イドリブ県、ハマー県北部でシリア軍とファトフ軍の戦闘激化(2015年7月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサラーキブ市各所を空爆し、子供5人、女性3人を含む16人が死亡した。

シリア軍はまた、ザーウィヤ山のマルイヤーン村、ジスル・シュグール市、カンスフラ村・カフル・ウワイド村間、アリーハー市に対しても空爆を行い、2人が死亡、子供を含む20人弱が負傷した。

一方、SANA(7月30日付)によると、アブー・ズフール町一帯、シャーグーリート村、マルイヤーン村、カンスフラ村、バズィート村、ハムカ村、バシュラームーン村、イシュタブリク村、アウラム・ジャウズ村、マジュダリヤー、アリーハー市、ジスル・シュグール市、スッカリーヤ村、アイン・スーダ村、マルジュ・アフダル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(7月30日付)は、反体制武装集団が29日にハーミディーヤ村で、シリア軍兵士らの遺体約70体が遺棄された集団墓地を発見した、と伝えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サルキーニーヤ市郊外のカルクール村一帯で、シリア軍、国防隊が、ハック旅団、ジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、スンナ軍、アンサール・ディーン戦線、トルキスターン・イスラーム党、アンサール・シャーム、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム軍団、第111歩兵師団、第101歩兵師団、ジャバルの鷹旅団、ガーブの鷹、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、シャーム自由人イスラーム運動などジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍、国防隊はまた、ヒルバト・ナークース村・マンスーラ村間でもジハード主義武装集団と交戦し、ジハード主義武装集団戦闘員2人が死亡した。

シリア軍はさらに、カーヒラ村、アンカーウィー村、クライディーヤ村などガーブ平原北部一帯を空爆した。

一方、SANA(7月30日付)によると、ザクーム村、アンカーウィー村、カフルズィーター、ムーリク東部、カストゥーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、山岳地帯でのジハード主義武装集団との戦闘で、シリア軍兵士2人が死亡した。

一方、SANA(7月30日付)によると、ファルラク森、アザル丘、カンダースィーヤ村、アイドゥー村、フルワ村、カラーキフィー山、スッカリーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アンサーリー地区、マイサル地区、シャイフ・サイード地区をシリア軍が砲撃・空爆する一方、ジハード主義武装集団も手製の迫撃砲で、サブア・バフラート地区、ハーリディーヤ地区などを砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団とヒズブッラー戦闘員がザバダーニー市内で、ジハード主義武装集団、地元の武装集団との戦闘を続け、同地一帯を激しく砲撃した。

またザブディーン村にシリア軍が地対地ミサイル2発を撃ち込み、タッル・クルディー町一帯で、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(7月30日付)によると、ザバダーニー市一帯で、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに、反体制武装集団に対する作戦を継続し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊し、市内のバラダー・モスクおよび南西部の建物複数棟を制圧した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、旧市街のバーブ・トゥーマ広場に、迫撃砲の流れ弾2発が着弾した。

またジャウバル区では、シリア軍、国防隊、秘図ブラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルシャムス町一帯に対するシリア軍の砲撃により、フルカーン旅団の司令官が死亡した。

またシリア軍が、ヨルダン国境に位置するナスィーブ村を「樽爆弾」で空爆し、男性1人が死亡した。

このほか、ヌアイマ村で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦、ハッラーブ・シャフム村をシリア軍が「樽爆弾」で攻撃した。

一方、SANA(7月30日付)によると、アトマーン村、ダルアー市避難民キャンプ一帯、電力会社南部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月30日付)によると、タルジャナ村、ジュャバーター・ハシャブ村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、フルカーン旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月30日付)によると、タルビーサ市、サワーナ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 30, 2015、AP, July 30, 2015、ARA News, July 30, 2015、Champress, July 30, 2015、al-Hayat, July 31, 2015、Iraqi News, July 30, 2015、Kull-na Shuraka’, July 30, 2015、al-Mada Press, July 30, 2015、Naharnet, July 30, 2015、NNA, July 30, 2015、Reuters, July 30, 2015、SANA, July 30, 2015、UPI, July 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)がスィッリーン町を制圧したYPGを奇襲(2015年7月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スィッリーン町南東部の学校周辺で、有志連合の航空支援を受けて27日にスィッリーン町を制圧した西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と、同部隊の連携する反体制武装集団(自由シリア軍)が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

戦闘は、ダーイシュによる奇襲で始まったが、ダーイシュ戦闘員が町内に潜伏していたのか、潜入したのかは定かでないという。

一方、同監視団は、スィッリーン町を制圧した人民防衛隊と「自由シリア軍」、住民約150人に対してダーイシュ(イスラーム国)のメンバー・協力者だとの嫌疑をかけて拘束、アレッポ県北東部に連行るとともに、その家族を「強制移住」させようとしている、と複数の活動家、地元住民が指摘していると発表した。

