自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)再編をめぐって対立露呈(2015年7月19日)

トルコのハタイ県のシリア国境に位置するレイハンル市で、自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)は声明を出し、革命司令評議会と支援のもとに会合を開き、最高軍事評議会を再編したと発表した。

アブドゥルカリーム・アフマド参謀長(最高軍事評議会議長)は、再編された最高軍事評議会に関して「シリアの5つの戦線を代表する軍人・文民30人からなり、各戦線に6人ずつ割り当てられている」と述べた。

また「30人評議会」と呼ばれるこの評議会は、シリア国内で戦う主要な武装集団と面談し、代表者を選出することで合意した、という。

「30人評議会」はアフマド准将を議長(参謀長)とするほか、ハイサム・ウファイスィー大佐が副議長を務めるという。

最高軍事評議会の再編は、2015年6月にシリア革命反体制勢力国民連立によって採択された基本方針だが、「30人評議会」発足会合には、シリア革命反体制勢力国民連立および同暫定政府の代表は参加しなかった。

Kull-na Shuraka', July 20, 2015
Kull-na Shuraka’, July 20, 2015

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自由シリア軍南部戦線はこれに関して声明を出し、「30人評議会」が同戦線を何ら代表しておらず、出席者と無関係だと発表した。

Kull-na Shuraka', July 20, 2015
Kull-na Shuraka’, July 20, 2015

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シリア革命反体制勢力国民連立はこれに関して声明で、「シリア国民が自由を得るための基本的なステップとして最高軍事評議会を発足するべく、現地で活動する武装組織と持続的に対話、調整を行っている…。対話実施を正式に任ぜれているのは、参謀長のアフマド・バッズィー准将である」と発表し、「30人評議会」を事実上黙殺した。

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またシャーム自由人イスラーム運動のアフマド・イーサー・シャイフ副司令官も、ツイッターを通じて、「30人評議会は、40人盗賊評議会と名付けた方が良かったのではないか。こいつらがどういう革命を代表しているのか。おそらく、商売人の革命だ!」などと酷評した。

『ハヤート』(7月21日付)が伝えた。

AFP, July 20, 2015、AP, July 20, 2015、ARA News, July 20, 2015、Champress, July 20, 2015、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2015、al-Hayat, July 21, 2015、Iraqi News, July 20, 2015、Kull-na Shuraka’, July 20, 2015、al-Mada Press, July 20, 2015、Naharnet, July 20, 2015、NNA, July 20, 2015、Reuters, July 20, 2015、SANA, July 20, 2015、UPI, July 20, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ市でのWifi使用禁止を住民、戦闘員に通達(2015年7月19日)

ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州の治安局(ディーワーン・アムン)は、4日以内にラッカ市内でのWifi使用を禁止するよう、住民および戦闘員に通達した。

Kull-na Shuraka', July 20, 2015
Kull-na Shuraka’, July 20, 2015

AFP, July 20, 2015、AP, July 20, 2015、ARA News, July 20, 2015、Champress, July 20, 2015、al-Hayat, July 21, 2015、Iraqi News, July 20, 2015、Kull-na Shuraka’, July 20, 2015、al-Mada Press, July 20, 2015、Naharnet, July 20, 2015、NNA, July 20, 2015、Reuters, July 20, 2015、SANA, July 20, 2015、UPI, July 20, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がブスラー・シャーム市の住宅を爆撃し、一家6人が死亡(2015年7月19日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がブスラー・シャーム市の住宅を「樽爆弾」で空爆、ラマダーン明けの祝日(イード・アル=フィトル)の夕食を撮っていた家族6人(女性3人、子供2人)が死亡した。

シリア軍はまた、ヤードゥーダ村、ウンム・マヤーズィン町、ヌアイマ村、ハーッラ市、サイダー町、ハッラーブ・シャフム村、ガラズ刑務所一帯、ダルアー市内各所を「樽爆弾」で空爆し、ハーッラ市では子供1人が死亡した。

