アサド大統領がラマダーン月明けの祝日に合わせて首都ダマスカス県ムハージリーン地区西端にあるハマド・モスクで礼拝(2015年7月17日)

アサド大統領は、ラマダーン月明けの祝日(イード・アル=フィトル)に合わせて、首都ダマスカス県ムハージリーン区西端にあるハマド・モスクでムハンマド・ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師らシリアのイスラーム教法曹界関係者および政府・バアス党高官らと集団礼拝を行った。

SANA(7月17日付)が伝えた。

なお、祝日初日の7月17日は、アサド大統領が大統領に就任(2000年7月17日)からちょうど15年にあたる。

SANA, July 17, 2015
SANA, July 17, 2015
SANA, July 17, 2015
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AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線の創設者の一人で「シャームの闘争の礎」として知られるサーリフ・ハマウィー氏が「首長国」(イマーラ)樹立に言及した指導者ジャウラーニー氏を批判(2015年7月17日)

シャームの民のヌスラ戦線の創設者の一人で「シャームの闘争の礎」として知られるサーリフ・ハマウィー氏が声明を出し、ハマー県で戦闘員25人がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘拒否を理由に解任されたことに異議を唱えた。

ヌスラ戦線シューラー評議会メンバー、東部砂漠地区司令官(アミール)を努めていたハマウィー氏は、解任決定に関して「政治的なものであり、規則に則ったものではない…。この決定がシューラー評議会によって発せられたとの主張についても私は懐疑的だ。なぜなら、ヌスラ戦線のすべての戦闘員、司令官、そして戦線以外の武装集団は、シューラー評議会が何らの決定も及ぼすことのない想像上のものだということを知っているからだ。常任メンバーの数、名前を誰も知らないし、会合が開かれるたびにメンバーが変わっている」と暴露した。

また、ヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏との関係について、「彼らかメッセージが届いたのは8ヶ月前で、以降、私と彼らの間にメールもやりとりは途絶えてしまった。理由は分からない」としたうえで、「私は組織の広報政策や規律に違反していたが、私を解任するという知らせも受けていない。組織の政策への違反と彼らが言っているものは…、組織そのもの、現場、シャームの民に外をもたらす法的な違反であり、もっとも重要なのは、組織に行き過ぎが生じてしまうことだ」と批判した。

さらに「私は、ジャウラーニー氏が「イマーラ」(首長国)樹立を公言したことが漏れ伝わって以来、組織を去ることを決意していた…。この言葉が漏れ伝わって以降、私はこの発言を公の場で批判してきた。これが私と彼の最初の真の対立の発端だった」と述べた。

また解任決定が、「外からの圧力」によるものだったと示唆したうえで、「ヌスラ戦線は母体であるアル=カーイダの組織に回帰し、ダーイシュ(イスラーム国)のような政策を法規すべきだ。ヌスラ戦線はダーイシュの影響をあまりにも受けてしまっている」と述べた。
『ハヤート』(7月18日付)が伝えた。

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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英国務省は、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の爆撃への参加を認める(2015年7月17日)

英国防省は、英空軍パイロットがシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の空爆に参加したと発表した。

国防省は、「英国はシリアでの空爆を行ってはいない。しかし、我々には、同盟国との間で長期的な配備計画があり、英国人少数名が受け入れ国の司令のもとで活動している…。シリアで任務についているパイロットはいないが、シリアでこうしたことが行われている…。英国は、情報・諜報の収集、監視、偵察任務を通じて、ダーイシュに対する有志連合の空爆に参加しており、空爆はシリアのダーイシュ拠点を標的としている」と発表した。

一方、内閣報道官によると、2019年半ばに発生した化学兵器使用疑惑事件に際して、シリアへの軍事介入を国会に否決(9月)されたデビッド・キャメロン首相はこのことを承知しているという。

『ハヤート』(7月18日付)などが伝えた。

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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ラッカ県、ヒムス県、ハサカ県などでシリア軍、YPG、有志連合がダーイシュ(イスラーム国)と交戦・爆撃(2015年7月17日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるラッカ市北部の第17師団基地およびその周辺を有志連合と思われる戦闘機が空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市西部郊外で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またクッルナー・シュラカー(7月17日付)によると、タイフール航空基地で、ナウワーフ・アブドゥルカリーム・シャーヒーン准将(ジャズル地区司令官)が死亡した。

一方、SANA(7月17日付)によると、シリア軍が、タドムル市製法のヒヤール山、マースィク山に進攻しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部およびその周辺一帯で、シリア軍、バアス大隊、国防隊、そして西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がそれぞれダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(7月17日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員がイラク国境に位置するヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点に対して自爆攻撃を行った。

また、クッルナー・シュラカー(7月18日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員がラアス・アイン市西部の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の基地に侵入し自爆、人民防衛隊隊員1人が死亡した。

他方、ARA News(7月18日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がハサカ市南東部のファッラーハ村とヴィーラート・ハムル地区東部を制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つバーブ市をシリア軍が前日に引き続いて空爆した。

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スワイダー県では、SANA(7月17日付)によると、カスル村・ヒルバト・サアブ村間、ハクフ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がジャフラ村、マリーイーヤ村を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、アッラーン村、サフム・ジャウラーン村、アイン・ザカル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、July 18, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、July 18, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県、アレッポ県、ラタキア県などでシリア軍と反体制武装集団が交戦(2015年7月17日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(7月17日付)によると、アウラム・ジャウズ村をシリア軍が日没時に「樽爆弾」で空爆し、11人が死亡、20人あまりが負傷した。

一方、SANA(7月17日付)によると、シリア軍が、ジャンアト・クラー村、バズィート村、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール町、カフル・ウワイド村、タマーニア町、ビンニシュ市、ウンム・ジャリーン村、トゥルア村、カルア・ガザール村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアナダーン市を砲撃し、少なくとも8人が死亡した。

