは異なっている」。

(ヒズブッラー戦闘員やシーア派民兵との協力に関して)「政府機関、国家のみが安定を保証し、秩序をもたらすと言うのは当然だ。政府とともに何らかの役割を果たすそれ以外の要素は、特定の環境下では良い高価をもたらすこともあるし…、副作用、つまり悪い副作用もある…。政府を支持する民兵が生じることは、戦時下における副作用だ…。この副作用が生じたら、それをコントロールしようとするものだ」。

「1974年の停戦以降、ゴラン高原からイスラエルに対して(シリア軍は)何らの作戦も行っていない。だからイスラエルが何らかの作戦の計画があると主張することは、現実からほど遠い主張であり、言い訳に過ぎない。なぜなら、イスラエルはヒズブッラーのメンバーを誰でもよいから殺害したかったからだ…。イスラエルは2年近くシリアを攻撃し続けている。何の理由もなしに…。イスラエルは軍拠点を攻撃している。ヒズブッラーとシリア軍に何の関係があるというのか?… イスラエルはシリアの反乱分子を支援している。これは明確だ。なぜなら、我々がどこかで進軍を遂げれば、イスラエルはシリア軍を弱体化させようと攻撃をしてくる…。だから一部のシリア人は「アル=カーイダが空軍を持っていないなんでどうして言えるのか? 彼らにはイスラエル空軍があるじゃないか」と冗談で言っている」。

(イラク政府がシーア派民兵を制御できなくたっているとの問いに対して)「ポール・ブレマーはイラクという国家のためではなく、複数の宗派のための憲法を作ったのだ。これに対して、シリアではなぜ、制裁下であるにもかかわらず、4年間も軍が持ちこたえているのか?… なぜならシリアには真の憲法、つまり真に世俗的な憲法があるからだ。それが理由だ。イラクの憲法は宗派主義的だ。宗派主義的憲法は憲法ではない」。

「あらゆる政府、あらゆる個人が間違いを犯す…。しかし我々は三つの決定を実行した。第1にあらゆる対話に対して開放的になること、第2に新たに憲法を制定すること…、そして第3に自分たちの国を守ること。これら三つの決定が間違えだったとは思っていない…。テロリストから国を守ることが間違えだと言いたいのなら、テロリストを支援することが正しいことだということか」。

(イスラーム国を空爆する米国と奇妙なパートナー関係にあることに、米国との関係強化の可能性があると考えるかとの問いに対して)「可能性は常にここにある。なぜなら、我々は30年にわたってテロに対抗するための国際的な協力関係の構築を求めてきたからだ。しかしこの可能性には意志を必要とする。問題は、米国にどのくらい真剣にテロと戦おうとする意志があるかだ。これまでのところ、米国はシリア北部のイスラーム国を攻撃しているが、何ら具体的なものを目にしていない。具体性がない。これまで目にしてきたことは、実を欠いた見せかけだけだ。攻撃開始以降、イスラーム国はシリアとイラクで支配地域を拡大してしまっている…。コバネ(アイン・アラブ)は小さな都市だが、3ヶ月以上経っても攻撃は止んでいない…。つまり、米国はテロと真剣に戦っていないということだ」。

「(米国による)さらなる関与とは軍事的な面に限られない。政治的なものが求められている。米国がどの程度トルコに影響力を行使できるかということだ…。米国は、アル=カーイダを支援しないようトルコに圧力をかけているだろうか? 彼らは圧力はかけていない…。つまり軍事的な関与しかしていないのだ…。また、第2に、軍事的関与について話すのであれば、米国高官は現場に部隊がいなければ、具体的な成果を得られないことを公に認めるべきだ。現場でいったいどの部隊に依存しているのか?… シリア軍に依存しなければならないのは当然のことだ。ここは我々の領土であり、我々の国だ。我々が責任を負っている。我々は米軍に何も要請しない」。

「トルコへの圧力、サウジアラビアへの圧力、カタールへの圧力を通じて反乱分子への支援を止めさせねばならない。次いで、シリアと合法的な協力を行い、シリア政府にこうした攻撃を行う許可を求めることから始めねばならない。彼らはそしたことを行っていないので、攻撃は違法だ…。テロと真剣に戦う他国とであれば、我々は協力を行う用意がある。もし相手国が真剣ならば…」。

(米国が「穏健な反体制派」を軍事教練しようとしていることに関して)「シリア軍と協力しないいかなる部隊も違法であり、シリア軍の交戦対象となる。これは非常に明確なことだ…。シリア軍との協力しなければ、違法だし、他国の操り人形だ。彼らは他の違法な民兵と同じようにシリア軍と戦うことになる。しかし、こうした部隊に関して、もう一つ別の問いがある。オバマは彼らが幻想だと言った。幻想がなぜ現実になるのか?… 過激派を穏健になどできない」。