一方、SANA(7月19日付)によると、カフルシャムス町、ヌアイマ村、ウンム・ワラド村、東カラク村、フラーク市、ダルアー市ダム街道などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動、南部タウヒード旅団、ハウラーン・ムジャーヒディーン大隊、スジャイル砲兵大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団が、シリア軍がこれまでにザバダーニー市内およびその周辺を583発の「樽爆弾」やミサイル、数百発の砲弾で砲撃しているにもかかわらず、同市を制圧できないでいる、と発表した。

市内では、シャーム自由人イスラーム運動をはじめとするジハード主義武装集団と地元の武装集団が籠城し、シリア軍(第4師団)やヒズブッラー戦闘員の包囲・攻撃に抵抗を続けている。

シリア軍はまた、アルバイン市各所、マダーヤー町を空爆した。

一方、SANA(7月19日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに、ザバダーニー市攻略に向けた作戦を継続し、同市南部3キロの地点に位置するダルブ・シャームとブカイン丘を制圧した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、スィンディヤーン山、マシュシーター村一帯に展開するシリア軍部隊をジハード主義武装集団が砲撃し、シリア軍兵士・国防隊隊員複数名が死傷した。

一方、SANA(7月19日付)によると、カッバーニー村、ジュッブ・アフマル村一帯、ラシュワーン丘一帯などをシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍がフーア市を砲撃する一方、シリア軍もビンニシュ市を砲撃した。

一方、SANA(7月19日付)によると、アブー・ズフール町、ウンム・ジャリーン村、マジャース村、カルア・ガザール村、トゥルア村、バズィート村、ジャンアト・クラー村、トゥウーム村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市サーフール地区、カッラーサ地区、ハイヤーン町、ダイル・ハーフィル市、ヌッブル市およびザフラー町周辺を空爆・砲撃し、子供を含む住民複数名が死亡した。

シリア軍はまた、アッザーン山一帯で、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)などとともに、アンサール・ディーン戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(7月19日付)によると、アレッポ市旧市街、バニー・ザイド地区、ラーシディーン地区、スッカリー地区、バーブ・ナイラブ地区、サーリヒーン地区、ジャズマーティー交差点一帯、カッラーサ地区、サーフール地区、ジャービリーヤ地区、アレッポ駅一帯、ライラムーン地区、バヤーヌーン町、ハイヤーン町、ラトヤーン村、フライターン市、カルアト・ナジュム村、アイン・ハンシュ村、ダイル・ハーフィル市、ブライジュ村、マーイル町、カフルハムラ村、ダーラト・イッザ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月19日付)によると、ウーファーニヤー村、アブー・シャッタ村、ウンム・バーティナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(7月19日付)によると、ハウワーシュ村、アトシャーン村、ヒルバト・ナークース村周辺、アクラブ町、ラフジャーン村、中カスタル村、バルアース山で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 19, 2015、AP, July 19, 2015、ARA News, July 19, 2015、Champress, July 19, 2015、al-Hayat, July 20, 2015、Iraqi News, July 19, 2015、Kull-na Shuraka’, July 19, 2015、al-Mada Press, July 19, 2015、Naharnet, July 19, 2015、NNA, July 19, 2015、Reuters, July 19, 2015、SANA, July 19, 2015、UPI, July 19, 2015などをもとに作成。

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有志連合、シリア軍がハサカ市でダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けて航空偵察などで連携(2015年7月19日)

AFP(7月19日付)は、有志連合とシリア軍の戦闘機がハサカ市上空に交互に飛来、旋回を繰り返しており、有志連合が同地におけるダーイシュ(イスラーム国)掃討のため、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊だけでなく、シリア政府とも連携していることが見て取れると報じた。

これに関して、人民防衛隊の高官は、AFPに対して、シリア政府と有志連合はクルド人の仲介のもと、航空偵察面で調整を行うために連絡を取り合っており、「航空偵察を行うため、上空からの待避を要請するとの連絡・通知が一方が(人民防衛隊の)調整官に入ると、クルド人仲介者がもう一方にその旨通知している」と述べたという。

同高官によると、「同じ上空で2機の戦闘機がぶつからずに飛行することなどできない」という。

一方、SANA(7月19日付)によると、シリア軍がハサカ県ハサカ市グワイラーン地区の墓地周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して集中攻撃を加え、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、西ヌシューワ地区、サカン・シャバービー地区でもダーイシュと交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の本拠地であるラッカ市にビラを散布し、同市解放への意志を誇示した。

