イスラエル国防相「シリアは国家としては終わった」(2015年7月20日)

イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は、アシュトン・カーター米国防長官との会談後の記者会見で、シリア情勢について、「シリアは国家としては終わった。もと通りに戻ることは不可能だ。シリアの現政権は、イラン、ヒズブッラーと並んでもっとも卑劣なテロを行っている。こうしたテロと一刻も早く戦わねばならない」と述べた。

ARA News(7月21日付)が伝えた。

AFP, July 21, 2015、AP, July 21, 2015、ARA News, July 21, 2015、Champress, July 21, 2015、al-Hayat, July 22, 2015、Iraqi News, July 21, 2015、Kull-na Shuraka’, July 21, 2015、al-Mada Press, July 21, 2015、Naharnet, July 21, 2015、NNA, July 21, 2015、Reuters, July 21, 2015、SANA, July 21, 2015、UPI, July 21, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、有志連合がアレッポ県、ラッカ県、ハサカ県、ダイル・ザウル県のダーイシュ(イスラーム国)に対して爆撃(2015年7月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つマンビジュ市をシリア軍が空爆し、21人が死亡した。

これに対し、ダーイシュはクワイリス航空基地一帯でシリア軍と交戦し、少尉2人を殺害した。

一方、有志連合も、スーラーン・アアザーズ町一帯を空爆した。

また同地一帯では、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団とダーイシュの戦闘が続いた。

他方、アレッポ県では、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がバーブ市、マンビジュ市を空爆した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がハサカ市グワイラーン地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またハサカ市南部一帯やミールビーヤ連隊基地一帯に対して空爆が行われ、連隊基地一帯での空爆では、ダーイシュの車輌が標的となり、乗っていたダーイシュのチュニジア人司令官1人と外国人戦闘員5人が死亡したという。

しかし、この爆撃がシリア軍によるものか、有志連合によるものかは定かではないという。

一方、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のライドゥール・ハリール報道官は、「クルド人がハサカ市をほぼ完全に掌握した…。シリア政府は衰退し、同市を防衛できなくなってしまった。同市への残留は、限られた場所で象徴的なものにとどまる。ハサカ市の出入り口は、クルド人の部隊が掌握している」と述べた。

『ハヤート』(7月21日付)が伝えた。

他方、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がハサカ市グワイラーン地区の墓地周辺で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、アイン・イーサー市北東部のシャルカラーク村一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また有志連合が人民防衛隊を援護するかたちで同地一帯を12回にわたり空爆した。

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ヒムス県では、SANA(7月20日付)によると、タドムル市西部郊外の街道で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の車輌を破壊した。

シリア軍はまた、タドムル市一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯、ジバーブ・ハマド村、タフハ村、ハンヌーラ村、ウンム・サフリージュ村などを空爆した。

AFP, July 20, 2015、AP, July 20, 2015、ARA News, July 20, 2015、Champress, July 20, 2015、al-Hayat, July 21, 2015、Iraqi News, July 20, 2015、Kull-na Shuraka’, July 20, 2015、al-Mada Press, July 20, 2015、Naharnet, July 20, 2015、NNA, July 20, 2015、Reuters, July 20, 2015、SANA, July 20, 2015、UPI, July 20, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、ヒズブッラー戦闘員によるザバダーニー市(ダマスカス郊外県)への攻勢続く(2015年7月20日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市で、シリア軍(第4師団)、ヒズブッラー戦闘員が、ジハード主義武装集団、地元武装集団との交戦を続け、同地一帯を空爆・砲撃した。

シリア軍戦闘機の空爆は12回におよび、またヘリコプターも「樽爆弾」14発を投下した。

シリア軍はまた、バイト・サービル町を砲撃し、タッル・クルディー町一帯では、ジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、レバノン国境のナイーマート丘一帯で、ヒズブッラー戦闘員と武装集団(所属不明)が交戦した。

一方、SANA(7月20日付)によると、シリア軍とレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)が、ザバダーニー市一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動など「タクフィール主義テロ集団」との交戦を続け、ザバダーニー平野の複数地点(ダルブ・カッラーサ、ダルブ・ハスバ、マルジュ・キサーラ)を制圧した。