「なぜあなたが言うところの「穏健な反体制派」、つまり我々が言うところの「反乱分子」がますます弱体化しているのか? シリア危機の進捗がそうしているからだ。5,000人を(米国が)外国からシリアに潜入させたが、そのほとんどは離反し、一部はイスラーム国に合流してしまう、こうしたことが去年実際に起こっている。だから幻想的だと言っているのだ。5,000という数が幻想なのではなく、発想そのものが幻想なのだ」。

「(現下のシリアの危機は)二国間、二つの軍の戦争ではない…。市民が暮らしている地域に浸透する反乱分子について話しているのだ…。これがこの戦争の形態だ。だからこれを領土と関連で見ることはできない。次に、シリア軍は、いかなる地域であれ、進行すれば、成功を収めることができるが、シリア国内に1メートルおきに駐留することなどできない。それは不可能だ。過去2年間でいくつかの進軍を実現したが、戦況は良い方向に向かっているのかと聞かれれば、こう言いたい。すべての戦闘は、破壊をもたらすがゆえに悪いものだ。重要な問いとは、この戦争で我々が勝ち取った要素とは何かというものだ。我々が勝ち取ったものとは、シリア国民がテロリストを拒否し、政府と軍をさらに支援する姿勢が生じたことだ」。

「外国の支援がなければ…、何の問題もなく彼ら(反体制武装勢力)を打ち負かすことができる。今でも我々は軍事的には問題を抱えていない。問題は、彼らが主にトルコから断続的に支援を受けていることだ」。

「彼(トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領)は、アル=カーイダの基礎となっているムスリム同胞団のイデオロギーに属している…。彼は非常に狂信的だ。だから彼はイスラーム国さえも支援しちえる。今起きていることの責任は彼個人にある」。

(バラク・オバマ米大統領にメッセージはあるかとの問いに対して)「すべての米国人に問いかけたいのは、我々の国、我々の地域のテロリストを支援して何を得ようとしているのか、ということだ…。あなたの国の高官の一人は7年前にシリアでの会合の最後にこう聞いてきた。「我々にアフガニスタンの問題を解決できると思いますか?」 これに私はこう答えました。「操り人形でなく、あなたにNoと言える高官と折り合うべきだ」。米国が操り人形のような高官や従属しているような国ばかり見ることが、自国の国益に資することではない」。

なおアラビア語版はSANA(12月26日付)に全文(http://www.sana.sy/%d8%a7%d9%84%d8%b1%d8%a6%d9%8a%d8%b3-%d8%a7%d9%84%d8%a3%d8%b3%d8%af-%d9%84%d9%85%d8%ac%d9%84%d8%a9-%d9%81%d9%88%d8%b1%d9%86-%d8%a7%d9%81%d9%8a%d8%b1%d8%b2-%d8%a7%d9%84%d8%a7%d9%85%d8%b1%d9%8a%d9%83.html

)が掲載されている。
The Foreign Affairs, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015をもとに作成。

 

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ヨルダン軍戦闘機パイロット、日本人人質の解放をめぐるヨルダンの動き(2015年1月26日)

『ハヤート』(1月27日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がラーシダ・リーシャーウィー死刑囚と後藤健二さんの「人質交換」を日本政府に要求したことに関して、ヨルダン政府が、リーシャーウィー死刑囚をはじめとする収監中のジハード主義者と、ヨルダン軍戦闘機パイロットのムアーッズ・サーフィー・カサースィバ空軍中尉(2014年12月拘束)との「人質交換」交渉をイラクやトルコの当事者を通じて間接的に行ってきたとするこれまでのリークを改めて暴露することになったと伝えた。

また、リーシャーウィー死刑囚との「人質交換」をめぐる交渉で、ヨルダン政府が世論の反発だけでなく、日本政府からの圧力に曝される可能性もある、と報じた。

al-Hayat, January 27, 2015をもとに作成。

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トルコ首相:「テロとの戦い」においてアサド政権打倒を最優先に据えるよう求める(2015年1月26日)

トルコのアフマド・ダウトオール首相は米国の対シリア政策に関して『ワシントン・ポスト』(1月26日付)に対して「アサド政権打倒を最優先とするかたちで、シリアでのテロとの戦いを行うための戦略」を構築するよう要請した。

The Washington Post, January 26, 2015をもとに作成。

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有志連合と思われる戦闘機がヌスラ戦線を爆撃し、幹部2人を殺害(2015年1月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、米国など有志連合のものと思われる戦闘機が未明、カフル・ハラブ村近郊(アレッポ市・イドリブ市間)で、シャームの民のヌスラ戦線の車輌に対して空爆を行い、ヌスラ戦線の幹部アブー・ハディージュア・ジャウラーニー氏(パレスチナ人)とアブー・ウマル・ハマウィー氏の2人が死亡した。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、米国など有志連合の双方がハサカ県のイスラーム国拠点を爆撃(2015年1月26日)

ハサカ県では、ARA News(1月26日付)によると、シリア軍がタッル・ブラーク町、タッル・ハミース市近郊のダーイシュ(イスラーム国)拠点を複数回にわたって空爆する一方、米国など有志連合も対イラク国境のジャズア村一帯を空爆した。

