ジハード主義武装集団がアレッポ県、イドリブ県でのシリア政府支配下の町への砲撃を続ける(2015年7月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団が、シリア政府支配下のヌッブル市、ザフラー町(いずれもシーア派居住)に対して迫撃砲弾数十発を撃ち込んだ。

これに対して、シリア軍はアナダーン市各所を砲撃した。

また、反体制武装集団は、シリア政府支配下のアレッポ市シャフバー・ジャディード地区に砲撃を加え、子供5人と女性1人が死亡した。

一方、SANA(7月26日付)によると、アレッポ市ラーシディーン地区、ハーリディーヤ地区、ライラムーン地区、カフル・ナーヤー村、ヌッブル市一帯、アターリブ市、タームーラ村、カブターン・ジャバル村、マンスーラ村、ナイラブ航空基地一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(7月27日付)によると、アレッポ県で活動するミイアード連隊がシャームの民のヌスラ戦線に合流するとの声明を発表した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のフーア市、カファルヤー町(いずれもシーア派居住)をファトフ軍が砲撃した。

またドゥラル・シャーミーヤ(7月26日付)によると、シリア軍は、マアッラト・ヌウマーン市南部郊外、アブー・ズフール航空基地周辺、ハーン・スブル村、イドリブ市などを空爆した。

一方、SANA(7月26日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール町、タフタナーズ市、トゥウーム村を空爆し、複ファトフ軍数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、マアッラト・ヌウマーン市一帯、タッル・サフン村、ザイズーン・ダム一帯でファトフ軍と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またフーア市、カファルヤー町の住民および国防隊は、ファトフ軍を撃退した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザバダーニー市内各所を「樽爆弾」で空爆、また第4師団とヒズブッラー戦闘員が、ジハード主義武装集団、地元の武装集団と交戦した。

これにより、ジハード主義武装集団の戦闘員4人が死亡したほか、ブルーダーン村で子供1人が死亡した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月27日付)は、4日前から、シリア軍がタッル市への包囲を強化、住民数万人が避難している、と伝えた。

他方、SANA(7月26日付)によると、ザバダーニー市南部で、シリア軍とレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)が「テロ集団」と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ダイル・アサーフィール市農場地帯、ザブディーン村、ダイル・サルマーン町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東ガーリヤ村、タイバ村、ジーザ町、キヒール村を「樽爆弾」などで空爆する一方、ジハード主義武装集団(自由シリア軍南部戦線)がダルアー市のシリア政府支配地域、ヒルバト・ガザーラ町を砲撃した。

一方、SANA(7月26日付)によると、ダルアー市内各所(ダム街道地区、避難民キャンプ一帯、カラク地区、アッバースィーヤ地区など)、ヌアイマ村、サイダー町、キヒール村南部、ブスラー・シャーム市内東部、ヤードゥーダ村、ウンム・マヤーズィン町、タファス市、ハッラーブ・シャフム村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(7月26日付)によると、自由シリア軍南部戦線所属のファッルージャト・ハウラーン師団は、24日にダルアー市での戦闘で死亡したアブー・ハーディー・アッブード司令官の後任として、アナス・ザイーム氏を新司令官に任命した。

また、ARA News(7月26日付)によると、自由シリア軍南部戦線がダルアー市内でのシリア軍との戦闘の末、国立病院を制圧した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍がナビー・ユーヌス峰山頂のシリア軍拠点を砲撃した。

またシャームの民のヌスラ戦線に近いサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏(ジハード布教者センター代表)はツイッターを通じて、ファトフ軍がハーフィズ・アサド前大統領の生地カルダーハ市を砲撃したと主張した。

ファトフ軍も声明を出し、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員によるザバダーニー市(ダマスカス郊外県)への攻撃の報復として、イドリブ県のフーア市、カファルヤー町に加えて、ハーフィズ・アサド前大統領の生地カルダーハ市をも標的とすると発表した。<br>