シリア軍はまた、アルバイン市、バイト・サワー村、ハジャーリーヤ農場、アーリヤ農場、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯を空爆、攻撃し、ヌスラ戦線、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊が県北部のカンディースィーヤ村、バイト・アワーン村など、ジハード主義武装集団の支配下にあるサルマー町一帯(反体制派が「トルクメン山」と称する地域)に進攻し、ジハード主義武装集団と交戦、同地一帯を砲撃し、反体制派記者1人、戦闘員1人が死亡した。

これに関して、シャームの民のヌスラ戦線第2沿岸師団広報局は、「トルクメン山」のウスマーン丘のシリア軍拠点に対してジハード主義武装集団が反撃を加え、同地を奪還したとドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)に対して明らかにした。

ウスマーン丘は最近の戦闘でシリア軍に制圧されていたという。

一方、SANA(7月20日付)によると、ズワイク村、マルカシュリーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市各所、ウンム・ワラド村、ハーッラ市を「樽爆弾」などで空爆・砲撃した。

一方、SANA(7月20日付)によると、サイダー町、ハーッラ市、ウンム・ワラド村、東カラク村、フラーク市、ヤードゥーダ村、ダルアー市内各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、クーア・ハドル地区で国防隊がジハード主義武装集団と交戦、戦闘員1人を殺害した。

一方、SANA(7月20日付)によると、クーア・ハドル地区で国防隊が「テロ集団」を要撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(7月21日付)によると、反体制武装集団はサアラ航空基地に近いシャイフ・フサイン丘を制圧した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区、サアン村をシリア軍が砲撃し、男性1人が死亡した。

シリア軍、国防隊はまた、アイン・フサイン村、アイン・ダナーニール村でジハード主義武装集団と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がアレッポ市西部のハラブ・ジャディーダ地区を砲撃し、シリア軍兵士・国防隊隊員複数が死傷した。

またアレッポ・ファトフ作戦司令室に参加する第111師団の司令官のフサイン・クンタール中尉がアナダーン市で司令室から出てきたところを武装した何者かに狙われ、暗殺された。

一方、SANA(7月20日付)によると、アレッポ市西部の科学研究センター施設一帯、を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、カフルダーイル村、バヤーヌーン町、ヌッブル市およびザフラー町一帯、ダイル・ハーフィル市、マンスーラ村、アレッポ市ハラク地区、サーフール地区、バーブ・ハディード地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、スルターン・ムラード旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(7月20日付)によると、自家製の迫撃砲を積んだシャームの民のヌスラ戦線の車輌がジスル・シュグール市郊外で爆発し、戦闘員5人が死亡した。

また、ARA News(7月20日付)によると、ファトフ軍はカファルヤー町、フーア市を砲撃した。

一方、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール町、トゥルア村、マジャース村、ビンニシュ市、ジスル・シュグール市、アリーハー市を空爆、シャームの民のヌスラ戦線のサウジアラビア人司令官のムハンマド・ハーリド・ハーリド氏(アブー・ダジャーナ)らが死亡した。

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クナイトラ県では、SANA(7月20日付)によると、ウンム・バーティナ村、アブー・シャッタ村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がカストゥーン村を攻撃し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 20, 2015、AP, July 20, 2015、ARA News, July 20, 2015、Champress, July 20, 2015、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2015、al-Hayat, July 21, 2015、Iraqi News, July 20, 2015、Kull-na Shuraka’, July 20, 2015、July 21, 2015、al-Mada Press, July 20, 2015、Naharnet, July 20, 2015、NNA, July 20, 2015、Reuters, July 20, 2015、SANA, July 20, 2015、UPI, July 20, 2015などをもとに作成。

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YPGは自由シリア軍所属の2部隊に対してアイン・アラブ市からの退去を要請(2015年7月20日)

アレッポ県では、クルド・ストリート・ニュース(7月20日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、自由シリア軍に所属する二つの武装集団に対して、24時間以内にアイン・アラブ市に、拠点、陣地を撤去し、同市から退去するよう求めた。

退去を求められたのは、イブラーヒーム・バンナーウィー大隊、ザーザー大隊で、ザーザー大隊のメンバーによると、65人からなるメンバーは家族とともにトルコ領内に退去する予定だという。

AFP, July 20, 2015、AP, July 20, 2015、ARA News, July 20, 2015、Champress, July 20, 2015、al-Hayat, July 21, 2015、Iraqi News, July 20, 2015、Kull-na Shuraka’, July 20, 2015、Kurd Street News, July 20, 2015、al-Mada Press, July 20, 2015、Naharnet, July 20, 2015、NNA, July 20, 2015、Reuters, July 20, 2015、SANA, July 20, 2015、UPI, July 20, 2015などをもとに作成。