一方、フール町を制圧しているダーイシュ(イスラーム国)のアミール(司令官)は、治安部隊を結成すると発表した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地周辺でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、モロッコ人戦闘員ら9人が死亡した。

一方、SANA(1月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するマリーイーヤ村の要所をシリア軍が制圧し、多数の戦闘員を殺傷した。

これを受け、ダーイシュ戦闘員は、ブーライル村、ムーハサン市、タービヤ・シャーミーヤ村方面に撤退したという。

シリア軍はまた、ティブニー町、ハリータ村、ブー・ウマル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月26日付)によると、シャーイル・ガス採掘所周辺、ラッフーム村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ARA News(1月27日付)によると、米国など有志連合は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して34回にわたって空爆した。

うちシリアでの空爆は21回、イラクでの空爆は13回だった。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、January 27, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

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イスラーム国がラッカ郊外で遺跡群を発見、破壊の是非をめぐって内部対立(2015年1月26日)

ARA News(1月26日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)は25日、ウカイラシー村近郊で「非常に価値のある遺跡群」を発見したとしたうえで、ダーイシュ内で遺跡の破壊の是非をめぐって意見の対立が生じていると伝えた。

ウカイラシー村は、ダーイシュからの離反者らが収容されている刑務所があるとされている。

ARA News, January 26, 2015をもとに作成。

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イスラーム国メンバーの離反・逃走続く(2015年1月26日)

ラッカ県では、SLN(1月26日付)が地元消息筋の話として、ラッカ市のダーイシュ(イスラーム国)宗教警察(ヒスバ、勧善懲悪委員会)のアブー・タルハ・クワイティー長官が離反、逃走したと伝えた。

アブー・タルハ氏は25日から連絡がとれず、ダーイシュは同氏の自宅を家宅捜査するとともに、ラッカ市内の検問を強化しているという。

アブー・タルハ氏は本名がムハンマド・ドゥーサリーで、クウェート人。クウェートでアル=カーイダとつながりがあるとの罪で7年投獄されたのち、レバノンに渡ったが、同地で身柄拘束されていた。その後2011年にレバノンのルーミヤ政治刑務所から脱獄し、シリアに入り、ダーイシュに参加したとされている。

Kull-na Shuraka', January 26, 2015
Kull-na Shuraka’, January 26, 2015

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ラッカ県では、ARA News(1月26日付)によると、トルコ国境に面するタッル・アブヤド市でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー15人が離反し、トルコ領内に逃走した。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、SLN, Januaru 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

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YPGがアイン・アラブ市からイスラーム国を放逐し、同市をほぼ完全制圧(2015年1月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アイン・アラブ市での4ヶ月におよぶダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、同市をほぼ完全に奪還した。

ダーイシュは同市東部から市外に撤退、市内にはダーイシュ戦闘員はいない、という。

撤退に先立ち、人民防衛隊は、市内におけるダーイシュの最後の拠点だったカーニー・アラバーン地区を制圧していた。

また米国など有志連合は、アイン・アラブ市一帯のダーイシュ拠点などに対して17回にわたって空爆した。

有志連合は同地を含むシリア、イラク領内のダーイシュ拠点を21回にわたって空爆したという。

ARA News, January 26, 2015
ARA News, January 26, 2015

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ARA News(1月26日付)などによると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によるアイン・アラブ市奪還を受け、ハサカ県のハサカ市、アフリーン市、マーリキーヤ市などでは、住民らが街頭に出てアイン・アラブ市解放を祝った。

ARA News, January 26, 2015
ARA News, January 26, 2015

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:アレッポ県などで戦闘続く(2015年1月26日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(1月26日付)によると、アレッポ市ハミーディーヤ地区でシリア軍と反体制武装集団が交戦し、シリア軍兵士6人が死亡した。

一方、反体制武装集団の治安機関は、空軍情報部に「ムジャーヒディーンの居場所や動きを報告していた」、「シャーム戦線の厨房に毒を混入した」との罪で、男性2人と女性1人を処刑した。

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ハサカ県では、ARA News(1月26日付)によると、カーミシュリー市で、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュが、市内を巡回中の治安機関のパトロール隊を拘束した。

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ヒムス県では、SANA(1月26日付)によると、ラジャム・カスル村、ウンム・サフリージュ村、ムシャイリファ村、ワーディ・カフフ、タッルドゥー市、ラスタン市、ガジャル村、ガントゥー市、タルビーサ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月26日付)によると、アブー・ズフール町一帯、タッル・サラムー村、ハミーディーヤ村、フータ村、カルア・ガザール村、ウンム・ジャッリーン村、バルーマー村、カフルラーター村、ナフラ村、バザーブール村、マアッルシューリーン村、タイバート村、アルナバ村、シュグル村、マアッルバリート村、イブリーン村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月26日付)によると、フィキーア村、ダリー町、クーム・ワーウィーヤート村、ブスラー・シャーム市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ヤルムーク軍、ムウタッズ・ビッラー旅団、シャームの剣旅団、ハウラーン大隊統合旅団などのシャームの民のヌスラ戦線所属部隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、ARA News(1月27日付)によると、イスラーム軍がアリー・ジャマール地区、ハールーン交差点などにロケット弾を無差別に撃ち込み、女児1人が死亡、多数の住民が負傷した。