シリア軍はまた、アレッポ市旧市街のジュッブ・クッバ地区を砲撃した。

一方、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がカラフ山、アッザーン山、バトナ山、ハッダーディーン村一帯に潜入しようとした反体制武装集団を撃退した。

シリア軍はまた、クワイリス航空基地を攻撃しようとした反体制武装集団も撃退した。

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ラタキア県では、SANA(7月17日付)によると、県北部のバイト・ズィーファー村、バイト・ハドゥール村、および両村一帯の戦略的山地で、シリア軍が国防隊とともに、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員ら多数の「テロリスト」を殲滅し、同地を制圧した。

シリア軍はまたジュッブ・アフマル村、アラーフィート村一帯を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月17日付)によると、ビイル・アジャム村、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月17日付)によると、バイト・ジン村、マガル・ミール、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、レバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに、ザバダーニー市に対する作戦を継続し、同地一帯で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月17日付)によると、ブスラー・シャーム市西部地区、アクラバー村、カフルシャムス町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(7月17日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の移動ルートの一つアラー村・ジャビーブ村回廊地域に対して、シリア軍が集中的に攻撃を加え、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)指導者のバグダーディー氏が処刑映像公開の禁止を支持するも、ヒムス県で「カリフ制の幼獣」がシリア軍士官を処刑(2015年7月17日)

『クドス・アラビー』(7月17日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)の広報筋の話として、カリフを名乗る指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏が、メンバーに対して処刑映像の公開を禁止する指示を与えた、と伝えた。

同消息筋によると、バグダーディー氏は、各地で活動するダーイシュのすべての広報局に対して、この指示を書面で数週間前に行ったという。

しかし、この指示に対して、「半島人」(ジャズラーウィーイーン)、すなわちサウジアラビア人メンバーの一部が「大衆ではなく、メンバーを脅迫」するために主張だとして異議を申し立てたが、最終的にはバグダーニー氏の指示に従ったという。

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ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局は、ヒムス県タドムル市で「カリフ制の幼獣」(児童戦闘員)がシリア軍士官と思われる男性を処刑する映像を公開した。

ARA News, July 17, 2015
ARA News, July 17, 2015

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、al-Quds al-‘Arabi, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がザバダーニー市で食糧品配給の作業に従事するメンバーの写真を公開(2015年7月17日)

ダーイシュ(イスラーム国)ダマスカス州広報局は、シリア軍(第4師団)とヒズブッラー戦闘員が制圧に向けて攻撃を続けるザバダーニー市内で、メンバーとされる複数の男性が食糧品配給の作業に従事している写真を公開した。

ダーイシュがザバダーニー市で活動していると主張したのはこれが初めてで、ザバダーニー市は現在、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、地元地元の武装集団の支配下にある。

Kull-na Shuraka', July 17, 2015
Kull-na Shuraka’, July 17, 2015

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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米軍の教練を終えた「穏健な反体制派」54人がアレッポ市に配備(2015年7月17日)

ARA News(7月17日付)は、反体制武装集団の複数の消息筋の話として、米軍の教練プログラムを修了した「穏健な反体制派」戦闘員の第1陣がアレッポ市に到着した、と伝えた。

同消息筋によると、「穏健な反体制派」戦闘員の数は54人で、トルコ領内での教練を終え、キリス国境通行所・バーブ・サラーマ国境通行所を経てシリア領内に入国し、アレッポ市に配備されたという。

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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シリア人権監視団「ラマダーン月の死者数は5,026人、うち1,665人がダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線の外国人戦闘員」(2015年7月17日)

シリア人権監視団は、6月18日から7月16日までのラマダーン月の間にシリアで5,026人が死亡したと発表した。

死者内訳は以下の通り:
民間人:1,220人(うち子供224人、女性178人)
イスラーム主義組織、反体制武装組織、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊:564人
シリア軍離反兵:8人
シリア軍兵士:775人
人民諸委員会、国防隊、シリア政府密告者:642人
ヒズブッラー戦闘員:38人
非シリア国籍の親政権シーア派戦闘員:99人
ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール軍の外国人戦闘員:1,665人
身元不明:15人

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一方、シリア人権ネットワークは、「5年間のラマダーンの成果」(http://sn4hr.org/public_html/wp-content/pdf/arabic/Ramazan_Toll.pdf)と題した報告書(全16ページ)を発表し、2011年以降の5回のラマダーン月における死者数が1万8,205人にのぼると主張した。

死者の内訳は以下の通り:

シリア軍が殺害した死者数:1万6,879人
西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が殺害した死者数:32人
ダーイシュ(イスラーム国)が殺害した死者数:775人
シャームの民のヌスラ戦線が殺害した死者数:21人
反体制武装組織が殺害した死者数:350人
有志連合が殺害した死者数:8人
殺害者が不明な死者数:140人

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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最新論考「シリア人権監視団発表の死者数統計に潜む政治的偏向」(Synodos)

青山弘之・浜中新吾
「シリア人権監視団発表の死者数統計に潜む政治的偏向」
Synodos、2015年7月17日

http://synodos.jp/international/14640

はじめに

2011年3月に「アラブの春」の混乱が波及したシリアでは、国内外の様々な当事者による暴力の応酬、欧米諸国などの制裁や干渉により情勢が悪化し、人々の生活は困窮を極めている。「今世紀最悪の人道危機」と称されて久しいこの紛争によって、23万人以上が死亡し、400万人弱が国外で、また650万人が国内で避難生活を余儀なくされ、1,000万人が被災していると言われる。こうした推計、とりわけ死者数推計の最大の根拠となっているのが、シリア人権監視団が発表する統計データである。・・・