一方、SANA(7月26日付)によると、サルマー町およびその周辺をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(7月26日付)によると、アンカーウィー村、アカシュ村、ラスム・アワーイド村、アクラブ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 26, 2015、AP, July 26, 2015、ARA News, July 26, 2015、Champress, July 26, 2015、al-Hayat, July 27, 2015、Iraqi News, July 26, 2015、Kull-na Shuraka’, July 26, 2015、July 27, 2015、al-Mada Press, July 26, 2015、Naharnet, July 26, 2015、NNA, July 26, 2015、Reuters, July 26, 2015、SANA, July 26, 2015、UPI, July 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG、シリア軍がハサカ市内でダーイシュ(イスラーム国)掃討を続ける(2015年7月26日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市東ヌシューワ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュに制圧されていた同地区内の建物数棟を奪還した。

シリア軍はまた、ハサカ市一帯のダーイシュ拠点に対して砲撃を行った。

一方、SANA(7月26日付)によると、ハサカ市南部の文化会館一帯、マディーナ・リヤーディーヤ地区、小児科病院一帯、文学部一帯、ヴィーラート・ヌシューワ地区、サカン・シャバービー地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)を掃討、同地を制圧した。

シリア軍はまた、バースィル交差点一帯、ズフール地区などでもダーイシュと交戦し、戦闘員複数を殲滅した。

なお、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ハサカ市は現在、市内中心部に勢力を拡大した西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、同市北部、西部、南部など全体の70%を掌握、グワイラーン地区などでダーイシュと戦闘を続けるシリア軍は同市の20%を、そしてダーイシュは10%を支配下に置いている、という。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ市上空を飛行する有志連合に対して重火器で攻撃を行った。

またトルコ国境に近いタッル・アブヤド市近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点2カ所に対して、ダーイシュは爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

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アレッポ県では、ARA News(7月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室は、有志連合の空爆による援護を受け、スィッリーン町でのダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、同地を制圧した。

スィッリーン町一帯での戦闘が続く中、人民防衛隊の包囲を受けたダーイシュは、スィッリーン町の穀物サイロを爆破するなどして、同地から撤退した。

また、シリア人権監視団によると、スィッリーン町郊外の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点に対して、ダーイシュが爆弾を積んだ自動車で自爆攻撃を行った。

一方、ダーイシュは、スーラーン・アアザーズ町一帯で男性一人を「覚醒評議会に所属し、連絡をとっていた」との罪で斬首、殺害した。

他方、シリア軍は、ダーイシュによって包囲されているクワイリス航空基地一帯を空爆した。

このほか、SANA(7月26日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がタドムル市西部郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、その拠点などに対して砲撃を行った。

一方、SANA(7月26日付)によると、タドムル市一帯などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月26日付)によると、ジャフラ村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、7月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は13回におよび、ハサカ市近郊(10回)、アレッポ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, July 26, 2015、AP, July 26, 2015、ARA News, July 26, 2015、Champress, July 26, 2015、al-Hayat, July 27, 2015、July 28, 2015、Iraqi News, July 26, 2015、Kull-na Shuraka’, July 26, 2015、al-Mada Press, July 26, 2015、Naharnet, July 26, 2015、NNA, July 26, 2015、Reuters, July 26, 2015、SANA, July 26, 2015、UPI, July 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領「軍のエネルギーとはマンパワーであり、軍が力を発揮できるようにするには、我々が持つより多くの力を提供しなければならない」(2015年7月26日)

アサド大統領はダマスカス県にある人民宮殿で、人民諸委員会、職業諸組合、工業会議所、商業会議所、農業会議所、観光事業所の代表およびメンバーの前で演説を行った(https://youtu.be/pdBCQqWSKCA)。

アサド大統領の演説での主な発言は以下の通り:

SANA, July 26, 2015
SANA, July 26, 2015

「我々は今日、白日のもとに晒され、明らかとなった多くのことを目の当たりにしている。シリア情勢は複雑ではあるが、知性を覆い隠してきたものは取り去られ、顔からは仮面がはがれ落ち…、彼らが世界に信じ込ませようとしていた嘘が暴露された…。これにより、テロリストを支援する国々の高官の犯罪的メンタリティが証明され、同時に、シリア国民を幻想の泥沼に陥れようとしてきた彼らのこれまでのすべてのやり口が失敗したことが示された…。国民が彼らの罠に落ちないと、彼らは最後の手段としてテロの蛮行を極め、シリア国民に対して、押しつけられたものを受け入れるか、死と破壊を選ぶかを選択させようとした。こうした過激な態度は…、シリア国民の抵抗を打ち砕くことができないことへの彼らの絶望を表してもいた…。この抵抗力は彼らの計略を頓挫させるだけでなく、テロ支援者の政治的未来への真の脅威となった」。

「彼らは長い間、自分たちがシリアの革命家、そして自由と民主主義を求める者たちを支援していると言っていた。しかし、国民は、彼らがシリアでテロリストを支援していることを突き止めた」。

「テロは病んだ思想であり、逸脱したイデオロギーであり、異常な行為だ。それは、無知、後進性といった環境のもとで成長し、拡大する…。植民地主義がこうした要素のもとにあり、それを強め、持続させることは、誰からも明らかだ。であるとするなら、テロの種をまく者がどのようにテロと戦うことができるというのか? テロと戦う意志がある者は、正義、自決、知識の普及、無知の根絶、経済改善、社会の発展をめざす国民の意思の尊重などに根ざした知性に根ざした政策を行うべきだ」。

「こうした現象(テロ)への彼ら(欧米諸国)の対応は依然として偽善によって彩られている。彼らを苦しめると、それはテロとなるが、我々を苦しめると、それは革命、自由、民主主義、人権になる。彼らに対して犯罪を行う者はテロリストだが、我々に行う者は革命家、「穏健な反体制派」となる」。

「国際社会において、最近になって良い変化が起きていることは事実だ…。しかし私は言いたい。こうした変化は頼りにはならない。彼らがダブルスタンダードに依拠する限りは…、彼らは何の教訓も道徳を得ることはない。つまり、何もかもがその場しのぎだ」。

「彼ら自身が作り出し、制御できなくなった蛮行と戦うことを支援しているということが、彼らの偽善の本質だ。彼らの現在の目的は、こうした蛮行を抑えることだけにしかなく、それを根絶しようとはしていない…。テロとの戦いにおいて彼らの誠実な行動を期待できりょうか? これらの国は、植民地主義の歴史を持っている。植民地主義とは、テロ、非道徳、非人道と同義だ…。我々は自分たちしかあてにできない。原理原則、道徳を持ち合わせ、地域、シリア、そして世界の安定を望む一部の友人の善意にしか期待できない」。

「BRICs諸国はその他の国々とともに、シリアで起きていることに対して公正な態度をとってきた…。イランは経済的、軍事的、政治的な支援を通じて、我々国民の抵抗力強化に貢献してきた…。ロシアは中国とともに安全弁となり、国連安保理が諸国民を脅かす道具になるのを阻止してきた…。ロシアはさまざまな建設的なイニシアチブを発揮し…、シリア人どうしの対話に向けて事態を進めようとしてきた」。

「我々の路線はあらゆるイニシアチブに対応するとおいうものであり続けてきた。そうしたイニシアチブの一部が悪意に基づくものだと知っていても、例外なくそうしようとしてきた…。シリア人の血こそが何よりもまず考慮されるべきものであり、そのために戦争を終わらせることが最優先だからだ…。だから、我々はジュネーブやモスクワでの対話に臨んだのだ…。政治プロセスと国内でのテロとの間の関係とはどのようなものか? いわゆる「在外の反体制派」との関係とはどのようなものか? 「在外の反体制派」とは外国に存在するという意味ではなく、外国とつながりを持っているという意味だ。その一部はシリア国内にもあろ、外国と政治的、物的につながりを持っている…。いわゆる在外の反体制派と国内にいるテロリストとの関係とはどのようなものか? これらのテロリストは当初から、在外の反体制派を…承認することを拒んできた。テロリストに影響力を行使できない者たちとどのように対話できるというのか? 彼らはテロリスト以外のものにも影響力を行使できないというのに。彼らは自分たち自身さえも代表していない」。