SANA(1月27日付)によると、「タクフィール主義テロ組織」は、ラタキア市アリー・ジャマール地区にカチューシャ砲などを無差別に打ち込み、女児1人が死亡、7人が負傷、また24日にもマシュルーア・クナイニス住宅地区、ジュッブ・ハサン住宅地区に同様の無差別砲撃が行われ、を含む6人が死亡、13人が死亡した。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、January 27, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

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イスラーム軍司令官:ダマスカス県への無差別ロケット弾攻撃は「これから起こることの序章に過ぎない」(2015年1月26日)

イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官はダマスカス郊外県東グータ地方某所で記者会見を開き、25日のダマスカス県への無差別ロケット弾攻撃に関して、「これから起こることの序章に過ぎない」と述べた。

またアッルーシュ司令官は「最近のダマスカスへのロケット弾攻撃はモスクワなどでの会議(いわゆる「モスクワ1」)と関係はない…モスクワで今会議が行われているかなど知らないし、関心もない」としたうえで、「この手の会議はウンマへの陰謀だ」と非難した。

そのうえで25日のロケット弾攻撃で「第1弾として100発以上のロケット弾を撃ち込んだ。抑止が目的だった…。政府が防御できなかったことは明白だ。だから我々は政府のためにより大きなサプライズを用意している」と脅迫した。

クッルナー・シュラカー(1月26日付)、『ハヤート』(1月28日付)が伝えた。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、January 28, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

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シリア政府と反体制派の和平交渉(通称「モスクワ1」)開幕(2015年1月26日)

モスクワでロシア外務省主催のもと、シリア政府と反体制派の和平交渉、いわゆる「モスクワ1」が開幕した。

反体制派からは、民主的変革諸勢力国民調整委員会のサフワーン・アッカーシュ氏とアブドゥルマジード・ハムウ氏(いずれも執行部メンバー)、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首とハーリド・イーサー氏、そして市民活動家のマージド・ハッブー氏が参加した。

トルコに拠点を置き、欧米諸国が「シリア国民の唯一の正統な代表」と位置づけるシリア革命反体制勢力国民連立は和平交渉をボイコットした。

またハサン・アブドゥルアズィーム代表ら民主的変革諸勢力国民調整委員会の幹部、シリア国家建設潮流のムナー・ガーニム副代表らも参加を見合わせた。

これに関して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム報道官は、シリア政府の代表団にワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が含まれず、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が参加しているだけであることが原因だと述べ、シリア政府を批判した。

そのうえで、ハッダーム報道官はタス通信(1月26日付)に対して「ロシア側から、会合は交渉ではないため、重要な問題は提起されないとの告知を受けた」としたうえで、「信頼醸成、とりわけ収監者の釈放に力点を置きたい」と述べた。

また、『ハヤート』(1月27日付)は、参加者の一人の話として、交渉に参加するジャマール・スライマーン氏、国民呼びかけフォーラム代表のサミール・イータ氏ら、シリア軍による空爆が継続されている現状を踏まえて、「現場サイドの問題を中心に据える必要がある」と訴えていると伝えた。

これに対して、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「モスクワでの交渉はない。議題をもうけずに協議が行われる。参加者からのいかなる前提条件もない」と述べた。

なおロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣によると、「反体制派のうち約25人がモスクワにいる。最終的には30人になるだろう」という。

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クッルナー・シュラカー(1月26日付)によると、モスクワ1への出席を拒否した反体制派の招待者は以下の通り:

1. アブドゥルバースィト・スィーダー(シリア革命反体制勢力国民連立)

2. アブドゥルアハド・アスティーフー(シリア革命反体制勢力国民連立)

3. バドル・ジャームース(シリア革命反体制勢力国民連立)

4. ハーディー・バフラ(シリア革命反体制勢力国民連立)

5. サラーフッディーン・ダルウィーシュ

6. アフマド・ムアーッズ・ハティーブ(無所属)

7. ワリード・ブンニー

8. ハサン・アブドゥルアズィーム(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

9. ハイサム・マンナーア(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

10. アーリフ・ダリーラ

11. ムナー・ガーニム

12. アイマン・アスファリー(ビジネスマン)

13. マイヤ・ラフビー

14. アブドゥルマジード・マンジューナ(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

また参加者は以下の通り:

1. ランダ・カスィース

2. カドリー・ジャミール

3. サーリフ・ムスリム(民主統一党)

4. サミール・イータ(国民呼びかけフォーラム)

5. マジド・ニヤーズィー

6. スハイル・サルミーニー

7. マズィン・マグリビーヤ(第3の道)

8. ファーティフ・ジャームース

9. アミーナ・ウースィー

10. アブジャル・マールール(アッシリア教徒)