ビラには、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と自由シリア軍の腕章をつけた4人の戦闘員が、ダーイシュ戦闘員の遺体が横たわる道を進む姿が描かれ、また「自由の日が昇る」と書かれている。

また別のビラには、「ダーイシュよ、お前たちが掌握している地域は日々縮小している。我々はお前たちの司令官多数を殺し、数えられないほどの戦闘員を殺した。お前たちは無力だ。お前たちが破壊される時間は迫っている。0時0分が迫っている」と記されているという。

al-Hayat, July 19, 2015
al-Hayat, July 19, 2015

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市東部郊外で、武装集団がガス・パイプラインを爆破した。

またダーイシュ(イスラーム国)のバヤーン放送は、カルヤタイン市郊外でガス・パイプライン保守点検チームを拉致したと報じた。

一方、SANA(7月19日付)によると、タドムル市(市役所庁舎、裁判所一帯)、ビイル・アブー・ティワーラ、ラスム・タウィール村、カディーム村、マルハジャーン村、バーリダ地区、ワーディー・アブヤド・ダム北部、シーハ村、ブラーク・ナシュマー村、ナシュマ丘北部、ワーディー・マースィク、カーディリー農場北東部、ブサイリー村、西サラーム村、アルシューナ村、シャーイル・ガス採掘所一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャンダーヒーヤ村などをシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲するクワイリス航空基地一帯をシリア軍が空爆した。

また、ARA News(7月19日付)によると、アイン・アラブ市南部郊外に18日に潜入したダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の戦闘が続いた。

一方、SANA(7月19日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月19日付)によると、マリーイーヤ村、ジャフラ村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(7月19日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州(ダイル・ザウル県)治安当局が、ティーム油田を管理していたマジード・ユースフ・ムハイスィン氏(アブー・クサイ)を数日前に汚職容疑で逮捕し、解任した。

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ハマー県では、SANA(7月19日付)によると、ムファッキル村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(7月19日付)によると、ブサイナ丘で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(7月19日付)によると、ヤルダー市とダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの間に位置する使徒シャーム旅団(自由シリア軍)の検問所に駐留していた元ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの戦闘員が、駐留していた旅団メンバー3人を殺害し、逃走した。

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『ハヤート』(7月20日付)によると、トルコ軍は、シリアからトルコに帰国しようとした488人とトルコからシリアに潜入しようとした26人の合わせて514人を地上部隊が拘束した、と発表した。

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米中央軍(CENTCOM)は、7月19日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回におよび、アレッポ市近郊(1回)、ハサカ市近郊(3回)、ラッカ市近郊(3回)、アイン・アラブ市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, July 19, 2015、AP, July 19, 2015、ARA News, July 19, 2015、Champress, July 19, 2015、al-Hayat, July 20, 2015、Iraqi News, July 19, 2015、Kull-na Shuraka’, July 19, 2015、al-Mada Press, July 19, 2015、Naharnet, July 19, 2015、NNA, July 19, 2015、Reuters, July 19, 2015、SANA, July 19, 2015、UPI, July 19, 2015などをもとに作成。

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スィラージュ・プレス:北朝鮮人戦闘員がダマスカス県ジャウバル地区の戦線に投入か?(2015年7月19日)

スィラージュ・プレス(7月19日付)は、複数の現地消息筋の話として、ダマスカス県内で、北朝鮮人150人以上を乗せた大型バス5台が、ジャウバル区の前線に向かって移動するのが目撃されたと報じた。

同プレスは、オレンジ色のバスに乗った北朝鮮人とされる約150人は、完全装備で、バスは南部環状道路をジャウバル区方面に向かって進んでいたと主張している。

北朝鮮とシリア政府との関係をめぐっては、2013年頃、アサド大統領が「チョルリマ(千里馬)7」(تشوليما – 7)師団と称する北朝鮮の特殊部隊に反体制派弾圧のための支援要請をしていたとの報道がなされていた、というが、真偽は不明。

Siraj Press, July 19, 2015などをもとに作成。

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