また、タッルアラン村一帯では、シリア軍、国防隊がダーイシュと交戦する一方、ダーイシュによって包囲されているクワイリス航空基地一帯をシリア軍が空爆した。

他方、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のマンビジュ市一帯をシリア軍が重点的に空爆した。

シリア軍はまた、アレッポ市東部の航空士官学校一帯、クワイリス航空基地一帯、サフィーラ市一帯で、ダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線が占拠するヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯で、シリア軍がPFLP-GCとともにダーイシュと交戦した。

クッルナー・シュラカー(7月31日付)によると、この戦闘で、PFLP-GCの民兵多数が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサアン・アスワド村を砲撃する一方、ジャズル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(7月30日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市の南部郊外一帯、タッル・ブラーク町で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、サナーディード軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(7月30日付)によると、ハサカ市南部のズフール地区、パノラマ交差点一帯、バースィル交差点・パノラマ交差点間で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊、ズフール地区北西部を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市のハラビーヤ交差点、サーリヒーヤ村などのダーイシュ(イスラーム国)拠点などに空爆を大内、子供2人を含む10人が死亡した。

一方、ダーイシュはブーカマール市で、アッラーを侮辱したとの罪で男性3人を斬首刑に処した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるラッカ市郊外の第17師団基地を空爆した。

AFP, July 30, 2015、AP, July 30, 2015、ARA News, July 30, 2015、Champress, July 30, 2015、al-Hayat, July 31, 2015、Iraqi News, July 30, 2015、Kull-na Shuraka’, July 30, 2015、July 31, 2015、al-Mada Press, July 30, 2015、Naharnet, July 30, 2015、NNA, July 30, 2015、Reuters, July 30, 2015、SANA, July 30, 2015、UPI, July 30, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がアレッポ県のトルコ国境地帯で米軍の教練を受けた「穏健な反体制派」司令官ら8人を拉致する一方、ダーイシュ(イスラーム国)、YPGと交戦(2015年7月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、ARA News(7月30日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が、トルコで米国の軍事教練を受けた「穏健な反体制派」を拉致した。

拉致されたのは、第30師団司令官のナディーム・ハサン大佐以下8人で、トルコで米軍の軍事教練を受けた「穏健な反体制派」54人を構成するメンバーで、バーブ・サラーマ国境通行所を経由して、トルコからシリア領内に潜入していた。

彼らはこの日、アアザーズ市での会合に参加していたが、会合を終えて、本拠地であるマーリキーヤ村に帰還する途中、アアザーズ市郊外のサジュー交差点でヌスラ戦線によって拘束されたという。

しかし、クッルナー・シュラカー(7月30日付)は、複数の地元活動家の話として、ハサン大佐らが、マーリキーヤ村の本部に帰還後、マーリキーヤ村に進入したヌスラ戦線によって拉致、連行されたと伝えるとともに、第30師団メンバーのほかにも、タウヒード旅団の元司令官アブー・ハーディー氏も逮捕されたと報じた。

第30師団は、トルコで米軍の軍事教練を施した「穏健な反体制派」が米国の支援を受けて、最近創設した武装集団で、戦闘員の多くはトルクメン系シリア人だという。

一方、アレッポ県マンビジュ市一帯を拠点とし、「自由シリア軍」幹部のファルハーン・ジャースィム氏と近しいという活動家アブー・ウマル・マンビジー氏は、フェイスブックで、ハサン大佐らが「3日前にヌスラ戦線の本部で会合を行うための調整を行っていた」としたうえで、「米国の工作員だと疑われて、逮捕された」と綴った。

また、会合参加前にも「彼らとヌスラ戦線の間には問題が発生していた…。第30師団司令官らは(トルコの)キリスからアアザーズ市に入ってきたため、ヌスラ戦線の検問所は意表を突かれ、彼らは国境通行所にある…ヌスラ戦線の本部に連行された」とも付言した。

なお、クッルナー・シュラカーによると、第30師団のハサン大佐は、シリア国内での任務(ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘)などについての調整を行うため、シリア派遣前にカタールを訪問していたという。

クッルナー・シュラカーは、西側諸国が、第30師団などの武装集団を「シリア国民軍」の中核を構成することで合意していたが、この方針が、各地でファトフ軍を主導するヌスラ戦線の政策や活動との軋轢を生んだのだとの見方を示している。

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シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町近郊のバッル村一帯で深夜、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ARA News(7月30日付)によると、アレッポ県アフリーン市郊外のジンディールス町およびイドリブ県のトルコ国境地帯に位置するアティマ村一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とシャームの民のヌスラ戦線が交戦した。

人民防衛隊に近い複数の消息筋によると、戦闘はヌスラ戦線が両村近郊のクルド人の村落を襲撃したことをきっかけに発生したという。

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米中央軍(CENTCOM)は、7月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して41回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は24回におよび、ハサカ市近郊(7回)、ダイル・ザウル市近郊(17回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, July 30, 2015、AP, July 30, 2015、ARA News, July 30, 2015、Champress, July 30, 2015、al-Hayat, July 31, 2015、Iraqi News, July 30, 2015、Kull-na Shuraka’, July 30, 2015、al-Mada Press, July 30, 2015、Naharnet, July 30, 2015、NNA, July 30, 2015、Reuters, July 30, 2015、SANA, July 30, 2015、UPI, July 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.