11. ハーリド・イーサー(クルド人)

12. サミール・ハウワーシュ

13. ハミーダ・ハサン

14. マイス・クライディー(国民民主行動委員会)

15. マージド・ハッブー

16. アブドゥルマジード・ハッブー

17. ジャマール・スライマーン(俳優)

18. アブドゥルカーディル・スッカリー(ビジネスマン)

19. ハーリド・マハーミード(ビジネスマン)

20. サリーム・ハイルベク(国民会合)

21. ムハンマド・ファーリス(宇宙飛行士)

22. ナウワーフ・バシール(部族代表)

23. ナウワーフ・アブドゥルアズィーズ・ムルヒム

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ハーリド・ハウジャ議長が、サリーム・イドリース暫定政府国防大臣とともに、トルコ領内からラタキア県北部に密入国した、と発表した。

声明では、「全権を有する移行期統治機関の設置をめぐる交渉以外にアサド体制と何らの関係も持たない。移行期統治機関にはアサド、そして彼の統治機関に居場所はない」と強調し、「モスクワ1」を牽制した。

Kull-na Shuraka', January 26, 2015
Kull-na Shuraka’, January 26, 2015

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、Itar-tass, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

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米国:イラクでの軍事教練を開始(2015年1月25日)

米国防総省のジョン・カービー報道官は、米国など有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘のため、イラク人およびイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員3,600人の軍事教練をイラク国内の4カ所各地で開始したことを明らかにした。

Iraqi News(1月25日付)が伝えた。

AFP, January 25, 2015、AP, January 25, 2015、ARA News, January 25, 2015、Champress, January 25, 2015、al-Hayat, January 26, 2015、Iraqi News, January 25, 2015、Kull-na Shuraka’, January 25, 2015、al-Mada Press, January 25, 2015、Naharnet, January 25, 2015、NNA, January 25, 2015、Reuters, January 25, 2015、SANA, January 25, 2015、UPI, January 25, 2015などをもとに作成。

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レバノンの動き(2015年1月25日)

NNA(1月25日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外のマディーナト・マラヒー地区で、レバノン軍が武装集団の車輌などに対して砲撃を行った。

また、西ベカーア郡のマルジュ村では、レバノン治安当局が、テロ細胞を作るために密入国したシリア人17人を拘束した。

AFP, January 25, 2015、AP, January 25, 2015、ARA News, January 25, 2015、Champress, January 25, 2015、al-Hayat, January 26, 2015、Iraqi News, January 25, 2015、Kull-na Shuraka’, January 25, 2015、al-Mada Press, January 25, 2015、Naharnet, January 25, 2015、NNA, January 25, 2015、Reuters, January 25, 2015、SANA, January 25, 2015、UPI, January 25, 2015などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:アイン・アラブ一帯でYPGの攻勢続く(2015年1月25日)

アレッポ県では、ARA News(1月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はマンビジュ市で、離反者約70人の逃走を支援した住民6人を逮捕、処刑した。

処刑された6人のうち4人がマンビジュ市で、2人が同市北部の検問所で逮捕されたという。

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アレッポ県では、ARA News(1月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、アイン・アラブ市南部郊外に位置するサイラーン集合住宅地区を奪還した。

またシリア人権監視団によると、米国など有志連合は、アイン・アラブ市のダーイシュ拠点などに空爆を行った。

一方、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に対抗するため、アアザーズ市郊外のスーラーン町一帯に増援部隊を派遣した。

このほか、クッルナー・シュラカー(1月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と共闘するラッカ革命家旅団、北の太陽大隊などが、アイン・アラブ市周辺各所でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(1月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市シャイフ・ヤースィーン地区で、物資などの配給を担当する「サダカ局」が、支援を必要している住民に物資配給を行う意思があると告知し、住民に対して登録申請を行うよう呼びかけた。

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ハサカ県では、ARA News(1月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はハサカ市・タッル・アブヤド油田街道で拘束した2人を処刑した。

この2人は、シリア政府と内通していたとの容疑で、ダーイシュに指名手配されていたという。

AFP, January 25, 2015、AP, January 25, 2015、ARA News, January 25, 2015、Champress, January 25, 2015、al-Hayat, January 26, 2015、Iraqi News, January 25, 2015、Kull-na Shuraka’, January 25, 2015、al-Mada Press, January 25, 2015、Naharnet, January 25, 2015、NNA, January 25, 2015、Reuters, January 25, 2015、SANA, January 25, 2015、UPI, January 25, 2015などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:イスラーム軍が首都ダマスカスに対して無差別砲撃(2015年1月25日)

ダマスカス郊外県東グータ地方の報道筋によると、イスラーム軍によるダマスカス県を狙ったロケット弾攻撃作戦が25日午後2時に開始され、数十発のロケット弾が発射された。