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アイン・アラブ市に近いトルコ領内のスルチュ市のHDPの文化センターをダーイシュ(イスラーム国)が自爆攻撃し、少なくとも27人が死亡(2015年7月20日)

『ハヤート』(7月21日付)などによると、アイン・アラブ市(アレッポ県)に北東約10キロの地点に位置するトルコ領内(シャンウルファ県)のシュリュジュ市で爆発が発生し、トルコ内務省によると、少なくとも27人が死亡、100人が負傷した(その後死者数は32人に)。

ARA News(7月20日付)によると、攻撃は、シュリュジュ市内にある野党国民民主主義党(HDP)の「文化芸術センター」の中庭で発生した。

犠牲者のほとんどが「社会主義青年連盟連合」に所属する若者たちで、彼らはアイン・アラブ市への復興支援のため、シリアに入国するのに先だって祝典を行っていたという。

アフメト・ダウトオール首相は記者会見で「初動捜査により、爆発がダーイシュ(イスラーム国)による自爆攻撃であることが判明した」と述べた。

ダーイシュがトルコ領内で自爆攻撃を行うのはこれが初めて。

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また、ARA News(7月20日付)によると、シュリュジュ市での自爆テロの数時間後、アイン・アラブ市郊外でも爆発が起き、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の隊員複数が死傷した。

爆発は、アイン・アラブ市南部ルーフィー村の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊基地で発生した。

複数の目撃者は、爆発が、ダーイシュ戦闘員が爆弾を積んだ車で穀物サイロに突っ込んだことによるものだと証言する一方、人民防衛隊に近い消息筋は、製造中の迫撃砲が爆発したと説明しているという。

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事件発生を受けて、イスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立はただちに声明を出し、「テロ行為」を非難し、「シリアはトルコの無事を改めて願い、シリア人はトルコの国民と政府とともに、こうした行為に対抗する」と表明した。

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一方、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、フランス24(7月20日付)に対して、「トルコとコバネ(アイン・アラブ)市での爆発は関連がある。共犯者はダーイシュと、クルドの敵、すなわちトルコ政府だ。なぜなら、トルコ政府はこれまで、シリアにダーイシュが潜入するのを促してきたからだ」と述べた。

アブドゥッラフマーン代表はそのうえで、「国際社会は、シリア領内にジハード主義者数万人が入ってくるのをトルコ政府がどのように許してきたのかを調査しなければならない」と主張した。

AFP, July 20, 2015、AP, July 20, 2015、ARA News, July 20, 2015、Champress, July 20, 2015、France 24, July 20, 2015、al-Hayat, July 21, 2015、Iraqi News, July 20, 2015、Kull-na Shuraka’, July 20, 2015、al-Mada Press, July 20, 2015、Naharnet, July 20, 2015、NNA, July 20, 2015、Reuters, July 20, 2015、SANA, July 20, 2015、UPI, July 20, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のヌスラ戦線とイスラーム軍が東グータ地方(ダマスカス郊外県)での対立を解消することで合意(2015年7月20日)

イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官とシャームの民のヌスラ戦線東グータ地区のアブー・アースィム司令官(アミール)は、ダマスカス郊外県東グータ地方での対立(https://syriaarabspring.info/?p=20823を参照)を解消し、合同作戦司令室の設置と治安面での協力再開することなどで合意した。

両者の和解は、ラフマーン軍団の仲介によるもので、①双方による中傷、煽動の停止とこれに背いた者の処罰、②治安面での協力の再活性化、③イスラーム軍によるマディーラー・バイト・サワー検問所の放棄とグータ地方のすべての検問所に関する報告書の提出、④グータ地方の現状を把握するための合同作戦司令室の設置、⑤共通ヴィジョン確立に向けた司法ファイルの設置、を骨子とする。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)が伝えた。

Kull-na Shuraka', July 20, 2015
Kull-na Shuraka’, July 20, 2015

AFP, July 20, 2015、AP, July 20, 2015、ARA News, July 20, 2015、Champress, July 20, 2015、al-Hayat, July 21, 2015、Iraqi News, July 20, 2015、Kull-na Shuraka’, July 20, 2015、al-Mada Press, July 20, 2015、Naharnet, July 20, 2015、NNA, July 20, 2015、Reuters, July 20, 2015、SANA, July 20, 2015、UPI, July 20, 2015などをもとに作成。

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