「対話、政治活動とテロとの間には論理的には何の結びつきもない。なぜなら政治活動は政治体制を発展させ、それによって繁栄、そして祖国の力を増進することが目的だからだ…。しかしテロはそのための道具とはならない…。外国とつながりのある反体制派とテロリストのつながりは、主人が一人であるために非常に強い。この主人とは、資金を供与し、運営し…、糸を操る者であり、時にテロリストにテロの脅威を高めるよう求め、また時に反体制派に発言を強めるように求める…。これを運営し、教練する者の知性は一つだ。その目的はテロと政治という二つの路線を駆使して、シリア人を恐喝し、シリアが従属国になることを受け入れさせるか…、テロリストへの支援を続けることで国を破壊することが目的だ。つまり、テロこそが真の道具であり、政治プロセスは二義的な予備の道具に過ぎない」。

「テロ撲滅を本質としないいかなる政治的提案も意味がない…。政治プロセスは存在するが、現実において、我々の前にある唯一の解決策は、テロと戦うことにあり、テロがなくならない限りは、政治、経済、文化、安全、そして道徳もない」。

「我々は戦争を望んでいなかったが、戦争を強いられれば、どこであっても武装部隊がテロリストを撃退してきた…。しかし我々が今日行っている戦争は、シリア全土に武装部隊がくまなく存在し得ないというなかで行われている。それゆえに、テロリストが一部の地域に入り込んできた…。最近になって、テロ国家が…テロリスト支援のレベルを引き上げ…、トルコがイドリブに対して行ったような直接介入が見られるようになった…。これにより、国家の支配下にあった一部の地域が、テロリストの手に落ちた。これにより市民の間である種のフラストレーションが生じ…、国が衰退し、軍が衰退している…とのプロパガンダが強まった…。また戦っているのがシリア国外から来た軍隊だとの主張も繰り返された…。もちろん、彼らはイランのことを言おうとしているのだが…。この点について明らかにしておくために言いたい。イランは軍事的経験を提供しているだけで、軍事面ではそれ以外の何も提供していない。一方、レバノンのレジスタンスの忠実なる同胞は、我々とともに戦い、すべてを提供してくれている」

「援軍が主力軍にとってかわることなどできないことは誰でも知っている。同時に、シリア以外の友好国の軍が、我々の代わりに我々の祖国を防衛するためにやってくることなどあり得ない。軍が一部の地域から後退して、人々が不満を募らせたとしても、それは気迫や信頼の証であって…、軍の能力への疑念、軍への支援の躊躇ではない」。

「現地情勢に関して、これまでになされたいくつかの質問から話を始めることにしよう。我々は一部の地域を放棄しているのか? なぜ我々は一部の地域で敗北しているのか?… シリア国内のどの領地も価値があるもので、その支配を放棄することはできない…。我々にとって一部の地域を他の地域と区別することはできない…。これが慣例であり、原則だ。だが、戦争には条件、戦略、優先事項がある…。すべての場所でのすべての戦いで同時に勝利すると考えることは、現実からかけ離れたもので、不可能でもある…。部隊を重要な地域に集中させ、装備や兵士を動員する時…、それ以外の地域を考慮しつつも、これらの地域(の防衛)が弱くなり、場合によっては、一部の地域を放棄し、そこにいた部隊を、維持したい別の地域に移動させざるを得ないこともある…。また第2の優先事項として兵士の生命がある…。我々はいつも、勝利するために戦っているのであって、殉教するために戦っているのではないと言っている。殉教は運命ではあるが、目的ではない。目標は勝利だ」。