この攻撃は、ダマスカス県税関地区の治安厳戒地域を狙ったものだというが、だが、ロケット弾は、ウマウィーイーン地区、マッザ区の大学寮、マッザ86地区などに着弾した。

また、シリア人権監視団によると、イスラーム軍は少なくとも43発の迫撃砲を発射し、アッバースィーイーン地区、ハティーブ地区、ファイハー高速道路地区、アブー・ルンマーナ地区、サーリヒーヤ区、シャイフ・サアド地区、マーリキー地区、バラームカ地区、軍事裁判所近く、ダマスカス大学寮、カフルスーサ区、サブア・バフラート地区、マズラア地区、アービド通りなどに着弾、少なくとも4人が死亡した。

イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官はツイッターを通じて、シリア軍によるダマスカス郊外県東グータ地方への砲撃の報復として、25日以降、数百発のロケット弾の雨を降らせる、と脅迫していた。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(1月25日付)によると、イスラーム軍がダマスカス県へのロケット弾攻撃を受けるかたちで、シリア軍がドゥーマー市に対して激しい空爆・砲撃を開始し、イスラーム軍など武装集団と交戦した。

またシリア人権監視団によると、シリア軍はザバダーニー市各所を「樽爆弾」で空爆、タッル・サワーン町で国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(1月25日付)によると、マダーヤー町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、クッルナー・シュラカー(1月25日付)によると、イスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ報道官がツイッターを通じて、25日晩にラタキア市にグラード(ロケット弾)3発を撃ち込んだと発表した。

このうち2発はハールーン広場周辺に着弾し、2人が死亡、7人が負傷し、残りの1発はサカン・イドハール地区に着弾したという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、フィキーア村、シャイフ・マスキーン市、インヒル市、スハイリーヤ周辺を「樽爆弾」などで空爆し、ジハード主義武装集団と交戦した。

またイッティハード・プレスは、自由シリア軍南部戦線所属部隊が、シャイフ・マスキーン市郊外のシリア軍第82旅団基地を完全制圧した、と伝えた。

クッルナー・シュラカー(1月29日付)によると、第82旅団制圧に際して、反体制武装集団は戦闘員55人を失った。

一方、SANA(1月25日付)によると、イブタア町、ブスラー・シャーム市、シャイフ・マスキーン市、アトマーン村、マアルバ町、フラーク市、ダルアー市一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム・ムサンナー運動などの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー協会地区、ハーリディーヤ地区、ブライジュ村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、アンサール・ディーン戦線、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

またシリア軍は、アレッポ市サーフール地区、カッターナ地区を「樽爆弾」で空爆した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がイシュタブリク村に配備されているシリア軍のロケット砲発射台を米国製のミサイルで攻撃、破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(1月25日付)によると、ハサカ市北部で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、アサーイシュとシリア軍、国防隊が散発的な戦闘を続けた。

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イドリブ県では、SANA(1月25日付)によると、バザーブール村、カンスフラ村、サフン村、ハッルーズ村、ジャーヌーディーヤ町、アブー・ズフール町一帯、ブワイティー村、サラーキブ市、ナイラブ村、ハミーディーヤ村、タッル・サラムー町、カルア・ガザール村、ジダール・ブカフルーン村、サルミーン市などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの鷹旅団、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(1月25日付)によると、ナブア・サフル村、ウーファーニヤー村西部、西サムダーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月25日付)によると、対レバノン国境に近いワーディー・カフフで、「レバノンのムスタクバル潮流の支援を受け」シリア領内に潜入しようとした武装集団をシリア軍が撃退した。

また、スルターニーヤ村、ラジャム・カスル村、マスアダ村、ウンム・サフリージュ村、タッルドゥー市でも、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(1月25日付)は、シリア軍が最近になって、ハマー県郊外やイドリブ県郊外での「樽爆弾」の使用を減少させ、地雷に似た比較的小型の爆弾をヘリコプターから投下するようになっていると伝えた。

この小型の爆弾は、ハマー報道センターによると、親政権民兵「砂漠の鷹」のアフマド・ジャービル司令官のもとで特別に製造され、ラタキア県の各空港から各戦線に搬出されているのだという。

AFP, January 25, 2015、AP, January 25, 2015、ARA News, January 25, 2015、Champress, January 25, 2015、al-Hayat, January 26, 2015、Iraqi News, January 25, 2015、al-Ittihad Press、January 25, 2014、Kull-na Shuraka’, January 25, 2015、January 29, 2015、al-Mada Press, January 25, 2015、Naharnet, January 25, 2015、NNA, January 25, 2015、Reuters, January 25, 2015、SANA, January 25, 2015、UPI, January 25, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領:「アル=カーイダはイスラエル空軍という強力な空軍を持っている」(2015年1月25日)

アサド大統領は、米政治誌『フォーリン・アフェアーズ』(1月26日付)に掲載予定の単独インタビューで、「シリア軍は、いかなる地域であれ、進行すれば、成功を収めることができるが、シリア国内に1メートルおきに駐留することなどできない。それは不可能だ」と述べた。

アサド大統領はまた「過去2年間でいくつかの進軍を実現したが、戦況は良い方向に向かっているのかと聞かれれば、こう言いたい。すべての戦闘は、破壊をもたらすがゆえに悪いものだ。重要な問いとは、この戦争で我々が勝ち取った要素とは何かというものだ。我々が勝ち取ったものとは、シリア国民がテロリストを拒否し、政府と軍をさらに支援する姿勢が生じたことだ」と付言した。

さらにイスラエルとの対立については、「彼ら(イスラエル)は、シリアの武装集団を支援している…。これは明白なことだ…。我々は特定の場所で進軍を遂げると、イスラエルはシリア軍の行動に影響を及ぼそうとして攻撃を行ってくる…。だから一部のシリア人は皮肉を込めてこう言っている。「アル=カーイダがなぜ空軍を持たないなどと言えるのか? 彼らは実際のところ、イスラエル空軍という強力な空軍を持っているではないか」と述べた。

SANA(1月25日付)が伝えた。

SANA, January 25, 2015
SANA, January 25, 2015

AFP, January 25, 2015、AP, January 25, 2015、ARA News, January 25, 2015、Champress, January 25, 2015、al-Hayat, January 26, 2015、Iraqi News, January 25, 2015、Kull-na Shuraka’, January 25, 2015、al-Mada Press, January 25, 2015、Naharnet, January 25, 2015、NNA, January 25, 2015、Reuters, January 25, 2015、SANA, January 25, 2015、UPI, January 25, 2015などをもとに作成。

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スウェーデン:3万5,000人以上のシリア人政治難民、避難民を受け入れ(2015年1月24日)

スウェーデンの移民管理局は、2011年初めから2014年末までの期間に、スウェーデンがシリアでの紛争による政治難民や避難民3万6,536人を受け入れた、と発表した。

ARA News(1月25日付)が伝えた。

ARA News, January 25, 2015をもとに作成。

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イスラーム国による日本人拉致事件(続報、2015年1月24日)

ダーイシュ(イスラーム国)の人質となった湯川遥菜氏と見られる写真を持ち、同氏が殺害されたと話す後藤健二氏の静止画像がインターネット上に投稿された。

『読売新聞』(1月25日付朝刊)によると、画像は日本時間24日23時過ぎに公開された。

動画で後藤氏が持たされている写真には、後ろでに縛られ跪かされている湯川氏の写真、そして斬首されたあとの遺体が映っている。

動画に映っている後藤氏は英語で以下のように読み上げさせられている。

「私は後藤健二です…。安倍(首相)、あなたが遙菜(湯川氏)を殺した。あなたは私がとらえられているという脅しを真剣に受け止めず、72時間以内に行動しなかった…。彼らはもう金銭を要求しない…。テロリストに資金を与えることを心配しなくていい…。彼らはただ、投獄中のサージダ・リーシャーウィーの釈放を要求しているだけだ…。あなたが彼らにサジーダを渡せば、私はただちに釈放される…。サージダはヨルダンによって投獄されている…。私の命を救うことがどれだけ簡単かを強調したい…。(妻に対して)この言葉を私の最後にしないでください。安倍(首相)に私を殺させないで下さい」。

サージダ・リーシャーウィーはイラク人で、2005年にヨルダンの首都アンマンで発生したラディソン・ホテル爆破事件に関与したことで、ヨルダン政府に拘束されている人物。

アーラム・ヤウム(1月25日付)は、これに関連して、ヨルダン当局が2014年12月にラッカ市で墜落しダーイシュに拘束されたヨルダン軍戦闘機パイロットのムアーッズ・サーフィー・カサースィバ空軍中尉釈放のため、リーシャーウィーとの「捕虜交換」を検討していると複数メディアが24日に報じたと伝えた。

なお、これを受け、安倍晋三首相は記者団に対して「このようなテロ行為は言語道断であり、許しがたい暴挙だ。強い憤りを覚える。断固として非難する。改めて後藤健二さんに危害を加えないよう、そしてただちに解放するよう強く要求する」と述べるとともに、「日本政府としては引き続き、テロに屈することなく、国際社会とともに世界の平和と安定に積極的に貢献していく。今後も邦人の解放に向けて、政府を挙げて取り組んでいく」と強調した。

al-‘Alam al-Yawm, January 25, 2015、読売新聞などをもとに作成。

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国連の人道支援活動(2015年1月24日)

AFP(1月24日付)は、国連安保理に提出されたシリアへの国連人道支援の進捗に関する最新の報告書において、2014年7月以降、トルコ、ヨルダンからシリア国内に54回にわたって人道支援が搬入され、約60万人に支援物資が配給されたと伝えた。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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レバノンの動き(2015年1月24日)

ナハールネット(1月24日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ラアス・バアルベック村郊外で23日から続いていたレバノン軍と武装集団の戦闘で、レバノン軍兵士3人が死亡した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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ラッカ、アレッポでイスラーム国メンバーが大量離反・脱走、ヌスラ戦線が脱獄を支援(2015年1月24日)

ラッカ県では、ARA News(1月24日付)がラッカ市の複数の消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)に拘束されていたシャームの民のヌスラ戦線戦闘員12人が23日に、離反した元ダーイシュ戦闘員の助けを得て拘置所から脱獄した、と伝えた。