「戦争は武装部隊だけの戦争ではなく、祖国全体にとっての戦争だ…。社会全体にとっての戦争であり、我々はもっとも困難、複雑で、広範におよぶ戦いで能力を発揮できるように備えることができる…。平時には、脱走兵や兵役忌避の割合は数千人程度だが、戦時においては、この割合は、何よりもまず恐怖という要因ゆえに、何倍にも増える。しかし、周知の通り、軍とは武器や装備だけではない。軍とは何よりもまず武器、装備を使用するパンパワーである…。シリアの武装部隊は…祖国防衛の任務を適切に遂行できるかとの問いに対して…、私は誇張せずに、科学的、実質的、現実的な本当の答えを述べたい…。「確実にできる」…。しかし軍のエネルギーとはマンパワーであり、軍が持つ力をより多く発揮させるには、我々が持つ力をより多く提供しなければならない。軍に最大のエネルギーを発揮して欲しいのなら、このエネルギーに必要なすべてを保証しなければならない」。

(脱走兵、兵役忌避者への恩赦に関して)「この法律は、兵役につくことが送れている人々に従軍を促すのが目的である」。

「祖国とは、そこに済む者のためにあるのではないし、パスポート、国籍を持つ者のためにあるのでもない。祖国は、祖国と国民を防衛する者のためにある…。そうする者のためにのみ祖国はある…。シリア・アラブ軍の辞書に敗北という言葉はない」。

「我々は情報戦争、神経戦を戦っており、そこでは、シリアを親政権派と反体制派、宗派、エスニック集団に分割しようとする考え方が広められようとしている…。しかし、分割は国民がそれを受け入れるか、望まない限りは生じない…。現実に基づいて言える唯一のことは、シリア領内には二つの構成要素しか存在しない。さまざまな国籍を持つテロリストと、それ以外のシリア人である。この二つの構成要素しか存在しないがゆえに、宗派・エスニック集団どうしが分裂しているといった言説や、我々は祖国を分割しようとしているといった言説は破綻しているのだ…。こうした言説に対して、我々シリア人は統合的な愛国意識を持って結束し続けねばならなず、一つの祖国であるシリアを複数のシリアへと分断しようとする仮想的な社会やアイデンティティを退けねばならない」。

「我々は運命の時に身を置いており、そこには中途半端な解決策はない…。権利を放棄することはなく、国土を譲り渡すこともない。我々が奴隷になることはなく、独立した主権者であり続けるだろう。我々の国、価値観、そして権利の主権者であり続けるだろう」。

「イランはなぜ、(欧米諸国の)陰謀すべてを乗り越え、(核開発合意という)勝利にいたったのか? イランの国民統合がこの合意の実現をもたらし、イランに核開発の権利を与えたのだ」。

「シリアが戦争において勝利するということは、テロを敗北させることだけを意味するのではない。それは、地域が安定を取り戻し、我々の地域の未来が、シリアの未来に沿うかたちで確定し、描き出されているということを意味する…。我々の選択肢は当初から明らかだ。それは勝利への意志と信頼を持つことだ。勝利とはシリアの一部の集団ではなく、すべてのシリア人のためにある…。恐れ、疑念を抱き、実現し得ない夢を望んで躊躇している人に呼びかけたい。前を進む人々の後に続き、真の敵に対して一つになって銃を向けよう。もっとも恐るべき共通の敵とはテロだ。外国に住む者に外国がした約束は単なる幻想に過ぎない」。

AFP, July 26, 2015、AP, July 26, 2015、ARA News, July 26, 2015、Champress, July 26, 2015、al-Hayat, July 27, 2015、Iraqi News, July 26, 2015、Kull-na Shuraka’, July 26, 2015、al-Mada Press, July 26, 2015、Naharnet, July 26, 2015、NNA, July 26, 2015、Reuters, July 26, 2015、SANA, July 26, 2015、UPI, July 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.