同消息筋によると、12人を脱獄させたダーイシュ離反戦闘員は6人で、いずれもダーイシュに忠誠を誓う前はヌスラ戦線に属していたという。

なおARA Newsによると、ラッカ市での戦闘員の逃走増加を受け、ダーイシュ(イスラーム国)は、ラッカ市やトルコ国境に位置するタッル・アブヤド市一帯に至る地域で23日に夜間外出禁止令を出すとともに、違反者にはむち打ち刑と24時間の投獄刑を科すと警告、ダーイシュ・メンバーに対しても無許可の外出を禁止したという。

また、ARA Newsによると、シリア国境に接するタッル・アブヤド市で、ダーイシュの司令官(アミール)の一人が何者かによって暗殺された。

この司令官は、アブー・ハミードを名のる地元部族出身者で、アイン・アラブ市での戦闘に参加していたという。

アブー・ハミードは、タッル・アブヤド市の国境通行所近くでバイクに乗った2人組に23日に襲われ、その後市内の病院に搬送されたが、24日早朝に死亡したという。

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シャームの民のヌスラ戦線メンバーでアブー・ウマル・フィラスティーニーを名のる男性は、ARA News(1月24日付)に対し、「ラッカ市で活動するヌスラ戦線の複数の細胞は、過去数ヶ月で、ダーイシュのメンバー11人を拉致した」としたうえで、「金曜日(23日)、ダーイシュの刑務所に収監されていた同胞の開放に成功するとともに、多くのダーイシュの同胞(メンバー)が武器をもって離反させ、安全な場所に移動したが、治安上の理由からその場所は空かせない」と述べた。

アブー・ウマル氏によると、「ヌスラ戦線はダーイシュのメンバー40人以上がラッカから武器をもって離反させた」と強調した。

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アレッポ県では、ARA News(1月24日付)が、アブー・ムハンマド・マンビジーを名のるマンビジュ市の住民の話として伝えたところによると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員73人が逃走し、トルコ領内に逃げ込んだ。

73人はガンドゥール村でダーイシュを離反、ジャラーブルス市を経て、トルコ領内に逃げ込んだという。

アブー・ムハンマド氏によると、この脱走を受け、ダーイシュ当局はマンビジュ市、ジャラーブルス市で動員令をかけ、取締を強化したという。

またダーイシュは脱走を幇助したとの容疑で住民3人を拘束したという。

なおアブー・ムハンマド氏によると、脱走した73人は、ドイツ語で書かれたメッセージを残していったというが、その文面については明らかにしなかった。

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同じく、アレッポ県では、ARA News(1月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つバーブ市に対して、シリア軍が複数回にわたって空爆を行った。

空爆は、市内の市場、アッジャーン・モスク一帯に対して行われ、救急車輌などが破壊され、隊員1人が負傷した。

またアイン・アラブ市では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同市中心部の法律学校西部および南部の街区、工業地区・第48通り間の地区を制圧した。

 

また、クッルナー・シュラカー(1月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアイン・アラブ市周辺でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同市南部のマーミード村、タルミーク村を制圧した。

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ハサカ県では、ARA News(1月24日付)によると、タッル・タムル町南西部前線で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が深夜、散発的に交戦した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、January 25, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ダマスカス郊外でシリア軍の攻撃激化(2015年1月24日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はアルバイン市、サクバー市、バイト・サワー村を空爆し、子供1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(1月24日付)によると、バザダーニー市郊外のカフィール・ヤーブース村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦の末、同地一帯を奪還・制圧した。

シリア軍はまた、タッル・クルディー町一帯、リーハーン農場一帯、ドゥーマー市、ザブディーン村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム軍の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、ARA News(1月24日付)によると、ザバダーニー地区、バーブ・トゥーマー地区に反体制武装数段が撃った迫撃砲が着弾し、住民2人が死亡した。

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ダルアー県では、SANA(1月24日付)によると、イブタア町、シャイフ・マスキーン市、ヌアイマ村、カラク村、フラーク市、アトマーン村、ジャムリーン村、ダルアー市マンシヤ地区、ダム街道地区などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線(第101大隊)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またスワイダー県ヒルバト・アウワード村に潜入しようとしていた反体制武装集団の車輌をシリア軍が攻撃、破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(1月24日付)によると、マスハラ村、カフターニーヤ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月24日付)によると、ブワイティー村、サラーキブ市、カフルラーター村、カフルナジュド村、アブー・ズフール町一帯、ナイラブ村一帯、サルミーン市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの鷹旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月24日付)によると、ラジャム・カスル村、ムシャイリファ村、ヒブラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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人権団体発表(2015年1月24日)

シリア人権監視団は、シリア軍が過去4日間で、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘が続くハサカ県、ダイル・ザウル県のほか、クナイトラ県、ラタキア県各所で、504回にわたって空爆を行い、民間人157人(うち子供16人、女性13人)が死亡したと発表した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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